2008年6月13日金曜日

映画『THE 有頂天ホテル』 ・・・ナゴムレコードは関係なさそうです

●原題:THE 有頂天ホテル
●ジャンル:ドラマ/コメディ/ロマンス
●上映時間:136min
●製作年:2006年
●製作国:日本
●言語:日本語
●カラー:カラー
◆監督:三谷幸喜
◆出演:役所広司、その他大勢
◎評価:★★★★★☆☆☆☆☆

 邦画の話をしていると必ず出てくる三谷幸喜。大抵の人が好きで良い良いと言う。三谷本人はテレビで拝見したことはあるが何かが鼻に付いて自分は作品を観たいと思ったことがない。観ず嫌いというやつ。しかし1本も観ないで判断するのもいけないと思い、遂に決心し借りることにした。

【ストーリー】
 日本のどこか。大晦日の日にホテル・アバンティでは年越しイベントの準備で大忙しだ。そんな状況でも宿泊客には「お客様は私どもの家族でございます。おかえりなさいませ」とか抜かし笑顔で迎え入れる。
 そんな準備やもてなしでごったがえすホテルのロビーを中心に様々な人間ドラマが展開する。入り込む度に追い出されるコールガール、歌手を目指していたが挫折し帰郷しようとするドアボーイ、ホテルに篭城する悪徳政治家、不倫騒動に巻き込まれる客室係、イベントに呼ばれた幸薄の女性歌手、脱走するアヒル・・・等々、盛り沢山なドラマが副支配人の新堂を中心に交差しながらドタバタと突き進んでいく。
 果たして無事に新年を迎えることができるのだろうか。大丈夫かホテル・アバンティ・・・・・・。

【感想と雑談】
 笑いを目指しているそうだが、話題に聞いていたほど笑うところは無かった。笑かそうとしているのはわかるのだが、なんだか強引な表現でアピールしているようで、そんな様が観ていてとても恥ずかしかった。テンションを上げておかしな行動をする人間で楽しませようとしているのか。テンションを上げるのは悪くはないのだが、上げ方をどうにかして欲しい。特にウェイター役の川平慈英。松たか子も変だ。何か。

 そんなお笑いの取り方をしているせいか、何をやってるのかさっぱりわからない部分もあった。役所広司演じるホテルの副支配人が昔結婚していた相手とバッタリ会うのだが、なんかギクシャクしながら会話してたと思ったら突然自分の胸に手を当てたり、同僚に乱暴な口をきいたりして、行動がわからない。その後も鹿愛好クラブに強引に出席して挨拶したと思ったら、先の元結婚相手が前に立ち現夫の代わりに挨拶しますと切り出すと、顔面蒼白になって去ったりと・・・。なんなんだこの役所は。何があったんだ?事前に前振りの台詞でもあったのか?

 だいたい、邦画の台詞ってどもりがちになって聞き取りにくい点が多々あると思う。説明的な台詞があったとしても聞き逃す恐れもあるので、こういうのが自分が邦画が好きでない理由であるのかもしれない。邦画が全部という訳ではないのだが。

 集中力が無いからこうなるのかな。三谷ファンなら完璧把握しきれますってなるのかね。

 その他の観方でいくと、一つ一つのエピソードが割と長回しで撮られていて適度な緊張感があるのは良かったと思う。カメラワークもスムースで、邦画であんなにステディカムを前面に出してるのは珍しいんじゃないかな。これも三谷カラーなんだろうか。キャラ的には殆どがクドくて鬱陶しい演出になっているのだけど、それらが繰り広げるエピソードが絡んでいくのも割と楽しかったと思う。ただし、アヒル脱走の件ではムカムカしっ放しだったけど。あんなアヒルは片足でふん付けて一発だろ?と思う。それをアリとキリギリスだか虫みたいな芸名の役者とか役所広司なんかも振り回されっ放しで。アホか。このアヒルがいなければ評価は上がったかもしれない。

 普段の生活パターンの中で、本人が意識しないところでパターンから逸脱してしまう瞬間に一つの可笑しさやお笑いが生まれるのだと思う。本作は逸脱の仕方が技とらしい。だから恥ずかしいし寒い。

 三谷幸喜ファン以外の方で未見の方がいたとしたら、どんな作品かはいくらでも紹介するし、観るなとも言わない。でもお薦めもしない。
 今、『マジックアワー』という新作が上映されているはずだ。先日の『ランボー 最後の戦場』を観に行った時に劇場内にデカデカとその書割が飾ってあった。・・・その並んだ役者の顔付きを見て、うはぁダメだわこれと思った。

 やはり、観ず嫌いの判断は正しかったようだ。

© 2006 フジテレビ 東宝
【出典】『THE 有頂天ホテル』/東宝

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