2008年6月30日月曜日

映画『ハムナプトラ』の新作は・・・相変わらずハデなようです

『ハムナプトラ』シーリーズの新作『The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor』の予告編を観た。

相変わらずハデなようですね。動くはずのない銅像が動き出したり、これの大軍団が砂漠を闊歩したり、剣で胴体真っ二つになったりと、シリーズの法則が冴えまくりのようです。なんかトゥームレイダー(ゲームの方)のデストラップみたいなのもあるようだし。

今回は舞台が中国で悪役がジェット・リー演じるどこぞの皇帝なんだとか。ミイラから復活するそうで、これも法則のまんま(笑)。って主題はThe Mummy(ミイラ)なんで当然か。
主演のブレンダン・フレイザーは続投だけど、遂にカミさん役のレイチェル・ワイズが降りてしまった。シャンプーのCMになんか出なくていいから、こっちに出て欲しい。
で、今回のカミさん役はマリア・ベロという女優。どっかで聞いたことあるので調べてみたら、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』でヴィゴ・モーテンセンのチアリーダーコスプレするカミさん役やってた人だ。凄いな。ハムナプトラでも同様のことやってくれるのかな(違。

監督もスティーブン・ソマーズからロブ・コーエンに変わってしまった。ひょっとして散漫だった部分が改善されるのかな。

日本では今年の8月中旬から公開とのこと。間違いなく観に行きます(笑。

以下、新作の予告編です。どっかで観たようなシーンですが新作です。


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2008年6月29日日曜日

映画『スピードレーサー』の公開前に・・・

『スピードレーサー』、7月5日から公開だそうで。
CMに流れている曲は原作アニメから持ってきてるようだけど、本編の曲(主題歌?)にも使われているのだろうか。うーむ。

さて、『スピードレーサー』といえば『デスレース2000年』。
アメリカではリメイクの『デスレース』という新作があるようで、なんとジェイソン・ステイサムにジョアン・アレン(女優の鑑ですね)が出ているようだが、ここでは『デスレース2000年』。

で、なぜ『デスレース2000年』かというと、30年以上も前にこんなアホで不謹慎な未来のレース映画があったということ(原作アニメの方がもっと古いけど、この手を実写にしたのは快挙)。そして、これを踏まえて『スピードレーサー』を観れば、少しでも幸せになれるのではないか、ということで紹介させて頂きました。楽しみだなぁ(笑。

手前味噌ですが、こちらで『デスレース2000年』レビューしておりますので、お暇な方はガチッとクリックしてみてください。

以下は『デスレース2000年』の予告編。スタローンが出てるよ。これでおさらいしてから『スピードレーサー』を観に行こう(笑)。


以下は新作の予告編。もう見るまでもないかな。


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2008年6月28日土曜日

映画『ウェスト・オブ・ザ・デッド』 ・・・”ゾン流”ブームの最新作だそうです(当時の予告編では)

●原題:All Souls Day: Dia de los Muertos
●ジャンル:ホラー/スリラー
●上映時間:88min
●製作年:2005年
●製作国:アメリカ
●言語:英語/スペイン語
●カラー:カラー
◆監督:ジェレミー・カステン
◆出演:ダニー・トレホ、ジェフリー・コムズ、その他大勢
◎評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆

ゾン流ブームにはヘタに乗っかりたくないものだが、つい出演陣に惹かれてしまった(笑。

【ストーリー】
1892年のメキシコ。サンタボニータ村の炭鉱から古代遺跡”死の女神”が発掘される。村の有力者ディアスはこの日を”死者の日”と定め村人全員を祝福。発掘のご褒美を受け取れと村人全員を炭鉱に誘い込むと入口を爆破し生埋めにする。何かを企んでいるらしい。
その50年後、サンタボニータ村にあるアメリカ人家族が旅行にやってくる。家族は寂れたホテルに泊まるが、深夜に怪奇現象に見舞われ、外に飛び出すと無数の怪しい連中に襲われてしまう。
更にその53年後、ドライブ中のカップルがガソリン補給の為にサンタボニータ村に立ち寄る。突然、前方に行列が現れ間一髪で避けるが、壁に突っ込んだ車は大破。その勢いで行列が担いでいた棺から女が転がり出る。慌ててカップルが近寄るとその女は舌を切断されていた。何かの儀式に向う途中だったようだ。
村の保安官に対応してもらうも、あまり緊迫感が漂ってこない。おかしな村だと思いつつも足が無くなってしまったカップルは村のホテルに泊まることにするが、そのホテルもホテルで従業員のババアは言葉が通じないし女将は挙動不審ときている。携帯電話で友人に迎えに来るよう頼んだカップルはのんびり待つことにするが、怪奇現象に見舞われたり血だらけの部屋を発見したりと散々な目に会ってしまう。やがて友人のカップルが駆け付け合流するのだが、これから彼らは昔からの大量虐殺の怨念が引き起こす一大事件に巻き込まれていくことになる・・・・・。

【感想と雑談】
安っぽい出来かと思っていたが、結構お金をかけてるようだ。映像だけは。ステディカムとかクレーンを使ってダイナミックな撮り方をしているし。
内容的にはゾンビものというより純粋なホラーに近いかもしれない。戦慄のウェスタンホラーって謳われているし(笑。
100年以上も前に起きたサンタボニータ村での忌まわしい事件が現代になっても引きずってる訳だけど、有力者ディアスによって命を落とした者が亡霊となって怪奇現象を起こすというビックリ要素も大きい。例えば少年の亡霊は顔を真っ白に塗りたくって女の子を脅かす(引用①)。その際”フニャァ~!”と叫んだりする。これは『呪怨』の影響大?

ゾンビは一応出てくるのだが、冒頭で炭鉱に生き埋めにされた村人達がワラワラと外にさ迷い出てくるだけだ。闇夜にホテルの周りを徘徊しているだけで姿もはっきり見えない。何人かは襲われて食われるんだけど、群がるゾンビらを遠めに映す感じなので、血も殆ど映らない。チラチラ見られる顔のメイクは結構いい感じなんだけどな。もっとゴアなシーンがあれば良かったのに。肝心のゾンビ要素がこれではダメだ。残念である。

現代のカップルとその友人らが村のホテルに篭りいかに脱出するのかが最大の見せ場なんだけど、どうも彼らのおかしな設定や行動のせいで盛上がりに欠けてしまった。中途半端に真面目でゴージャスな出来にしているので、ちょっとしたことが鼻に付いてしまう。極端に常識から逸脱していれば、割切って別の楽しみ方があったりするのだけど。

そうそう、一箇所だけぶっ飛んだシーンがあった。カップルの友人の女が一人ホテルを飛び出し車を取りに向うのだが、いきなりホテルのヒサシに逆上がりで飛び乗り(パンツ見え)、ダッシュしながら空中一回転し、着地後にゾンビの群れと戦うのだ。『バイオハザード』のアリスか。チアリーダーという設定ではあるものの浮きすぎた展開に笑ってしまった(笑)(引用②)。

ストーリーのキーになっているダニー・トレホだけど随分と丸い役柄だった(引用③)。ギンギラギンの金持ち姿で”エンジョォ~イ、エンジョォ~イ、イエェ~イ♪”と叫んだりしてトレホらしからぬ浮かれた役をやってたりする(笑。やっぱしこの人には凶悪面の殺し屋をやって欲しいよね。
それと、懐かしやジェフリー・コムズを拝むことができた。この人『死霊のしたたり』と『さまよう魂たち』がまず思い浮かぶのだけど、他のマトモな作品にも出てたりするのかな。本作では50年代アメリカの典型的家族のパパを演じている。車を運転中に”ママの水着姿を見たいよ♪”と熱くのたまうと後部座席の娘にしかめっ面される(笑)。残念ながら早々と消えてしまう役だったが(引用④)。

昔のメキシコで起きた大量虐殺の被害者が現代の”死者の日”に蘇り人々を襲うというのは、なんとなく『マニアック2000』(旧『2000人の狂人』)を思い出してしまう。本作の方がゾンビありアクションありと見栄えのある作品になっているはずなのだが、どっちが面白い?と聞かれればやっぱりチープでありながら一貫して陽気な中にも狂気と不気味さが出ていた『マニアック2000』を挙げてしまうかな。

ゾンビ映画を期待すると見事にずっこけてしまうダメ映画なのであった。 頑張れトレホ。


①これが少年の亡霊。鏡に映りこむパターンはこの他にもあるが、ここではエフェクトをかけすぎて女の子の顔まで歪んでしまっている。加減しろよな。ところで少年、下からライト照らしてるし(笑。やっぱ呪怨かなこれ。


②出ました。これがチアリーダーのヒサシ逆上がりのシーン。白いパンツが眩しいです、非常に。そして手前のゾンビ、勢いで蹴られてます(笑。


③極悪人ダニー・トレホが村の有力者を演じているが、なんかの詐欺師みたいだ(笑。この人、体格良いんだよね~。


④ハンドルを握るジェフリー・コムズ。この人どんな役やっても、神経質で傲慢な面が強調されそう。本作では一般家庭の割と良きパパを演じていた(と思う)。隣のキレイな人は奥さん役の人。これなら水着姿を見たいと言ってもいいかなあ♪それと後部座席に注目(笑。

© 2005 All Souls Day Inc.
【出典】『ウェスト・オブ・ザ・デッド』/ジェネオンエンタテインメント株式会社

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2008年6月26日木曜日

映画『クールワールド』 ・・・ブラピがこんな映画に出てました

●原題:Cool World
●ジャンル:アニメ/コメディ/ファンタジー
●上映時間:102min
●製作年:1992年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ラルフ・バクシ
◆出演:ブラッド・ピット、キム・ベイシンガー、その他大勢(アニメキャラ大勢)
◎評価:★★★★☆☆☆☆☆☆

 いつか観ようと思いながらすっかり忘れていた本作だが、たまたまDVDになっているのを発見。改めて出演者を確認すると、なんとキム・ベイシンガーだけかと思っていたら、ブラッド・ピットにガブリエル・バーンまで出ているではないか。うーん。

【ストーリー】
 ’45年のアメリカ。第二次大戦も終わり田舎に戻ってきた青年フランクは母親と満喫した生活に戻るが、ある事故で母親を亡くしてしまう。事故現場で呆然となるフランクだが、突然閃光が走りなんとアニメの世界に入り込んでしまう。出迎えたヒゲ博士によると、アニメの世界クールワールドと現実世界の間を自由に行き来できるように研究をしていたのだが、今回は何かの作用でフランクをクールワールドに引き寄せてしまったらしい。虚ろなフランクは博士と共に闇に消えていく。
 月日が経って’92年。ある刑務所に漫画家ジャックが服役している。監獄で自作漫画のヒロインを描いて萌え萌えしていたジャックは閃光が走るとアニメの世界に入り込んでしまう。そこは自作漫画クールワールドの世界であった。目の前ではヒロインのホリーがセクスィダンスをしている。人間に生まれ変わって現実世界に行きたいホリーはジャックにお色気作戦で懇願を繰り返す。悶々としながら出所後も度々クールワールドに入り込むジャック。
 一方、クールワールドの刑事となっていたフランクは人間が入り込んだことを察知。フランク以外の人間はクールワールドに悪影響を及ぼすということで、ジャックを追い出そうとする。
そうこうしているうちに、ホリーはジャックと遂にベッドインし、その勢いで人間の姿に変身。狂喜したホリーはジャックと共に現実世界に入り込む。そして現実世界で暴走し傍若無人となったホリーをジャックとフランクが追跡する・・・・・・。

【感想と雑談】
 いい感じの出だしで始まる。
 初々しいブラッド・ピット(ブラピ)演じる戦争帰りのフランクが、再び母親と親子水入らずの生活に戻る。結構丁寧に撮られているので、ドラマに見入ってしまった(引用①)。

 そしたら、いきなりヒゲ博士が登場。ヒゲ博士。ああ、そうだ、これは実写とアニメの合成映画だったんだ(笑;)。気を取り直して観続けると・・・。

 どうしても『ロジャーラビット』感覚を期待してしまうのだが、なんとも本作は作りが粗い。クールワールドで椅子に座らされたブラピがヒゲ博士と絡むのだが、両方とも浮きまくっている(引用②)。ガブリエル・バーンもブラピ同様アニメキャラを相手に頑張っているのだが、そう印象は変わらない。アニメとの共演の場合、現実にはあり得ないキャラを相手にするのだから演技や撮影はたしかに大変だと思う。そこをいかに工夫と努力を重ね自然に近づけられるかが作品に求められる大問題なのだが、作り手側はそういうところは殆ど無関心であったようだ。

 大量に出てくる肝心のアニメキャラもとても変だ。殆どが落ち着きが無く気が狂った表情や動作をしている。また、主要キャラの手前や背後に気持ち悪いオブジェが無意味に回転したり表情変えたりしながら流れていく。あれはなんなんだ。

 ただ、こんな基地外キャラの中でヒロインのホリーだけは良かった。唯一ちゃんと女性の体型をしていてモーションキャプチャで動作を付けているので表現が豊かなのだ。特にセクスィダンスは可愛くて良かっと思う(笑(引用③)。

 しかし、しかしだ、このホリーがキム・ベイシンガー本人に変身すると話は違ってくる。変身した瞬間、誰もが思うであろう、”ホリーはもっと若いはずだ”と。なんかこのキム、『オースティンパワーズ』のフェムボットみたいな髪型してるし、ナイスバデーなんだけど、顔がちょっとな・・・。あ、これ製作年からすると『オースティンパワーズ』がこのキムをパクったのかもしれない(ないない。

 この時何歳なんだ。ん?39歳か。39歳??そんなにいってたのか@@・・・ナイスバデーのせいか結構若く見える・・・かな。服装もなんだか凄いぞ(引用④)。 ちょっとスタッフのセンスを疑うぞ。楽しいけど。でも、この後オスカー女優になるキム・ベイシンガーの貴重な姿ということで、お得感はあるかもしれない(違。

 出だしのドラマは残念ながら殆ど最後まで活かされない(ほんのちょっとだけあるけども)。このドラマの調子で最後まで観てみたいとも思った。残念。なんかトーンがいきなり変わるんだよね。だいたいクールワールドってのは現代の漫画家の作品なのに、1945年には存在していてブラピが迷い込むってのは一体どーいうことなんだ。時空を超えて行き来できるようになっているのか。

 クールワールドに入ると、薄暗いスタジオに置かれた書割のセットに合成された気持ち悪いアニメが暴れているだけだけど、ラスト近くでは現実世界にクールワールドが開放されることになる。が、これといって現実の人間らに絡むようなことも無かったし、やっぱり粗いアニメをまんま合成しているだけで何も変わりもなかった。最後は何か尻切れトンボだし。これは技術面や制作費の問題も有るかもしれないが、最終的には作り手の志が低すぎたのが原因になるのだろう。

 見所はホリーのダンスとキム・ベイシンガーの奇天烈な格好だけというダメ映画であった。ブラピファンにはどう見えるのかな(笑。

 あ、そうそう、エンドロールの歌がデビッド・ボウイだった。”Real Cool World”という曲。エンドロールが最高の映画だ。おかげで★1個追加(笑。


①いい雰囲気である。新車のバイクに跨って親子水入らずのドライブ中。しかし、この先には悲劇が待っているのだ・・・。


②幸せいっぱいだったシーンからいきなりトーンダウン。突然クールワールドに迷い込んできたブラピにヒゲ博士がちょっかいを出すところ。しかしコイツら溶け込んでなさすぎ。ブラピ目が虚ろで(笑。


③見よ!このホリーの可愛さを。ダンスの振付も最高である。左右にいる気持ちの悪いキャラは放っておこう。それと後ろのガブリエル・バーン(笑。


④出ました・・・。③の写真と比較して欲しい。これが同一人物の設定なのだ。フルネームがHolli Wouldなので、胸にはHWのイニシャルが。ハードウェアじゃないぞ。しかし、これがオスカー女優の底力というやつである。頑張れキム。手前のアニメキャラの表情に注目。

TM&RIGHT © 1992 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『クールワールド』/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン株式会社

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2008年6月22日日曜日

映画『エイリアンEX』 ・・・エイリアンと列車の組合せだそうです

●原題:Dead Rail
●ジャンル:ホラー/SF
●上映時間:89min
●製作年:2005年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:チューリ・メイヤー
◆出演:ルー・ダイヤモンド・フィリップス、その他大勢
◎評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆

 超バッタなタイトルだけど、ルー・ダイヤモンド・フィリップスが出ているじゃないか。思わず借りてしまいました。

【ストーリー】
 宇宙の彼方から隕石が飛来し、ご多分に漏れず地球に落ちてくる。またこのパターンか。
 その頃、アメリカのユタ州を大統領候補を乗せた長距離列車が走行していたが、先の隕石が前方に停車中の乗用車にヒットし大爆発する。これを見た2人の機関士は列車を緊急停止し警察に通報する。そして1人の機関士が乗用車に近づくと、ボンネットに食い込んだ隕石から何かが飛び出し機関士は襲われてしまう。
 暫くして到着した警官が、付近に食い荒らされた機関士の死体を発見し、凶悪な何者かが飛来し列車に入り込んだのではと推測する。警官は列車の足止めを要求するが、大統領候補は時間が無いからと列車を発進させてしまう。
 大統領候補の広報官を務める元妻も乗車していることを聞きつけた警官は、相棒が操縦するヘリコプターで列車を追跡し無理やり屋根に飛び移る。警官は列車の運転席が血まみれとなっているのを目撃する。もう1人いた機関士も何者かによって惨殺され、その列車は暴走し始めていたのだ。
 なんとか列車内に入った警官は、乗客のガードマンや支持者らと手を組み列車内を捜索する。すると突然、怪物が出現し大統領候補を食い殺してしまう。その怪物とは隕石に付着してやってきた凶悪なエイリアンだったのだ。
 メタン成分を持つエイリアンは火に弱いことが判明するが、繁殖能力が非情に高く動作も素早いこともあって警官らは苦戦する。果たして警官と乗客らはエイリアンを全滅させ、無事に生還することができるのか・・・・・・。

【感想と雑談】
 オープニングクレジットの飛来してくる隕石だが、もろCGである。太陽系の惑星もだ。まあ宇宙が舞台ではないのでこの辺は流すことにする。前から列車を舞台にした映画は数多くあったが、エイリアンものでやるのは珍しいと思う。 列車という密室を舞台にエイリアンと対決する訳だから、ひょっとして拾い物かあ♪・・・という期待は最後まで叶わなかった。なんだこれは。

 登場する列車がHOゲージのような模型丸出しだったりする。緊急停車するシーン以外は全て模型を使っている。模型も見せ方を工夫すれば素晴らしいものになると思うのだが、本作には工夫のかけらもない。夕日をバックにしたジオラマの上をシャカシャカ走っているだけだ(引用①)。またこれを追跡するヘリコプターがいるのだが、列車が通過した後に必ずヘロヘロ上下しながら飛ぶ姿が合成される。同じカットを何回も挿入する。小学生でもヘリコプターはあんな飛び方はしないと思うだろう。こんな出来なら挿入しない方がマシである。合成でなく模型をワイヤで吊った方がまだいい。

 こんなヘボい扱い方をされる列車だが、その内部ではそれなりのドラマが進行する。大統領候補が典型的に腹黒いやつで、車内ではミス・クリスティ(誰だ)と浮気したり(引用②)、そんなバカ候補を支持する老紳士が事件に真剣に取り組んだり、バカ候補を暗殺しようと客室係が暗躍したり、バカ候補のガードマン2人が友情を見せたり、バカ候補の広報官として主人公の警官の元妻が同乗してたりと。それなりにだ。

 そんなドラマにルー・ダイヤモンド・フィリップス演じる主人公の警官が絡んでいく。この人、これまで沢山の作品に出演されているが、なんといってもNo1作品は『ビッグヒット』だ。マーク・ウォルバーグと共演したこの作品では、猛烈にバカなヒットマンとして強烈な印象を残していた。最高である。
 本作では、通報から現場に呼び出されると警官の勘で列車に危険が迫っていることを察知し、急いで列車をヘリコプターで追跡するのだが、先に書いた追跡シーンのダサさのせいで深刻な表情をするルーが非常に浮いて見える。その後も山が迫りながらも無理して列車の屋根に飛び移ったルーは、回避できないヘリコプターが山に激突するのを見るや、もの凄い絶叫を上げる。しかしそんなルーもジオラマに模型が激突するカットの前では鼻水が出るくらいに空しすぎる(引用③)。
 ルーも良い感じで歳を取っている。渋みを増したところでこれからの活躍を期待したいところだが、本作に出演したのはマズかったかもしれない。

 肝心のエイリアンだが、隕石から飛び出たベビータイプが成長後に人間の体内に卵を産み付け増殖していくというもので、よくあるパターンだ。その姿は毎度の小中学生がデザインしたようなものでセンスのかけらもない(←パッケージを手にした時点で気付けよ・・・というツッコミはなしね♪)。人間大のエイリアンは全身着ぐるみだが首を振るくらいで殆ど動かないし、ベビータイプに襲われる人間はヌイグルミを持って一人芝居する。大変そうだ(引用④)。

 最後まで頑張った支持者の老紳士に救いがあったと思うけど、やっぱりのダメダメ映画であった。さすがファインフィルムズ、『エイリアンVSエイリアン』を発掘しただけのことはある。

<追記
 今更であるが、この邦題は某ビタミン剤「●リナミンEX」から取ってるに違いない。どうなのかファインフィルムズ。


①HOゲージは男の夢だけど映画に使うのならもっと工夫して欲しい。ジェットコースターみたいなレール上を走らせて車内のパニックを激しく描いてみるとか(笑)。


②コイツらが問題のバカ大統領候補と浮気相手のミス・クリスティ。このバカ候補、髪型が怪しい。ミス・クリスティは彼女の名前であってクリスティのミスNo1ではないらしい。そこで襷を慎重に調べた結果「MISS BOUNTIFUL UTHA」と書いてあった。ユタ州のミス豊満No1か。ちなみに彼女はこの後すぐ、髪型がストレートになって登場する。ダウト発見!にしておこう(笑)。


③ジオラマの山にヘリコプターが激突!そのすぐ下を通過する列車の屋根にはルーがしがみ付いています。よく見ても見えませんが。


④バカ候補の支持者がエイリアンと死闘中。別にエイリアンの首を絞めていじめてる訳ではない。振り回しながらエイリアンに活力を与えているのだ。きっと。身長が若干伸びてるみたいだけど。

© 2005 DEAD RAIL. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『エイリアンEX』/株式会社ファインフィルムズ

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2008年6月21日土曜日

映画『インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国』 ・・・ケイト・ブランシェット最強伝説

●原題:Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
●ジャンル:アクション/アドベンチャー
●上映時間:124min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:スティーブン・スピルバーグ
◆出演:ハリソン・フォード、ケイト・ブランシェット、
シャイア・ラブーフ、カレン・アレン、その他大勢
◎評価:★★★★★★★★☆☆
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 前作から19年経っての新作だ。既に伝説化された前3作だけど、また新作が観られるなんて思ってもいなかった。さて今回はどんな冒険を見せてくれるのだろうか。もうワクワクである(笑)。

【ストーリー】
 1957年のアメリカ。第二次大戦もとっくに終わって今では冷戦の時代に突入している。敵対国である旧ソ連はアメリカに存在する”ある物”を使ってオカルト能力を軍部に取り入れようと躍起になっていた。アメリカに潜入した旧ソ連の特殊部隊は考古学者でもあるインディ・ジョーンズを捕らえ、彼にネバダ州の軍事施設に格納される”ある物”の捜索をさせる。無数のカーゴが格納される巨大な倉庫内をインディは意外な方法で探し出す。そして”ある物”を確認し息を飲む特殊部隊らの隙を突いてインディは命からがら脱出する。
その後、大学で考古学の授業を行っていたインディの元にある青年が訪れる。その青年によると自分の父親代わりの男と母親がある組織に誘拐されてしまい、その後に母親からインディを頼りにしろとの連絡を受けたとのこと。青年の父親代わりの男とはインディの旧友であった。また青年が持つ情報から、その一連の誘拐騒動は旧友が発見したというペルーに眠るクリスタルスカルに起因するものらしい。人助けと考古学の血が騒いだインディは青年を相棒に冒険の旅に出発するのだが・・・・・・。

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【感想と雑談】
 インディ・ジョーンズといえば冒頭での一騒動が楽しみでならない。本作では予告編でもお馴染みの軍用倉庫内でのドンチャン騒ぎであった。ケイト・ブランシェット演じるスパルコ大佐も早々に登場しインディをいたぶるが、いつインディが爆発するのかとワクワクものだった。意表をついて爆発したインディは、倉庫内を縦横無尽に駆け巡り、高いところから落下し、そしてジェット機のごとくすっ飛んで脱出する。その間に悪役どもは木っ端微塵だ。掴みはOKなんじゃないか(笑。

 と思ったら一騒動はこれだけではなかった。その後に砂漠に放り出されたインディはある街に到着するのだが、どうも様子がおかしい。なんとこの街はネバダの○○○○だったのだ。ここでも命からがら逃げ延びるインディだが、この○○○○を使ったアクションは賛否両論になりそうだ。特にこれからの夏の日本ではあまり手放しで楽しめるシーンではないのかも。凄くリアルな作りの割に必然性を感じないシーンでもあったし。インディなんか浮いてたよ。個人的には”ありえねぇ!”と笑って済ませるシーンだったけど(笑;。

 嬉しいシリーズ復活になったけど、ちょっと違和感があったな。ハリソン・フォードの実年齢を考慮して劇中の時間軸もそれに合わせて1957年の設定にしているものだから、背景が前3部作と随分違って見えたのね。インディは第一次大戦と第二次大戦の間くらいの世界で、神秘的なアイテムを追っかけているのがお似合いなんだと思う。現代に近づいても相変わらずインディなんですってのも良いけど、なんかしっくりこないような。それとあれだ、撮影監督が前3部作担当からヤヌス・カミンスキーに変わっているのも影響していそうだな。

今回も勿論、神秘的なアイテムを巡って南米を中心に冒険が繰り広げられるんだけど、相手は冷戦時代もあって旧ソ連の特殊部隊になっているのね。やっぱりインディの相手は第3帝国のナチスでないとね。

 でも今回の悪役は旧ソ連軍の女指揮官イリーナ・スパルコ大佐なんだけど、これをケイト・ブランシェットが実に生き生きと演じていて申し分なかったな。オカッパ頭がこれまたキュートで。なんでも彼女はインディシリーズの大ファンなんだそうで、オファーが来た時は狂喜ものだったらしい。ちゃんとロシア語鈍りの英語を喋るし、ジープの上での大立ち回りも見事にこなしていた。もうケイト最高(笑。
ケイト・ブランシェットとインディ・ジョーンズなんて想像もできなかったし。これからもアクション映画の悪女役をよろしくお願いします(笑。

 その他の新顔では『トランスフォーマー』のハッピータイム少年のシャイア・ラブーフ(覚えにくい名前だ)が青年役として頑張っていた。スパルコ大佐との一騎打ちなんかもやってた。
懐かしや1作目『レイダース失われたアーク』のカレン・アレンが同じくマリオン役として復活していたのはポイント。インディと共にお歳は召していたが可愛らしい女性だと思う。残念なのはスパルコ大佐との生身のキャットファイトがなかったことかな。別に見たくないか(笑;。

 あ、違和感はあれか。あれをネタに持ってきたのが原因なんだな、きっと。でもいい、いいのだ。インディに再び会えることができたのだから。

 個人的には神秘的アイテムの威力と敵がナチスという点で1作目が一番面白いと思うのだけど、本作もなんだかんだ十分楽しませてくれる傑作だと思う。ルーカスとスピルバーグが納得の上で作ったお祭り映画なんだしね。

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映画『スターレック 皇帝の侵略』 ・・・フィンランドがやってしまいました

●原題:Star Wreck/In the Pirkinning
●ジャンル:アクション/コメディ/SF
●上映時間:103min
●製作年:2005年
●製作国:フィンランド
●言語:フィンランド語
●カラー:カラー
◆監督:ティモ・ボーレンソラ(発音合ってるのか)
◆出演:サムリ・トルソネン(ホントに合ってるのか)、その他大勢
◎評価:★★★★★★☆☆☆☆

 あれ?スタートレックの新作??と思い手を伸ばしてみたら驚いた。またアホな邦題付けやがってと思ったら、原題から既にそうなっている。どうなんだろう?

【ストーリー】
 宇宙艦隊を率いるパーク艦長はある事故で過去の地球に飛ばされてしまう。一緒に飛ばされたのは仲間のプリンゴン星人のドワーフとアンドロイドのインフォだ。歴史を変えないよう大人しくしている3人だったが、どうにも我慢できないパーク艦長は未来の技術を使って地球の支配を企む。
 ロシアに乗り込み大統領まで巻き込んだ3人は、ロシアに豊富に存在するリソースを活用して宇宙戦艦を製造する。完成すると3人の他にその時代のロシア人をクルーにし、いきなり全世界を制圧する。地球征服である。パーク艦長はパーク皇帝と名乗り独裁政権を敷くことにするが、民衆がやたら煩くてかなわない。高い位置から”この野郎!光子弾を食わすぞ!”と叫ぶが空ぶってしまう。仕方ないので他の惑星に目を向け始めるが、なかなかいい環境の惑星が見つからない。試しにクルーを転送して生存できる惑星か調査するが、いきなりクルーは窒息死。
 ある日のこと、ウジムシホールと呼ばれる時空の歪みが出現する。その向こうに文明が栄えていることを察知したパーク皇帝は、自慢の宇宙艦隊を率いてウジムシホールに突入する。なんとその先にはパラレルワールドのもう一つの地球が存在していたのだ。パーク皇帝は速攻征服だと鼻息荒くするが、相手も同等の技術を持った地球人。宇宙艦隊で対抗してくる。はたしてパーク皇帝以下クルー達の運命はどうなってしまうのか・・・・・・。

【感想と雑談】
 どう見てもスタートレックのパクリである。調べてみるとこのフィンランド映画、トレッキーが認めたスタートレックのリスペクトムービーなんだそうだ(笑。たしかにエンタープライズ号そっくりの宇宙戦艦やクリンゴン星人もどきにアンドロイドが出てくるし、宇宙の戦闘シーンなんかもそれっぽくて迫力ある。

 パロディということでコメディ要素が多い。冒頭、宇宙戦艦のブリッジではパーク皇帝がトイレからの帰りということで靴にくっ付いたトイレットペーパーをズルズル引きずって登場する(引用①)。かなり飛ばしているのだが、そこが爆笑できる空気でないのが残念だ。ここでは無重力状態でトイレットペーパーがフワフワ浮いて付いてくるところを期待したいが、そうなると人物も浮かないといけないので、それはそれで変だ。うむ。

 フィンランド映画だからという訳ではないだろうが、この作品映像が垢抜けていないのがちょっと残念。普段耳にしないフィンランド語もなんだか居心地が悪い。(なら日本語吹替えで見ればいいってか)

 ただ、そんな初めの印象も観ていくうちに慣れて楽しくなってくる。本作は主人公であるパーク皇帝を基本的に悪役にしているのだが、フィンランド流演出で味付けされた粗暴さと天然なところがなんだか興味深いし楽しい(引用②)。ジャケットに忍ばせたエロ雑誌を科学雑誌と間違えて仲間に自慢げに見せるシーンの力強さとか(笑。

 あれだけスケールの大きな話しでキャラクタも沢山いるはずなのにそれほど幅広く描いてなかったりするが、本作はそんなところではなく他に楽しむべきところがあると思う。パーク皇帝の存在自体もそうだが、細かいところで妙に笑いのポイントがあったりする。かなり笑えたのが、クルーを普段着のまま未開拓の惑星に転送し調査させるところ。地表に出現した途端、苦しげに首をかきむしるとパタリと倒れこむだけのシーン。これには参った(引用③)。

 それから笑いではないのだが、なんの担当かよくわからない女性クルー。かなり美形である。これがフィンランド美人てやつなのか。フィンランド侮れません(何。

 メインの宇宙戦艦同士による宇宙戦はかなり迫力がある。ミニチュアワークとCGをうまく使ってカメラワークも相まった壮絶な戦闘シーンが繰り広げられている。ちょっと戦艦表面の光沢感がイマイチかもしれないけど、ちゃんとレーザー砲と光子弾もバラ撒いたり、しかもそれが相手側が飛ぶ方向を考えた被弾の仕方をしたりと、よく撮ってると思う(引用④)。あともうちょっと映像がクリアだったらな。惜しいね。

 ラストはちょっとブラックというか意外な結末を向かえるのだが、かなり笑えるポイントでもあるので、本作はまあヨシとなるのではないか(笑。

 それとパーク皇帝役のサムリ・トルソネン。マイケル・アイアンサイドの若い頃ってこんな感じだったのでは(笑。

 アイアンサイドで思い出したけど、『スター・トゥルーパーズ』っていう映画もあるのね。いったいどんなだ??@@


①のっけからやってしまったパーク皇帝。トイレットペーパー引きずって登場。こんなヤツいねーよ。右には冷ややかに見ている美女クルーが(笑。


②バーガーショップでがっつりナンパするパーク皇帝。これが未来の銃よとオネーチャンに猛烈アピールする。ここで出すなやそれを。


③これが未開の惑星の調査シーン。普段の制服姿でクルーが転送され降り立つ。そして普通に苦しんでパッタリ昇天。アホすぎる。


④大迫力の宇宙戦闘のシーン。爆発シーンは弾け飛ぶパーツも細かく描いていて結構凄い。最近こういう宇宙ものが少なくなってる中で、フィンランドは凄く頑張ってると思う。

© Tuotantoyhtio Energa Oy2006
【出典】【スターレック 皇帝の侵略】/AMG エンタテインメント株式会社

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2008年6月18日水曜日

映画『スピーシーズXXX 寄生獣の甘い罠』 ・・・キュートで甘党のエイリアンだそうです

●原題:Candy Stripers
●ジャンル:ホラー/SF
●上映時間:89min
●製作年:2006年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ケイト・ロビンス
◆出演:ブライアン・ロイド、ディアンナ・ブルックス、ニコール・レイバーン、サリア・タワン、ブリアナ・バーマン、その他大勢(ナース大勢)


  本家シリーズを差し置いて、遂に最終章(たぶん)XXXを借りてしまった。普通トリプルエックスといえば殿方のあの世界のことだ。期待も膨らむってものだ。ヴィン・ディーゼルはたぶん関係ないと思う。

【ストーリー】
  アメリカの田舎道を1台の車が走っている。乗るのは2人の女の子だ。カーラジオからは未確認飛行物体のニュースが流れている。途中、事故ったのか横転している車を発見。助けようとする2人だが、何やら危険な空気を察し慌てて車に戻り急発進する。ホッとしたのも束の間、車内に入り込んでいた何かによって2人は襲われ車はクラッシュ。うち1人が助かり最寄の病院に担ぎこまれるが、対応したナースに突然キスを迫り何かを口に移す。そして息絶える。
  その頃、近所の体育館では高校生チームによるバスケの試合が行われていた。主人公のマットは相手チームのラフプレイによって片足を骨折してしまう。仲間も何人か負傷したようだ。とりあえず近所の病院に入院することになるが、そこは冒頭で女の子が担ぎ込まれた病院であった。
  女の子にキスされ何かが口に入り込んだナースは一気に豹変。それまでウブだったのがフェロモン大放出な性格となり、病院一のプレイボーイ医師にアタックする。ウハウハーな医師だったが、馬乗りになったナースから何かを浴びると、突然苦しみ出す。どうやら、人間の女にスナッチしては男を餌にするというエイリアンが来襲してきたようだ。たまたま病院が選ばれてしまったのだ。エイリアンは大勢のナースに一人一人スナッチしていき、院内の男どもを漁りまくる。
  やがて、マットの病室にもエイリアンナースが忍び寄る。同室に入院する仲間のジョーイにエイリアンナースが迫るところを目撃したマットはなんとか撃退し病院を脱出しようとする。しかし気が付いた時には、病院内はエイリアンナースで溢れ、脱出も困難となっていた。マットにジョーイら数名の男女は、なんとかして突破口を見出そうとするが・・・・・・。


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【感想と雑談】
  ナースである。ナース。ナース全開。こんなにナースが溢れた映画も珍しいかもしれない。なんだか楽しかった(笑)。結構大きな病院を舞台にしていて、セットではなく殆どロケのようである。よくこんな映画で病院がロケを敢行させてくれたものだ。でも、こんなことに感心してる場合ではない。ナースなのである。

  冒頭では殆ど本編に絡まない女の子2人が出てくるのだが、うち黒人の女の子が可愛かった。ナースではないのだが、ウォーミングアップとしては最適な配役であろう。

  病院に舞台が移ると、ナースの独壇場である。一番最初にスナッチされるブルネットのナースはちょっとトウが立ってはいるものの、マトモな時に赤ちゃんをあやす姿がなんとも良い雰囲気で、スナッチ後のギャップが堪えられない。2番目に金髪ナースがスナッチされ、3番目に黒人ナースがスナッチされる。この黒人ナース役は間違いなくモデルであろう。背が一番高いし顔付きがいい。というかちょっと好み(爆)。

  甘いもの好きのエイリアンらしく、このエイリアンナース御三家はキャンディを舐めながら艶めかしく院内を闊歩し、男どもを誘惑しまくるのだ。それにしてもこのナースの制服がいい(引用①)。制服というより衣装だ。こういう病院なら一度は行ってみたいものだ。

  エイリアンナースも大量にあふれ出すと、その奇怪な行動が目に付いてくる。まず、院内のドーナツ売場(そんなのあるのかよ)に群がりドーナツを激しく貪る。そしてドーナツが切れると、コーヒー用のシュガーを鷲掴みにしたり、スニッカーズを食い散らかしたりする(引用②)。甘党なのだな。

  主人公らはこの様子を見て病院がおかしくなってることを確信するのだが、たしかに誰が見ても確信する光景である。そんなナースいないだろ。いたら面白いけど。

  そんなフェロモン全開で甘党のエイリアンナースが大量に出てきては、もうそれだけで終わってしまいそうなのだが、意外や並行して描かれる人間側にもちょっとした設定や伏線の配置があったりして侮れない。ジョーイの糖尿持ちの妹が意外な活躍を見せたり、主人公の現彼女がエイリアンナースよりも太刀の悪い金髪バカ女のチアリーダーだったりして。ジョーイも良い味出してると思う。

  これまで観てきたXとXXは製作も同じで話も直結しているのだが、本作XXXは全くの別物である。アメリカ映画なのか、オッパイをアップでドーンとやったり、主人公がスクールバスで金髪チアリーダーにイケないことされたり、心臓くり抜きで血がドバーと吹いたりと、雑目で下品な雰囲気が際立っている。さすがアメリカ、勢いがある。XとXXはカナダ映画らしくどこか上品であった。

  本作は更にアホっぽさも漂っているし、緊迫感のきの字も無い。例えば、マットとジョーイらが深刻に顔を見合わせる状況でも、その後方ではエイリアンナースにネクタイを引っ張られた男が嬉しそうに通り過ぎたりする(引用③)。これは笑える。その他、エイリアンナースに見つかっても全然追い付かれないマットとか。足びっこ引いてるのに。また、なんとなーくサイレントヒルを思い出すのだが、気のせいにしておこう(笑)(引用④)。

  特撮についてだが、エイリアンナースが男を襲うシーンでは、ただ悶絶する男の顔面にカットが変わる度に綿が付着していくだけのもので、CGは間違いなく使われていない。エイリアンナースの口から綿菓子が噴射されているようなものか。シュガーを目一杯食ってたし。病院も時間が経つに連れ様相が変わっていくのだが、廊下の天井にはやっぱり綿菓子みたいなものが大量に付着しているだけで、巨大な巣だか卵だかの特徴的なオブジェは一切出てこない。退治されるエイリアンナースの顔が歪むシーンでは、CG処理はされているが非常にショボいものだ。とにかくチープである。

  それでも本作はエイリアンナースに余りある見所があると思うし、他のレビューではダメダメ評価が多いように見受けられるが、自分はXXよりも上になると思う。チープな中にも何か光るもの(それはナース)を感じる佳作なのであった。しかし、黒人娘にときめいてしまったのは『リーサルウェポン』のマータフ警部の娘以来かもしれない(笑)。

<追記>
  と書いておきながら、たまたま原題の「Candy Stripers」をGoogleイメージで引いてみたところ、本作とは関係ないけど同じようなストライプ模様の制服を着たナースの写真が沢山出てきた。てっきり、このタイトルはキャンディを舐めたストリッパーまがいのナースをキャラクタにしたことから付けたのかと思ったら、どうやら元々存在したジャンルもしくは固有名詞だったようだ。

  ただ、写真の中にはマジメなものからイケないものまで広範囲に渡っているので、はっきりした語源や何を指して呼ぶのかがはっきりしない。この辺ご存知の方がいたら是非ご教示お願いしたいものです(笑)。

姉妹作品第1弾はこちら ⇒ 『スピーシーズX  美しき寄生獣』
姉妹作品第2弾はこちら ⇒ 『スピーシーズXX  寄生獣の誘惑』
まさかの第4弾はこちら ⇒ 『スピーシーズXXXX  寄生獣の囁き』
ビックリの第5弾はこちら ⇒ 『スピーシーズXXXXX  美しき寄生獣軍団』
衝撃の第6弾はこちら ⇒ 『スピーシーズXXXXXX  寄生獣の吐息』


①このエイリアンナース御三家から病院内での惨劇が始まるのだ。アメをペロペロ嬉しい惨劇。


②ドーナツが完売してしまったので、エイリアンナースらはスニッカーズをボリボリ食いまくる。虫歯になるなよ。


③パニックになる病院内。一体なんなんだ!!と仲間割れ寸前の主人公らの向こう側に注目。エイリアンナースにネクタイを引っ張られた男が通過する。アホか。


④こっそり通過しようとしたら金髪バカチアリーダーが口紅を落としてしまい、エイリアンナースにバレてしまう。このポジションでは音を立てなくても通過する時点でバレるだろ(笑)。サイレントヒルを思い出したのは、たぶん病院+ナース+車椅子が映っているからだと思う。

【オマケ1】
 エイリアンナース1号を演じるディアンナ・ブルックス様。おや、プレイメイトでしたか。


【オマケ2】
 エイリアンナース3号を演じるサリア・タワン様。出ました。いい感じです。


【オマケ3】
 スロベニアの音楽ユニットAtomik Harmonikの曲『Turbo Polka』。Candy Stripersをキーワードに調べまくってヒットした曲です。ボーカルの女の子2人がナースってます。しかしスロベニアっていい国だなあ(笑)。



© 2006 Candy Stripers, LLC
【出典】『スピーシーズXXX 寄生獣の甘い罠』/AMG エンタテインメント株式会社

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