2008年10月31日金曜日

映画『トランスフォーマー』 ・・・ハッピータイム少年のナンパ術だそうです

●原題:Transformers
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/SF/スリラー
●上映時間:144min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ
●言語:英語/スペイン語
●カラー:カラー
◆監督:マイケル・ベイ
◆出演:シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョン・ボイト、
ジョン・タトゥーロ、ジョシュ・デュアメル、その他大勢
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 皆さんいかがお過ごしでしょうか?もうすぐハロウィンですね。今回は全然関係のない『トランスフォーマー』です。
 とりあえず持っていたDVDですが、何故かとてつもなく面白いんじゃないかという期待が膨らみだし、久々に引っ張りだしてしまいました。今まで劇場やDVDで散々鑑賞してきて、ダメダメ烙印を押していたというのに不思議な感覚。とにかく鑑賞(笑)。

【ストーリー】
 アメリカ。地球に飛来したロボット生命体。それは善と悪に分かれていた。航空機や車両に擬態化し活動する彼らの目的は大昔の地球に飛来した巨大物体キューブを手に入れること。キューブには宇宙を容易く支配できるパワーが秘められていた。そんな彼らの争いに、高校生のサムとミカエラが巻き込まれることになる・・・・・・。


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【感想と雑談】
 冒頭、カタールの米軍基地にヘリコプターに擬態したロボットが登場し、大暴れする様は大迫力だ。ちょこまか逃げ回る兵士達のすぐ脇に戦車がすっ飛んできてゴロゴロゴローッと転げまわる。戦車に戦闘機そして輸送機を木っ端微塵にされ、重要データのハッキングまでされる米軍基地。掴みはOKだ。

 その後、舞台はアメリカに移り、高校生サム(シャイア・ラブーフ)の青臭い青春が描かれる。サムは同級生のミカエラ(ミーガン・フォックス)をナンパしたりする。この時サムはミカエラの元彼ジョックス野郎と一悶着起こすのだが、これの決着が後で描かれないのは残念。ここは一つロボット軍団に脅され大失禁するか、踏ん付けられてペチャンコになるジョックス野郎の姿が望まれるところだ。

 サムの家族がこれまた平和(というかボケ気味)で楽観的すぎるのが印象的。パパはサムにポルシェを買ってやると思わせ、オンボロ車の中古屋に連れていく。ありそうな行動が笑える。問題はママだ。ロボット連中が取り囲む家でサムが祖父のメガネを必死に探しまくるという本作最高のドタバタ劇。その真っ最中にママが放つ戦慄の一言・・・。気になって日本語吹替えで聞いてみたら同等レベルの台詞だった。皆に攻められ「ハッピータイムと呼べばいいの?」とトドメを刺すママ。実に潔い。ファミリー鑑賞するには危険すぎる作品でありましょう。

 とにかくロボット軍団が変身する時のCGが素晴らしい。何万ものパーツで構成されたロボットだそうだが、あまりにも激しすぎて、当初ILMのサーバーがパンクしてしまったらしい。それくらい凄いのだ。 しかし、地球にやってきた時は普通のロボットのはずなのに、近くにあった車両を分析してそれに擬態するなんて、一部パーツを液体金属にでもしないと不可能なんじゃないのかな。

 という細かいツッコミは置いといて、とにかくスゲェースゲェーという思いで観続ける。

 舞台がダム地下の秘密基地に移ると、エリア51ネタみたいに昔からの機密事項としてのキューブが姿を現す。ここでラジカセ擬態ロボットと米軍が撃ち合いする映像が面白い。現場を中心にカメラがグルグル回る感じで。国防長官(ジョン・ボイト)もショットガンをぶっ放し奮闘。その後にサムが乗るスポーツカーを守れと米軍がワッショイワッショイする。


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 ここら辺りから怪しくなってきた・・・。

 ロボットが小さくしたキューブをサムがどこかの街中に持っていく。それを追いながら高速道路で激突する善と悪のロボット軍団。忙しいアップが鼻に付いてきた。街中に入り本格的に戦闘が開始されると、もう訳がわからなくなってしまった。ロボットがガチャガチャ入り乱れて何が映っているのかよくわからない。ミカエラがトラックを発見して負傷したロボットを引きずっていくのだが、何をするのかと思ったら普通に敵を倒すだけだった。

 この大乱闘中に悪のロボット頭領が「ヘドが出る!」とかいって通行人を指ではじくところは笑えてよかったが、この通行人は監督のマイケル・ベイだったらしい。悲鳴がそうなのか。

 サムが抱えるキューブを巡って善悪のロボット頭領がガチャガチャ一騎打ちをする。そしてサム本人の必殺技で悪のロボット頭領が倒される。倒されるのはいいのだが、なぜそんな倒され方をしたのかがわからない。アクションは適度なものだと観易く丁度いいのだが、盛り上げようと過激なものにすると目も当てられない。また、ちゃんと台詞を聞いていれば話の筋はわかるのだろうが、煩い映像のせいで右から左へと抜けてしまう。マイケル・ベイ監督には一度冷静になって3歩ほど手前で見直して欲しい。

 と思ったら、既に続編を撮り始めているのだそうな。同じことが繰り返されそうです。ただ何度も観たせいか、初めて観た時よりもちょっと愛着が沸いた気がします(笑)。つまらないと思った作品も間を置いてから観ると意外や面白く感じるものかもしれません。

 ちなみにトランスフォーマーという配給会社がありますが関係ないですね。『ターミネーターX』を出してるところです(笑)。


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2008年10月26日日曜日

映画『スキャナーズ』 ・・・こんな超能力が欲しいような欲しくないような

●原題:Scanners
●ジャンル:ホラー/SF/スリラー
●上映時間:103min
●製作年:1980年
●製作国:カナダ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:デビッド・クローネンバーグ
◆出演: スティーヴン・ラック、ジェニファー・オニール、マイケル・アイアンサイド、パトリック・マクグーハン、ローレンス・デイン、その他大勢
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 ちょっと色々と重なりまして、久々に映画ネタを更新することができました(笑;)。ハロウィンということでこんな作品を挙げてしまいました。SFホラーというよりSF変態ものに近いかもしれませんが、前回記事の【Atomik Harmonik - Turbo Polka】をBGMに読んで頂ければ多少はまろやかになるかと(^ω^)ノ

【ストーリー】
 カナダ。スキャナー(超能力者)による警備事業を売りにするコンセック社。ある日のこと公開実験中に凶悪スキャナーのレボックに襲撃され大事なスキャナーの頭部を木っ端微塵にされる。危機を感じたコンセック社のルース博士はレボックを倒すため秘密裏にスキャナーのベイルを出動させる。女性スキャナーのキムを仲間にし行く先々で攻撃を食らうが、なんとか撃退しながらレボックに迫るベイル。やがてエフェメロルという医薬品がベロックとコンセック社のライプ計画に結びついていることを突き止めたベイルは、その後に衝撃の事実を知ることとなる・・・・・・。

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【感想と雑談】
 たしかデビッド・クローネンバーグ監督の名前が初めて知れ渡った作品であったと思うがそのインパクトは今観ても健在。テーマはスキャナーと呼ばれる超能力者同士の戦いであるが、今時のヒーローもののようなカッコよさとか爽快感は皆無で、地味め(オッサン寄)なスキャナーらが苦悩しながらも淡々と活躍する様を描く。

 善スキャナーのベイル(スティーブン・ラック)とキム(ジェニファー・オニール)が、悪スキャナーのレボック(マイケル・アイアンサイド)の陰謀に立ち向かうのだが、どこにいっても閑散とした寒々しい風景がまとわり付いてるし、出てくる人物全員が晴れない表情をしている。こんな中での超能力合戦だ。

 利用されるのは遠隔で相手をスキャン(走査)し精神的にも肉体的にも変化を与える能力。スキャンをする側もされる側もごっつ表情や動作を激しくさせ攻防する。スキャンする際に相手の心の声がエフェクトかけすぎの歪んだ呻き声になっているのが不気味だ。能力がハイレベルになるほど肉体に与えるダメージもデカくなる。ベイルやレボック級になると鼻血が出ました程度では済まないようだ。

 有名な頭部を破裂させるシーン。以前にも同様の描写はあったが、本作での見せ方は強烈すぎ。堅物のスーツマンらが集うシーンで突然あんな様を見せられたらビックラものである。この後に『レイダース/失われたアーク』でナチス3悪人の頭部破壊を担当するクリス・ワラスが様々なパターンで試行錯誤したらしく、結果ダミーに仕込んだショットガンで頭部を下からブッ放したテイクが採用されている。散弾が内から破裂させる様が非常に生々しい。ダミーの頭部も凄くよく出来ていてCGでは味わえない職人業が光っている。当時の雑誌等では別テイク(たぶん爆薬で破裂)の写真も利用されていたようだ。

 当初このシーンは冒頭に置かれていたそうだが、テスト試写かなんかでいきなりのショックに失神者が出た為、ちょっと間を置いて後の方に持ってきているのだそう。しかし、これはどこに持ってきてもショックなシーンだと思うのだけど、どうなのだろう。
写真のリンク→コチラ(ちょっとエグイですよ)

 とにかくあの精神や肉体に対し偏執的なデビッド・クローネンバーグ監督なので、爽やかなんてことはありえない作品。スキャナーの存在は歪んだ精神力が肉体的に変化をもたらす究極のイメージという感じです。

 冒頭フードコートで悪口を言ってしまいベイルにスキャンされる老女は突然苦しみ出し床上でのた打ち回る。この時に短いスカートが更にめくれ上がってしまい、限界ギリギリ生足ドッキリとなるのだが、よく考えれば老女なのである。まさに歪んだ性的趣味が垣間見られるところか(笑)。カナダは内向的な気質が反映しているようで、ぱっと見同じに見えるアメリカとは映画の作りも違うようですね。

面白いのはスキャンは人間だけでなくコンピュータに対しても有効なところ。その際にコンデンサやらトランジスタやらが並ぶごっつい基板を舐めるように撮ったイメージが挿入される。時代である。また防御する側が急遽プログラムを破壊することで神経系が融合しているスキャナーにダメージを与えようとするのも面白いが、結局スキャナーの気合一発でサーバーが爆発。研究員が吹っ飛んでしまう。

 マイケル・アイアンサイドも本作から出てきたと思うが、声が既に重低音の渋さときていて存在感バッチリだ。素顔だけでも迫力あるのにスキャンする際に顔演技をかます姿。最強です。これに負けじとスティーブン・ラックもスキャナー演技でかます。ジェニファー・オニールは大人の美人でナイス。尋問する敵も彼女を見て「魅力的じゃねーかおい」と言い放つ。オッサンばかりの世界に嬉しい存在です。←写真がないのが残念(;;)

 最終的に医薬品エフェメロルが持つ副作用とそれを利用したライプ計画を巡りベイルとレボックは激突する。一応ベイルが勝利することになるが、その後二人にあることが起こり画面は暗転。これぞ肉体と精神の関係を究極に突きつめた結果になるのだろうか。とにかく後発のSFホラーに計り知れない影響を及ぼした作品であることは間違いないですね。

 エンドクレジットがコンピュータにスキャンする時のモニター画面のイメージまんまで粋。これにハワード・ショアの音楽が被さりますが、この絶望的な旋律がしばらく耳から離れません。



<オマケ>
 女性スキャナーのキムを演じるジェニファー・オニール様。他作品での美しいお姿です。かなりイケてます。


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2008年10月25日土曜日

こんなPVもありました ・・・ある意味超絶技巧です

どうも!ご無沙汰しております。
1週間ぶりの更新になってしまいました。こんなブログですが、皆様からの応援を頂き感謝感激であります!
いつもありがとうございますm(_ _)m。

さて、映画ネタを書こうと思っているのですが、もう暫くかかりそうな予感ですので、小ネタで繋げたいと思います(笑)。

前回と同じくPVネタで恐縮なのですが、ふと『スピーシーズXXX』という結構好きな映画のことを思い出し(ランキングに入ってきてます笑)、原題の『Candy Stripers』から辿り着いたPVを再見したのです。そしたらやっぱり素敵すぎたのでここに改めて紹介したいと思います。映画にするとPG-12くらいは付いてしまいそうです。たぶん(笑)。

【Atomik Harmonik - Turbo Polka】
スロベニアの音楽ユニットですが、この国の病院はこういうとこなんだそうです。トニー・スタークの自家用ジェット機を越えてるかもしれません。患者がある意味心配ですが(笑)。 高画質希望。


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2008年10月17日金曜日

超絶技巧のPVについて

最近、ちょっとハマってる音楽があります。

ブロガー薄荷グリーン様の記事で初めて知り聴くようになった「Goldfrapp」というイギリスのエレクトロニカ・ユニットなのですが、皆さんご存知でしょうか?知らなかったの自分だけかな(笑)。とにかくこの退廃的で気だるい雰囲気がストライクゾーン♪

で、紹介頂いた曲がとてもよかったので、Youtubeで他のも色々探してみたところ、とんでもないPVを見つけてしまいました。
「Happiness」という気だるいながらも優しくて明るい感じの素敵な曲なのですが、これのPV映像が凄すぎました。

PV(プロモーションビデオ)にも色々凝った作品があると思うのですが、今回は映画にも通じるかまたは同格にしてもいいくらいの驚愕の映像を中心にいくつか作品を紹介してみたいと思います。 皆さんなら全部知ってるかな。

超絶技巧のPV特集 どれも凄いよ。たぶん(笑)。

【Goldfrapp - Happiness】
これが今回のきっかけとなったPVです。ボーカルの女性が歌い出すと、ある男の子がピョンピョン跳ねながら現れ、そのまま通りを進み色んな町の人と触れ合います。擬似的なワンカット映像ですが、パッと見わからない出来。何気ないようですが、観ていくうちにこれがもの凄く手の込んだPVというのがわかると思います。そして、とてもハッピーな気分になれる、これぞ正に超絶技巧のPVといえましょう。今のところマイブームNo1の曲&PVです。


【Spice Girls - Wannabe】
スパイスガールズが吉幾三MADの餌食になったことから、原曲を聴いてみようと初めてチェックしたPV。なんと全編ワンカットの一発撮り。レストランで暴れまくる彼女らをスムースなカメラワークで交互に映していきます。あんなにアクティブな状況を一糸乱れぬタイミングで撮影したという、これぞ正に超絶技巧のPVといえましょう。ベッカムの嫁は地味すぎるけど。


【Fat Boy Slim - Weapon of Choice】
ノリノリの曲に合わせて、疲れきったクリストファー・ウォーケン(笑)がホテルの至るところで踊りまくります。意外やキレのあるステップがカッコよく衝撃的ですが、実は後半にアッと驚く展開が待っています。どうやって撮ったんだろう?ウォーケンにあんなことをさせるセンスを含め、正に超絶技巧のPVといえましょう。


【Kate Bush - Wuthering Heights】
ケイト・ブッシュが小説『嵐ヶ丘』のテレビドラマに影響を受け作詞作曲した有名な曲ですが、パントマイムを学んでいたこともあって、このPVでは珍妙なパフォーマンスが全開となっています。内容はとても悲しい話しなのにこの踊りはいったい(笑)。映像云々よりもケイト本人が超絶技巧のPVといえましょう。ちなみにこの時19歳だそうです。さすが文化の国イギリス。


と、こんな感じです。いかがでしたでしょう。
他にもまだまだ沢山あると思うのですが、皆さんオススメの超絶技巧なPVがあれば是非教えて頂きたいです。

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2008年10月14日火曜日

映画『アイアンマン』 ・・・自家用ジェット機が羨ましすぎる男トニー・スターク

●原題:Iron Man
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/ドラマ/SF/スリラー
●上映時間:126min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョン・ファヴロー
◆出演: ロバート・ダウニー・JR.、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジス、グウィネス・パルトロウ、ショーン・トーブ、ファラン・タヒール、レスリー・ビブ、その他大勢

今年はやたらアメコミ映画が熱い年ですね。ジャンルも確立したのか、俳優らも普通に出来てますね。来年以降も盛り上げてくれそうです。こうなったら『悪魔の毒々モンスター』をリメイクしてくれないかな(これはアメコミでなし)。

【ストーリー】
 アメリカ。ハイテク兵器メーカーのCEOであり天才発明家のトニー・スタークは今日もウハウハで宣伝活動に励んでいた。ある日のことアフガニスタンで新製品のミサイルを披露していたところ、ゲリラの襲撃に会い拉致されてしまうトニー。ゲリラのミサイルを作れという要求を受け入れるも、トニーは即興でパワードスーツを作成。ゲリラを撃退しなんとか脱出に成功する。
 アメリカに戻ったトニーは秘書ヴァージニアとの再会にホッとしたのも束の間、記者会見である一大決心を発表する。わが社の製品が残虐なゲリラにまで渡っているのは許せない、兵器の製造を止め世の為に活動する、と。片腕の重役オバディアはビックリ仰天で説得しまくるがトニーの決心は揺るがない。テロ撃退の為に早速新型パワードスーツの開発に着手するトニー。しかしその一方では、オバティアがある陰謀を企てていた・・・。


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【感想と雑談】
 いやぁ、面白かった。やっぱりこういうロボット的なパワードスーツが活躍する映画ってワクワクしますな。

 冒頭、アフガニスタンでの車中でトニーが兵士らとはしゃいでいると、突然ゲリラの攻撃に会って、遂には拉致されるという流れになるのだけど、あれ?予告で流れていた新型ミサイルのお披露目は?と思っていたら、ちょっと時系列がいじられて、そこから一旦過去に遡ってトニーのCEOとしての豪快な生活具合が描かれることになる。

 パーティ帰りに突撃取材に来た女性記者が美人と聞けば、喜んで取材を受けるトニーはやたら女好きのようでもあるが、古くからの秘書ヴァージニアに対しては特別の思いを抱いているようで、ただのアホではないようだ。

 一夜を過ごした女性記者は翌朝に目覚めると面食らう。そこが海沿いの山頂に構える大豪邸だからだ。さすがCEOのトニー。

 アフガニスタンの仕事に向かうトニーは自家用ジェット機で悠々と目的地へと移動するが、ここで本作最高に羨ましいシーンが登場。友人でもある軍人のジェームズと機内で酒を交わすのだが、給仕するのは美人CAなのだ。これが3人くらいもいて、多いのか少ないのかよくわからないが、この後に美人CAらが目の前で踊ったりするのだ!ハーレムなのか。凄いぜトニー。男なら一度はこういう通勤をしてみたいですね。

 アフガニスタンに到着したトニーは、新型ミサイルのお披露目をする。これこれ予告のシーン。ここで冒頭に繋がるわけだ。
 この後、ゲリラに拉致されたトニーは洞窟内で不屈の精神によってパワードスーツを作り上げる。あれだけの設備に材料でよくぞ作れたものだと思うが、これはアメコミの映画ということで。洞窟の暗闇から徐々に姿を現すパワードスーツ1号の勇姿はそのパワフルさも相まってかなりの見せ場だ。このトニーの技術力が後のパワードスーツを開発していく様に説得力を与えているのだと思う。

 しかし、この経験からトニーはそれまでの会社の方針を一気に覆してしまう訳だが、それまでブイブイ売りまくっていたのはそもそも破壊力バツグンの兵器で、これの目的が何であろうと人を殺傷するのは間違いなかったはずだ。それを今回の経験を教訓に止めたー!と決断する。いかがなものかと思ったが、これが机上と現場の認識の違いってやつなのだろう。改心できただけでも儲けものかもしれない。

 トニーが自宅に戻ってからは、パワードスーツの手や足の部分から開発を重ね徐々に全身が出来上がっていく工程が楽しいし、完成してもなかな制御が効かない様子もリアルで素晴らしい。パワードスーツは3代目でお馴染みの姿となり、トニーの巧みな制御によって大活躍することになる。ゲリラどもを軽々とパンチで殴り飛ばすところは、電動アシスト自転車で軽々と坂も登れますの感覚だ。きっと。

 やたら丁寧なパワードスーツの装着シーンは実物とCGによるものだろうが、これはデザインセンスだけではなくロボット工学の技術や知識も持たないと作れないと思う。あの細かい結合部分やパーツ類は見事だった。こういうところのディテールはホント凄いと思う。特殊効果はスタン・ウィンストンの工房なので、これくらいは朝飯前ってヤツか。残念ながらスタン・ウィンストン御本人は今年他界されてしまった。これまで歴代のSF映画で特殊メイクやアニマトロニクスによる素晴らしい効果を作り上げてきたお方だ。合掌。

 トニー・スターク役にロバート・ダウニー・JR、秘書ヴァージニア役にグウィネス・パルトロウ、重役オバティア役にジェフ・ブリッジスと、なんだか普通に活躍されている俳優らがアメコミ映画で生きいきと演じている。随分と楽しそうだ。最近ではアメコミ映画も内容に深みが出てきてジャンルも確立しているようだし、俳優も触手を伸ばすようになっているのだろうね。

 クライマックスではパワードスーツ同士が街中を巻き込んでの手に汗握るバトルを見せてくれる。車を軽々と投げたり潰したり、空まで飛び回る様は、ヒーローものの真骨頂である。ここで、ジェットを背負って空を飛ぶ『ロボコップ3』という早すぎたロボットヒーローものを思い出したけど、ヘボいのでどうでもいいですね。

 子供向けだと馬鹿にすると痛い目に会うかもしれない。トニー・スタークの生き様には大人の夢が詰っていた。ということで、2時間ちょっともあるけど、あっという間に感じるくらい楽しくて面白い作品でした。

 そうそう、エンドクレジットに珍しく「最後にも映像があります」というような字幕が出ていたので、全員大人しく席に座っていたけど、残念ながらそのオマケ映像の感想は私含め殆どが「何それ」な空気であった。アメコミに精通している人以外、あのオマケは何が何だかだ。大いなる伏線というのはわかるのだけど、『インクレディブル・ハルク』みたいに本編に入れた方がまだよかったかも。


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 特殊効果による空飛ぶ姿は、やはり最近のCGを使った映像の方が背景にうまく溶け込んでいて自然。ロボコップは空を飛ぶより普通に歩いている方がカッコいいと思う(笑)。

© 2008 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.
【出典】『アイアンマン』/ソニー・ピクチャーズ エンタテイメント

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2008年10月13日月曜日

ハロウィン特別仕様にしてみました

3連休も終わりですね。皆さんエンジョイされたでしょうか?

そろそろハロウィンの時期ということで、ブログにもハロウィンカラーを出されている方いらしゃいますね。素敵だと思います。
ということで、当ブログもハロウィン特別仕様にデザインを変更してみました。なんだか怪しげなブログになってしまいました(笑)。映画も怪しいものしか紹介できなくなったりして。とりあえずこれでいってみたいと思います。

ハロウィンで思い出す映画は、まんまタイトルの『ハロウィン』でしょうか。
あの白マスクを被った精神異常の殺人鬼はごっつ怖かったですね。シリーズ化されていましたが、1作目しか観ていません。他のはどうなんでしょうか??

それでは皆様、これからもよろしくお願い致しますm(_ _)m。

2008年10月11日土曜日

イケない加工食品VS金髪エイリアン ・・・ランキングについてですが

どうも!すっかり日も短くなりましたね。ちょっと気温が上下しているような感じですが、体調には気を付けるようにしましょう。
さて、今回は映画ネタですが、レビューではないです。最近、こういうパターンが多くなってきたなあ(笑)。

以前に貼っ付けた「人気記事ランキング」ですが、当初ぶっちぎり1位だった『ターミネーターX』はブームが去ったらしく、気が付いたら姿を消していました。ありがとう『ターミネーターX』。ラリアットは決して忘れないから。

で、現在上位に来て1、2位を争っているのが『ソイレントグリーン』『スピーシーズX』

両作ともSF映画ですが、前者は温暖化シリアス仕様、後者は寒冷地金髪仕様となっていて、両極に位置するような関係。
『ソイレントグリーン』は食糧難から開発された緑色の加工食品を巡る内容だけど、最近の異常気象とか情勢悪化が話題になって、キーワード化でもしてるのかな?どうなんだろう。

それよりも『スピーシーズX』。寒冷地のカナダにやってきたエイリアンが金髪女子学生に変身、捕らえた男子学生を媒体に子孫を増やそうとする内容。まあ、全国からの検索数からすれば微々たる対象かもしれないけど、記事にしてきた中でこれが上位にくるのは嬉しい(笑)。続く『~XX』に『~XXX』も入ってきてる!やったぜ!
カナダ産の実はちょっといいSFホラーだったりするのでお気に入りの作品ですが、一般的に評価は激低です(笑)。

『ソイレントグリーン』は、覚悟がいる映画(笑;)。

マトモでない作品の方が検索されやすいってことでしょうか。


暑苦しい世界が舞台の『ソイレントグリーン』

VS


極寒カナダが舞台の『スピーシーズX』。ソフトクリームに注目。

『デスレース2000年』も熱くなる予感・・・。

© 1973 Supplementary Material Compliation
【出典】『ソイレントグリーン』/ワーナー・ホーム・ビデオ
© 2003 Sound Venture Decoys Inc. and Sci-Fi Productions Inc.
【出典】『スピーシーズX~美しき寄生獣~』/日本出版販売株式会社,株式会社フルメディア

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2008年10月5日日曜日

映画『マングラー』 ・・・ランドリー工場では安全衛生に力を入れた方がいいです

●原題:The Mangler
●ジャンル:ホラー
●上映時間:106min
●製作年:1994年
●製作国:アメリカ/オーストラリア/南アフリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:トビー・フーパー
◆出演:ロバート・イングランド、テッド・レヴィン、ヴァネッサ・パイク、その他大勢

 ホント急に冷え込みましたね。気が付いたら周りは長袖だらけですが、自分は半袖を突き通してます。でもあまり長くは持ちそうにないです。そんな季節ですがホラー映画です(笑;)。

【ストーリー】
 アメリカ。あるランドリー工場で従業員のオバさんがシーツ用巨大プレス機に巻き込まれるという大事故が発生。当初は工場の管理不足による事故と判断されるも、社長が金に物言わせてお咎め無しという結果になる。事件を担当する熱血ジョン刑事は腐敗しきったこの町が大嫌いだ。とりあえず一人捜査を続行すると、単なる人的ミスではなく巨大プレス機が超自然的に人を襲い出している可能性が浮上してくる。半信半疑なジョン刑事もオカルト趣味の義弟の推理や行動から確信するようになり、事件の真相に迫っていくのだが・・・・・・。

【感想と雑談】
 スティーブン・キング原作のホラー映画。人喰い巨大プレス機。

 ウルトラC並みにこき使われるランドリー工場で、オバさん従業員が最初の被害者になるのだが、この描写はちょっと嫌。マングラーと呼ばれる巨大なプレス機は、実在する機械をそのまま摸しているのか、それとも作品用にデザインしたのかは不明だが、その外見はかなりごっつくて一目で中に巻き込まれたら人間どうなるのかは容易く想像できると思う。これがまた直ぐに入っていけばいいものを中途半端に巻き込まれた状態でしばらく悲鳴を上げていたり、終いにはご丁寧に機械の裏から変わり果てた姿で出てきたりする。実は自分もそういう町工場関係の仕事をしていたので、あの工作機械を目の前にした経験からして、それはもうとっても恐ろしいシーンなのであります。

 歴代の腹黒い金持ちどもが永遠の権力を得る為、マングラーに取り憑いた悪魔に生贄を捧げていたというもの。生血の味を占めたのか無差別に人を襲い出すマングラー。それにしても、地面にしっかと固定された巨大な機械が人を襲うですよ?生贄にされる生娘を人手で強引に押し込むのは分かるのだが、近付いて操作していたら手が滑った勢いで上半身を突っ込んだり、知らずに衣類が巻き込まれたりと。近付かなければいいじゃんと思うのだが、実はそれでは済まないことが後で起こるのである。

 クライマックスでは、ジョン刑事と義弟が社長を血祭りにしたついでにマングラーに悪魔祓いを行う。なんとか退散させたかに見えるのだが、実はこれから大変なこと、というか一線越えが起こるのである。マングラーが追っかけてくるのである。

 かつてエレベーターが人を襲う『悪魔の密室』や『ダウン』(『悪魔の密室』リメイク)というホラー映画があったが、これらは基本的にエレベーターの移動範囲内でしか人を襲わなかったので、単なる事故で収まるところもあった。しかし、本作は追っかけてくるのである。もう事故では収まらない。ここで慌てるジョン刑事だが、すぐ外に逃げればいいものを、工場の奥の奥へと逃げていく。マングラーはマングラーでパワーがあるのかないのか、イマイチ追い付いてこない。ちょっとドキドキするけども。

 ここは好き嫌いの分かれ目になりそうだけど、自分は大好きこういうの(笑)。

 やたら熱血漢なジョン刑事を演じるのはテッド・レヴィン。『羊たちの沈黙』のバッファロービルや『ヒルズ・ハブ・アイズ』の共和党親父をやった人。本作では結構男らしくてカッコいい役だったりする。胃薬ばっか飲んでいたけど。

 悪の社長を演じるのはロバート・イングランド。『エルム街の悪夢』のフレディ役に尽きるでしょうか。本作では足が悪くてかなり老けた役だったけど、あの顔は特殊メイクだったのかな?それとも地??

 監督はトビー・フーパーで手堅くまとめていたかなと思う。ラストには粋などんでん返しが待っているし。妙に残酷で生々しいところは彼ならではの持ち味でしょうか。 『悪魔のいけにえ』が観たいです。


ちょっと分かり辛いけど、ジョン刑事らが目の前でガッツリ構えるマングラーに悪魔祓いをしているところ。

© 1994 INVESTEC BANK LIMITED
【出典】『マングラー』/エスピーオー

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