2009年7月13日月曜日

映画『エイリアンVSエイリアン ジャッジメント・デイ』 ・・・AVAシリーズもこれで見納めのようです

●原題:Showdown at Area 51
●ジャンル:SF/ドラマ/アクション
●上映時間:96min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:C・ローマ
◆出演:ジェイソン・ロンドン、コビー・ベル、クリスタ・キャンベル、ジジ・エッジレイ、リー・ホースリー、その他大勢

 どうも!久々の更新です。バタバタしっ放しで、なかなか頻度が上がりませんです。こんな状況で記事にするこの作品。他に観るべき作品が沢山あるというのに、今回はコレなんです(笑;)。出ました。

【ストーリー】
 ミズーリ州。遥か宇宙の彼方から到着したエイリアンのジュードは、ある野生動物保護管理局に秘密裏に保管される物体イーサロッドを強奪する。その際、軍隊と衝突し傷を負ったジュードは、今回の騒動で弟を失った男ジェイクと出会い行動を共にすることになる。ジェイクは元管理局に勤めていたこともあり、イーサロッドの存在を知っていたのだ。ジュードによれば、地球の環境汚染がある域を越えた時、オメガシードという装置がウィルスを撒き散らし、汚染物質をエネルギーとする悪のエイリアンが侵略を開始する。自分の任務は、既にカウントダウンし始めたオメガシードを、今回強奪したイーサロッドで解除し、地球を侵略から守ることなのだという。
 その後、ジェイクの元彼女も加わり、オメガシードの場所を突き止める一行だが、その先では解除を阻止しようとジュードを追ってきた、エイリアンのクローネンが立ちはだかるのであった・・・。



【感想と雑談】
 パッケージ裏の非常に濃度の薄い写真。想像通りでした。なんていうんでしょうか、フィルムっぽくないというか、映画っぽくないんですね。途中、長めのブラックアウトがあったりで、色的にテレビドラマに近い雰囲気でした。この前の『AVA インベージョン』とは違って、2体のエイリアンは終始それらしい格好で活躍します。が、これがまた色々と問題を含んでいて、これはこれで長く語れる出来となっているのでした。

 冒頭、2機のUFOがバトルしながら太陽系に突入し、終いに地球に落っこちてきます。この時のCGがショボいです。飛んでる時のカットは仕方ないとして、不時着後も大したサイズでない機体をCGで描いてます。この後、登場するジュードとクローネン。それらしいスーツとヘルメットを装備してますが、ちょっと頑張れば私でも作れそうな出来具合です。やたら見上げるカットでは、ジュードの首筋が全開で見えてますが、これは後になって外見がまんま地球人というのがわかるので、あまり気にする必要はないようです。

 偉いのは、エイリアンの活躍をオール日中、晴天の下で描いていることです。ハッキリとそのディテールがわかりました。笑ってしまいましたが、『AVP2』にはこの点を百万倍は見習って欲しいものです。

 エイリアンのスーツは、地球の大気から身を守るというより、戦闘仕様のみに特化したデザインとなっているようでした。ジュードはマッドマックスを長身にして黒いヘルメットを被ったみたいで、素顔はスキンヘッドの精悍な顔付になっています。カッコいいです。ちょっと昔のビリー・ゼーンを思い出しました。『AVA インベージョン』での野暮男役が思い浮かびますね。って、別にカッコいいエイリアンはどーでもよくて、個人的にはこれぞエイリアンな容姿を期待したい訳です。

 一方の追っ手クローネンも取って付けたようなスーツ姿で、正直、最近の仮面ライダーの方が断然クオリティは高いと思いました。ヘルメットには望遠レンズが付いていて、ピント合わすのにジージーやたら動きます。また腕にはロケット砲に変形するグローブが装着されていますが、この時のCGがショボいです。体型はメタボな重量級で動きは鈍いのですが、やたら凶悪な飛び道具を使うので、危なっかしいです。最初の方で軍人が巨大な手裏剣で腕を切り落とされるので、これはスプラッタな展開になるのか!と期待すると、これっきりだったりします。残念。



 原題にもあるのですが、本作はエリア51ネタを出してきます。でも話は関係のないミズーリ州にある動物保護管理局を中心に展開します。実はネバダ州に墜落したUFOからイーサロッドを回収した軍が、世間から目を逸らす為にエリア51をでっち上げ、重要な情報はミズーリ州の辺鄙な地に隠していたという訳です。ところが、動物を保護しているだけのはずが、俯瞰の図では物々しい軍事基地になっていて、あまり隠している意味がないように思えました。ジュードが侵入すると、速攻で戦闘ヘリが飛び立ったりするし。

 途中、凄く印象的な場面がありました。軍隊と散々戦った後、クローネンは住宅街をノシノシ歩いていくのですが、センサが反応したのか急に立ち止まり、辺りを見渡します。その時ターゲットに入ったのが、公園でブランコが絡まって困っている少女でした。非常にマズイです。ターミネーターみたいな赤い主観映像がビシビシ反応しまくってます。少女の背後から忍び寄るクローネン。ブランコを解くことに夢中な少女。

 遂にクローネンはブランコのチェーンを鷲掴みにし・・・グイグイと解き出します。そして、少女が無事遊べるようになると、クルリと向きを変えて去っていくクローネン。一日一善でしょうか。なんか言えよクローネン(そういう問題じゃないですか)。笑いのポイントなのか一瞬わからず固まってしまいましたが、時間差で爆笑してしまいました(笑)。全体的にゆる~い空気で溢れてはいるのですが、この場面だけはウルトラインパクト。ここで、クローネンってホントはいいヤツなんじゃないかと思えてきました。

(エイリアンというより海外コスプレイヤーなクローネンさん)




 実はこのクローネンの行動が後に生かされることになって、ジュードとどっちが善悪なのか?という先の読めない展開になるのは良かったと思います。でも、この展開に持っていくのに、ブランコ演出はもうちょっと考えた方がよかったかもしれません。あまりにも唐突でマヌケな演出だったもので(笑;)。しかし、先の読めない展開といっても、感動を呼ぶクライマックスがある訳でもなく、結局ありがちなオチを迎えてしまいます。

 『AVA インベージョン』もそうでしたが、SFアクションの典型的な見せ場を抑えれば全てOKという、作り手の志が全開となっていますので、特にこれといった抑揚もなく流れてお終いです。見所といえば、やはりあのクローネンの意外な行動になるでしょうか。監督も”最高の肩透かしが撮れたぜ!ぐしし”と悦に入っていそうですが、特別有難いものでもないです。もっと違った演出で観客を振り回して欲しいものです。あの伝説の『AVA』の方が、まだ映画作りの定石を木っ端微塵にしている分、素晴らしいもの(どんな)があったと思います。

 とにかく、低予算ならそれなりに工夫して、見所ある作品を撮ってもらいたいですね。感動の有無はお金には関係ないと思います。

 こういう煮え切らない出来こそが、B級映画の真髄なのかもしれませんけどね。宝クジみたいに当たれば儲けものだし、外れたらそれはそれで最強のネタになるという、結構美味しい思いができる訳です(笑)。←時間の無駄使いですか

 我らが親玉作品はこちら ⇒ 『エイリアンVSエイリアン』
 その他姉妹作品はこちら ⇒ 『エイリアンVSエイリアン インベージョン』

【出典】『エイリアンVSエイリアン ジャッジメント・デイ』/ギャガ・コミュニケーションズ

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14 件のコメント:

  1. >これがまた色々と問題を含んでいて、これはこれで長く語れる出来となっているのでした。
    の一文からクククッと笑いをこらえながら読みました。
    この微妙さ加減がこの作品の醍醐味なんでしょうね。
    といいつつ未見なので、一杯突っ込みたい気持ちの日に借りて見たいと思います。

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  2. こんばんは!

    このブランコの3枚の画像を観てるだけで、何だかその肩透かし感覚が伝わってくるような感じですね。
    3枚目でちょっと笑ってしまいました。
    これが見所となると、いろんな意味で相当手強そうな映画のようですね。

    エイリアンはどんなちゃちなメイクでもいいからエイリアン的な外見をしていて欲しいのは、わたしも同じかな。
    ただの人が宇宙人だって言い張ってる映画って、それだけでB級度が一気にレベルアップしそうです(笑)

    応援してきますね☆

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  3. 新エントリーにさっそくコメント失礼します。

    このエイリアンの造形も何とも言えませんね、 クローネンですか、 手が回転ノコギリなのは。 クローネンって名前もオマージュっぽいすね。

    他にも観るべき作品がたくさんあるのに・・ よーくわかります^ ^ 自分の場合はB級の味わいすらない、 どう考えてもNGとわかっているものに限って触手が伸びてしまいます。 C級かNG級か・・

    以前にアクセスナンバーワンの作品を挙げられてましたが、 うちではこれが意外なことに ダントツで 「愛を読むひと」 になってます。 いい作品をきちんと見てちゃんと書けばアクセスが伸びるのかも知れません。 にもかかわらず、 落差の激しいものを見てしまう。 何でしょうかね これは、 病気?^ ^ そういうのって見た後、 本当になんにも書くことがなかったりもするんですよね。 。

    「愛を読むひと」 と同じブログに 「テハンノ・・バラバラ・・女子高生」 がエントリーされているのは、 どう考えても落差が激しすぎる。 だから、 あいかわらずコメントはありません^ ^ こないだホラー好きの人が入れてくれたくらいです。

    そんなこんなですが、 またよろしくお願いします (何を^ ^)

    ぽちっと応援!

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  4. こんにちは。

    またまた感動作(笑)の登場ですね。
    文章の勢いで、中身を感じられて、
    それだけでも満足できるので楽しいです。
    わたしは、最近「アイアンマン」にはまりました。他にないのか!とも思いますが(笑)

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  5. >lifeonmars様
    どうもです!^^

    おかしいでしょコレ(笑)。たぶんですね、レンタル屋のやたら安っぽいパッケージ作品なら、殆どがこんな出来なんだと思いますよ。配給会社もセコく有名作品のタイトルを一文字変えたりとか、付け加えたりして涙ぐましい(?)努力してますけど、どれだけ利益出してるんでしょうね(笑;)。薄利多売形式なのかな。

    なんかCSとかGyaoとかでもいきなりやりそうなんで、その時に観てみて下さい♪

    応援コメントありがとうございました♪

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  6. >薄荷グリーン様
    どうもです~^^

    3枚写真チェック頂けましたか(笑)。
    もうこれに尽きると思いますよ。なんかニッカポッカの裾が中途半端に出ちゃって、ロケ中の休憩時間に子供でも相手にしてたんか!な絵になってますよね。

    クローネンの方は終始この格好で中身は出さないんですよ。どんな顔してるんだろうと思いましたが、どっちでもいいですね。因みにIMDbで調べたら、中身の人これが唯一の作品みたいなんです。役者さんじゃないのかなあ。

    正直、こういう作品の方が記事が書きやすくて楽しいです(笑;)。

    応援コメントありがとうございました♪

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  7. >kiona様
    どうもです!^^

    いやあ、Kiona様には敵いませんよ。実に色々な作品観られてホント羨ましいです。私は食わず嫌いなところがありますので、いつもレンタル屋で作品決められずに長いこと居座ったりするんですよね(笑;)。
    思い切って借りれば、面白く見られる作品も沢山あると思うのですが。。。うーん。

    「愛を読む人」って劇場新作ですよね?原作から人気があるんでしょうか?kiona様の切り口に皆さん殺到してくるんですよ、きっと!隣では「テハンノ・・・」が控えているブログ・・・これ最強っす。
    後で「テハンノ・・・」いかせて頂きます^^

    こちらこそご無沙汰気味になって申し訳ないですが、これからもよろしくお願いしますね♪

    応援コメントありがとうございました♪

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  8. >Dolitea様
    どうもです^^

    楽しんで頂けましたかね(笑)。そういって頂けると嬉しいですよ♪
    ゴーシャスな作品もいいですが、たまにはこういう作品を観てバランスを取らないといけませんな(笑)。←私だけですよ

    「アイアンマン」もいいですよね!記事読ませて頂いてますよ♪続編では、ローディ役がテレンス・ハワードからドン・チードルに代わるそうですね。大丈夫かな??チードル。

    応援コメントありがとうございました♪

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  9. こんにちは~★
    お久です!

    あいかわらず偏った映画のレビュー楽しく拝見させてもらってます。
    なんかここ数年VSが流行ってますね。
     
    しかもB級ノリの映画が多い!
    邦画でも「盲獣VS一寸法師」なんてのもありました。

    「エイリアンVS~」だともう1つ忘れられがちな「エイリアンVSバネッサ・パラディー」というゆる~い作品もあって、紅井は
    どこでロケしたんだコレ!?みたいなところが楽しい映画で期待はずれな部分もあったけど手作り感が愛おしく感じる映画でした。

    あと吸血少女と少女フランケンが戦う映画もあるらしいのでチェックしたいと思います(笑)

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  10. >Benny様
    どうもです!ご無沙汰です^^

    偏りつつも幅広くジャンルを攻めていこうと思うのですが、どうもこんな作品ばっか選んでしまいます。いかんですね(笑;)。

    たしかに多いですよねVSもの。当たりは非常に少ないですが(笑)。
    「エイリアンVSバネッサパラディ」はいい意味で裏切ってくれて、私も好きな作品だったりします。シュールでスプラッタだし(笑)。

    吸血少女と少女フランケン!?それはひょっとしてBenny様のお仕事では??@@

    応援コメントありがとうございました♪^^
    また遊びにいきますんで~。

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  11. おひさしぶりです。
    また、マニアックな作品ですね(笑)

    題名、そして写真だけで、B級感ぷんぷんしますね。
    しかし、このエイリアンのデザインしたひとっていったい・・・。

    VSシリーズは、あまり観たことないのですが、面白そうなので手をだしてみようかな。

    応援返しぽち!

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  12. >とら次郎様
    どうもです^^

    前回はサンシャイン2057なんて持ってきちゃったので、今回はお口直しということで(笑;)。

    AVPのバッタ作品には間違いないのですが、変な方向で潔かったりするので、それほど不満はなかったです(笑)。←ホントか。

    手出しますか?1作目のAVAだけは注意して下さい。ちょっと観て欲しい気もするけど(笑;)。

    応援コメントありがとうございました♪

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  13. umetraman さん

    昨日はお世話になりました。サイズ君です。
    改めて、よろしくお願いします!(^^)!
    『エイリアンVSエイリアン インベージョン』で、かなりガッカリしたのでこの作品は見ていないです。
    でも、ブランコシーンは必見だったかも(^。^)って思いました。

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  14. >サイズ君様
    昨夜は色々とありがとうございました。
    濃い目の話ができて楽しかったですよ。
    こちらこそ宜しくお願いしますね♪

    おお『エイリアンVSエイリアン インベーション』ご覧になってましたか!?私もインベーション観て次は無いわぁ~と思ったのですが、せっかくなので手を伸ばしちゃいました。そしたら、やっぱりな出来だったという(笑;)。
    期待せず割り切って観れば、結構楽しめる作品かもしれません(笑)。

    応援コメントありがとございました♪

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