2011年4月17日日曜日

映画『ゾンビ・ナース』 ・・・呪われた病院で患者が右往左往します

●原題:Room 6
●ジャンル:ホラー/スリラー
●上映時間:94min
●製作年:2006年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マイケル・ハースト
◆出演:クリスティーン・テイラー、シェーン・ブローリー、ジェリー・オコーネル、クロエ・モレッツ、ステイシー・フーソン、シェリル・ツアィ、ケイティ・ローマン、ジル・モントゴメリー、メリー・パット・グリーソン、その他大勢

 こちらでは桜もそろそろ終わりかな。自粛ムードで花見も見送りのところがあるみたいですが、あまり暗くならないよう注意したいものですね。ここもなるべく笑えるような記事で埋めていきたいと思います。(笑えるというより笑われるが正解か)

【ストーリー】
 アメリカ。悪夢を毎晩食らってる女教師エミー。彼氏ニックはそんな彼女を元気付けようと車中でチューを迫るが、不注意によって交通事故を起こす。重症を負ったニックと事故の相手ルーカスの妹は救急車に担ぎこまれるが、なぜか救命士はエミーに行き先を告げずに出発してしまう。不安を覚えるエミーとルーカスは片っ端から病院を探すが二人を見つけることができない。一方、どこぞの謎の病院では医師やナースらが担ぎ込まれたニックを麻酔無しで手術しようとしていた。それはまさにエミーが食らい続ける悪夢の光景そのものであった・・・。


(欲をいえば制服はピンクのストライプ柄を希望)

【感想と雑談】
 ゾンビとナースの組み合わせ。このタイトルから反応するなと言われても無理がありますね。パッケージからは気持ち危険臭が漂っていたのですが、これは化けるかもしれない、といういつもの期待(笑)も込めて借りてみることにしました。

 期待は力いっぱい外れました。

 普通に考えて「ナースがゾンビになって大暴れ」ですよね。なんとこれが無いんです。ちっとも。微塵にも。配給会社のデタラメ邦題にやられてしまいました。役者とか演出とか画質なんかはかなり良いと思うんです。でもですね、ゾンビ・ナースの存在がなければ全てアウトなんです。残念。

 冒頭、麻酔無しの手術を受ける悪夢から目覚める金髪美人のエミー。同棲中のイケメン彼氏ニックがそんなエミーに気を使い、ドライブ中にキスを迫ろうとしたら、交差点で豪快な事故を起こしてしまいます。運転中の二人の様子からして、やっぱりな出来事でありました。映画から学ぶ交通安全は結構多いと思います。

 事故で大怪我を追ったニックはその後、接触した相手方と共に救急車で運ばれてしまいます。この時、エミーは野次馬の一人が怪物に変身する幻覚を見てしまい、以降、行く先々で同様の幻覚に悩まされることになります。これら怪物系の特殊メイクがとても丁寧なだけにゾンビものに発展しないのは残念なところ。


(事故で知り合う男ルーカス役はジェリー・オコーネル。『スタンドバイミー』('86)に出てた人)

 一応、タイトルの元ネタになったナースは出てきます。ニックが搬送される病院のナース長とその部下4人のナース。ダルマみたいなナース長は置いといて、4人のナースはかなりイケてます。ニックを取り囲んでは採血し、夜になれば倉庫で全員裸になって血を浴びながらのイケないプレイ。遂にはニックの目の前で他の患者をかじりまくります。この時のたった数十秒のイメージからゾンビ・ナースの発想が生まれたのだと思います。でも全然グロくないんですよ。ナースも患者も血まみれになってるだけ。ゾンビ・ナースと呼ぶには100万年早すぎます。

 実際は、エミーの幼少時代からのトラウマが交通事故によって増幅してしまい、遂には魔物の姿となってエミーを襲い始めるというもので、ウィルス感染とか宇宙からの放射線とか、そういうゾンビ要素は針の先っちょほどもないのです。

 素直に作品の顛末を追ってみると、エミーの過去に何があったのかで引っ張ること90分。幼少の頃に父親との間で事件が起きたことが判明し、エミーはそのトラウマから決別するかのような頑張りを見せますが、なんとも残念な結末と反則技が待っているのでした。途中散りばめた謎も説明不足で終わった感じです。反則技については他でもたまに見かけるものですが、本作の場合ニックの描写をどう入れるかが問題なんだと思います。さてその反則技とは・・・もうバレてるか?!

 力いっぱい期待を外されましたが、ネタとしては使える貴重な作品であったと思います(笑)。


(強いて挙げるなら、これがゾンビ・ナースの瞬間。暗いし何がなんだかよくわかりません)

 ところでゾンビ・ナースといえば『スピーシーズXXX 寄生獣の甘い罠』('06)の方がまだマッチしてるんでないかと。こちらはエイリアンの憑依ものですが、ナースの豹変ぶりやその活動内容、そしてアホっぽさからして、まさにゾンビ・ナース。ゾンビ・ナース全開。ゾンビなナースを堪能したくなったらスピーシーズXXXを観ましょう(笑)。

<2014年6月7日 追記>
 もの凄いあとになって気がついたのですが、なんとこれ、クロエ・グレース・モレッツが出てたのですね。主人公の幼少時代の役かな・・・。出演欄には名前がちゃんと書かれているし、もっとちゃんと見ておけばよかったと今更の後悔ですが、まあ当時はチビッコで無名に近かったし仕方ないですね(笑;)。この時はミドルネームのグレース表記はなかったんだ。


(C) 2005 IDT Entertainment Inc.
【出典】『ゾンビ・ナース』/アルバトロス

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2 件のコメント:

  1. これは、絶対に邦題がダマシと思ってみませんでした。
    やっぱり、その通りだったんですね!
    ナースがゾンビで大暴れが無いのは詐欺ですよね・・・。

    でも、そうは予感がしてても、見てしまうのが、umetramanさんらしいなと思いますけどね(笑)

    ぽち!

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  2. >とら様
    とら様の判断、大正解です。
    閉鎖された大病院でゾンビ化したナースが増殖して最後はナース長がゾンビ怪獣となって主人公と対決・・・がちっとも始まらないので、DVD間違えたのかと思いました。でも間違いではなかったです(笑)。
    詐欺以外の何ものでもないですねこれは。

    配給がアルバトロス。推して知るべしですが、今後もこの手にはやられ続けると思います(爆)。

    応援コメント、ありがとうございました♪

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