2008年7月7日月曜日

映画『カジノロワイヤル』 ・・・男も女も全員ジェームズ・ボンドだそうです

●原題:Casino Royale
●ジャンル:コメディ/アクション/アドベンチャー
●上映時間:131min
●製作年:1967年
●製作国:イギリス/アメリカ
●言語:英語/フランス語
●カラー:カラー
◆監督:ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲスト
◆出演:ピーター・セラーズ、デビッド・ニーブン、ウッディ・アレン、ウルスラ・アンドレス、その他大勢
◎評価:★★★★★★☆☆☆☆

 ダニエル・クレイグの新生ジェームズ・ボンド版ではなく、デビッド・ニーブンやピーター・セラーズらによる大量ジェームズ・ボンド版の『カジノロワイヤル』。昔の日曜洋画劇場とかで放映される度にワクワクしながら観ていた作品。たまたまレンタル屋で目に入り、久々に観たくなったので借りてみた。

【ストーリー】
 イギリス。ある日のこと、既にスパイ業から引退していたジェームズ・ボンド卿の下に、イギリス、アメリカ、フランス、ソ連の各諜報部の幹部が訪れる。現在、各国のスパイが消されまくっている状況にあり、ぜひボンド卿に復帰してもらいたく相談しに来たのだ。なんとか説得するも元直属の上司Mの依頼に対してもボンド卿はあっさりと拒否。その時、ボンド卿の豪邸が爆破され、その爆風でMのカツラが吹っ飛ぶ。そしてボンド卿を残し全員死亡。
 仕方ないのでMの未亡人にカツラを届け、MI6に復帰することになったボンド卿。事件の首謀であるスメルシュ国際陰謀団との対決に備えある作戦を計画する。それは何人もの諜報員を男女関係なくジェームズ・ボンドに仕立て上げ、敵を混乱させる作戦であった。
ついに作戦が功を奏し、スメルシュの陰謀を暴くことに成功するボンド卿。しかし、この後とんでもない展開に巻き込まれてしまうのであった・・・・・・。


美女軍団に囲まれるジェームズ・ボンド卿(デビッド・ニーブン)とマネペニーの娘

【感想と雑談】
 オープニングタイトルの曲がもうノリノリである。延々と聴いていたい気持ちのよさなのである。

 で、本編に入るともうハチャメチャである。イアン・フレミングによる007シリーズ原作の1作目を元にしているのだけど、当時のスター俳優を大量に出演させてる上に豪快なパロディに徹しきって色んなことをやらかしている。

 ハチャメチャなんだけど、コメディタッチの演出に60年代流行のファッションやデザインが凄く際立っていて今観るととても新鮮だ(引用①)。ギャグセンスも緩いものから斬新すぎるものまで色々あって見逃せない(引用②)。

 女性がやたら出てくるのだけど、40年前の作品だから今じゃ拝めないような容姿ばっかだ。美女揃いなんだけど今時の顔付と全然違う。でも美女は美女。美女の大豊作。この点は大歓迎です。それにしてもこの時代のセンスは絵になるね(引用③)。BGMに流れるバート・バカラックの音楽も雰囲気出ていて最高である。

 一応スパイアクションものなので、精巧なミニチュアを使った爆発シーンは結構迫力があるし(引用④)、奇想天外なところではサンダーバードよろしく巨大な飛行物体も出てきたりする。特撮が結構丁寧なのだ。

 『オースティンパワーズ』が影響を受けていたなんてのも凄くよくわかる。オースティンのメガネはマイケル・ケインが元ネタらしいんだけど、本作のメガネをかけたピータ・セラーズもひょっとしてありなんじゃないかと思う。回転ベッドに寝転がるセラーズなんてモロそんな感じだったし。美女軍団がマシンガンを構える姿なんてフェムボットの登場シーンだよなあ(引用⑤)。

 あとバート・バカラックなんかは『オースティンパワーズ』に特別出演もされてたっけ。

 ストーリーなんだけど、ハチャメチャなだけあって全体的にまとまりが悪くて統一感がない。カットが切替わってなんでそういう状況になるのかわからない時があるし、登場人物も理由がわからないまま登場しては消えてったりする。どれもこれも絵にはなっているのだけど、それが理解できるように綺麗に並べられている訳ではないのだ。監督が5人もいるものだから個性がぶつかり合って終いにはヤケクソになってしまったのかもしれない。ちょっとイッちゃってる雰囲気もある。でも、このまとまりの無さが当時の文化やデザインセンスも相まって独特のノリを出しているのも確かだ。

 細かいところは気にすんなやという観方でいくしかないけど、あの驚愕のラストには万歳!するしかない。デビッド・リンチじゃないんだけど、これは感性で観る映画かもしれない。当時のデザインやファッションを観て気持ちのいい音楽を聴く。これは右脳で観るべき作品といえましょう(笑)。

 タイトルにある肝心のカジノ。後半、オーソン・ウェルズ演じる人気者スメルシュの一幹部にピーター・セラーズ演じるボンドがギャンブルで挑むのだが、その後に段々とおかしくなっていく。シュールというかなんというか色々スパークする。

 『オースティンパワーズ』にハマった方なら興味深く観られる作品だと思いますよ。大変な目に会っても苦情は受付けませんけど(笑)。


①ここは国際スパイ学校の暗号解読教室。見よ!このデザインセンスを。ヘタなPVよりもお洒落度全開である。一度は通ってみたい夢の教室。奥の手旗信号の娘2人は暗号解読に貢献していないと思うが。


②ボンドの影武者とエージェントが洗車しながら車中で密会。洗車機の中に入るとスポンジ持った黒尽くめの美女らがお出迎え。お色気ムンムンで洗車してくれる。斬新な美女洗車機。


③ロンドンの衛兵交代を見物に来たボンド卿の娘マタ・ボンド。このファッションも実に良い感じです。ホント絵になってますね。


④ボンド卿の屋敷が木っ端微塵。本物を爆破しているかのように見えるこの迫力。ちなみにこの爆風でMのカツラが吹っ飛びます。


⑤クライマックスでボンド卿一行に立ちはだかる美女軍団。こんな大勢に攻められたらハーレムである。フェムボットもこんなにはいなかったぞ。右側手前にあるのは金塊でできたイス。ゴージャスである。

【オマケ】
『Casino Royale (1967) Trailer』
当時の予告編です。やたら”~イズ、ジェームズ・ボォンド!”と連呼するのが鬱陶しいですが、これも味わいというヤツです(笑。


『Herb Alpert & The Tijuana Brass - Casino Royale』
これがオープニグクレジットの曲。軽快なリズムがたまりません。この曲は至る所で流れ、場を盛上げてくれます♪


CASINO ROYALE © 1967 Famous Artists Productions Ltd. All Rights Reserved.
【出典】『カジノロワイヤル』/20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社

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4 件のコメント:

  1. これって、一応007シリーズに含まれるのかな?ジェームズ・ボンドで爆笑できるのはこれだけですよね。

    同名の新しい方、あの拷問だけはされたくないです。私ならすぐ(開始前に)白状します。(笑)
    応援凸
    「マルホランド~」初じゃなかったんですね。失礼しました。

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  2. >whitedog様
    なんか色々あるみたいで、007シリーズには含まれていないみたいですね。こっちの拷問シーンって・・・ボンドがやたら女に囲まれるところでしょうか(笑。しかし、女性ばかりの撮影現場は楽しかったろうなあ(笑。
    マルホランド、頑張りますよ!
    応援ありがとうございます♪

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  3. この映画大好きなんですよね~、馬鹿っぽくて(笑)

    応援ポチ♪

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  4. >dai様
    そうですね、とてもバカっぽい映画ですね(笑。これを観たら、最近のマジメ版を観たくなってきました。両方の2本立てをやって欲しいですが、立て続けに観たら体壊しますね、きっと。
    応援どうもです♪

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