2008年11月16日日曜日

映画『ホットファズ -俺達スーパーポリスメン!-』 ・・・紳士の国からやってきた犯罪アクション映画だそうです

●原題:Hot Fuzz
●ジャンル:アクション/コメディ/犯罪/ミステリー
●上映時間:121min
●製作年:2007年
●製作国:イギリス/フランス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:エドガー・ライト
◆出演: サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジム・ブロードベント、ティモシー・ダルトン、
パディ・コンシダイン、ビル・ナイ、その他大勢


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 当初スルー予定だったのが熱心なファンによる署名運動から劇場公開となった作品です。しかし全国公開とはいかなかったようで、どうせ地元なんてスルーだよな、と思って諦めていましたが、最近になって突然の地元公開となりました。結局は全国巡業されたのでしょうか。DVDもそろそろ出ようかという時期に驚きでしたが、ぜひ大画面で堪能したいと思い観に行きました。

【ストーリー】
 イギリス。ニコラス巡査はロンドン警察で検挙率400%を誇る優秀な警察官。ある日のこと上司から田舎町サンドフォードへの左遷を食らってしまう。理由は優秀すぎる存在が邪魔臭くなったから。意気消沈のニコラス巡査はなんとか任務を全うしようとするも、田舎町ではその生真面目さが逆に空ぶってしまい同僚達からはバカにされ放題だ。そんな状況に殺人事件が連続して発生。捜査していくうちにただの事件でないことに気付くニコラス巡査。サンドフォードには恐ろしい秘密が隠されていたのだ・・・。

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【感想と雑談】
 ホットファズって”熱いポリ公”て意味らしいが、まさにこのホットファズが田舎町で大活躍するという大変面白い映画であった。

 オープニングからサイモン・ペッグ演じる主人公ニコラス巡査の高性能さがテンポよく描かれる。驚異の検挙率400%という活躍ぶりだ。この時に流れるBGMもアダム・アントだったりしてハートも鷲掴みだ。

 あまりにも優秀すぎるので逆に邪魔者扱いにされたニコラス巡査は、ロンドンから田舎町のサンドフォードに左遷されてしまう。都会出のガチガチに優秀な警察官が、田舎町で奮闘しながらそこで渦巻く陰謀を暴いていくところが本作の大筋である。

 前評判からバカでハチャメチャな内容を想像していたのだが全然違っていた。アメリカ映画みたいなバカ度を期待すると肩透かしを食らうかもしれない。でもこういうイギリス映画ならではのノリも凄くいいと思った。真面目なニコラス巡査とは対照的に、田舎町の住人らが大らかだったり警察署内では事件に対して適当だったりと、誇張されるところもあってお笑いになってはいるのだけど、そういう背景にもシットリした影を感じるし、どこか落ち着いた印象を受ける。さすが紳士の国イギリスだ。

 ニコラス巡査が町に来て早々にあるスーパーマーケットの社長と出会うのだが、この社長役を見て完璧にこの映画の評価が決定された。これは大傑作だと。その役者とは4代目のジェームズ・ボンド役をやられたティモシー・ダルトンである。『007/リビングデイライツ』と『007/消されたライセンス』の2本のみだったけど、これが凄く好きだった。ロジャー・ムーアのおちゃらけボンド役のイメージを覆した貴重な役者だったが、ある理由で製作側と問題を起こしたらしく残念ながら2本で終わってしまった。特に『~消されたライセンス』は自分の中で007シリーズのNo1になっている。本作では当然老けてただのスケベ親父にも見えたが(笑)、未だ元気に現役として演じているのが嬉しかった。

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 それまでの展開からも面白さバッチリだったが、とにかくこのティモシー・ダルトンが出てきた瞬間からワクワク度が急上昇して最後まで全く飽きることなく観ることが出来た。結構重要な役だったし。勿論、この役者を知らなくてもしっかりした内容なので面白く感じると思うけど、自分の場合は思い入れがありすぎてちょっと見方がズレたかもしれない(笑;)。

 この田舎町には以前にも都会から警官が派遣され、結局脱落した経緯があるのだが、ニコラス巡査だけは鋼の精神力で徐々に新しい風穴を開け、裏に潜む邪悪な存在に迫り対決することになる。
 事件なんて起きねえ、大抵は事故だべ、と警察も住人らも人の死に疑いなく接する田舎町だが、実はそれを扇動する非常に閉鎖的で排他的な風土や気質もあって、ある目的の理由を聞けば意外なほど単純だったりする。絵空事でもないような異常性もあって、これらが展開に深みやメリハリを与えているのだと思う。

 クライマックスはドンチャン騒ぎとなり一気に結末へと向かうが、この辺りのサービスぶりは気持ちがいい。まだ続くのかよ!と思えるくらいに怒涛の展開だ。最高。

 監督のエドガー・ライトに主演のサイモン・ペッグはゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』で一躍有名になったコンビ。本作では犯罪アクション映画へのオマージュたっぷりで、どこかで観たようなシーンが盛り沢山。ゾンビは出てこないのだけど、突然に残酷なシーンが出てきたりするので、ただの犯罪ものと油断しているとキツイ一撃を食らいます(笑)。
 そういえば、ケイト・ブランシェットにピーター・ジャクソンがカメオ出演していたらしいが、これっぽっちも気付かなんだ。かなりわかりにくい出番だったとか。しかし素晴らしい人脈ですね。

 久々に『ショーン・オブ・ザ・デッド』を観直してみたら、田舎町で相棒の警官役となるニック・フロストも同じく相棒役として出ていたのだった。すっかり忘れてます(笑;)。しかし、本作で警官役をやったサイモン・ペッグはえらく顔付きが変わっていた。老けたというか貫禄が付いたというか。年も経てば当然てやつかな。ただし初めての厳格でシリアスな役柄だったらしく、かなり努力をされたとのこと。それが表情に出たのかもしれない。とにかく役者の鑑です。

 DVD発売は12月初旬とのこと。もうすぐです(笑)。

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17 件のコメント:

  1. こんにちはぁ。(*^^)v

    記事を読ませていただいてると、食指が動きます。レンタル屋さんに今度行ったら、探してみます。

    >紳士の国から・・・

    って、紳士じゃない層を描いた作品のほうが圧倒的に面白いんですけどねえ、不思議と。

    だから、期待しちゃいますね。

    全ポチ!しときましたぁ。
    いつも、ありがとう!

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  2. もうすぐですね!DVDが楽しみです。英国調コメディ大好きです。

    007といえば私はブロスナン好きです。探偵レミントン・スティールの頃から彼が大好きで、やっとボンド役を引き受けたときには嬉しくて顔真っ赤でした。

    ダルトンのボンド、観てないかもしれないや。観ます、観ます。

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  3. 追伸:
    ところで上のMr.放題さんは船沈めちゃうんですか?ビーム!!今後の展開を楽しみにしとります。

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  4. >よーじっく様
    どうもです^^
    イギリス映画って独特の雰囲気があっていいですよね。多く観ている訳ではないのですが、客船に爆弾を仕込む「ジャガーノート」なんてインパクトがあって好きでした。
    今回の「ホットファズ」はイギリスならではのユーモアも効いていて良かったです(笑)。ちょっとモンティ・パイソンを思い出すかな^^
    ぜひDVDでご覧になって下さい~♪

    いつも応援コメントありがとうございます!♪

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  5. >P様
    どうも!^^
    英国調コメディ好きなら大丈夫!十分楽しめると思いますよ。
    ピアース・ブロスナンも007役としてハマってましたね。あ、元々007オファーがあったのにその探偵レミントン・スティールの再開でダルトンに譲った訳ですか。うーむ、これがなければダルトン007はお目にかかれなかったのか・・・。
    ブロスナンの「ノーマッズ」っていうビデオ持ってるのですが、なかなかワイルドでよろしいです(笑)。
    ダルトンの「消されたライセンス」はスプラッタ版007なので、要注意ですぞ(笑;)。

    それから、Mr.放題へのツッコミありがとうございます(笑)。たぶん想像は当たってますので、温かく見守ってやって下さい。とりあえず経緯を最下層に並べるようにしてます^^

    いつも応援コメントありがとうございます!♪

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  6. DVDが待ち遠しいです。オーメンあり、ウィッカーマンあり、ハリウッドポリスアクションありと、ショーン~より面白かったです。

    昔って、どこの文明も"生贄じゃ~"と生き埋めにするの多いですよね。日本でも橋作るときに人柱にしたり… えげつない時代です。パソコン壊れて四苦八苦でした。しんど…(泣)

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  7. これは映画館で観ましたですよ。

    私ももっとおバカでお下劣なドタバタコメディを想像してたのですが、いい意味で期待を裏切られました。

    特に車イスのババアが拳銃ブっ放しながら迫ってくる場面が今も忘れられません…

    私のダルトンさん初体験は「フラッシュ・ゴードン」の森林惑星の王子役です。
    クイーンがサントラを担当していたのが有名で、やたらと派手な映画ですが、ここでもダルトンさんは渋い演技をしていたのを憶えています。

    当然、応援ポチ!!

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  8. >Whitedog様
    DVDもうすぐですね^^
    オーメンってあれかなぁ、凄いシーンがありましたね。驚きました@@
    しかし、ああいう組織ネタは実際にありそうで、ちょっと怖くなりますね。
    『ショーン~』は改めて観たら、初めての時よりも楽しめちゃいました。センスを感じます(笑)。

    パソコンいってしまいましたか!?それは大変でしたね(笑;)。ちょっと調子が悪くなった程度ならいいのですが、即死されるとたまりませんよね。大事なデータはバックアップせねば!

    いつも応援コメントありがとうございます♪

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  9. >快福や様
    観にいきましたか!さすがです^^
    そうですね、想像してたのと違いましたね。でも全然OKでした。ああいうのも有りですね!2丁拳銃のババアが正面から突っ込んでくるとこインパクトありました(笑)。

    あー、「フラッシュゴードン」のダルトンですか!口髭がダンディな役でしたよね。懐かしい~。クィーンのテーマ曲は一度カラオケで勝負したいものです(笑)。
    ダルトン、干された後「ロケッティア」でハリウッドサインに突っ込んでました。悲しかったです(;;)。

    いつも応援コメントありがとうございます♪

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  10. この作品ちょっと見たいな~と思ってましたが、私の地元では公開されなかったので忘れてました。
    DVDが出たら見てみたいと思います。

    応援ポチ♪

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  11. >DAI様
    公開されませんでしたか。それは残念です。やはり全国とはいかなかったのですね・・・。
    とてもよく出来た英国コメディだと思います。もしDVDを観られたら感想聞かせて下さいね。もうちょっとで出ますよ^^

    いつも応援コメントありがとうございます♪

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  12. こんばんは!(。・ω・)ノ

    この映画、盛りだくさんで面白かったです。
    ギャグ混じりのノリで進むからコメディかと思ってみてたら、意外に過激なゴア・シーンが出てきたり、後半は馬に乗って颯爽と戻ってくるニコラス巡査で西部劇?って思うと、過激な銃撃戦になって、それがまた舞台を変え、趣向を変えてこれでもかと続くので、知らない間にワクワクしっぱなしになってました。

    相棒が意外に良かったですよね。主人公がエリートなので、最初は鈍そうで冴えない田舎の警官くらいにしか見えないんだけど、村の共同体につくかどうするか悩みながらニコラス巡査を逃がす辺りから、ニコラス巡査との絆が見え始めてきて、凄い重層的なキャラクターになっていくのがかっこよかった。
    この人「ショーン~」にも出てたんですか?
    umetramanさんと一緒で全然覚えてなかったです。わたしも「ショーン~」もう一度観直して見ようっと。

    サイモン・ペッグって見た目で時折アンソニー・ホプキンスを思い浮かべてしまいます。

    上の絵、また変化してますね。この前船がビームを受けてたのが、またちょっと変わってきてる。どうなるんでしょうか(笑

    応援ポチ~♪

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  13. >薄荷グリーン様
    2時間もありましたがダレることなく観れましたね。もう詰め込みすぎの盛りだくさんでしたよ^^。
    ニコラス巡査、村に戻って早々に村人のジジババはねましたよね?カマしてくれますねぇ。
    ゴアシーンはホント過激でした。あそこまでいくとアッパレです!
    最後の方も、あ!まだここが残ってたのかよ!みたいな展開になって、楽しみが延々と続く感じでしたね(笑)。

    相棒役、「ショーン~」でも主役級でした。なんで忘れてしまったんだろう(笑)。芸達者な人で「ショーン~」のメイキング見ると、サイモンがマジ笑いしてるんですよ。ホント楽しいんだろうなあ。
    「ホットファズ」のおかげで「ショーン~」の観方が変わってしまったようです(笑)。

    トップの絵はこれから破壊活動に入りたいと思います(笑)。

    いつも応援コメントありがとうごさいます♪

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  14. 今晩ゎ☆彡極寒日和したね今日。明日はもっと冷えこんぢゃぅらぴぃデス。ヒィ~。
    あ~!!ページ上の絵がまた変わってるよ!(☆∇☆)
    豪華船に穴が空いて黒々とした煙が上がってるねー!!!!!!!!!!
    こぅいぅ楽しませ方されてるブロがーさんって
    他に居ないんぢゃナイかと思いマッス!
    さすがIT系、umetramanさんッ☆彡脱帽♪m(__)m
    お互い自重自愛しましょぅね~ん♪ (ノ´▽`)ノ 

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  15. >RUBY♪様
    どうも^^
    いやあ、冷え込みました><。今日、飲みに行ったのですが、酔いも吹き飛ぶ寒さでしたね。明日、雪でも降るんじゃないかなあ(笑;)。
    豪華客船、穴開いて煙吹いてますね。実はこの船、石油をたんまり溜め込んでいるのですよ。前方には氷山が出現しました。さて、この豪華客船の運命は!?@@
    こんなバカ絵ですけど、ちょっとでも楽しんで頂けたらなと思います(笑;)。とりあえず、一番下にバカギャラリーとして並べることにしました。4コマ漫画みたいに見えるかな?(笑)。

    また急激な気温の変化ですので、体調には気をつけていきましょう♪

    いつも応援コメントありがとうございます♪

    返信削除
  16. はじめまして。
    Hot Fuzzは小ネタが楽しい映画でした。ゲストも一杯で、ケイト・ブランシェットもどこに出てるんだ!って贅沢な使い方でした。
    ティモシー・ダルトンって007の頃からするとずいぶん顔変りましたね。
    おっしゃるように作品に厚みが出たのは彼のお陰ですね。(でも、ダニエル・クレイグもお色気むんむんで良いですよ。)

    折角私のblogにコメント頂いたのに、失礼な事になってしまい申し訳ありませんでした。

    返信削除
  17. >lifeonmars様
    どうも!いらっしゃいませ^^

    ホットファズはギリギリ大画面で観られてよかったです♪
    そうそう、ケイト・ブランシェットが出ていると知りながら、結局見つけられずで非常に悔しい思いをしました(笑;)。
    DVDで要チェックですね!

    ティモシー・ダルトンの「007/リビングデイライツ」はカッコよくて大ハマリだったのですが、もう20年以上経ちますからね、面影木っ端微塵ですね。でも嬉しかったですよ。
    ダニエル・クレイグは新作で拝ませてもらいましょう♪

    失礼なことって、そんなのよくあることですよ。気にしない気にしない♪私も時々操作が危ないし(笑)。

    応援コメントありがとうございました♪

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