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2015年11月15日日曜日

映画『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』・・・ 盛大なバードウォッチングが人生を左右します

●原題:The Big Year
●ジャンル:コメディ/ドラマ
●上映時間:100min
●製作年:2011年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:デビッド・フランケル
◆出演:ジャック・ブラック、オーウェン・ウィルソン、スティーブ・マーチン、ロザムンド・パイク、ラシダ・ジョーンズ、アンジェリカ・ヒューストン、ジョベス・ウィリアムズ、その他大勢

【ストーリー】
アメリカ。1年間でウォッチングした鳥類の数を競う大イベントのザ・ビッグイヤー。今年もチャンピオンのケニーがタイトル防衛をするべく参戦するが、そんな彼をライバルとして同じく参戦する二人の男がいた。サラリーマンの独身男ブラッドと大企業の社長スチューである。3人の男達は相手の腹を探りながら、様々な攻防戦を続ける。今年の勝者はいったい誰になるのか・・・。



【感想と雑談】
 最初、どーしよーかな、と迷っていたのですが、出演陣に女優ロザムンド・パイクの名前を見つけた瞬間、即決しレジに向かってしまいました(笑)。しかしこれ、単なるバードウォッチング好きのドタバタコメディかと思っていたのですが、随分と違ってました。

 アメリカにこんな競技があったとは。

 アメリカ全土をまるまる1年かけて鳥類を追っかけ、ウォッチした数が一番多かった選手が優勝なんだって。スタートは新年明けた瞬間で、ゴールは年末の年越し直前。厳格なルールやコースとかは存在しないようで、とにかく色んな鳥をウォッチした数を自己申告していくだけの競技。

 審査員が常に張り付く訳でもなく、各選手のみで走り回って、ウォッチする度に「○○○○を見たぞー」と叫んでメモるの。アメリカではこういう規模の競技にもなると、不正するとかの発想の余地もなく、真面目にバカがつくほど一途な夢に向かって爆走するんでしょうな。

 1年もの間、どれだけバードウォッチングに時間を割き、またコストをかけられるかなので、凄まじく生活にも影響が出ます。アメリカ全土が対象になると、旅費も莫大だし、仕事も休みがち。家庭持ちだと理解を得るのも大変。さすがアメリカ、鳥好きもスケールが違い過ぎます。アホか。



 そんな競技にぞっこんな3人の男が主人公です。700種以上もの記録を持つチャンピオンのケニーを演じるはオーウェン・ウィルソン。仕事も成功していて妻がロザムンド・パイク(!)だというのに鳥のことで頭がいっぱい。親と同居中の独身男ブラッドを演じるはジャック・ブラック。厳しい生活状況だというのに鳥のことで頭がいっぱい。大企業の社長スチューを演じるはスティーブ・マーチン。部下に引き止められながらも悠々自適に鳥のことで頭がいっぱい。芸達者が勢揃いですね。

 この男達がそれぞれどんな背景を持って鳥に挑むのかを延々と追っていきます。コメディというよりも、軽快で洒落た人間ドラマという感じでしょうか。『プラダを着た悪魔』('06)や『31年目の夫婦げんか』('12)のデビッド・フランケル監督らしいスマートさですね。

 実話をもとにしているそうですが、ちゃんとエンタテイメントしているところは感心するばかりです。しかしまあ、よくぞこういう作品を撮ったなと思いますね。神出鬼没な鳥を追うのに、様々な大自然を舞台にしているので、裏方の苦労も相当なものだったのでは。VFXも使ってはいたようだけど。



 ブラッドとスチューの二人は家族の受け止め方や立場も違うけど、競技の勝ち負けよりも互いを尊重し合える関係になるのは微笑ましたかったです。

 この二人とは対照的に、ケニーが競技終了後にある光景を複雑な表情で見つめるところは、そこに被さる「欲しいものを得る為に払う代償の大きさ」を説くナレーターの声も相俟って、とてもしんみりする場面でした。

 地味な印象のバードウォッチングですが、本作はアメリカナイズされたスケール感でテンポもよく見易かったです。ジャック・ブラックが期待通りの顛末を見せてくれるところも、お約束といえばお約束ですね。大団円とはいきませんが楽しめる作品でした。

 ところで、ロザムンド・パイクなんですが、三枚目な役かと思っていたら意外とシリアス調だったので、『ゴーン・ガール』('14)がちょびっとだけ浮かんでしまいました。いかすぜ、ロザムンド。


 しかし鳥類が700種以上ってどんだけいるんだよ。


(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

【出典】『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2015年2月7日土曜日

映画『ブロンドジャンクション』 ・・・コマンドーの監督が送る、残念な女アサシン VS 爆弾オッパイ

●原題:Betrayal
●ジャンル:アクション/ドラマ/スリラー
●上映時間:94min
●製作年:2003年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マーク・L・レスター
◆出演:エリカ・エレニアック、ジュリー・ドゥページ、アダム・ボールドウィン、ジェレミー・レリエット、ジェームズ・レマー、ダミアン・チャパ、その他大勢

 皆さん、いかがお過ごしでしょうか?まだまだ寒いですね。インフルエンザもそうですが、そろそろ気になってくるのが花粉症です。嫌な季節ですホントに。
 さて、今回は犯罪アクションものを紹介したいと思います。いろいろ問題があって楽しい作品です。

【ストーリー】
 アメリカ。凄腕女アサシンのジェインは、今日も常連の組織から仕事を引き受ける。それは組織の売上金を横領してる下っ端の始末であった。手際よく仕事を済ませたジェインは、あろうことか売上金を持ってトンズラする。裏切られ怒り心頭の組織から逃れる為、ジェインは母エミリーと息子ケリーの親子に一般人を装いヒッチハイクを懇願する。親子は快諾するも、それがジェインとのヤバイ珍道中になろうとは知る由もなかった・・・。



【感想と雑談】
 何気に手を伸ばした作品です。パッケージの粋なポーズのブロンド美女(この時はそう見えました)に惹かれたのは当然ですが、なんと監督が『コマンドー』('85)のマーク・L・レスターで、出演陣にも思い出深い女優がいたりしてビックリ。運命の巡り合わせを感じ、即決しました。配給アルバトロス発掘のDVDスルー作品のようです。

 なにこれB級すぎるし、凄く懐かしい気分。

 始まってすぐ浮かんだのが木曜洋画劇場。展開もそうですが、垢抜けない色合いとスタンダードサイズの画面も相俟って、かつての東京12チャンネルありがとうな気分に浸れました。観る前の淡い期待(どんな)は木っ端微塵ですが、その出来が意外すぎて逆に色んな意味で収穫がありました(笑)。

 冒頭、娼婦を装った女アサシンのジェインが酒場でマフィアを始末するくだりはいい感じです。しかしこのジェイン、黙ってればいいのに汚い言動とクチもとが残念すぎる美人。クールビューティさもない自己陶酔ぎみの女。最初の印象が覆されます。演じるはフランス女優のジュリー・ドゥページ。どんな基準で起用したのか知らんですが、このB級臭さには非常にマッチしてる女優といえましょう。

 ひと仕事終えたジェインのしたり顔を拝むと、突然、砂漠のハイウェイが映されます。誰も歩いておらず何も走っていないハイウェイを15秒くらい映すと、次に角度を変えてまた同じような光景を15秒くらい・・・ということを5、6回繰り返す謎のカット。展開に向けた布石のつもりでしょうか。この辺りでコマンドーの監督にしてはどうなの、と思えると同時に笑いがこみ上げてきます。

 ジェインとは対象的に善良な親子。ママのエイミーを演じるはエリカ・エレニアック。『沈黙の戦艦』('92)をご存知の方は思い出して下さい。ケーキの中から飛び出しトップレスで踊りだすプレイメイト役を。実際プレイメイトでもあった女優です。懐かしいなあ。家賃滞納で困窮するシングルマザー役ですが、未だ健在の爆弾オッパイのせいで、ジェインを食ってしまうほどの存在感。笑えます。


(エリカ(左)の独り勝ち。そしてタイトル通りに交差するブロンド集団です)

 組織の金を奪い逃走中のジェインは、親子が車で同じ目的地に移動することを知るや、慌ててヒッチハイクを懇願します。

 ジェイン 「田舎の妹が危篤なんです。わたし足がなくて(;ω;)」

 同情した親子はジェインを乗せ目的地メキシコに向け出発。すると、ジェインは、タバコふかすは親子を見下し始めるわで、情緒不安定な女にしか見えなくなります。親子が可哀想・・・。

 休憩時、笑えるほどの唐突さで車に轢かれそうになったジェインは、殺気まる出しで、いまの車を追えと親子に迫ります。

 ジェイン 「あのゴキブリ野郎が!!とっちめてやる!!!」
 ママ      「そんな態度は止めて!落ち着きなさいよ!」
 ジェイン 「田舎の妹が・・・(;ω;)」

 急転すぎてアホか。

 モーテルで一泊することになった一行。ママ孝行の息子ケリーは、ジェインの部屋で100万ドル入りのカバンを発見します。夜、寝静まった頃、ケリーはカバンをそっと奪うと、ママの寝顔を見ながら「もうお金のことで苦労はかけないよママ」と置き手紙を残します。そして、ひとりヒッチハイクして自宅に戻ります。おい。

 翌朝、カバンを奪われたことで本性を現したジェインは、ママに拳銃を向けケリーのことを脅迫。やがて、追ってきた組織とコントみたいな銃撃戦に突入します。至近距離でショットガンが一発も当たらないスーパー銃撃戦。なんとか逃れたママは、通りがかった男に助けを求め、自宅に向かうことにします。実はこの男、話のキーとなる存在で、このあと二転三転する展開に拍車をかけます。一応スリラー要素です。


(レスリー・ニールセンのコメディ作品にもこんな銃撃戦がありました)

 一方、自宅に戻った息子ケリー。100万ドル入りのカバンを隠すと、お菓子を取り出し、くつろぎます。そして、スイッチオンしたテレビから、ジェインが指名手配中の殺人犯であることを知るや、

 ケリー 「ママがぁー!!!!(;ω;)」

 再びアホか。”殺人犯とは知らずに金を奪っちゃったんだよママ”、と猛省するケリーですが、オマエそういう問題なのか。最大の謎行動を起こす息子ケリーの顛末は爆笑ものです。

 クライマックスはジェインとママの一騎打ちで締めとなります。当然こうでなくてはいけません。ですが、ジェインも殺しのプロと豪語する割にはヘッポコすぎて、ママとの低レベルで対等なキャットファイトになってしまうのは、全体を包む空気から予想はできていましたが、やはり残念ではありました。

 ジェインのこと酷く書いちゃいましたが、実は可愛いところもあったです。今さらですが(笑)。最後の最後まで木曜洋画劇場だったな、と思わせる作品でありました。

 製作と監督をマーク・L・レスターがやってますが、かすかに片鱗はあるものの、残念ながら『コマンドー』には程遠い出来でした。18年も経って力量がなくなったのか、それとも『コマンドー』自体がジョエル・シルバー製作による奇跡の作品であったのか。どっちでもいいです。


 木曜洋画劇場を復活して欲しい。


(C)2002 Betrayal Producrions, Inc.All Rights Reserved
【出典】『ブロンドジャンクション』/パンド

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2015年1月3日土曜日

映画『her/世界でひとつの彼女』 ・・・超絶性能の女AIが男を天国に導きます

●原題:her
●ジャンル:ドラマ/ロマンス/SF
●上映時間:126min
●製作年:2013年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:スパイク・ジョーンズ
◆出演:ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、エイミー・アダムス、マット・レッチャー、オリビア・ワイルド、クリス・プラット、スカーレット・ヨハンソン(声)、スパイク・ジョーンズ(声)、その他大勢

 新年あけましておめでとうございます。皆さん、どんな年越だったでしょうか?私はなんだかいつものように日が変わっただけという感じでした(笑)。本年もよろしくお願い致します。
 さて、今回は割と最近のSF作品を挙げてみたいと思います。

【ストーリー】
 近未来のどこか。セオドアは手紙の代筆会社に務める心優しい男。決別寸前の妻のことで心に穴が開いた状態であった。ある日のこと、新型OSを購入するセオドア。それは最新型AIを搭載したOSであった。インストールと初期設定を終えるとAIは主人となるセオドアに話しかける。サマンサと名乗るその声は聡明な女性そのものであった。賢くウィットに富んだサマンサにセオドアは感動し、やがて生活も楽しいものとなる。しかし、学習能力によって感情を持つようになったサマンサはある提案をしセオドアを混乱させてしまう・・・。



【感想と雑談】
 レンタル屋の新作コーナーで何やら目立つパッケージが。こんな作品あったのですね。手に取って裏面を見てみれば、そのストーリーにビビビとくるものがありました。さえない男とOS(オペレーティングシステム)機能の主従関係を超えた世界。学生時代に何かの少年誌で読んだ同様のSFマンガに感動した記憶が蘇りました。今年1発目の記事にしてしまいます。

 静かな作品ですね。インターフェース技術が発達した時代で、市民はコンピュータを直接の会話形式で操作し、イヤホン型のコミュニケーションツールとスマホっぽい端末を携帯しています。舞台となる都市部は様々な人種が行き交っていて捉えどころのない無国籍風の印象。またどことなく抽象的です。

 冒頭から、代筆業務をこなし、街を歩き、自宅で過ごすセオドアを静かに淡々と追っていきます。抽象的と書きましたが、結構ディティールがしっかりしているところもあります。コンピュータ画面のデザインが映画然してなく質素だし、空間にプレイ画面を映し出す3Dゲームは超技術ですが、なんだかしっくりした存在感。



 好きな時に音声指示でコンピュータをリモート操作できて、例えばベッドの中で手軽に世界中の人とチャットできるのはいいのですが、その反面、悲惨とまではいきませんが人との直の触れ合いがなくなっているのも確かに感じます。薄くて中性的に感じるこの設定は、今のご時世を暗に表してるようで、ちょっと寂しく悲しくもあります。

 セオドアが衝動買いするOS。それに搭載される女性型AIのサマンサが大問題です。この声をスカーレット・ヨハンソンが演じてるとか。もうね、彼女が演じてること内緒にされていてもはっきりわかると思いますよ。うお、スカヨハじゃん(笑)。相変わらずハスキーでセクシーな声だなホントに。ユーモアもあって可愛いとこもあるしで。

 ブラインドデートで相手にキモイといわれ、復縁にほのかな期待を寄せるも妻からキツイ一撃を食らうセオドアも、また中性化した男性像の象徴にも見えます。妻との幸せだった思い出から抜け出せず心に穴の空いたセオドアにしてみれば、高性能のAIに人と同等もしくはそれ以上の関係を求めるのはわかるような気もします。



 それにしても、このAIが万能すぎて、春がきた全開のセオドア。街や駅をサマンサと共に謳歌する様は傍目には危ない人です。それほどサマンサが画期的なAIだということですね。また、セオドアはあろうことか夏の浜辺に長袖&スラックスで現れスマホ片手にサマンサと至福の時を過ごします。これって、かつてのラブプラス片手の熱海旅行を超技術でレベルアップしてますか。でも正直、楽しそう。私もサマンサ欲しいわ。

 繊細でナイーブな空気で充満してますんで、この淡い恋心でどこまで行き付くんだろうなと思っていたら、このセオドアとサマンサは恋愛関係に付き物の行為を普通にやってしまいます。スカヨハ渾身のボイス演技。ここはちょっと意外でした。きっとサマンサが人並みの感情を得たという重要なエピソードだったのでしょう。純粋に人間性を描いただけに過ぎませんが、ファミリー鑑賞は要注意だと思います。

 セオドアを演じるはホアキン・フェニックス。アクの強い風貌してると思ってましたが、こんなんでしたっけ?しかしなかなかの哀愁ぶりであります。そういえばこの人、役者業を引退するっていってた気がするけど。違ったかな。それから、セオドアの別居妻を演じるはルーニー・マーラ。デビッド・フィンチャー監督の『ソーシャルネットワーク』('10)と『ドラゴン・タトゥーの女』('11)に立て続けでヒロインやってましたね。可愛いらしい女優さんです。



 また、セオドアの女友達を演じるのがエイミー・アダムスで、ボサボサの化粧っ気なしで疲れ切ったところは、最近の『アメリカン・ハッスル』('13)でのケバさ(笑)とは実に対象的で、好感が持てました。スッピンを見せてくれる女優さんは正義。全てウエルカムなのです。鼻の形が印象的で好きな女優さんです。

 結局、世界中に同じインターフェースが浸透していることや、OSがネットワークに繋がっていること、そしてサマンサの超越した感情によって、我に返るようなオチに向かっていきますが、一方では救いもあったかと思います。ふと、学習しまくりAIの今後のことを不気味にも感じましたが、考えすぎでしょうか。とにかく頑張れよセオドア。

 サマンサ=スカヨハの実体化じゃじゃーんという期待は力いっぱい外れました。そんな安易な展開になるはずないと片隅にはありましたが、どうしても歯がゆく妄想してしまいますね。スカヨハですからね(笑)。

 ちなみに、吹替版のサマンサ声は、スカヨハが自然体すぎるのに対し、声優さんがやや機械的で固めの口調になっていて、これはこれでいい感じ。オリジナルと聴き比べてみるのも一興でしょう。


 スカヨハ音声の「ラブプラス」を作ってほしい。


(C)2013 UNTITLED RICK HOWARD COMPANY LLC ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『her/世界でひとつの彼女』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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2014年12月7日日曜日

映画『ふたりの男とひとりの女』 ・・・ジム・キャリーが顔芸かましながらレネー・ゼルウィガーと珍道中

●原題:Me, Myself Irene
●ジャンル:コメディ
●上映時間:117min
●製作年:2000年
●製作国:アメリカ
●言語:英語語
●カラー:カラー
◆監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
◆出演:ジム・キャリー、レネー・ゼルウィルガー、クリス・クーパー、ロバート・フォースター、リチャード・ジェンキンス、アンソニー・アンダーソン、ジャード・ミクソン、モンゴ・ブラウニー、マイケル・ボウマン、その他大勢

 とうとう12月なんですね。今年ももう終わりか・・・。しかしホント時間が経つのが早くなりました。今回は、そんな時期には全然関係ないコメディ作品だったりします。

【ストーリー】
 アメリカ。ロードアイランド州の善良な警官チャーリーは、その温和な性格からストレスを抱える毎日を送っていた。ある日、スーパーマーケットで他の客に横入りされ、遂に怒りを抑えきれなくなったチャーリーは別人格のハンクへと豹変してしまう。町でひと通り暴れ、また元に戻ったチャーリーは、多重人格障害と診断され、数時間おきの投薬を義務付けられてしまう。署長から気晴らしを兼ねた任務の指示を受け、チャーリーは指名手配から逮捕された女アイリーンをニューヨーク州警察まで移送することにする。しかし、アイリーンに犯罪組織から魔の手が伸びていることを知る由もないチャーリーであった・・・。



【感想と雑談】
 なんでだろうか。そんなにジム・キャリーには興味がないのに、パッケージを掴んでしまいました。で、裏面を見ると・・・なんだこれは、監督ってピーター&ボビー・ファレリーだったのかよ。しかも、レネー・ゼルウィガーも出てるし。速攻で借りました。

 うわー、これはヒドイことになってる。

 制作は2000年ジャストと意外や古い作品なんですね。同じくピーター&ボビー監督によるお気に入り作品『愛しのローズマリー』('01)の前年に作られているので、似たようなノリを期待しました。しかし、期待は裏切られました。下品なコメディであるのに変わりはないのですが、その下品さのレベルがケタ違い。でも、自分はこういうの大好きなので問題は無いのでありました。前にも同じこと書いてる気がするけど。



 善良な警官チャーリーが最愛の妻に逃げられてしまうところから話はおかしくなります。妻は浮気相手との間にできた子供3人を残しますが、途方に暮れるチャーリーはそれでも全てを受け止め、育児と仕事に専念します。しかし、心の歪は大きくなっていきます。

 隣人に新聞を取られ飼い犬の糞を放置されても笑顔、違法駐車の持ち主の横柄な態度にも笑顔、車道で遊び暴言を吐くガキにも笑顔・・・、と笑顔尽くしのチャーリーが、スーパーマケットに入店したときのこと。

 ある主婦に懇願され笑顔でレジを譲ることに。すると、主婦は大量の商品を抱えた子供らを呼びます。ここで遂に何かが切れるチャーリー。演じるジム・キャリーの真骨頂、スーパー顔芸タイムが始まります。ワンカットでトイストーリーのウッディみたいな顔からハンクの冷徹な顔に豹変していく様は特撮に見えるほどの素晴らしさ。盛大なBGMも相まって大笑いしてしまいました。ジムってやっぱ凄いんだ。見事すぎる。



 ハンクの前段に対する復讐ぶりがまた痛快です。主婦が内緒で買おうとしていたマンクリーム(笑)を盛大に取り上げ恥をかかせたり、車道のガキを噴水で水責めにしたり、違法駐車の車を床屋に突っ込ませたりと。隣人家に至っては、パンツを降ろし庭にしゃがむと気張りだすハンクの顔面アップ。この直後トグロを巻くチョコソフトクリーム(笑)のアップが挿入される凶悪さから、本作の心意気がわかるというものです。

 この後の珍道中に加わる女アイリーンを演じるはレネー・ゼルウィガー。彼女は何となくほんわかした不思議ちゃんのイメージでしたが、本作ではサバサバした威勢のいいオネーチャン役でちょっと意外に感じました。顔の特徴をチャーリーに毒舌させる脚本もあれですが、私はレネーみたいな顔付き好きです。垢抜けてない雰囲気がいいですよね。最近はどうなってるか知らんけども。

 ジムのド変態な演技に付き合わされるレネーもド級の汚れ役ともいえますけど、チャーリーとハンクが度々入れ替わっては騒動を起こす様に見事付き合ってる辺り、いいコメディエンヌなんだなと思います。オッパイを鷲掴みされたり、特大ディルドを弄らせたりと(笑)。この共演が功を奏したのか、ジムとレネーは速攻で婚約までしますが、あっという間に破局となりました。何やってんだよ。



 ピーター&ボビー兄弟監督は、必ず身体的ハンデをお笑い要素に持ってくるそうで、本作でも小人症の黒人がチャーリーに喧嘩を売るところなんかは印象的でした。この黒人が妻との浮気相手になるのですが、出来た子供3人が見た目ストリートギャングな秀才君に育ってるところは大ウケでした。もの凄いスラング調で量子力学を唱えたり、即興でヘリコプターを操縦したりと、固定観念を逆手にとったお笑いというのは目から鱗という感じ。

 共演として、アイリーンを追跡する刑事をクリス・クーパーが演じてますが、この人もまた特徴的で危なっかしい顔付きしてますよね。名優だと思いますが。因みにこの人、日本語吹替えにすると、ホモっぽい喋りになっていて、何だか可笑しかったです(笑)。

 話は、アイリーンに情報を握られたと勘違いする犯罪組織から逃げ続ける珍道中で、チャーリー=ハンクとアイリーンが親交を深めながら恋愛要素も加わっていくようなものです。不謹慎でグロテスクな表現も至るところにありますが、最近の『ムービー43』('13)を観てもへっちゃら楽しかったぜーなお方なら、存分に楽しめる作品だと思います。

 ところで、ピーター&ボビー兄弟監督は初作品の『ジム・キャリーはMr.ダマー』('94)でもジム・キャリーと組んでいたのですね。知らんかったわ。ちょっくらチェックすっかな。


 レネー・ゼルウィガーがちょっと気になる今日このごろ。


(C)2000 by Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
【出典】『ふたりの男とひとりの女』/20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント

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2014年10月13日月曜日

映画『フェイズIV 戦慄!昆虫パニック』 ・・・宇宙の異変で頭のよくなった蟻軍団が行動を起こします

●原題:Phase IV
●ジャンル:ホラー/SF/スリラー
●上映時間:84min
●製作年:1974年
●製作国:アメリカ
●言語:英語語
●カラー:カラー
◆監督:ソール・バス
◆出演:マイケル・マーフィー、ナイジェル・ダベンポート、リン・フレドリック、アラン・ギフォード、ロバート・ヘンダーソン、ヘレン・ホルトン、その他アリの大群

 3連休の最後ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?せっかくの休みですが、台風19号が迫っていますので、安全には十分注意して下さいね。
 今回は、久々に70年代の古い作品を引っ張りだしてしまいました。

【ストーリー】
 アメリカ。宇宙である異変が発生し、その影響は人類ではなく蟻の生態に及び始めていた。そのことを察知したある科学者は、暗号解析の権威を引き連れ、アリゾナの砂漠で研究を開始する。目的は蟻が交す信号を解析し生態系を把握するものであったが、やがて蟻が思いもよらぬ行動に出てしまい、科学者らは苦戦を強いられることになる・・・。



【感想と雑談】
 昔、テレビの洋画劇場でちょくちょく放映されていた作品です。リアルタイムでご覧になられた方は多いのではないでしょうか。ガキンチョの頃は、テレビで様々な洋画に釘付けになっていました。特にSFファンタスティック系にハートは鷲掴みなガキンチョ時代。それを叶えてくれたテレビ局は、言うまでもなく東京12チャンネル(現テレビ東京)でありました(笑)。

 動物系や昆虫系のパニックものは、大半がどんな理由で反乱(氾濫)しようが単純明快に人類が打ち勝つという、いい加減さも加わったジャンルの印象でした。が、本作はちょっと毛色が違ったようです。そういえば幾つかの場面が印象的だったのも、後日に特筆されるほどの内容に仕上がっていたからでしょうか。暫くソフト化から外れていた作品ですが、先日レンタルに並んでいたので改めて観ることにしました。

 20世紀前半からグラフィックデザイナーとして活躍されていたソール・バスが最初で最後の長編作品として監督した本作ですが、なるほどその経歴からして映像面は独特のセンスで溢れまくっています。オープニングからして宇宙の映像が抽象的なイメージに変化すると、そこから蟻の生態を超接写で延々映し出していきます。多くの有名作品のデザインも手がけている氏の威力を確かにガッツリ感じるオープニングです。当時のガキンチョには何のことやらでしたが。



 何かとインパクトある画作りしている本作ですが、肝心の蟻は突然変異といっても姿形は普通のままです。思考能力が異様に発達する様を、超接写とたぶんピンセットで無理矢理ポーズを取らせた演出(笑)、そして砂漠に作り上げる幾何学的なモニュメントをもって、その異様さと神秘性を表現しているのです。

 砂漠の研究施設を舞台に、科学者二人が周辺で猛威を奮う蟻軍団の生態を調査します。どこか狂気じみた執念で蟻を見下す英国人ハッブスと、純粋に蟻との交信を解析する米国人レスコ。彼らと蟻が行動する様を、交互に淡々とドキュメント風に描いています。そして、そこにひょんなことで転がり込んでくる地元の娘ケンドラ。このケンドラ演じるリン・フレデリックがもの凄い美人で砂漠のオアシスすぎます。

 蟻によって発電機を破壊され、激怒したハッブスがこの野郎と毒薬を噴射すると、蟻はさっそく抗体を持った新種へと変異。そして、研究施設を囲むように、鏡面化したモニュメントを一夜で作り上げます。反射させられた太陽光を浴び、その後にエアコンまで破壊された研究施設はやがて蒸し風呂になります。これはもう、蟻が逆に人類を見下し制圧しようとする構図です。



 タイトルにあるフェイズとは蟻軍団との局面を段階的に移行していくことを意味していて、フェイズⅢとテロップされた時点で人類は変異した蟻に太刀打ちできない局面を迎えることになります。では、次のフェイズⅣではどんな局面が待っているのか。公的機関によるプロジェクトなので、研究施設のたった二人の科学者と娘の顛末だけで事が進むというのは実際無理があるのですが、ひとつの可能性として、とても興味深い終末感とどこか安堵感のある局面(結末)だったと思います。ドアップで映し出す日の出も印象的でした。

 後発のSF作品に何らかの影響を及ぼしているんじゃないでしょうか。驚いたのが、草原を真円の中に正方形を残す形で刈り取ったモニュメントが登場するところ。これってミステリーサークルじゃないか。本作は70年代前半の製作だよな。ミステリーサークルが世界的に話題になったのは80年代に入ってからだけど、実は前からニュース沙汰になっていたのか?そうでなければ、これを創作したのは凄いことなんじゃないかな。しれっと描いてるからビックリしました。

 また、本作自身、あるSF作品からインスパイアされたんじゃないかと思えるところもありました。マイケル・クライトンの小説『アンドロメダ病原体』の映画化『アンドロメダ・・・』('71)です。こちらもアリゾナの砂漠を舞台に、墜落した人工衛星に付着した未知のバクテリアを研究施設で調査するというものでした。



 『アンドロメダ・・・』では、これも宇宙の脅威が発端となった様をドキュメント風に描いていて、多方面の活動が局面を迎えるごとに日時と場所をテロップします。アリゾナ砂漠の地下に建設された研究施設でバクテリアを光学顕微鏡で走査し解析画像をモニタ表示するところは、本作の蟻の超接写と交信の解析結果を表示する場面に通じます。また、防護服に身を包んで遺体を調査するところなどもそうです。『アンドロメダ・・・』大ファンの自分にとって、どうしても脱ぐえない疑念ですが、別にそれが悪いとは思いません。本作『フェイズⅣ』は、確固たる作家性をもって昇華している作品だと思います。両作に精通されてる方はどんな思いをお持ちでしょうか。

 もうひとつ両作の共通点として、紅一点が登場しているのですが、これについては前述の通り本作のケンドラ嬢に軍配が上がりすぎて優勝クラスとなっています。『アンドロメダ・・・』の方はなあ・・・(笑;)。

<追記>
 『アンドロメダ・・・』の紅一点とはメインの科学者グループ内のことで、研究施設内には女性スタッフは大勢いました。

 と、こんな記事になっていますが、古い作品でテーマも辛辣だし、映像もさすがにガサついているので、観る人を選ぶのかな、とは思います。動物パニックものなら、今どきのメガものシリーズを観た方が幸せになれるかもしれません。


 海外RPGゲームの名作『Fallout3』に登場する巨大蟻の開発者レスコ博士は、本作からの引用ですね、きっと。





【出典】『フェイズIV 戦慄!昆虫パニック』/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

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2014年4月27日日曜日

映画『バーサーカー』 ・・・クリーチャーファミリー VS ロートルバイカー軍団

●原題:Skinned Deep
●ジャンル:コメディ/ホラー
●上映時間:97min
●製作年:2004年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ガブリエル・バルタロス
◆出演:リンダ・ワインリブ、エリック・ベネット、リー・コシエラ、カロライン・ブラント、レス・ポラック、リズ・リトル、ワーウィック・デイビス、ジェイソン・ダグレ、その他大勢

 なんか暑いくらいの陽気ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?既にGW連休に入られてる方もいるのかな。最大11連休とか。いいですなー。 私はまだこれからの取得ですけど、たぶんインドアな連休になると思います(笑)。
 さて、今回は久々のバカホラー作品の紹介になります。

【ストーリー】
 アメリカのどっか。あるファミリーが山間部をツーリング中、車が突然のパンクに見舞われる。仕方なく近くの民家に助けを求めると、そこの婦人はとても愛想がよく、家で休んでいけと言う。お言葉に甘えるファミリー。しかし、家の中では不気味なクリーチャーらが待ち構えていた。長女ティナを残し惨殺されるファミリー。一方その頃、山間部をツーリング中のロートルバイカー軍団が、同じく民家に立ち寄ろうとしていた。どうなるティナとロートルバイカー軍団・・・。



【感想と雑談】
 久しくやってなかったバカ系ホラー作品です。元々こういうジャンルから始まった当ブログですが、ここのところ落ち着いた感の記事ばっかになってる。ちょっと初心(笑)に戻ってみようと思いました。配給会社はこの手では老舗のアルバトロス。パッケージのデザインがイカしてますが、さて中身の方はどうなんでしょうか。

 開始早々、車で山間部をツーリング中のファミリーが登場します。パパが突然「おいママ!野ウサギだ!早く撮って!」というと、ママはすかさずビデオカメラのレンズ側を覗き込むというボケをカマします。撮影されるママの目玉。後ろ座席には冷笑する子供の姉弟がいました。このパパとママが能天気すぎるばかりに、後にエライ目に会うことになりますが、この時は知る由もありません。あ、一応コメディホラーなんですね。

 車がパンクしたことで、ファミリーはある民家にお邪魔します。この時、応対する婦人(というか婆さん)が結構可愛いです。昔はきっと美人さんだったんだろうな。その辺ノータッチのままファミリーは食事にもお呼ばれしますが、リビングには様々なクリーチャーが待ち構えていました。



 両目がレンズでアゴには鉄のキバが並ぶ大男サージョン(以降、鉄アゴ)、お皿が大好きな小人症の男プレート(以降、皿男)、むき出しの脳が異様に肥大化した男ブレイン(以降、デカ頭)。こんなマンガにしか登場しないようなキャラが今か今かとスタンバってるところに、豪快な能天気プレーをしでかすパパとママが逆に怖いです。

 ママがカメラを向けたことで遂に鉄アゴが始動。大型ナイフでママの首をザックリやります。次に皿男が始動。背中に装備したマガジンから皿を次々にパパに投げ付けます。イーヤッホウ!と狂喜する皿男。演じるワーウィック・デイビスは、実は本作で最も有名な俳優です。小人症の容姿を活かした様々な経歴をお持ちで、例えばメジャー作品『ウィロー』('88)で主人公ウィローを演じたお方でもあります。やるじゃん。

 逃げ出した姉弟をとっ捕まえた鉄アゴ。弟を人間幹竹割りにします。ペローンと体が縦に分断される残忍性ですが、予算がなく適当なダミー丸出しの演出なので笑えます。一応ヒロインの姉ティナは、デカ頭に気に入られてしまい、クリーチャーファミリーの一員にされてしまいます。デカ頭はこれでもかと言わんばかりに巨大な脳が露出していて、見ていてハラハラします。



 心優しいデカ頭はティナに、自分らは造られた存在であることを告白。ティナと一緒に逃げたいけど、ファミリーの為にそれは出来ないと葛藤するデカ頭は、もし自分が純粋な人間だったら・・・と大妄想します。ここで最大の見せ場が登場。マンハッタンのど真ん中、人混みの向こうからデカ頭が楽しそうに走ってきました。全裸=フル○ンという姿で。ゲリラ撮影につきビックリする通行人のご婦人。風になびくデカ頭のイチモツに、やはりアメリカは自由であることを痛感しました。監督は逮捕されたらしいですが(笑)。因みにこのシーンは完全無修正です。

 一方、ツーリング中のロートル(老人)バイカー軍団が、クリーチャーファミリー家にやってきます。全員70歳以上のロートルがクリーチャーに絡むという不協和音ビンビンな展開に突入。休憩したかっただけの仲間が鉄アゴにやられたことで、ロートルバイカー軍団は、熱く復讐を誓い爆進します。で、ティナの立場は。

 何人もの仲間が盛大にやられるも、残った超ロートル(たぶん80歳超)は頑張って皿男を血祭りに上げます。ガッツポーズの超ロートルは、これもロートルな彼女と濃厚なキスをかまし、二人して華麗に去っていくのでありました。残りのクリーチャーとティナは?



 ラスト近く、ティナはある倉庫を発見。そこでクリーチャーの創造主クリエイターと対面します。コイツは体のある部位が欠損してる以外、単なる普通のボディビルダー野郎(ここのVFXはなぜか秀逸)。トロフィーに囲まれる中、優雅にポーズを取り続けるので、インパクトと混乱必至なシーンとなっています。なんか偉そうに「人類の歴史は創造と破壊の連続である〜」とか講釈たれてる最中、股間にぶら下げてたダイナマイトをティナに奪われ、木っ端微塵にされます。アホか。

 ベースは恐らく『悪魔のいけにえ』('74)なんだと思います。テキサス州の辺境の地でキチ○イ一家が旅行者を襲うプロットはそのまま本作にも当てはまりますね。でも、それを更に、意味不明なキャラやオブジェクト、そして言動で埋め尽すことで、ただのコメディホラーに収まりきれない珍作へと昇華しているようです。感覚で見ないと見続けるの難しいかも。まあ、特上のヘッポコ作品には違いないですが(笑)。

 そういえば、デカ頭と鉄アゴがどうなったかですが、もし興味が沸いた方には本編でのお楽しみ♪ってことで伏せておくことにします。結構インパクトある顛末でしたよ。これ、ティナが最後まで頑張るのですが、その頑張りが暗転後のスタッフロール最中にも続くという、あまりにも珍しいことになっています。


 これって実は一見の価値ありなのかもしれない。


(C)
【出典】『バーサーカー』/パンド

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2014年4月20日日曜日

映画『バッファロー’66』 ・・・天使クリスティーナ・リッチが降臨します

●原題:Buffalo '66
●ジャンル:コメディ/犯罪/ドラマ
●上映時間:110min
●製作年:1998年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ビンセント・ギャロ
◆出演:ビンセント・ギャロ、クリスティーナ・リッチ、ベン・ギャザラ、アンジェリカ・ヒューストン、ミッキー・ローク、ロザンナ・アークウェット、ジャン-マイケル・ビンセント、その他大勢

 暖かくなりましたね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。あともう1週間でGW期間に突入しますけど、私はいつものごとくレンタル鑑賞三昧になるかな。旅行とか遠出とかね、もうどこも人で一杯になりますしね・・・。

【ストーリー】
 アメリカ。刑務所を出所したビリーは、早々の生理現象を我慢しバスに乗る。町に着き、散々うろついたビリーが行き着いた先は、あるダンス教室。そこのトイレに駆け込むも、脇に立つ男が邪魔で出るものも出なくなる。キレるビリー。通りがかった生徒の少女レイラから小銭をブン借り、実家へ電話をするビリー。そして、突如レイラを誘拐し、彼女の車で実家に向うビリー・・・。



【感想と雑談】
 また今更感な作品を出してしまいました。ミニシアター系ですね。初公開の時、強烈なポスターに大丈夫かな?と思いました。渋い色調に浮ぶ二人の男女。このビンセント・ギャロってヤツの顔付き。ちょっと怖い。クリスティーナ・リッチもなんだかケバい。

 でも、ビデオになってからですが、実際観てみたら、これが実に素晴らしい作品でありました。以降もちょくちょく見直すようになり、前回の「愛しのローズマリー」('01)同様に、これもカルト扱いになってしまいました。調べると、一般的にもカルトの称号が付いてるみたいです。

 ビリーは出所後に実家に電話をしますが、刑務所務めのことは内緒にし、政府の仕事で家を離れていたこと、そして嫁と一緒に町に戻ってきたことにします。それらしい嘘を付きまくるビリーに、ママは嫁に会わせろ早くしろと煩い。どうしよう。ある決心をしたビリーは、通りがかった少女レイラを羽交い締めにし、オレの嫁を演じろと迫ります。



 ビリーを演じるビンセント・ギャロですが、本作で初めて知りました。その風貌がなんというのか、鋭いというか、繊細というか。華奢で神経質そうな言動からして、架空の役ではなく、現実のギャロ本人そのものを演じているんじゃないかと思えるくらいの生々しさがあります。監督、脚本、音楽、主演まで手がけたオレ様流であり、なにか鬼気迫るものも感じます。

 ダンス教室に通う少女レイラを演じるは出ましたクリスティーナ・リッチ。この時まだ10代。幼さを残し、ポッチャリ殿堂入りを果すくらいの体型が、まず目に染みます。ケバい化粧と体型がアンマッチすぎて、登場したての頃はうわぁーと思えるのですが、これが後に殿方のハートに侵食していく存在になるとは、まさかのリッチ。天使ですよ天使。他の作品でここまで気になったことないです。

 出所した早々に股間をモゾモゾし、バスを降りてから通行人にトイレの場所を聞きオロオロしまくるビリーの姿は、威勢を張った小心者のチンピラです。トイレで他の男(弱そうな)と二人きりになった際は容赦なく喧嘩を売るけど、威勢よくレイラを誘拐しても、その後の行動はお粗末なものです。



 ハッタリをかまし威嚇してくるビリーを、見透すように相手していくレイラがすさまじくいいです。小便を我慢していたビリーは、車を止めレイラを運転席に残したまま野ションに向かいます。こっち見るんじゃねーぞ、と遠くから凄むビリー。そのまま運転して逃げられるよねレイラ(笑)。でもそうしません。戻ったビリーは放尿が快感すぎたのか、オォウ・・・フゥウ・・・ホォウ、となかなか言い出せませんが、レイラは黙って聞き入ります。

 家で待ち構えるパパとママはビリーにとって苦痛の存在です。幼少の頃からずさんな育て方をされてきて恨み全開だというのに、その一方では両親には子供として全うしたい。そんな狭間に押し潰されそうになるビリーの姿はとても痛々しく、一家がテーブルを囲むところを夫々の視点で切り替えていくような演出も相まって、印象深いエピソードになっています。

 実家を後にしたビリーは礼とともに解放を告げますが、レイラは逆に離れようとしません。ビリーの繊細な心にレイラは惹かれるようになったのです。恋人のように接するレイラは、既に愛くるしい存在になっていますが、ボーリング場で披露する謎のタップダンスや、記念写真を撮る時のおどけた表情などは、極上の萌えポイントともいえましょう。



 ビリーには重要な目的がありました。それは自分が投獄されるきっかけとなったアメフト賭博に関しある男に復讐をすること。その男が経営するストリップ小屋に潜入し、ドギツイ照明におっぱいが振り回される中、ビリーは男を発見し拳銃を向けます。そして・・・。

 このストリップ小屋での出来事はちょっとした見物です。この少し後で流行り出す「マトリックス」('99)を思い出すもので、それを知ってのことかそれとも先見の明なのか、それまでの雰囲気からしてとにかく衝撃的な演出が拝めます。え、なにこれ、みたいな(笑)。

 出演陣が豪華めである以外、大作にはほど遠い作りで、出だしからのアクの強さには躊躇しそうなものですが、すぐに引き込まれると思います。制作費は関係ないですね。何よりもビンセント・ギャロの繊細な切り口が素晴らしく、これにクリスティーナ・リッチを起用したことで奇跡となった逸品といえましょう。

 これを観てクリスティーナ・リッチを嫁にしたいと思う殿方は多いと思うです。(今年34歳だそうですが、まだまだいい感じ)


(C)1997 CINEPIX FILM PROPERTIES,INC.
【出典】『バッファロー’66』/ポニーキャニオン

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