
●ジャンル:アクション/SF/スリラー
●上映時間:105min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ポール・W・S・アンダーソン
◆出演:ジェイソン・ステイサム、ジョアン・アレン、タイリース・ギブソン、ナタリー・マルティネス、イアン・マクシェーン、その他大勢
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年末のこの時期は、忘年会の時期でもあります。暴飲暴食には気を付けるようにしましょう。あと飲酒運転、これは絶対にダメ。これが守れない人はターミナル・アイランドに送られてデスレースの餌食になります。マシンガン・ジョーにギタギタにされます(笑)。
【ストーリー】
2014年。世界情勢が悪化し刑務所の運用が民間企業に委託されるようになったアメリカ。孤島の刑務所ターミナル・アイランドでは、定期的にデスレースが開催され、世界中から人気を集めていた。デスレースを仕切るのは女所長のヘネシー。レースのネット配信による収益が全てという冷徹女だ。
ある日、製鉄所をクビになったジェンセンは自宅で何者かに襲われる。気が付けば傍らには息絶えた妻がいた。逮捕されたジェンセンは妻殺害の罪を着せられターミナル・アイランドに投獄される。それはヘネシーの仕業だった。人気ドライバーのフランケンがデスレース中に事故死したが、世界中のファンに気付かれる前に代役を立てようと、元優秀ドライバーのジェンセンに目を付けたのだ。フランケンは元々覆面ドライバーだったので運転が上手いヤツなら誰でもいいのだ。
初めは抵抗するジェンセンも、デスレースに勝利すれば釈放となることを条件にフランケンの代役を飲むことにする。デスレースに出場するのは囚人らによる複数のチーム。どいつもこいつも物騒なデスカーを用意し殺気立たせていた。特にマシンガン・ジョーはフランケンをライバル視しており鼻息も荒い。遂にスタートするデスレース。果たしてジェンセンはターミナル・アイランドから無事に出ることができるのか・・・。
【感想と雑談】
言うまでもなく’75年製作の『デスレース2000』(旧『デスレース2000年』)のリメイクである。予告編の動画を観た時に不安を感じたものの、ちょっとは勢いがあるんじゃないか?ということで、気持ち期待して観に行った。
そしたら、勢いがありすぎた。
なんだこれは。凄く面白いじゃないか。参った!
オリジナルは70年代のヘナチョコさとレースの不謹慎さが合体した素敵な作品だった。大統領が敷く独裁政治によって毎年デスレースが開催され、キバが生えたデスカーが公道の一般人を轢いては点数を競ったり、シルベスタ・スタローン演じるマシンガン・ジョーがブーイング嵐の観客に向かってマシンガンを掃射したり、テレビ局がバラエティ的に大放送したりと、これらを能天気に描いていて大バカのマックス値。 リメイクの本作ではこれらの設定はほぼ書き換えられていたが(というかこの設定は実現無理)、ネジが数本どころか全部飛んでしまったんじゃないかと思わせる大バカぶりは、方角を180度変えた形で健在であった。
オリジナルのアメリカ大陸横断レースに対して、本作ではターミナル・アイランドという閉じた空間でのレースとなっているが、やることは本質的に変っていない。走行中に敵のデスカーをドライバー共々仕留めながら1位を争うのが基本だが、別にドライバーが外に出れば直接轢き殺したって構わないのだ。オリジナル要素としての刑務所なので、出てくるドライバーやピットのクルーは全員囚人からなる。主人公ジェンセンが扮するフランケン(シュタイン)とマシンガン・ジョーだけが、オリジナルから引き継いでるキャラだ。役者も変ってだいぶ容姿は違うのだが、両者とも性格がオリジナルと似ている。
ジェイソン・ステイサム演じる主人公ジェンセンは冷静沈着で男気あるドライバー。フランケンに扮する時は鉄仮面を被るのだが、両耳部分からボルトが飛び出ていないのは残念。ナビゲーターのオネーチャンにはちゃっかり素顔を見せる。途中、デスカー工房で、ジェンセンは敵対するチームと喧嘩をするのだが、万力に相手の頭をブチ当てるなどして非常に痛そう。工具類が置いてある場所では喧嘩しない方がいいと思う。
タイリース・ギブソン演じるマシンガン・ジョーはいつもハイテンションでフランケン打倒を考えている黒人だ。オリジナルではただの抜け作(若かりし頃のスタローン顔を想像方)だったのに比べると、かなりマトモで話しも通じるのだが、レース中にナビゲーターがヘマをすると、すぐブチ切れ走行中に突き落としてしまう。ナビゲーターを使い捨てにする恐ろしい男ではある。
登場するデスカーが素晴らしい。どれもこれも分厚い鉄板で補強し、ボンネットには50口径マシンガンやミサイル砲を搭載、後部には妨害用の撒きビシ、煙幕、オイルなど特殊装備が満載。全体的にグレー色で統一され重量感タップリだ。因みに、オリジナルのデスカーはそれにバカを上乗せしたようで、ドラゴンや牛の顔を模したり、ロケットを背負ったりと、70年代ならではのテイストが炸裂。旧マシンガン・ジョーのデスカーには巨大な剣が装備され、これで通行人の股間をグサーとやったりして、強そうというより笑える装備であった。相当バカ。しかし、アメリカ中がこんな車が人を轢くのを観て喜んだり、轢かれた人の親族がテレビに出演すれば祝福されたりと、異様なパワー漲るオリジナルではあった。
本作の要であるデスレースのシーンでは燃えてしまった。スタート直後は特殊装備が一切使えないのだが、これはヘネシーのルールによるものだ。レースが2周目に入ったところで、ヘネシーがコース上の仕掛けを作動させる。それは路面に点在するマンホールの蓋状スイッチを踏むことで、スイッチに刻印されたシンボルと同じ装備がロック解除され使用可能になるのだ。攻撃装備が解除されれば、銃火器が薬莢をバラ撒き前方のデスカーを掃射しまくる。
しかし着弾も凄まじいのだが、墓石と呼ばれる後部のブ厚い装甲版が蜂の巣になるのを簡単には許さない。防御装備が解除されれば、オイルを撒き、後続車をスピンさせる。マリオカートか。これはオリジナルのアホなマンホールネタにインスパイアされているに違いない。たぶん。とにかくド派手なレースだ。
本作で最もぶっ飛んだキャラは、悪役の女所長ヘネシーである。オリジナルの大統領キャラとは比べ物にならない。最初はおしとやかに登場するのだが、刑務所でやたらヘコヘコされるところを見ると、タダでは済まない女であるのがわかる。ジェンセンを静かに脅迫しデスレースに出場させたと思ったら、コントロールタワーでは目の色変えて、視聴率や収益のことで頭がスパークする。側近の刑務官から「所長、ネットの視聴者が5千万人を突破しました!」とか報告されると、とても嬉しそうにする。(5千万人からのアクセスってどんなだ)
ヘネシーを演じるのは、ジョアン・アレン。
これまで何本かの出演作を観てきたが、こんな作品でこんな役をやるなんて思ってもみなかった。『インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国』のケイト・ブランシェットを越えてしまった。最強女優だ。
デスレースも中盤に入ればフランケンやマシンガン・ジョーが熱いバトルを繰り広げ、他のデスカーらもとにかく場を盛り上げる。迫力あってとても楽しいレースだ。なのにヘネシーは何を思ったか、ある最強のデスカーを乱入させてしまう。ドレッドノート(”ド級”の語源になった昔の戦艦)と呼ばれる『マッドマックス2』に出てきたタンクローリーそっくりな重装備デスカーだ。重機関銃や火炎放射器を装備し、タイヤには鋭い突起物が付いていて物騒極まりない。
せっかくいいレースをしていたのに、バカの大将みたいなドレッドノートがデスカーを蹴散らしていく。何故ここでこれを出す!?でも笑える!!この後、ドレッドノートは先のマンホールスイッチで大変な目に会ってしまい、ヘネシーは力いっぱい罵る。ドレッドノートに命を懸け自らデスレースをブチ壊すエレガントなヘネシーには笑ってしまった。最高だ、ジョアン・アレン。好きになった。
すったもんだした挙句、フランケンとマシンガン・ジョーの2名だけが生き残り、最終レースに挑むことになる。ここからオリジナルとは全然違う方向へと進みラストを迎えるのだ。オリジナルのように殺伐としておらず、またヘネシーに対するオチもキッチリ用意してあって、ここでまた爆笑ポイントが訪れることになる。スッキリした。素敵だ、ジョアン・アレン。凄く好きになった。
監督は『ソルジャー』『バイオハザード』『AVP』のポール・W・S・アンダーソン。今回もちょっとヌルめかな・・・と半分諦めていたのだが、ヌルいどころか火傷しそうになった。意外やこれまでのイメージが吹き飛んでしまった。話自体はこれまで同様にヒネリや抑揚も無く薄いものだったが、逆にこれが高いテンションを維持するのに非常にベターだったのかもしれない。ドライバーは血の気の多い連中ばっかだし、ヘネシーの悪役ぶりもストレート過ぎたりと、絵に描いたように単純。でもその単純さが勢いに乗っていて気持ちがいい。
ヘタに凝ったドラマで奥深さを出そうものなら、魅力は間違いなく消し飛ぶに違いないのだ。このバランスによる異常なノリは、ポール・W・S・アンダーソンにしか出せないのかもしれない。はっきり言って勢いだけの作品だが、いいものはいい。これからも頑張って欲しいです。『デスレース2』を作るなら応援します。あと、ジョアン・アレンも。
これからご覧になられる方は、エンドクレジットは最後まで観た方がいいです。ジョアン・アレンのオマケが待ち構えています(笑)。
こちらに『デスレース2000』のショボイ記事があります。よろしければどうぞ(笑)。


私『ソルジャー』大好きっ子。
返信削除なんだか意外にも面白そうじゃあないですか!俄然観たくなったdeathよ~。行きつけの映画館では上映していないので、お出かけせねばならんのが腰の重いところdeath。うーん…スクリーンで観ておきたい映画かも…。
なんかミニ四駆のアニメみたいですね~
返信削除私がはまっていた時は、勝手に右に左にと動く不思議なミニ四駆のアニメでしたが、
大人になってみた奴は凄かったです。
横のバンパーからチェンソー出たり火吹いたり、草狩り機みたいの出たりして。
まぁ最後は竜巻き起こしたり、摩擦で火まみれにしたり凄いミニ四駆になっていたわけですが、似てますね~
こういう映画好きなんで今度探して見てみますw
こんばんは!
返信削除いつものポール・W・S・アンダーソンじゃないみたいですね(笑
こういう設定自体がぶっ飛んでるお話って好きです。それで、その設定を十分に生かしきれてる出来になってるならさらに好き。記事読んだ感じだと、この映画どうも設定を上手く生かしきることに成功したような感じですね。
悪の女所長っていうのも良いなぁ。絵に描いたような悪役みたいなのでさらに良さそう(笑
umetramanさんがおっしゃるように、こういう役は妙に複雑なキャラクターにすると映画のタイプによっては勢い落ちてしまうんですよね。
記事読んでいて、マンホールのスイッチとか、ビデオゲームみたいだなぁと思ってたら、きっちり「マリオカート」って単語が出てきたので笑ってしまいました。
応援ポチしてきますね ☆
こんばんは。
返信削除わたしこれ、とっても見たい~~!
予告編を動画サイトで見ただけで、アドレナリンが(笑)
車のデザイン最高! この手作り感がよいです。気分はそれこそ「マッドマックス2」
80年代な感じは、やっぱりいいなぁ。
カーアクションも、クラッシュも本物でないと、血が騒ぎませんよね。
>P様
返信削除なんと!!
「ソルジャー」大好きっ子でしたか!
無表情のカート・ラッセルを、元祖スタントマン・マイクと考えると、車ネタの「デスレース」に繋がりますぞ。強引です(笑)。
すみません、ポール監督を甘く見ておりました!
それにしても、近くでやっていないとは残念。
元気が出る映画だと思うのですが、相変わらず扱いが冷たいジャンルです。
応援コメントありがとうございました♪
>もじゃもじゃのっぽ様
返信削除ミニ4駆アニメに似ているのですか@@
私は観たことないのですが、その内容からすると確かに似てますね。
チェーンソーや火を噴くというのは、カーアクションの基本ですね。竜巻も牛を一緒に飛ばしてもらえると完璧です。永遠の夢です(笑)。
まだ劇場新作ですので、よろしければオリジナルの「デスレース2000」をチェックしてみてください。ふざけた車が満載ですがロッキー前のスタローンが弾けてて素敵な作品です(笑)。
応援コメントありがとうございました♪
>薄荷グリーン様
返信削除どうもです!
もう、ポール監督サイコーです(笑)。
書き忘れたのですが、ナビゲーターって大抵が女性なんです。で、囚人を使わないといけないので、レース前になると女看守が運転する護送車で女囚人がやってくるのですが、その登場の仕方がもうなんていうか、やっぱりバカなんです。そんな女囚人いねーよ!って(笑)。
作った連中も頭がスパークしてるんじゃないかと思えるくらいバカ映画でした♪
アメリカ人にマリオカートを作らせたら、絶対こういう内容のゲームにするでしょうね。
こういうノリはゲームでも昔からやってるので、間違いなく「デスレース」はゲーム化されるでしょう。マリオカート凶悪版ですね(笑)。やってみたいですね。L2ボタンでネビゲーターを突き落とすとか(爆)。
応援コメントありがとうございました♪
>dolitea様
返信削除どうも!
さすがdolitea様です。
ぜひ観て頂いて、ジェイソン・ステイサム同様にアドレナリンを爆発させて下さい。実際「アドレナリン」と被るかもしれません(笑)。
そうそう、これも書き忘れたのですが、CGを殆ど使ってなくて、実写の生の迫力なんですよ!仰る通り血が騒ぐってヤツです。
車同士の銃撃戦なんて初めて見ました。鑑賞中ずっと スゲー!@@ でした。
応援コメントありがとうございました♪
かみさん、子供とは見れない映画なので
返信削除こっそり見に行かないといけないかも??
我が家でこの手の映画を見るのはアダルトを
見るより困難です(笑)
冷徹女看守に応援です!!(^^)v
>take51様
返信削除ええええ@@
これホームシアターで観ることできないのですか!?
うーん、残念。大迫力のカーアクションなので、
さぞや爆音も響き渡るだろうなあ、と。
しかし、アダルトよりも観るのが困難って、
ある意味そんな感じがしますけどね(笑;)。
冷徹女看守、最強でした・・・って、別に超人とか
そういう最強じゃないんですけどね(笑)
応援コメントありがとうございました♪
こんにちはぁ、(*^^)v
返信削除なんか面白そうですね。!!!
映画館でポスターを見たときは、全く気にも留めなかったけれど、umetramanさんのレビューを読んだら、俄然観たくなりました。
今年は無理そうなんで、やっぱりDVDかなぁ。やはりサラウンドで、ちゃんと見るべきでしようか?
最近、DVD鑑賞もたまにはするけれど、アンプの電源入れないで、そのまま見ているからなぁ・・・。(^_^;)
応援ポチッとね。(@^^)/~~~
こんにちは!
返信削除自分も見ましたよ^ ^
(大したことは書いてませんが)
ヘネシーは何とも憎々しかったです。
クレジット後は見そびれてます。。
ガツンと応援!
>よーじっく様
返信削除どうもです!
面白かったですよ!
ポスターはなんか伝わってきませんよね~。
中身はも~う、かまされ放題!!
ぜひDVDでご堪能下さいまし^^
オリジナルとセットで観られると、また
楽しみも増えるかな、と(ホントか??)。
サラウンドをガンガン利かせて爆音響かせ
ましょう~(笑)。
応援コメントありがとうごさいました♪
>kiona様
返信削除どうも!!
ご覧になりましたか!?
楽しかったですよね~^^
ヘネシー憎かったですが、まさかあんな
ラストを迎えるなんて。単純すぎ(笑)
クレジットはまあ、そんな期待するほど
でもないので。大丈夫ですよ(笑;)
なんだかまた観たくなってきました^^
応援コメントありがとうございました♪
あ!観ましたか!
返信削除いいですねぇ~。
これ観るなら映画館だっておもっているのです。迫力ありそうなので。
この冬、ホラー作品が多数にデスレースにと観たい映画目白押しなのですが、丁度仕事が忙しくて、いけないんですよね・・・。
只今、連続2週間働き中・・・。
年末に、地球が静止する日でも観にいくかなぁ~。
ぽち!
>とら次郎様
返信削除どうもです!
映画館で観るとやっぱり迫力ありますね^^
ぜひ観て頂きたいですが、仕事となるとまた仕方がないですよね。
DVDでも十分楽しめると思いますので、リリースを待ちましょう!(そんなに長続きしそうもないので 笑;)
しかし連続2週間とはまたハードですな。この時期冷えますんで健康にはご注意下さい♪
「地球が静止する日」どーなんでしょうか@@
応援コメントありがとうございました♪
こんばんは。
返信削除面白かったですねぇ。
ちょうど一年後に観てしまいました。(^^)
リメイクとはいえ、良いとこ取りでの形でうまく昇華されていたと思います。
ドハデなカーアクションは劇場で観るべきだったと激しく後悔です。
あの署長、デスレースの存続を心配していたと思うのですが、あの脅威のモンスターカーを導入してバリバリマシンガンを浴びせる辺り、本当にいっちゃってました。(^^;
ああ、おっしゃるとおりマリオカート色が強かったです。
今日、B級っぽい「デス・レーサーズ」という作品を借りてきたので、また近々レビューするかもしれません。(^^;
トラックバックありがとうございました。
こちらからは失敗するので、URL-LINKに入れておきますね。
あ、応援もありがとうございました。
返信削除私も、ガッツリ応援しておきますわ!!(^^)
>白くじら様
返信削除どうも!こんばんは^^
そっか、これもう1年前になるんですね。早いなあ~。
これ観る前は不安だったんですが、蓋を開けてみたらビックリ。大爆発。ジョアン・アレンもなかなかの悪女ぶりでしたね。
視聴率欲しさにモンスターカーを投入するビッチぶりも溜まりません(笑)。
また観たくなってきました♪
デス・レーサーズですか?!そんな作品が!これまたそそられますな^^レビュー楽しみにしておりますよ♪
TBの件は毎度申し訳ないです。
リンク&応援コメント、ありがとうごさいました♪