
●ジャンル:ホラー/SF
●上映時間:89min
●製作年:2005年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:チューリ・メイヤー
◆出演:ルー・ダイヤモンド・フィリップス、その他大勢
◎評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆
超バッタなタイトルだけど、ルー・ダイヤモンド・フィリップスが出ているじゃないか。思わず借りてしまいました。
【ストーリー】
宇宙の彼方から隕石が飛来し、ご多分に漏れず地球に落ちてくる。またこのパターンか。
その頃、アメリカのユタ州を大統領候補を乗せた長距離列車が走行していたが、先の隕石が前方に停車中の乗用車にヒットし大爆発する。これを見た2人の機関士は列車を緊急停止し警察に通報する。そして1人の機関士が乗用車に近づくと、ボンネットに食い込んだ隕石から何かが飛び出し機関士は襲われてしまう。
暫くして到着した警官が、付近に食い荒らされた機関士の死体を発見し、凶悪な何者かが飛来し列車に入り込んだのではと推測する。警官は列車の足止めを要求するが、大統領候補は時間が無いからと列車を発進させてしまう。
大統領候補の広報官を務める元妻も乗車していることを聞きつけた警官は、相棒が操縦するヘリコプターで列車を追跡し無理やり屋根に飛び移る。警官は列車の運転席が血まみれとなっているのを目撃する。もう1人いた機関士も何者かによって惨殺され、その列車は暴走し始めていたのだ。
なんとか列車内に入った警官は、乗客のガードマンや支持者らと手を組み列車内を捜索する。すると突然、怪物が出現し大統領候補を食い殺してしまう。その怪物とは隕石に付着してやってきた凶悪なエイリアンだったのだ。
メタン成分を持つエイリアンは火に弱いことが判明するが、繁殖能力が非情に高く動作も素早いこともあって警官らは苦戦する。果たして警官と乗客らはエイリアンを全滅させ、無事に生還することができるのか・・・・・・。
【感想と雑談】
オープニングクレジットの飛来してくる隕石だが、もろCGである。太陽系の惑星もだ。まあ宇宙が舞台ではないのでこの辺は流すことにする。前から列車を舞台にした映画は数多くあったが、エイリアンものでやるのは珍しいと思う。 列車という密室を舞台にエイリアンと対決する訳だから、ひょっとして拾い物かあ♪・・・という期待は最後まで叶わなかった。なんだこれは。
登場する列車がHOゲージのような模型丸出しだったりする。緊急停車するシーン以外は全て模型を使っている。模型も見せ方を工夫すれば素晴らしいものになると思うのだが、本作には工夫のかけらもない。夕日をバックにしたジオラマの上をシャカシャカ走っているだけだ(引用①)。またこれを追跡するヘリコプターがいるのだが、列車が通過した後に必ずヘロヘロ上下しながら飛ぶ姿が合成される。同じカットを何回も挿入する。小学生でもヘリコプターはあんな飛び方はしないと思うだろう。こんな出来なら挿入しない方がマシである。合成でなく模型をワイヤで吊った方がまだいい。
こんなヘボい扱い方をされる列車だが、その内部ではそれなりのドラマが進行する。大統領候補が典型的に腹黒いやつで、車内ではミス・クリスティ(誰だ)と浮気したり(引用②)、そんなバカ候補を支持する老紳士が事件に真剣に取り組んだり、バカ候補を暗殺しようと客室係が暗躍したり、バカ候補のガードマン2人が友情を見せたり、バカ候補の広報官として主人公の警官の元妻が同乗してたりと。それなりにだ。
そんなドラマにルー・ダイヤモンド・フィリップス演じる主人公の警官が絡んでいく。この人、これまで沢山の作品に出演されているが、なんといってもNo1作品は『ビッグヒット』だ。マーク・ウォルバーグと共演したこの作品では、猛烈にバカなヒットマンとして強烈な印象を残していた。最高である。
本作では、通報から現場に呼び出されると警官の勘で列車に危険が迫っていることを察知し、急いで列車をヘリコプターで追跡するのだが、先に書いた追跡シーンのダサさのせいで深刻な表情をするルーが非常に浮いて見える。その後も山が迫りながらも無理して列車の屋根に飛び移ったルーは、回避できないヘリコプターが山に激突するのを見るや、もの凄い絶叫を上げる。しかしそんなルーもジオラマに模型が激突するカットの前では鼻水が出るくらいに空しすぎる(引用③)。
ルーも良い感じで歳を取っている。渋みを増したところでこれからの活躍を期待したいところだが、本作に出演したのはマズかったかもしれない。
肝心のエイリアンだが、隕石から飛び出たベビータイプが成長後に人間の体内に卵を産み付け増殖していくというもので、よくあるパターンだ。その姿は毎度の小中学生がデザインしたようなものでセンスのかけらもない(←パッケージを手にした時点で気付けよ・・・というツッコミはなしね♪)。人間大のエイリアンは全身着ぐるみだが首を振るくらいで殆ど動かないし、ベビータイプに襲われる人間はヌイグルミを持って一人芝居する。大変そうだ(引用④)。
最後まで頑張った支持者の老紳士に救いがあったと思うけど、やっぱりのダメダメ映画であった。さすがファインフィルムズ、『エイリアンVSエイリアン』を発掘しただけのことはある。
<追記
今更であるが、この邦題は某ビタミン剤「●リナミンEX」から取ってるに違いない。どうなのかファインフィルムズ。

①HOゲージは男の夢だけど映画に使うのならもっと工夫して欲しい。ジェットコースターみたいなレール上を走らせて車内のパニックを激しく描いてみるとか(笑)。
こんにちは。
返信削除なかなか突っ込みどころ満載でしたが、列車を使った高速エイリアンという努力だけは買っておきたいかなと思っています。(^^;
ルー・ダイヤモンド・フィリップスが一人頑張るも、周りがダメダメがかなり浮いていた印象が…この分では、誰かさんみたいに出演作品記録から抹消されそうな感じでしたね。
「デスレース2000年」観たのでレビュー上げておきました。
スタローン、あんな役立ったのですねぇ、しみじみ。(^^)
それにしてもとんでもルールでした。うーん。
>白くじら様
返信削除どうも!^^
当時はこんな作品ばっか漁ってました(笑;)。パッケージを手に取って怪しいことはわかっていたのですが、逆にツッコミどころ満載であれば、それはそれで楽しいかな~と。
得るものは無かったですが、後にネタとして語れるものはありましたね(笑)。
こういうのはどんな部分でもいいので突出した作りにすれば、それだけで評価できると思うのですが、なかなかそうもいかないようです。
ルー・ダイヤモンド・フィリップスには頑張ってもらいたいですね!
「デスレース2000年」後でお邪魔しますね。スタローン、イカしてたでしょ??(笑)
応援コメントありがとうございました♪^^