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2016年5月5日木曜日

映画『私がクマにキレた理由』・・・ スカーレット・ヨハンソンが子守で大奮闘します

●原題:The Nanny Diaries
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス
●上映時間:106min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
◆出演:スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、ニコラス・アート、クリス・エヴァンス、ポール・ジアマッティ、ドナ・マーフィー、アリシヤ・キーズ、ジュリー・ホワイト、その他大勢

【ストーリー】
 アメリカ。せっかく大学を卒業できたというのに、この先の人生を見いだせず、就職に興味を持てないアニー。ある日、公園で男の子を相手にしたことで親であるミセスXから強引に子守の誘いを受けてしまう。その場の勢いで仕事を引き受けるアニーだったが・・・。



【感想と雑談】
 マーベルのSF超大作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』('16)が大変素晴らしい出来だったので、やはりここはひとつ、スカーレット・ヨハンソン(スカヨハ)にスポットを当ててみたいと思いました。『シビル・ウォー〜』のことを書けよ、というご意見が聞こえますが、ここはそういうポリシーですので。

 若かりし頃のスカヨハです。

 冒頭いきなり大学の卒業式でコケるという失態をかます主人公アニー。彼女の独り立ちが描かれます。演じるは何かと強靭でセクシーなイメージのあるスカヨハですが、本作では地味めなヒロインを演じています。これが素晴らしい。最近の現代ドラマ『ドンジョン』('13)とかも純愛なヒロインでしたが、ダイナマイトすぎる性格と容姿が問題でした。

 地味なリクルートスーツを決めて商社へ面接しに行くも、アニーは自分の人生が何なのか分からなくなり路頭を彷徨いだします。このスカヨハがナチュラルメイク(っていうの?)でケバくもなんともないんですよ。当然ながら初々しい。で、意外と背が低いみたいで、他の役者と並ぶとえらくちっちゃくて、全てが相まって愛らしい(笑)。


(キャプテン・アメリカの4年前とブラック・ウィドウの3年前です)

 セレブなミセスXから名前を聞かれアニーと答えるも、”ナニー(子守)”と聞き間違えられたせいで、強引に子守の仕事を任されることになります。子守に楽なイメージを持つアニーは気軽に受けますが、実は大変な仕事でした。子守を雇うのは大抵がセレブ層で、当然まず子供の世話を殆どしません。ミセスXもご多分に漏れずで、更に傲慢で高飛車という性格が付いてきて、ワガママな注文にアニーも辟易します。『プラダを着た悪魔』('05)の子守業界版ともいえましょう。

 はじめは状況にムカつき放題のアニーも、ミスター&ミセスX(なんだよその名前)夫妻の根深い問題に子供が取り残されていることを知り、子守を通して家族再生と自己成長のなんたらかんたら・・・で、要はとってもいいお話しなのですが、そんなことよりもスカヨハにスポットなので、スカヨハのことを書きます。

 コメディでもあるので微笑ましいスカヨハ要素がテンコ盛りです。特筆すべきは、アニーが子供のイタズラで パンツが丸見えになるところ。しかも後ろ向きで前かがみになります。グラマー体型がかますパンツ姿で可愛いのですが、これを目撃するイケメン学生が問題です。演じるはクリス・エヴァンス。まさかのヒーロー&ヒロインの顔合わせです。でも、マーベル作品ではないので、二人ともお気楽な関係です。クリスは学生といっても体型は既にキャプテン・アメリカなので、いつか暴れるんじゃないかと不安になります(笑)。スカヨハの方はブラック・ウィドウが微塵にも想像できない華奢な雰囲気ですが。



 手強い子供に翻弄されながらも心を通わせたり、トラブル発生時に慌てふためいたりと、不器用なんだけど、純真に一所懸命に向かい合うスカヨハがとにかくいいです。古風なメイドのコスプレしてちょこちょこ歩くところなんか可愛かったな。ちなみにイケメン学生の目の前で披露するこのメイド服がアメリカ国旗をなぞったデザインで、なんだかキャプテン・アメリカを彷彿とさせます。クリスは普通のポロシャツ姿だったりして、なにこのクロスオーバー。二人に対するなんかの暗示だったんでしょうかこの作品は。

 この子守という仕事はアメリカでは普通に浸透しているようで、いろんな作品で見かけますよね。よく日雇い的にギャラを渡してサイナラする場面とか。でも、日本では単に表に出てきていないだけかもですが、まあ馴染みがないですね。なので、子供相手の大変さはわかるものの、子守自体はアメリカならではのテーマであり、日本人には理解し難い歴史的な深い意味があるのかもしれません。

 まあでも、等身大でフレッシュなスカヨハが微笑ましいし、ホロリとするオチもあったりで、コメディ寄りのドラマ作品として楽しめると思います。邦題のタイトルの意味は、ちゃんとクライマックスに用意されていますので。これが何なのかは実際に観て頂ければと思います。もし興味がありましたらね。スカヨハファンで未見の方は、ぜひレンタル屋へ行ってみるべし。

 スカヨハは、『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』('04)でもクリス・エヴァンスとの共演とパンツもろ見え(笑)が堪能できます。こっちの方が更に若いですね。というか昔の作品ほどナチュラルなスカヨハが堪能できるということですね。


 ・・・久々に記事を更新しました。次回がまたどうなるかわかりませんが、マイペースでいきたいと思います。


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【出典】『私がクマにキレた理由』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2014年5月6日火曜日

映画『ワイルド・ガール』 ・・・アメリカヤンキー娘がホグワーツみたいなイギリス学校に転校します

●原題:Wild Child
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス
●上映時間:98min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ/イギリス/フランス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ニック・ムーア
◆出演:エマ・ロバーツ、ナターシャ・リチャードソン、キンバリー・ニクソン、ジュノ・テンプル、ソフィー・ウー、リンゼイ・コッカー、ジョージア・キング、シャーリー・ヘンダーソン、アレックス・ペティファー、エイダン・クイン、シェルビー・ヤング、ニック・フロスト、その他大勢

 遂にGW連休も最後となりましたね。皆さん満喫されたでしょうか?連休疲れで明日からしんどいですね。さて、今回はGWの最後を飾るに相応しい・・・かどうかはわからない作品です(笑)。

【ストーリー】
 アメリカの女子高生ポピーはワガママが行き過ぎて自宅パーティで大暴走。パパの堪忍袋はついにブチ切れ、ポピーはイギリスの寄宿学校へと送り込まれてしまう。イギリス一流の躾よりも一流ブランドや自由奔放を好むポピーは、現地のルームメイトとも馬が合わず、生徒会長に至っては速攻で犬猿の仲に。やがて、ポピーはわざと不祥事を起し、退学扱いを目論むことにするが・・・。



【感想と雑談】
 今回は、女子校生が弾ける学園コメディです。特別こういうジャンルも追ってる訳ではないのですが、本作のウリとしている異文化同士でのドタバタってのは気になるものです。アメリカとイギリスって同じ英語圏なのに文化や気質が全く違っているので、そういう関係に成り立つドラマって興味深いし、面白いと思うのです。『ホリディ』(’07)なんてのもまさにそんな作品でしたね。ケイト・ウィンスレットが良かったに〜。

 で、本作です。パパの後妻ウェルカムパーティと称し乱痴気騒ぎをする少女ポピーは、開始早々3分でパパの逆鱗に触れてしまいます。パパは相当のお金持ちなのか、そこは海岸沿いに構える豪華な屋敷。プールも付いてる。トニー・スタークかよ。とにかくポピーはイギリス名門の寄宿学校へと飛ばされます。

 舞台は一気にイギリスへと移ります。雨空の下、山間を移動する車を捉えるシーンは、アメリカのカラフルなイメージとは極端な対比となっていて非常に分かり易いです。到着する寄宿学校はこれまた古風なレンガ作り。周りの景観も手伝ってまるでハリポタみたいです。まあ、ハリポタがイギリスを舞台にしているので当然ですかな。後の「ここはホグワーツかよ」という台詞には笑えます。



 ここからイギリス文化に放り込まれたヤンキー少女ポピーのドタバタ生活がスタートします。伝統と統率を重んじる寄宿学校は、制服姿は勿論のこと様々なルールで縛られた厳しい環境です。イギリス人ルームメイト(4人との相部屋)からの孤立や、お約束の存在であるイジワル生徒会長with取り巻き連中との確執など、波乱の道のり。それでもくじけないポピーにはワクワクします。

 ポピーを演じるのはエマ・ロバーツ。体ちっさいな。ジュリア・ロバーツの姪だって。イギリス人役は全て本場の役者陣を揃えていてロケ地も間違いなく本場イギリス、ということで偽りなく本物を突き通した作りになってると思います。自分は西洋文化に詳しくないので、ひょっとするとウソもあるかもですが、少くとも海外で描かれる勘違い日本のようなレベルではないはず。

 学園生活なので、イジワル生徒会長やイケメン男子との関係がドタバタに拍車をかけますが、何よりもそんなさなかにイギリス文化が見てとれるところが素晴らしいです。本作はヤンキー娘がイギリスに単独入りするのが大半なので、双方の国の違いを対等に見比べることはできないのですが、それでもポピーの視点で映されるイギリスは新鮮で興味深いです。



 どうしてもイギリス生活から抜け出したいポピーは、ルームメイトからの提案で、不祥事を起し退学する計画を立てます。利害が一致することでルームメイトも協力し、ポピーは負のアピール拡散に忙しくなります。これが皮肉にもルームメイトとの親交を深め、イギリス生活を段々と受け入れていくという、ポピーの姿はお約束ではありますが、荒んでいた心情が溶け初めていく様はなかなかいいものです。

 仮装パーティでルームメイトらをハデに演出したポピーは、その際イケメン男子と急接近。この時、渾身のキーラ・ナイトレイ仮装(笑)をキメたイジワル生徒会長が大嫉妬しますが、普段はブサイクなのが実に可愛くなっていて、ちょっといいじゃない生徒会長、と思えるのは自分だけでないはず、ぐしし。閑話休題。生徒会長はポピーに怒り爆発、スパークしてしまいます。

 後日、イケメンとのデートを終え、ほっこり気分に浸ってるポピーに、ルームメイトがあるものを突き出します。それは、ポピーが友人に送ったとされるルームメイトや学校生活への誹謗中傷を含んだメール文で、校内にばら撒かれていました。初めのうちは確かに不満はあったが、そこまで書いてはいないし今の思いは全然違う、とポピーは懸命に訴えるもルームメイトは完全に冷めてしまいます。その後もポピーは騒動を起し、浮上してしまう念願だったはずの退学処分。



 メール流失事件をきっかけに問題は膨らんでいき、やがてクライマックスに雪崩れ込んでいきます。ホグワーツ(笑)並みの大講堂で開かれる裁判のような生徒会で、ポピーはいかにして活路を見出すのか。そしてルームメイトはポピーに何を思うのか。生徒会は思わぬ展開を見せ、学園コメディに相応しいオチを迎えることになります。当然でしょうな。

 ポピーとルームメイトら双方が作用し合うことで、お互いが抱えていた悩みや問題を解き放つという内容は、異国同士の関係も相俟ってなかなか深いものがあると思います。監督がどの国の方か不明ですが、テンポよくキレのある演出をされているので、重いこともなく学園コメディの王道として楽しめるのではないでしょうか。

 そういえば途中、ポピーが美容室に立ち寄りますが、そこのゲイ美容師をニック・フロストが演じていました。イギリスといえばのコメディ役者なんですかね。よくサイモン・ペグと共演してた印象があります。最近だと『宇宙人ポール』('11)なんてありましたね。

 同じ英語でも訛りの違いが面白いので、できればオリジナル音声で堪能すべきでしょう。


(C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ワイルド・ガール』/ジェネオン・ユニバーサル

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2013年8月19日月曜日

映画『わたしが美しくなった100の秘密』 ・・・ミネソタ田舎娘によるブラックユーモア満載のミスコン物語です

●原題:Drop Dead Gorgeous
●ジャンル:コメディ/スリラー
●上映時間:97min
●製作年:1999年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マイケル・パトリック・ジャン
◆出演:キルスティン・ダンスト、エレン・バーキン、デニス・リチャーズ、カースティ・アレイ、サム・マクマレイ、アリソン・ジャネイ、ミンディ・スターリング、エイミー・アダムス、ブリタニー・マーフィー、ローナ・ウィリアムズ、松田聖子、その他大勢

 夏の新作大作時期なんですが、やっぱり記事にするのは旧作だったりします(笑)。今回はちょっと作りが特殊ですが、なかなかイケてる作品であります。

【ストーリー】
 アメリカ。毎年恒例となっている化粧品メーカー主催のミスコンテスト。ミネソタ州の田舎町でも全国No1を目指せとばかりに、女子高生らを中心に大いに盛り上がっていた。あるテレビ局がそんなミスコンの裏舞台にカメラを向ける。しかし、そこに映されるのは華やかなイメージだけではなかった・・・。



【感想と雑談】
 昔、深夜枠で放映されたのを観たのですが、これがなかなかの衝撃作。知名度は低いようですが、意外や出演陣が豪華。そしてメリハリあってスピーディな展開。水面下を潜航し続ける隠れた名作に昇華しました。いつか記事にしたいと思っていた作品です。

 田舎町の女子高生らがミスコンに向け奮闘する様と、それを取り巻く大人達の様子が、全編テレビ取材による映像として描かれます。擬似的なドキュメントですね。同時期話題の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』('99)みたいな手持ちカメラのブレブレと違って、本作は落ち着いて見られる撮り方をしています。

 主人公の女子高生アンバーを演じるのはキルスティン・ダンスト。ここでの彼女はとても可愛いのですよ。この時まだ10代だしね。母子家庭のトレーラーハウス育ちという裕福でない環境でありながら、性格はとてもいいナイスガール。趣味のタップを踏みながら、今日も死に化粧のバイトに励みます。おくりびとか。



 元ミスコン優勝者の母を持つ、性格極悪な女子高生レベッカを演じるのはデニス・リチャーズ。彼女、こういう役柄ビタッとハマリますな。その性格から何としてもミスコン優勝を狙いたい彼女は、同じくビッチな母親と組んで裏工作に励みます。母親役はカースティ・アレイ。なんかブクブクになってる。『スタートレック/カーンの逆襲』('82)での士官役が綺麗なお姉さんでファンだったんだけどな。いつの話だよ。

 それと松田聖子がちょこっと登場します。米国かぶれの両親が白人娘を養女に迎えているので、ミスコンに出るのは聖子ではなく白人娘だったりします(笑)。聖子、いったい何歳の役なんだ?まあ女子高生役としても、海外からしたら疑いない容姿だと思いますが。

 あと、最近知って驚いたのですが、あのエイミー・アダムスがドアホなチアリーダー役で登場します。同じくアホな彼氏とエッチに謳歌している様が頼もしいです(笑)。言われないとわからない容姿と若さです。新作『マン・オブ・スティール』('13)が楽しみです。



 他の女子高生らも勿論のこと、そんな彼女らを見守る、というか変に干渉(観賞)しまくる大人達も含め全員キャラが総立ちで、見飽きることがありません。特に、アンバーの母親とその友人が揃って気のいいヒッピーで、レベッカの両親が会社経営の高飛車という、ミスコンで火花を散らすには非常に判りやすい対比となっていて、これに田舎町の住人らが花を添えるような行動を繰り返します。

 ミスコン大会の準備が進められる一方、不自然な事件・事故が起き始めます。ちょっと笑ってしまったのが、レベッカが狙ってるイケメンがアンバーと楽しげに会話をした翌日、そのイケメンがドタマに穴の開いた遺体となって登場するところ。取材陣がライフル射撃中のレベッカにその件を伝えると、「あら、そうなの?」とすっとぼけます。アンバーはアンバーで「仕方ないわ」とあっさりイケメンに死に化粧をするという。切り替えしが早すぎ(笑)。

 また、何十年も前のミスコン優勝者が役場の婆さんだったり、次に古い優勝者がソーセージ工場で豚の血を浴びてたり、前年度の優勝者が重病(白血病か)を患っていて車椅子に乗ってたりと。なんか、どこか触れてはいけないものが全面に出てしまっています。



 選考大会で女子高生らは個人種目(パフォーマンス)を披露し、失笑と喝采を浴びまくり、ついに町の代表が選ばれます。その後、町のパレードを経て、州大会、全国大会へと臨む超展開が始まり、怒涛のクライマックスへと雪崩れ込むことになります。

 脚本を手がけたのは実際ミスコン経験者のローナ・ウィリアムズ。本作ではもの凄く無口なミスコン審査員として出演もされています。本人の経験なのか創作なのかは不明ですが、女性視点だからこそミスコンの暗黒面を面白おかしく描けられたのでしょうかね。

 マスコミの冷めた視点で描かれるのは、美を追求するミスコンではなく、ミスコンを追及する負のエネルギーと、そのなれの果て。惨めさ愚かさをブラックな笑いと共に痛烈に批判した傑作だと思います。

 90年代最後にいい作品作りましたね。キルスティン・ダンストにイマイチ踏み込めない方も、これを観たら一発OKになること間違いないでしょう。


 やったぜ、キルスティン。


(C) MGMXCIX New Line Productions,Inc. All Rights Reserved.
【出典】『私が美しくなった100の秘密』/ポニーキャニオン

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