2010年2月18日木曜日

映画『ピカソ・トリガー エネミー・ゴールド指令』 ・・・第3弾 薄着の金髪美女とボディビルダーがバカンス中に金塊を発見します

●原題:Enemy Gold
●ジャンル:アクション/アドベンチャー
●上映時間:92min
●製作年:1993年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ドリュー・シダリス
◆出演:ブルース・ペンホール、マーク・バリエール、スージー・
シンプソン、タイ・コリンズ・ジュリー・ストレイン、ロドリゴ・
オブレゴン、その他大勢
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 この「ピカソ・トリガー」シリーズは一昨年にも記事にしてました。2作目で止めておりましたが、先日レンタル屋で目に入ってしまい、また観たい度がアップした次第です。という訳で、需要皆無の作品とは思いますが、久しぶりに出すことにしますシリーズ第3作目を。ははは・・・。

【ストーリー】
 アメリカは南部のダラス。あるモーテルではFBIのクリスとマークそして美人ベッキーらが捜査のプランを立てていた。ターゲットは黒幕サンチアゴが率いる麻薬組織だ。見事3人は麻薬を押収し手下どもを逮捕する。しかし上司ディクソンは無断で行われた一連の捜査を問題とし3人を停職としてしまう。意気消沈するもクリスは幼少からの夢であった南北戦争時に隠された金塊探しを提案。3人は埋められたとされる森林地帯へ向け出発。これを聞きつけた黒幕サンチアゴは、遠方より殺し屋を呼ぶと鼻息荒く3人を追跡する・・・。



【感想と雑談】
 このDVD、再生ボタンを押すと本編が始まることなく、いきなり・・・

 「やあ、アンディ・シダリスだ」

 と、小太りエロ親父のアンディ・シダリスが元気よく登場。このシリーズのDVDは必ず初めに製作陣の御大シダリス親父が自ら作品を宣伝します。この時、御大が横に呼び寄せるのがお抱え女優のジュリー・ストレイン。

 「どこにでもいる普通の女の子だろ?」と御大のたまう彼女は180cmの長身に紐みたいな下着姿。この容姿そして顔付きからしてまさに雌の野獣です。御大に抱きついたりオッパイ出したりして、たしかに普通の女の子ですね(違)。しかしスゲェ。このコントにも見えるやり取りが終わると、やっとこさ本編に突入します。

 前回にも書いているのですが、このシリーズは御大の中学生魂を中心に掲げた5ヶ条が元になっています。なので、エロス、アクション、バカンス要素が入り乱れて終わりという、要するにどれもこれも見た目が一緒の作品となっています。

 今回は一応、南北戦争時代に南軍の将軍が隠したとされる金塊探しがテーマになってます。が、先の通りの要素によって、そんなテーマよりも多々ある見た目の問題が気になって仕方がなくなります。因みに本作は御大の息子ドリュー・シダリスが監督やってます。

 本編に入るといきなり南北戦争の真っ最中です。が、何かの祭かイベントに乗じて撮ったのか、全体的にホノボノとしていて緊迫感が全くありません。そんな最中に南軍の将軍と軍曹が、北軍から奪ってきた金塊をある樹木の根っこに埋めます。ここでジャジャーンとタイトルバック。ENEMY GOLD・・・敵の金塊 ですかな。直訳でいくと。

 突然、シーンは現代のダラス空港に移ります。これがまたシリーズならではの直結編集と言いますか、時の流れを流暢に表現するようなことをしません。面倒臭いようです。ここで一人の金髪美女の足元をカメラが舐めるように追い、車に載るとそのまま移動。FBI捜査官ベッキーです。たぶん元プレイメイトだと思います。小柄でちょっと可愛いです。

 あるモーテルでは、二人のマッチョ捜査官がなにやら銃器の点検を行なっています。自動拳銃にリボルバー銃と様々。やや手元がおぼつかないようです。そうこうしてるうちに先のベッキーがやってきました。軽く打合せをした後、「武器はあるのかい?」と聞かれたベッキーは「まずは戦闘服に着替えるわ」と返します。出ました。ここで着替えタイムです。バスルームに固定されたカメラが延々と着替え中のベッキーを捉えます。必然性のないエロス。無駄に溢れ返ったオッパイタイム。

 このシリーズのエロスはあくまでも健康的なもので、ポルノみたいに生々しい直接描写はありません。心配不要です。ベッキーの露出度全開のデフォルト戦闘服が完了すると、クリスとマークはタンクトップ姿で拳銃を股間に差し込みます。ホルスターを使う概念は無いようです。モロに銃は男のメタファ全開なんです。


(よく見ると車ではなく荷台が爆発してます)

 3人が向かう先では麻薬組織の連中がたむろしてます。ここでも全員がマッチョ野郎。マッチョ同士で格闘技をやったりじゃれ合ったりしてます。シリーズのエロスに付属するマッチョ要素で、野郎で活躍するのは全員マッチョでしかもハンサムです。暑苦しいです。ここで3人の捜査官が乱入するとシリーズのアクション要素、銃撃戦タイムが開始。全員がタンクトップ以下の格好で”銃撃戦ってこうだよね”と言わんばかりの撃ち方で激しく応戦します。ほぼ棒立ちのままで。

 ここでは特に捜査官マークのリボルバー銃(44マグナム)の撃ち方が大袈裟でイカしてます。ベッキーはハイテクボウガンを駆使し敵を一網打尽にします。どこがハイテクかというと矢が命中して3秒後に爆発するあたり。ハイテクと呼べるか微妙ですが、本人がそう言ってるし、一番見栄えのある武器ではあります。

 裸に近い格好で3人揃ってジャグジーに浸かっていると元ボスから連絡が入りますが、この元ボスが女性でまた意味もなくシャワー全開で登場。無駄に溢れる裸体です。元ボスが頑張ったものの停職を免れなかった3人は、気晴らしに金塊探しのキャンプへと出かけます。これを聞きつけた黒幕サンチアゴは遠方から一人の殺し屋を呼びます。名前はジュエル・パンサー。お抱え女優ジュリー・ストレインの登場です。色んな意味で凄いですこの人。とにかく殺しのプロなんだそうです。この後、サンチアゴとジュエル・パンサーは、3人の捜査官を追跡し始めます。ここからやっと現代のエネミーゴールド騒動が始まります。

 川を移動したい為、ジュエル・パンサーは森林警備隊のスピードボートを狙います。目が点の警備隊員に、ビキニ姿のジュエル・パンサーが「ハイキングに来たの♪」とか抜かすので、観てる側が「ねーよ」と思ってると、今度はどこに隠してたのか大型拳銃でいきなり警備隊員を射殺。燃料庫に逃げ込んだ他の警備隊員には、照明弾をブチ込み大爆殺。銃器を振り回したり、近くで爆発を起こしたりと、そんな危険な行為の割りに非常に薄着でいられるのも、シリーズの醍醐味だったりします。


(ジュリー・ストレイン、実に眩しいですね)

 3人が泊まるコテージを発見したサンチアゴの手下らは、ボスにいい格好をしようと勝手に3人を殺そうと忍び寄ります。が、何を思ったのか手下はコテージの前でベッキーが使うバギーを盗み森の奥へと逃走。どこに行く。立場がはっきりしない脚本もピカソトリガーの醍醐味です。

 気付いたクリスとマークはバイクで追跡します。逃走中の手下は、ヘラヘラ顔で余所見していた為、樹木に激突します。このオートマチックで手下を仕留めた樹木が大問題。なんと例のエネミーゴールドが埋められた場所だったのです。過去にたまたま拾った将軍の日記から、目印として樹木にナイフを突き刺していることを知っていたクリスは、目の前の樹木に刺さったナイフを発見。ウルトラが付くくらいにご都合な脚本も言わずもがなです。

 金塊の存在も察知したサンチアゴは、更に目の色変えて3人を追跡します。やがて3人とサンチアゴ+ジュエル・パンサーが対峙。自動小銃を突き付けられ形勢不利になるも、ベッキーは隙を突いてジュエル・パンサーに殴りかかります。

 ヘッポコな格闘ですが、サンチアゴは「こいつはいいキャットファイトだぜ」と嬉しそうです。結局、逆転とはならず3人は危機一髪に陥りますが、ここで元ボスが駆け付け応戦。サンチアゴとジュエル・パンサーが乗ったヘリコプターに向けハイテクボウガンを発射します。3秒後にヘリコプター大爆発。

 本シリーズはヘリコプターの爆発も売りにしているのですが、ホバーリングしてる様子に突然画面いっぱいの炎が広がるので、実際なにが爆発したのかよくわかりません。予算の都合上、本物を爆破する訳にはいかないようです。この他にも、非常に薄い爆発シーンとか多々拝めます。

 残りのバカンス要素なんですが、前2作品までは舞台がハワイとなっていて、青い海や空がとってもバカンスしてました。本作はダラスが舞台となっているので、海が無い代わりに広大な川と森林地帯がバカンスの象徴となっていました。常に天候は快晴、登場人物はバカンス気分、というのは変わらずだったかな。というかこの変わりなさがシリーズの売りでもあるんですが(笑)。

 このシリーズはシダリス家で作られているのですが、特典を観て驚いたのがエロスの演出をシダリス奥さん(監督の母)が担当していること。てっきり監督がウハウハ撮ってると思ってたんですが、どうやら母親の才能が開花してたようです。どっちにしろ一家してエロスに囲まれているのは間違いないです。

 シリーズが進むに連れ洗練度はアップしていくようですが、観たあと何も残らない出来というのは本シリーズを貫く不変のスタンスと言えましょう。肩に力入るような映画ばっかご覧になってる方、たまにはこんな作品もいかがですか。アンディ・シダリス親父が羨ましくなったら終わりだと思いますが(笑)。因みに既に他界されてます。

 もし余力があるようでしたら、前2作品の記事もどうぞ。乱暴な記事ですけど(笑;)

第1弾:『ピカソ・トリガー 殺しのコードネーム』('88)
第2弾:『ピカソ・トリガー サベージ・ビーチ』('89)
第4弾:『ピカソ・トリガー ダラス・コネクション』('94)
第5弾:『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』('96)
第6弾:『ピカソ・トリガー リーサル・エンジェルス』('98)


(前作より人数減ってるけど、やっぱりカンパーイ♪でその後バッサり暗転)

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【出典】『ピカソ・トリガー エネミー・ゴールド指令』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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6 件のコメント:

  1. こんにちは!

    ピカソトリガーシリーズ・・ ありましたね^ ^

    そう言えば最近はお色気映画って少なくなった気がします。 幼少の頃は、映画にはたいていエロいシーンの一つや二つあったもの。 それが映画を見るようになったきっかけと言っても過言ではない^ ^ 今はAVなどが躍進して映画にエロは必要なくなったのかもしれません。 ならばいっそ、映倫やボカシは一切排して差別化を図るべきでしょう・・ (?) いまだにボカシ映画に遭遇することがありますが、冒涜ですね。 。

    本作はそこまでのエロではないでしょうが 'ビキニ' って響きも素敵です^ ^

    ガツンと応援!

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  2. >kiona様
    こんばんは!

    木曜洋画劇場といえばピカソトリガーだった気がします。もうテレ東臭プンプンなところが堪りませんね(笑)。今は水曜シアターに移っちゃってますが。。。

    そうですね、たしかにお色気映画は見かけなくなりましたね。無くは無いのですが、やっぱりこの時代が醸し出す味わいには勝てないと思います。見よ!この能天気さを!!(笑)。

    先日観た超B級作品で、明らかに作り物だとわかるのに、ボカシかけすぎて何がなんだかわからないシーンがありました。なんか考えすぎですよね。。。ホントに。

    もうちょっとピカソ~シリーズは頑張ってみたいと思います(爆)

    応援コメント、ありがとうございました♪

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  3. ウハハ、こんばんは~★

    いやぁ今回のはピカソ~シリーズはノーマークでした!

    我々のアクション映画はなぜか冬場の撮影が多くて寒くてたまらないのでこんな海辺で暖かそうなロケって本当に夢みたいです。
    しかも水着の美女が登場なんて!

    やっぱり肉食の奴らの考えることはおバカで良いですね~同じB級アクションムービーでもベクトルが全く違う方向に向いているのも興味深いです。

    機会があったら観てみます♪

    ポチっと応援!

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  4. >Benny様
    こんばんは~。

    オホホホ。たまにはいいでしょピカソトリガーみたいな能天気映画も(笑)。
    なんと、冬場の撮影が多いのですか?!てっきり満遍なく季節通して撮影してるかと。。。そういえば水戸黄門で知ったのですが、役者さん冬場は氷を含んで白い息を殺すんだそうで。Benny様も???

    しかし肉食アメリカンはやることが違いますね!ホント笑っちゃいます。次回作がまた怪しげな日系役者が出てるみたいで面白そうなんです。なんでまた記事にすると思います(笑)。

    応援コメント、ありがとうございました♪

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  5. こんばんは
    ピカソトリガーシリーズ…レンタルビデオ屋でつい手にはとるものの「テレ東でやる時に観ればいいか…」と、いつも結局元の棚に戻していた、今よりちょっと若かった日々を思い出します。
    基本的に「美女」「モンスター」「銃撃戦」を映画における三種の神器と考えている私にとって、その内の二つも満たしているこのシリーズは「金は払いたくないけどタダなら観たい」ランキング上位であることは間違いありません。
    応援ぽち!!

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  6. >快福や様
    こんばんは!どうも~♪

    おお、「美女」「モンスター」「銃撃戦」!イコール、テレ東キーワードでもありますね。さすが快福や様です。水曜シアターになってもガシガシやって欲しいものですが、現在どうなんでしょう。(最近テレビ観てないもので・・・)。
    ヘッポコだとわかっていながらつい借りてしまうのは、私の強烈に悲しいテレ東性なんだと思います(笑;)。シリーズ6作中3作を観ました。たぶん全作品観ると思います(爆)。

    応援コメント、ありがとうございました♪

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