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2016年5月15日日曜日

映画『お!バカんす家族』・・・ 遊園地を目指して4000キロを珍道中

●原題:Vacation
●ジャンル:アドベンチャー/コメディ
●上映時間:99min
●製作年:2015年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー
◆出演:エド・ヘルムズ、クリスティナ・アップルゲイト、スカイラー・ギゾンド、スティール・ステビンズ、チェビー・チェイス、クリス・ヘムズワース、レスリー・マン、ビヴァリー・ダンジェロ、チャーリー・デイ、ノーマン・リーダス、レジーナ・ホール、その他大勢

【ストーリー】
 アメリカ。国内線パイロットのラスティは、愛する家族と幸せな生活を送っていたが、一方ではマンネリも感じていた。妻のデビーが毎年の丸太小屋バカンスに飽きていることを知るや、ラスティは一念発起し新たなバカンスを計画する。それは家族で4000キロ先の遊園地ワリーワールドに向けて旅をすることだった・・・。



【感想と雑談】
 ちょっとベタなパッケージに身構えてしまいましたが、クリスティナ・アップルゲイトが出てるんですね。思い入れのある女優なので興味が湧いてしまいました。あ、よく見たらマイティソーのクリス・ヘムズワースも出てるとか(笑)。これはいったい。

 なんという絶品コメディ。

 ああやっぱアメリカって凄いわ、と唸らせるほどのセンス・オブ・バカ度です。オープニングタイトルから早くも一般人のバカンス写真を使った二段オチ演出に、これはイケる!!と確信しました(笑)。本編でのキャラクタの造形は素晴らしく、どいつもこいつも特徴的で無駄なく立ちまくり状態です。シーン毎にとにかく笑える仕掛けがテンコ盛りで、コメディとはそういうものですがとにかくいい。

 冒頭、国内線パイロットのラスティが乱気流で大揺れしながら乗客の美人ママのおっぱいを鷲掴みにするという、「ドリフ大爆笑」(古いよ)さながらのコントが素晴らしいです。観る人の心も鷲掴みです。演じるエド・ヘルムズをじっくり見たの始めてなんですが、いいコメディアンですね。



 ちょっと疲れた感じの妻デビーを演じるのがクリスティナ・アップルゲイトなんですが、大好きな『ビッグ・ヒット』('98)に出ていたことで印象付いてる女優です。初めは普通の良きママですが、歴戦のコメディエンヌがそれを許すはずもなく、ネジが徐々に外れて台詞どころか体当たりで下品ネタに突撃していくところは感動ものです。女優の鑑です。好きだぞクリスティナ(笑)。

 また、息子兄弟の設定にもツボりました。暴力的な弟が温和すぎる兄をしょっちゅうイジメるという、過激で可愛くもある兄弟関係には大笑いしました。女の子に見とれている兄に弟が突然ビニール袋攻めするところは、その状況やBGMも相まって神がかりでしたし、のちに再度ビニール袋攻めが活かされるところは痛快でもありました。何度も見直したいシーンです(笑)。

 こんな家族が西海岸の遊園地に向かう4000キロの珍道中は『なんちゃって家族』('13)の比ではないと思いました。旅の過程で思い出作りをしたいパパは色んなサービスをしますが、その全てが豪快なトラブルに繋がってるのが楽しいです。珍道中をサポートするのはキャンピングカーではなくアルバニア製の謎のセダンで、これだけでも飛び抜けたアイテムなんですが、特にある言語で暴走するカーナビに息子が「なんでこんなに怒ってるの?!」と呆れるところは、作り手のわかってる感がヒシヒシと伝わる瞬間でした(笑)。



 『モンスター上司』('11)の脚本コンビが手がけていて、その経緯もあってか脇役陣もなかなか豪華ですね。コメディ役者系では、ママ友のレジーナ・ホール、脳天気バカ嫁のレスリー・マン、急流下りガイドのチャーリー・デイ、なんてのが飛び抜けていました。ところで、ラスティの豪傑父親のチェビー・チェイスは本作に繫がる前日譚『ホリデーロード4000キロ』('83)で同じ役をまんま演じられていたんですね。母親役も本作と同じくビヴァリー・ダンジェロで。世代をまたがった一大ドラマになってるんだこれ。

 強烈な髪型でリスペクト俺様のクリス・ヘムズワースや、謎のトラック野郎のノーマン・リーダスには、そんな役もやるんだとビックリですが、やはり真の役者ほど潔くバカ役もこなすということですね。凄くわかります(笑)。そういえば冒頭の乱気流でいじられる乗客親子のパパ役をコリン・ハンクス(トム・ハンクスの息子)がやってました。だから何って感じですが(笑)。

 本作のいいところは、ハチャメチャ路線のところ、それでも根底には家族の幸せを願う思いがあるところです。国際線パイロットとの確執から繫がるクライマックスで目的をやり遂げようとする家族の結束はカタルシス以外のなにものでもないです。下品なネタが多いですが、どのシーンも愛さずにはいられない魅力ある作品です。

 吹替でも観たのですが、やはりコメディってのは化けるものですね。翻訳やアドリブの妙もあってか、オリジナル音声とは違った面白さを感じます。コメディ作品はベテラン声優も本領発揮の場ではないでしょうか。ぜひ吹替でも観て頂きたいです。


 しかし、4000キロのドライブ旅行ってどんなよ。


(C)2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
【出典】『お!バカんす家族』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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2015年2月17日火曜日

映画『エクスペンダブル・レディズ』 ・・・女傭兵部隊がテロリスト軍団に殴りこみをかけます

●原題:Mercenaries
●ジャンル:アクション/アドベンチャー
●上映時間:89min
●製作年:2014年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:クリストファー・レイ
◆出演:ゾーイ・ベル、クリスタナ・ローケン、ブリジット・ニールセン、シンシア・ロスロック、ヴィヴィカ・A・フォックス、ニコール・ビルダーバック、ティム・アベル、ジェラード・ウェッブ、その他大勢

 こよみは春ですけど、やっぱり寒いですね。この間、雪降ったし雪。まだまだ降りそうな予感がします。
 さて、前回に引き続き、今回もアルバトロス配給の作品です。割と新作ですが中身はどうなんでしょうか。

【ストーリー】
 カザフスタン。訪問中のアメリカ大統領の娘エリスがテロリスト軍団に拉致されてしまう。テロリストの女頭領ウルリーカは、娘と引き換えに我が領土に恩恵を与えよとホワイトハウスを脅迫。アメリカ大統領の側近らはエリスを救出するべく、ある傭兵部隊を秘密裏に結成する・・・。



【感想と雑談】
 思い付きそうで思い付かなかった『エクスペンダブルズ』の女性版(笑)。本家より人数は少なめですが、その分、配役で勝負なんだぜという意気込みがパッケージからヒシヒシと伝わって来ます。前回に続きアルバトロス配給なので、既に見えた気がしますが、その放っておけない女優陣に手が伸びた次第です。

 かつてのアクション作品で名を馳せた(たぶん)女優らが、様々な経歴を持つ犯罪人として登場します。まずは、テロリスト軍団の女頭領ウルリーカを演じるブリジット・ニールセン。完全にオッサンだろこれ。男装の麗人すぎる。過去の作品からしてキワモノ的な美形ではあったけど、今回の更なる貫禄の付きようはいったい。出オチですね。シルベスタ・スタローンの元嫁ということで本家との繋がりを感じますが微妙に。

 このウルリーカに対抗すべく、アメリカ政府は百洗練磨の女囚人どもをスカウト。政府の役人モナ役をシンシア・ロスロック、囚人側では戦術に精通したカサンドラ役をゾーイ・ベル、狙撃の達人キャット役をクリスタナ・ローケン、殺し屋レイブン役をヴィヴィカ・A・フォックス、そして爆弾の達人メイリン役をニコール・ビルダーバック、それぞれが演じています。

 シンシア・ロスロックは、女格闘家で数多くのアクション作品に出られてますね。香港アクションでは、サモ・ハン・キンポーと互角に戦ったりしてました。凄い人だ。本作では裏方に徹していましたが、レイブンとの確執からキレのある格闘をちょっとだけ見せてくれます。



 ゾーイ・ベルは、なんといってもタランティーノ監督の『デスプルーフ』('07)ですよね。スタントウーマン兼女優としてデビューした姿がとても印象的でした。欧米系のアクション女優って貴重だと思います。本作では45口径コルトガバメントを愛用する渋い主役級で見せ場はテンコ盛りです。

 ヴィヴィカ・A・フォックスは、タランティーノ監督の『キル・ビル1』('03)にも出てたのですね。殆ど記憶にないですが。本作では二丁拳銃とビッチで肝っ玉な言動がなかなかイカしてると思います。両手のグロック19を交互に突き出し連射する様はどうかと思いましたが。

 クリスタナ・ローケンは、実は本作で一番気になった女優です。というかファンです(笑)。彼女は『ターミネーター3』('03)に尽きるでしょうか。ギューンとオッパイ膨らまして警官を惑わし、シュワの股間を握りトイレの壁をぶち抜いてくT−Xの勇姿に、心のガッツポーズを送った諸氏は少なくないはず。終始のポーカーフェイスが真骨頂でしたが、本作では当然の人間役なので(笑)、色んな表情が拝めます。しかしもう36歳なんだ。相応の顔付きになっちゃってるな。ところで、彼女はレズをカミングアウトしてたはず。突撃してもT−Xよろしくぶっ飛ばされるだけかと思うので、遠くから眺めておくだけにしましょう。

 で、最後はニコール・ビルダーバック。この人、メンバのひとりなのにパッケージに姿がないんですよね。配給アルバトロスも失礼なことすんなよと思ったら、本国からしてそういう扱いになってるの。ジェット・リーに匹敵するアジア女優はいなかったのかな。一応、中国人役ですけど、韓国出身でドラマに多く出演されてる模様。本作では爆弾マニアで核ミサイルにウットリするコミカルな役どころです。レイブンに「どーも」と礼を言われると「それは日本語だ!」と怒ります(笑)。



 女優の見本市みたいになってしまいました。中身の方なんですが、はっきりいって安いです。終始スカスカな空気が漂っています。低予算の苦境をかなりのゴリ押しで突破してますので、画面全体の見た目と大真面目な行動をとるキャラクタとのギャップに笑えます。肝心のアクションでは、本家よろしく銃撃戦での血しぶきはド派手ですが、周辺のオブジェクトには殆ど着弾効果がなく、車や壁は頑丈で穴も空きません。爆発エフェクトはCG合成のようです。核ミサイルはスノコに積まれて登場という、もの凄いテキトー感です。

 しかし、そんな中にも見どころがあったりするのです。まず、アクションに付き物の銃火器に一風変わったタイプがあるところ。狙撃の達人キャットに役人がブレイザーR93というドイツ製の狙撃銃をいちいち説明しながら渡します。338口径ラプアマグナム弾を5発装弾とか。有名な銃なのでしょうか。ディティールに拘った印象的なシーンなのです。 それから、所々でカメラワークや演出にセンスと工夫を感じます。頑張ってると思います。

 また、銃撃戦時に敵兵が逃げていきますが、これを見たキャットが「任せれ」と狙撃銃を持ち出し、敵兵を目で追いながらノシノシ歩いてくるところ。ここちょっとした長回しになっていて画面構成と演じるクリスタナの鬼気迫る表情にグッときます。更には敵兵を睨みつけながら、狙撃銃をバイポットで固定し、スムースに伏せ撃ちに移行する辺りのカッコよさ。そして鋭い眼光。撃たれてもいいと思いました。T-Xの面影は皆無だけど。

 クライマックスのC−130輸送機を使ったアクションは、かつての007を彷彿させるほどの盛り上がりっぷりです。機内ではやっぱりスノコに積まれた核ミサイルにヒヤヒヤしながらウルリーカと大戦闘。後部のハッチが開くと機は急上昇し、彼女らはゴロゴロ転がり落ちそうになったりします。危ねえぞ。頑張れよエクスペンダブル・レディズ。

 で、どこか感心もできるんだけどやっぱり爆笑もできる、ひと粒で二度美味しい超B級作品でありました。シリーズ化されたらもっと笑えるぞきっと。


 やっぱり木曜洋画劇場を復活して欲しい。


<オマケ1>
 ブリジット・ニールセン主演の『スタークリスタル』('95)です。ブリジットはこうでなくてはいけません。なんだか『ターミネーター3』のT−Xの元祖にも見てとれますね。クリスタナ・ローケンの立場は?!



<オマケ2>
 『デスプルーフ』の頃に見つけたゾーイ・ベルの可愛いハイキックです。まず彼女のスカート姿というのが衝撃でした(笑)。



(C)2014 The Global Asylum Inc.
【出典】『エクスペンダブル・レディズ』/アルバトロス

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2015年2月1日日曜日

映画『イントゥ・ザ・ストーム』 ・・・竜巻が迫ってるのに、女の子とイチャイチャしてるとこうなります

●原題:Into the Storm
●ジャンル:アクション/スリラー
●上映時間:89min
●製作年:2014年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:スティーブン・クォーレ
◆出演:リチャード・アーミテージ、サラ・ウェイン・キャリーズ、マット・ウォルシュ、マックス・ディーコン、ネーサン・クレス、アリシャ・デブナム・キャリー、アーレン・エスカペータ、ジェレミー・サンプター、その他大勢

 2月に入りましたね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?今まさにインフルエンザの流行時期ですよね。予防策はしっかりとっていきたいですね。
 さて今回は、最近のデザスター作品の紹介です。デザスター作品といえば・・・私が崇めるあの大傑作がありますが、本作の出来はどうなんでしょうか。

【ストーリー】
 アメリカ。スーパーセルの異常発達により竜巻の大発生が危ぶまれる中、田舎町シルバートンでは高校の卒業式が行われ、一方ではピート率いるストームチェイサーが鼻息荒く近辺を通り過ぎようとしていた。突如、発生した竜巻によって校舎は半壊し、卒業生徒らは身動きが取れなくなってしまう。教頭のゲイリーは生徒でもある息子ドニーが工場跡地で被害にあったことを知り救出に向かうが、再度発生した竜巻によって車が破壊されてしまう。駆けつけたストームチェイサーの協力を受け、ゲイリーはドニーの救出に再出発するが・・・。


(インセプション・・・?)

【感想と雑談】
 忘れた頃にやってくるデザスター超大作ってやつでしょうか。本作では大自然の猛威として竜巻(トルネード)が主役ですが、私にとっての竜巻映画は『ツイスター』('96)がマスターピース(笑)です。雨後の筍なDVDスルー作品が多い中、久々に劇場公開された竜巻新作ということで、ちょっくら手を伸ばしてみました。

 うわー凄い迫力。でもなんだか・・・。

 冒頭、車中の若者達が竜巻に襲われます。前方の電柱が火花を散らすけど、夜中なので何が起きてるのかわからない。ウヒャーと盛り上がって前進すると突然、竜巻の姿が目に入り、慌てて車をバックさせるも時すでに遅し。この一部始終をハンディカメラ越しの事故映像として描いています。

 本作は、様々な登場人物によるカメラ越しの映像を挿入することで、大自然の脅威に遭遇する様を生々しく感じられるような効果を狙ってるようです。擬似ドキュメンタリとでもいうのでしょうか。ストームチェイサーだけでなく、卒業式当日の朝から親子の確執やら、ハプニング動画で一攫千金を狙うアホ二人組やら、それぞれハンディカメラの映像が交差しまくります。

 高校の卒業式も架橋に入った辺りで遂に天候が一変、竜巻のお出ましです。ここで地域住民が避難しストームチェイサーも仕事をこなして無事終了・・・という訳にはいきません。どうなるかというと、下心満載のアホ息子と女の子がどこぞで竜巻に襲われ命に関わるカウントダウン開始。察知した親父の高校教頭がストームチェイサーと共に救出に向かうという、スリルでイラッとくる、はた迷惑な展開になります。

 肝心の竜巻ですが、主役だけあってその映像は凄まじいです。乗用車やらトラックやら、はたまた建造物なんかは粉々に散って宙に舞います。この辺りの臨場感ある描写はさすが昨今の映像技術だなと感心します。そんな竜巻を目の前にして、酔っぱらいのアホ二人組が盛り上がり、車が破壊されると「俺らのクルマがー」って嘆いてるの。ここ恐怖と笑いのギャップが凄まじいです(笑)。

 監督は『ファイナル・デッドブリッジ』('11)のスティーブン・クォーレ。『ファイナル〜』は素晴らしかったですよ。冒頭の橋崩落のスペクタクルさにはビックリしたし、何よりもあのオチの持って行き方に感動しました。シリーズの復活にも貢献されてましたね。何でもジェームズ・キャメロン監督を師に持つらしく、確かに画作りには徹底したスタイルを感じます。

 しかし、本作は映像面に特化しすぎちゃったかな、という印象です。猛威を奮う竜巻を横目に、登場人物らを幾度も交差させながら命に関わるイベントを発生させて、それを回避させるサスペンスとスリラー要素は用意されてるのですが、それほど心に響くようなドラマには感じませんでした。上映時間が90分を切る短さもあるでしょう。そういえばクライマックスで、近年のあるSF作品そっくりなギャグにも見える場面が出ますが、監督はあの作品に思い入れか関係でもあったのだろうか。



 ここらから『ツイスター』を引き合いに出します(笑)。こちらはヤン・デ・ボン監督が、竜巻以前にアクション作品として貫いていて、監督らしいスピード感ある演出がドラマ性と相まって至高な作品になっていると、私は思っています。大半のかたは『ツイスター』を竜巻の脅威が足らずドラマも陳腐で余計なものという評価を下されています。では、本作の評価はどうなんでしょうか。

 『ツイスター』に足らなかった部分が、本作では埋め合わせされてるかと思いますが、いかがなもんでしょうか。最新のCG技術による、炎も一緒に渦巻いたり、人が巻き上げられたりする竜巻映像は、『ツイスター』の比ではないですよね。まあ、それでもどことなくチャチに見えるのは映画としての娯楽性を崩さぬようわざとやってるかもですが。

 『ツイスター』はストームチェイサー視点で竜巻を日々追うアドベンチャーで、本作は被災者視点で突然発生した竜巻の脅威に対抗するスリラーになります。また、両者にドラマ性はあるにしても、前者は映画然としていて、後者はドキュメント然としている。そもそも作りが違いますね。あんなドデカイものまで巻き上げて(笑)視覚的に皆をビビらせる後者の方が、デザスター映画の定義により当てはまるといえるでしょう。

 結局は観る人の価値観によりますが、私的にはヤン・デ・ボン監督が達者な分、『ツイスター』の方が魅力ある作品だな、ということ。人間的な温かみや高揚感もクセになる神作品であります(笑)。デザスターの物差しで計れば、私の評価は間抜けなもので、本作が格段上になるとは思いますが、クォーレ監督、絶対に随所で『ツイスター』リスペクトしてるだろこれ。

 しかし、本作も絶対的に満足できるデザスター映画に仕上がっているんですかね。これまでの評価によれば、ドラマ性を頑張ると破壊の美学が足らないと言われ、破壊性を頑張るとドラマ性が陳腐だと言われる。どっちだよ。ひょっとして、デザスター映画っていうのは永遠に成り立たないジャンルなんじゃないですか。

 という訳で、往年の竜巻デザスター作品のIMDb評価を調べてみました。’89年の作品から辿っています。大半がTV映画となっていてDVDスルーされていますが、この評価からしてその内容は言わずもがな。一番評価の高い(6.4)作品って何!!と思ったら、ドキュメンタリ短編作品でした。除外してもよかったか。で、問題は、肝心の『イントゥ・ザ・ストーム』が『ツイスター』よりも低評価(5.9)なんです。これはどういうこと?

(M):映画 (TM):TV映画 (D):ドキュメンタリ (2015/2/1現在)


 皆から文句たらたらでラジー賞まで食らった『ツイスター』が映画作品として未だ高評価(6.2)である事実。まあドングリの背比べだけどね(笑)。・・・まとめに漏れがあったらご指摘下さい。


 このブログではやっぱし『ツイスター』がNo1ということで。


(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.--U.S.,CANADA, BAHAMAS & BERMUDA
(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI) LIMITED--ALL OTHER TERRITORIES ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『イントゥ・ザ・ストーム』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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2014年7月26日土曜日

映画『アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー』 ・・・巨大化したチアリーダーが夢のキャットファイト

●原題:Attack of the 50ft Cheerleader
●ジャンル:SF/コメディ
●上映時間:83min
●製作年:2012年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ケビン・オニール
◆出演:ジェナ・シムズ、トリート・ウィリアムズ、ショーン・ヤング、ライアン・メリマン、ポーラ・ラバレダス、ジョン・ランディス、ロジャー・コーマン、テッド・ライミ、オリビア・アレクサンダー、サーシャ・ジャクソン、アン・マクダニエルズ、メアリー・ウォロノフ、その他大勢

 暑い、とにかく暑いです。皆さんいかがお過ごしでしょうか?全国的な猛暑日和でたまりませんね。こんな時期はひとつスカッと笑い飛ばせる作品を観たいものです。

【ストーリー】
 アメリカのどこか。学院生のメガネっ娘キャシーは研究仲間のカイルと共にある新薬の開発に成功する。それは老化した細胞を若返らせるもので、スポンサー企業の社長も大満足であった。一方、チアリーダーに憧れるキャシーだが、地味で鈍臭いためにチア団長グループに目を付けられ、入団テストを落とされてしまう。一大決心したキャシーは例の新薬を自分に投与し、運動神経バツグンの美女へと変貌。遂にチアリーダー入団への夢が叶うことになる。しかし、それも束の間、新薬の副作用はキャシーの体に大異変を起こしてしまうのであった・・・。



【感想と雑談】
 女の子の巨大化をテーマにしたSF作品というのは、昔から好まれているのですかね。本作の大元になってるのが『妖怪巨大女(原題:Attack of the 50 Foot Woman)』('58)なんですが、その他にもリメイクやら似たような作品がいくつか製作されています。

 単なるチアリーダーの青春コメディだったら要吟味ですが、巨大化したチアリーダーとくれば逃す訳にはいきません。よく考えたら、自分も以前に巨大ナースのコラージュとかよく作っていました。なんでかな。よくわかりません(笑)。今回、この手の作品を観るのは初めてだったのですが、いやあ楽しい楽しい。因みにこれ、3Dで公開されたそうです。

 チアリーダーに憧れる地味な学院生キャシーと、チア団長の女王様ブリタニーwith取り巻き連中が、開始早々に拍車をかけます。ここで両人が確執の関係になるのはお約束ですが、更には取り巻き連中がナイズバデー揃いだというのに、ブリタニーがひとりチンチクリンでいつも高飛車なのが幅を利かせています。笑えます。



 もうはっきりいってチープなんです。巨大化チアリーダーを題材に金をかける訳にはいきませんからね。東宝特撮みたいなセットも使っておらず、どっかの大学の校舎や施設を使ってのロケ撮影で、研究設備もショボいもの。でも、そんな条件下で、登場人物らが意気揚揚と活躍する様は見ていて楽しいものです。

 そんな登場人物らの配役に驚いてしまいました。お祭りです。まず、キャシーの母親役をショーン・ヤング。なんと懐かしい。ショーンといえば『ブレードランナー』('82)のレイチェル役一択でしょうか。面影は十分残っていますが、オバサンパワーは遺憾無く発揮。もとチア団長の設定なので、イケイケ演技もこなします。

 続いて、スポンサー企業の社長役をトリート・ウィリアムズ。この人ミュージカルの『ヘアー』('79)で素晴らしい歌声してたけど、それ以外ではB級中心の印象が強いです。巨大化キャシーのスカートをめくると嬉しそうにヨロレイホー♪だって(笑)。こういう作品に呼ばれる訳だ。しかしなんか安心する顔付きしてんだな。それと、研究所の責任者役をテッド・ライミ。どっかで見た顔だと思ったら、サム・ライミ監督の弟さんでした。この人もB級中心っぽい活躍をされてます。



 そして、大学の学部長役と講師役がなんと、製作のロジャー・コーマンジョン・ランディス監督(本作の監督じゃないよ)。二人ともこんな顔してたっけ?と思いましたが、随分と前の記憶なので当然といえば当然ですね。コーマン御大はこの手の安上りの作品を半世紀前から手掛けてきたB級界の神様みたいなお方で、門下生の多くが出世していることでも有名ですね。ランディス監督はなんかコントみたいな立ち回りで笑わせてくれます。お二人ともまだまだお元気そうで何よりです。

 その手の大御所に囲まれながら、若手の女優陣も負けじと話を盛り上げていきます。新薬の投与によってキャシーは様々な活躍をしていきますが、抜群の身体能力を見せるところで、ドラマ『バイオニックジェミー』の効果音を使ってるのも微笑ましいところです。そんなキャシーに比例してブリタニーがヒステリーになっていくので、取り巻き連中も面倒みるの大変だろうな、と思いつつも笑えます。楽しい。

 新薬の副作用によってキャシーの体は巨大化していきますが、始めのうちは単に台の上に乗って背が高くなった演技をしてるだけで、非常に不自然な画になっているのも笑えるところです。そして、やっと特撮によって完全に巨大化するキャシー。のちに研究仲間のカイルのことが気になりだすと、友人からの一言「あんたとのセックスは彼には洞くつ探検ね」。待ってましたその台詞(笑)。大事なポイントですね。



 キャシーの巨大化の秘密を知ったブリタニーも、新薬欲しさに研究所に突入。勢い余って両方のオッパイに注射が刺さったブリタニーは、そのままの姿で走り去ります。注射を抜けっての。やがて巨大化するブリタニー。キャシーもそうですが、生身しか巨大化しないので、ちゃんと特大サイズの衣類を調達するシーンが挿入されます。

 キャシーとブリタニーの二人が巨大化するとはいったいどういうことか。それは巨大化チアリーダーのキャットファイトが期待できるということです。巨大化ブリタニーが地響きチアリーディングでアメフト試合をブチ壊すと、スタジアムはキャットファイトのリングと化します。二人とも途中からオッパイぽろり状態に突入。観客も観客で、巨大化チアリーダーの戦いに熱い声援を送ります。全員アホか。

 キャシー役のジェナ・シムズってのが、またナイスバデーで手足の長さが映えること。でも顔付きがちょっと男っぽいというか、凛々しすぎるかな。ブリタニーの取り巻き連中の方が可愛い子が沢山いたと思うけど。まあ好みの問題か。ラストもみんなでお笑い大団円。B級SF好きの琴線に触れること間違いなしの作品だと思います。楽しいです。


 確実に何も残りませんが。


(C) 2012 Emerald City Pictures, LLC. All rights reserved.
【出典】『アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー』/アメイジングD.C.


昔、作ったヤツ(笑)。なんか、エマ・ロバーツみたいだ。

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2014年7月12日土曜日

映画『悪魔の毒々モンスター/東京へ行く』 ・・・我らがスーパーヒーローが東京に上陸します

●原題:The Toxic Avenger Part II
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/コメディ/ホラー/SF
●上映時間:103min
●製作年:1989年
●製作国:アメリカ
●言語:英語/日本語/ロシア語
●カラー:カラー
◆監督:ロイド・カウフマン、マケル・ハーツ
◆出演:ロン・ファジオ、ジョン・アルタムラ、フィービー・レグレ、リック・コリンズ、リサ・ガイ、ジェシカ・ダブリン、ジャック・クーパー、エリカ・シケル、安岡力也、桂木麻也子、関根勤、忍竜、永井豪、その他日本の役者大勢(笑)

 もう7月も中旬になっちゃった。皆さんいかがお過ごしでしょうか?梅雨もどうかな、終わりかな?でもこれから台風の季節にもなるんですよね。鬱陶しいですね。
さて、暑い夏といえばホラー。ということで今回は、懐かしのバカホラー作品です。

【ストーリー】
 アメリカ。毒々モンスターことメルビンによって悪徳市長と取り巻きのワルが一掃されたトロマビルは平和で溢れていた。しかし、平和すぎて自分の存在価値に悩みを抱くメルビンは、カウンセラー通いの日々を送っていた。その一方、悪徳企業アポカリプス社は核廃棄物の処理場をトロマビルにしようと目論んでいたが、それにはメルビンが邪魔すぎる。ということで、日本が開発した毒々パワーを消し去るアンチトロマトンで退治することに決定。日本に父がいるという嘘を流し、メルビンを日本に向かわせる作戦に出る・・・。



【感想と雑談】
 暫くソフト化から外れていたのが、昨年に晴れて再販されるようになった作品です。と、書くと、どんな作品?傑作なの??と期待させるのもアレなので、とってもバカ映画の名作と初めにいっておきます。久々に観たらやっぱりヒドかったので(笑)、今更感ありますけど記事にします。

 1作目の「悪魔の毒々モンスター」(’84)がよっぽど好調だったのか、トロマ映画のあるじでもあるロイド・カウフマン監督は、シリーズ2作目として日本のマーケットに着目したようです。当時、ビデオ全盛の日本も日本で、世界のトンデモ映画の需要が相当あったのか、そんなこんなで出来上がった本作ですが、日本を舞台にしようが志はいつものトロマ映画です。見慣れた日本もトロマにかかるとバカの王国になってしまいます。

 とはいっても、すぐ日本に舞台が移る訳ではありません。まず米国トロマビルを舞台に、濃厚でドアホなエピソードが爆進します。平和なトロマビル。主人公メルビンが盲目の彼女クレアと障害者施設でボランティア活動をしていると、土地を奪おうとする悪徳企業アポカリプス社によって施設を爆破されます。



 怒り心頭で瓦礫の山から立ち上がるメルビン。そこにリムジンで乗りつけたアポカリプス社長と女重役が放つ自慢の刺客らは、顔面ペイント、女装、マリオ、半獣人、という出で立ちで、何かのイベントにしか見えません。そんな刺客らをメルビンは、車イスで粉々に潰したり、パンチで顔面を貫通したり、腕をもぎ取ったりと、朝飯前の格闘でのし続けます。

 こんな様を深刻に見守る社長ら。メルビンのパンチで頭部の高速回転が止まらない刺客を見た女重役が漏らす一言「完璧な計画だったのに・・・」。完璧じゃねーよ。こういうのが普通の作品ではまず見られない光景です。音声については殆どがアフレコで、SE(効果音)含めて妙に誇張する演出が際立っています。バカ映像とバカ音声のダブルパンチがトロマ映画の醍醐味でしょうか。

 父親が日本にいることを知らされたメルビンは、サーフボードで太平洋を渡り、ゴジラスタイル(笑)で東京に上陸します。ここからエキストラは全員、日本人で占めることになりますが、ちゃんとトロマ演出によるオーバーアクションを見ることができます。すんごい無理してる感ありありの(笑)。


(浅草でロケ撮影。この注目度ですよ。)

 結構な日本の役者やタレントが頑張っています。関根勤は中継レポーター役として度々登場。修学旅行の生徒らに東京タワーを解説するくだり「これが東京タワーだ!全て鉄!」。そしてメルビンと目が合った途端「チョエェェ」と奇声を上げます。安岡力也はハーフ顔を買われたのかメルビンの父親ビック・マック役(笑)。マフィアみたいに貫禄あるのに相撲取りに変身しちゃう。

 父親探しを手伝うヒロインを演じるのは桂木麻也子。当時人気のAV女優だそうです。昭和の雰囲気全開でオッパイを見せてくれるよ。こんな日本側とメルビンの絡みをゲリラ撮影しまくったのか、容赦なく注目しまくる通行人の姿がいちいち笑えます。山手線のホームとか浅草とかよく撮ったな。

 仰々しいセットや仕掛け等はいっさいなく、そこらの下町や商店街で適当に撮ってる感は、トロマ映画の低コストと稚拙なセンスの賜物です。路地裏や魚市場の匂い立つような描写は、むしろトロマ映画だからこその、唯一無二の日本の一面を出せてるのではないか、とも思えます。その一方、日本人には理解できない(笑)エキセントリックな新しい日本もそこにあります。



 エログロ度は米国が舞台だと安心と信頼のレベルですが、日本が舞台になると随分ソフトになるのは仕方のないことですかね。オッサンの腰痛が治ったり、鼻をタイヤキにしたり、女風呂に入ったら野菜をぶち込んでシャブシャブにしたり。ホノボノしてる。ただ、英語のセリフになると、いつものトロマ映画らしい吹替えとSEになるので一安心ですが。

 唯一、日本でのグロ描写は、メルビンとの格闘の末、魚屋に投げ込まれた力士姿のビック・マック(笑)が庖丁人に細切れにされるところ。実はこの前にも伏線として、魚をやや汚らしく残酷に捌く場面が度々挿入されていて、ロイド・カウフマン監督が日本特有の残酷性として見出しちゃのかな、なんて思えます。

 日本でメルビンが散々弄られてる最中、悪徳企業はトロマビルを破壊し続けますが、それも長くは続きません。サーフボードで帰国したメルビンが返り討ちにします。爆弾抱えたヒットマンを、メルビンがタクシーで追跡すると、途中、フロントガラスごと屋根が吹っ飛び、全員ドリフのコントみたいになります。運ちゃんは怒り心頭ですが、メルビンに「イカしたオープンカーになったね」といわれると、満面の笑みを浮かべます。アホか。ねーよそんなオープンカー。

 とまあ、日本をメインにしたヒドい作品ですが、下手に真面目に描いた勘違い日本よりも、ずっと気を楽にして観ることのできるバカ映画だと思います。エログロ耐久性を必要とするやや上級者向けではありますが、これからトロマ映画を見たいと思われてる方(いるのか?)は、初級編として選んでみるのもいいでしょう。同じくトロマ映画で日本出資の『カブキマン』(’90)なんてのもあるので、併せて観るのもいいかも。ソフト化されてるか知らないけど。

 なんだかんだ、トロマ映画っていいと思います。

 第1弾 ⇒ 『悪魔の毒々モンスター』
 第3弾 ⇒ 『悪魔の毒々モンスター/毒々最後の誘惑』 ← 早く再リリースすれ
 第4弾 ⇒ 『悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル』


(C) MCMLXXXIV H.C.H. CO./TROMA, INC.
【出典】『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』/映像文化社

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2014年4月9日水曜日

映画『愛しのローズマリー』 ・・・グウィネス・パルトローが随分と可愛すぎて優勝

●原題:Shallow Hal
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ファンタジー
●上映時間:114min
●製作年:2001年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
◆出演:ジャック・ブラック、グウィネス・パルトロー、ジェイソン・アレクサンダー、ジョー・ビテレリ、アンソニー・ロビンス、スーザン・ウォード、ブルーク・バーンズ、レニ・カービー、その他大勢

 1月末以来の更新となりました。冬いっきに過ぎてすっかり春ですね。皆さん花見には行かれたのでしょうか?これからのところもあるのかな。
 体調崩してしまいましたが、まだ季節的には微妙な時期と思いますので、皆さんも健康にはご注意下さい。

【ストーリー】
 アメリカ。金融会社に務めるハルは心優しい独身男だが、異性に対する容姿への拘りがひどかった。美人でナイスボディの女性こそが正義と唱えながらも失恋を繰り返すハルは同僚からも心配される存在だったのである。ある日のことハルはエレベータで乗り合わせたカウンセラからある施しを受けることに。その日以来、今までがウソのように美人女性とうまくいくようになるハルは、飛切りの美女ローズマリーと出会うことになる・・・。



【感想と雑談】
 前回の『ムービー43』('13)のピーター・ファレリー監督が、今から13年前に撮ったこの作品、たまに観たくなったりするんです。ちょっと自分の中ではカルト作品になっちゃってるかなあ。今さら感満載ですけど書いてしまいます。

 自分にとってのカルト作品って、ツボにハマると何にでも笑い出してしまうようなもので、どのシーンをひとつとっても愛おしく感じるものですが、皆さんもそんな作品てあるでしょうか?本作も、最初から最後まで一貫してキャラの言動やカメラワーク、演出なんかにハマりっ放しです。

 幼少時代、父親の死に際の言葉がトラウマになったハルは、成人になってから追いかける女性はどれも美人ばかりになってしまいました。本人は性格はいいけどもイケメンとはいかず、相手の女性は速攻で逃げまくる始末。そんなハルの親友マウリシオも似たようなヤツで、二人してメタボ体型を振り回し、夜な夜なクラブで美女漁りに励みます。



 ハル役のジャック・ブラックも、マウリシオ役のジェイソン・アレクサンダーも、随分とハマっていて二人の息もピッタリ。このジェイソンはあまり知らないですが、なかなか味のある容姿に愛嬌もあっていい役者だと思います。ジャック・ブラックはどうみてもジャック・ブラック(笑)。若いですね。

 本作で最も魅力とされるのは、なんといってもローズマリー役のグウィネス・パルトローでありましょう。人の内面が直接見えるようになったハルとそうでないマウリシオの目に映るローズマリーの容姿の違いが、本作をドタバタにする真骨頂ですが、このハル視点での彼女の美しさ。そしてその可愛いさ。夕日に向かってどうもありがとうと叫びたくなるほどの素晴らしさです。

 この頃のグウィネスはもともと若いし、更に美しく可愛いくなるよう撮影監督が頑張ったことで、どのシーンでもとても美麗な彼女を拝めることができます。笑顔がとても素敵なんですが、個人的に好きなシーンは、ファミレスでハルとの会話中に椅子が壊れ、倒れこむところ。この時の、ペチャンコになった椅子の上で彼女が見せるポーズと上目使いの困り顔。萌えます。



 今まで観てきたグウィネス出演作では本作が一番魅力的に撮られているんじゃないでしょうか?この数年後に『ハッピー・フライト』(’03)っちゅうコメディで粋なCA役もやっていましたが、うーん、やはり本作に尽きるかな。クライマックス、ハルが目にする真のローズマリーとして、特殊メイクで登場する姿もまたよし。ビバ、グウィネス!

 さて、本作のテーマである内面の見極めが大事というのは、昔からあり勝ちなことかと思いますが、これに身体的コンプレックスや障害者のネタを重ねることで、ただの説教作品にしていないのが、またいいところです。

 下半身が退化した本物の障害者がハンデをものともせず豪遊してたり、それを妬むマウリシオは自身に身体的コンプレックスを持ってたりと、同様にコンプレックスを抱えるハルのことも考えると、全体的に何かしら障害に囲まれた感はあります。



 しかし、そんなキャラ達が生き生きと笑い飛ばしながら生活し、やがてコンプレックスを克服していく様は、自己主張の強い米国人ならではだよなと思えつつも、やはり見ていて元気が出そうになるし、気持ちがいいものです。

 障害者を題材にしていることで、口煩いところの評価はご多分に漏れずですが、障害者の方達からするとそうでもなく、好意的な評価なんだそうです。エンドクレジットではスタッフ全員の映像や写真を掲載し、障害者の方が自在にスキーを楽しむ映像を挟んでることからも、携わった方々への思いやりを感じるし、作品を無責任なものにしていないことがわかります。

 内容に一貫性がなく身体的なネタもやや不気味であった『ムービー43』(笑)よりは、ずーっと楽しくて感動できる作品だと思います。グウィネス・パルトローとジャック・ブラックの掛け合いの面白さも加えておきましょう。

 もう1回。ビバ、グウィネス!


(C)2001 by "Shallow Hal" Filmproduktion GmbH & Co.KG and Twentieth Century Fox Film Corporation.All rights reserved.

【出典】『愛しのローズマリー』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2013年10月6日日曜日

映画『ウォーターボーイ』 ・・・アメフト部の給水係が大活躍します

●原題:The Waterboy
●ジャンル:コメディ/スポーツ
●上映時間:90min
●製作年:1998年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:フランク・コラチ
◆出演:アダム・サンドラー、キャシー・ベイツ、ファイルザ・バルク、ヘンリー・ウィンクラー、ジェリー・リード、ローレンス・ギリアード・Jr、ブレイク・クラーク、クリント・ハワード、ロブ・シュナイダー、フランク・コラチ、その他大勢

 10月といえば衣替えですね。皆様いかがお過ごしでしょうか?まだ少々暑かったりしますが、ひょっとすると秋はすっ飛ばされて冬に突入したりするのでしょうか?

【ストーリー】
 アメリカの片田舎。ある大学アメフト部で長年、給水係として働いてきたマザコン男のボビーは、ひょんなことでクビになってしまう。ママの反対を押し切り、他の大学アメフト部で新たに働くことにしたボビーは、極度の水質オタクでもあり、常に良質な給水を頃がけていた。ある日のこと、イジメでブチ切れたボビーは部員に猛烈タックルしてしまう。その様に惚れ込んだ監督は、落ち目のアメフト部を復活させるべく、ボビーをスカウトすることにするが・・・。



【感想と雑談】
 このタイトルから『ウォーターボーイズ』('01)のことが浮かぶかもしれません。大ヒットな邦画でしたからね。しかし残念ながら、本作は全然違います。邦画の方は男子シンクロナイズドに挑む高校生達ですが、本作は飲水に命を賭ける一人の男(笑)なんです。紛らわしいタイトルです。

 主役のボビーを演じるのはコメディ役者のアダム・サンドラーで、監督はフランク・コラチ。以前、記事にした『もしも昨日が選べたら』('06)でも組んでましたね。なんでしょうか、この二人による独特のリズムというのでしょうか、このノリはなかなか良いと思います。現代劇ですが、ファンタジーの領域に突入するくらいに、非現実的なところがあって楽しいです。

 マザコンでちょっとオツムの足らないボビーは、せっかく用意した綺麗な水をイジメで台無しにされ、いつも温和なのにブチ切れてしまい部員らに猛タックル。それがきっかけでボビーは選手にされてしまいますが、いざグラウンドに立つと使い物になりません。そこで監督はボビーに、嫌いなものを想像してタックルすれ、とアドバイス。それ以来、ボビーの躍進劇が始まります。



 共演がまた素晴らしいです。ボビーのママを演じるのは名女優キャシー・ベイツ。肝っ玉で優しいママですが、ボビーに寄りつくものは全て悪魔と見なし、周りに心を開こうとしません。幼少時代のボビーとママの会話。ボビー「ママ、フランクリンが電気を発見したのはいつ?」、ママ「電気を発見したのはママだよ。フランクリンは悪魔よ!」。ママの強引な教育でボビーは成長してきた模様です。アメフトで怪我したのをゴリラに襲われたと嘘付かれ、ゴリラを指名手配するママが笑えます。

 それと、本作を最も際立ててる女優がいます。それはボビーを思う不良少女ヴィッキーを演じるファイルザ・バルク。あの睨まれたら萎縮確実な顔付きが堪りません。しかし本作での彼女はとても可愛いのです。観てきた大半が強面な役だっただけに、このインパクトは相当なものです。情けないボビーを懸命に愛し、応援する健気な不良少女が可愛すぎて、本作のマックス値になっています。オチで見せる姿には感無量・・・。

 その他、アメフト部のコーチが訛り酷すぎて誰も解読できないとか、せっかくのチアリーダーらが飲ん兵衛で全く機能していないとか、チームの監督が弱気なのはライバルチームの監督との確執にあるとか、地元応援団の男が不細工クリント・ハワード(ロン・ハワード監督の弟)だとか、いろいろ見せ場に事欠きません。


(逆三角形タトゥーがアクセント。嫁にしたいくらいです)

 あるトラブルで大学を追いやられ、更にはママが病で倒れてしまったボビーは、やはり悪魔の仕業だったんだと観念し、ママと地道に生きていく決心をします。諦めきれないヴィッキーや地元応援団らは、そんなボビーを何とかして立ち直らせようとしますが・・・。

 アダム・サンドラーで好き嫌いが分かれそうですが、それがクリアできれば、随分と楽しめるものと思います。特にどんでん返しとかなく、想定内のオチを迎えますが、こういうコメディ作品は総立ちなキャラが展開の中で、如何にバカをやって笑わせてくれるかですよね。まあ、私にとっては、何といっても、

 ファイルザ・バルクがNo1。



 あ、これもう15年も前の作品になるんだ。月日が経つのが早すぎるだろ・・・。


(C) MCMXCVIII All Rights Reserved
【出典】『ウォーターボーイ』/ブエナ ビスタ ホーム エンタテイメント

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