2008年6月28日土曜日

映画『ウェスト・オブ・ザ・デッド』 ・・・”ゾン流”ブームの最新作だそうです(当時の予告編では)

●原題:All Souls Day: Dia de los Muertos
●ジャンル:ホラー/スリラー
●上映時間:88min
●製作年:2005年
●製作国:アメリカ
●言語:英語/スペイン語
●カラー:カラー
◆監督:ジェレミー・カステン
◆出演:ダニー・トレホ、ジェフリー・コムズ、その他大勢
◎評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆

ゾン流ブームにはヘタに乗っかりたくないものだが、つい出演陣に惹かれてしまった(笑。

【ストーリー】
1892年のメキシコ。サンタボニータ村の炭鉱から古代遺跡”死の女神”が発掘される。村の有力者ディアスはこの日を”死者の日”と定め村人全員を祝福。発掘のご褒美を受け取れと村人全員を炭鉱に誘い込むと入口を爆破し生埋めにする。何かを企んでいるらしい。
その50年後、サンタボニータ村にあるアメリカ人家族が旅行にやってくる。家族は寂れたホテルに泊まるが、深夜に怪奇現象に見舞われ、外に飛び出すと無数の怪しい連中に襲われてしまう。
更にその53年後、ドライブ中のカップルがガソリン補給の為にサンタボニータ村に立ち寄る。突然、前方に行列が現れ間一髪で避けるが、壁に突っ込んだ車は大破。その勢いで行列が担いでいた棺から女が転がり出る。慌ててカップルが近寄るとその女は舌を切断されていた。何かの儀式に向う途中だったようだ。
村の保安官に対応してもらうも、あまり緊迫感が漂ってこない。おかしな村だと思いつつも足が無くなってしまったカップルは村のホテルに泊まることにするが、そのホテルもホテルで従業員のババアは言葉が通じないし女将は挙動不審ときている。携帯電話で友人に迎えに来るよう頼んだカップルはのんびり待つことにするが、怪奇現象に見舞われたり血だらけの部屋を発見したりと散々な目に会ってしまう。やがて友人のカップルが駆け付け合流するのだが、これから彼らは昔からの大量虐殺の怨念が引き起こす一大事件に巻き込まれていくことになる・・・・・。

【感想と雑談】
安っぽい出来かと思っていたが、結構お金をかけてるようだ。映像だけは。ステディカムとかクレーンを使ってダイナミックな撮り方をしているし。
内容的にはゾンビものというより純粋なホラーに近いかもしれない。戦慄のウェスタンホラーって謳われているし(笑。
100年以上も前に起きたサンタボニータ村での忌まわしい事件が現代になっても引きずってる訳だけど、有力者ディアスによって命を落とした者が亡霊となって怪奇現象を起こすというビックリ要素も大きい。例えば少年の亡霊は顔を真っ白に塗りたくって女の子を脅かす(引用①)。その際”フニャァ~!”と叫んだりする。これは『呪怨』の影響大?

ゾンビは一応出てくるのだが、冒頭で炭鉱に生き埋めにされた村人達がワラワラと外にさ迷い出てくるだけだ。闇夜にホテルの周りを徘徊しているだけで姿もはっきり見えない。何人かは襲われて食われるんだけど、群がるゾンビらを遠めに映す感じなので、血も殆ど映らない。チラチラ見られる顔のメイクは結構いい感じなんだけどな。もっとゴアなシーンがあれば良かったのに。肝心のゾンビ要素がこれではダメだ。残念である。

現代のカップルとその友人らが村のホテルに篭りいかに脱出するのかが最大の見せ場なんだけど、どうも彼らのおかしな設定や行動のせいで盛上がりに欠けてしまった。中途半端に真面目でゴージャスな出来にしているので、ちょっとしたことが鼻に付いてしまう。極端に常識から逸脱していれば、割切って別の楽しみ方があったりするのだけど。

そうそう、一箇所だけぶっ飛んだシーンがあった。カップルの友人の女が一人ホテルを飛び出し車を取りに向うのだが、いきなりホテルのヒサシに逆上がりで飛び乗り(パンツ見え)、ダッシュしながら空中一回転し、着地後にゾンビの群れと戦うのだ。『バイオハザード』のアリスか。チアリーダーという設定ではあるものの浮きすぎた展開に笑ってしまった(笑)(引用②)。

ストーリーのキーになっているダニー・トレホだけど随分と丸い役柄だった(引用③)。ギンギラギンの金持ち姿で”エンジョォ~イ、エンジョォ~イ、イエェ~イ♪”と叫んだりしてトレホらしからぬ浮かれた役をやってたりする(笑。やっぱしこの人には凶悪面の殺し屋をやって欲しいよね。
それと、懐かしやジェフリー・コムズを拝むことができた。この人『死霊のしたたり』と『さまよう魂たち』がまず思い浮かぶのだけど、他のマトモな作品にも出てたりするのかな。本作では50年代アメリカの典型的家族のパパを演じている。車を運転中に”ママの水着姿を見たいよ♪”と熱くのたまうと後部座席の娘にしかめっ面される(笑)。残念ながら早々と消えてしまう役だったが(引用④)。

昔のメキシコで起きた大量虐殺の被害者が現代の”死者の日”に蘇り人々を襲うというのは、なんとなく『マニアック2000』(旧『2000人の狂人』)を思い出してしまう。本作の方がゾンビありアクションありと見栄えのある作品になっているはずなのだが、どっちが面白い?と聞かれればやっぱりチープでありながら一貫して陽気な中にも狂気と不気味さが出ていた『マニアック2000』を挙げてしまうかな。

ゾンビ映画を期待すると見事にずっこけてしまうダメ映画なのであった。 頑張れトレホ。


①これが少年の亡霊。鏡に映りこむパターンはこの他にもあるが、ここではエフェクトをかけすぎて女の子の顔まで歪んでしまっている。加減しろよな。ところで少年、下からライト照らしてるし(笑。やっぱ呪怨かなこれ。


②出ました。これがチアリーダーのヒサシ逆上がりのシーン。白いパンツが眩しいです、非常に。そして手前のゾンビ、勢いで蹴られてます(笑。


③極悪人ダニー・トレホが村の有力者を演じているが、なんかの詐欺師みたいだ(笑。この人、体格良いんだよね~。


④ハンドルを握るジェフリー・コムズ。この人どんな役やっても、神経質で傲慢な面が強調されそう。本作では一般家庭の割と良きパパを演じていた(と思う)。隣のキレイな人は奥さん役の人。これなら水着姿を見たいと言ってもいいかなあ♪それと後部座席に注目(笑。

© 2005 All Souls Day Inc.
【出典】『ウェスト・オブ・ザ・デッド』/ジェネオンエンタテインメント株式会社

にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ ←ダニー・トレホが気になり出したらこれを押してみましょう♪


ブログパーツ

2 件のコメント:

  1. こんにちはー。コメントありがとうございましたー。
    すごいマニアックですね。
    私、ゾンビとかBホラーが好きです。
    ゾン流っていうんですか?初耳っす。
    観てみたいなぁこれ。
    でも現在ツタヤが高い地域だからレンタル行かなくなりました。ちぇ。

    返信削除
  2. p様

    こんにちは。コメントありがとうございます!日本の方で初めてのコメントなのですよ。ありがたや!
    さて、ゾン流はですね、オマケに付いてた予告編で、”「ドーン・オブ・ザ・デッド」、「ランド・オブ・ザ・デッド」に続く”ゾン流”ブームの最新作!”って宣伝されてるんです。それだけなんです。中身はどーしようもないヘッポコ映画で(笑)。
    なんか最近こういうのばっか観ていてマトモな映画に手が伸びません。ヤバイです。実に(笑)。
    ツタヤって火曜と木曜は半額デーでなかったですか?私はこの日を狙って通ってますよ。

    返信削除