2008年12月30日火曜日

映画『ゾンビ・ソルジャー』 ・・・傭兵部隊とナチスドイツのゾンビ兵士が対決するんだそうです

●原題:Outpost
●ジャンル:アクション/ホラー
●上映時間:90min
●製作年:2007年
●製作国:イギリス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:スティーブ・バーカー
◆出演:レイ・スティーブンソン、ジュリアン・ワダム、リチャード・ブレイク、ポール・ブレア、ブレット・ファンシー、イノク・フォレスト、ジュリアン・リベット、マイケル・スマイリー、その他大勢(ゾンビ兵士)

 どうも!ご無沙汰しておりますm(_ _)m
 クリスマス前からちょっとバタバタしてしまい、勢いをなくしておりました(笑;)。今年はこれで終わりかなと思っていましたが、『ラスベガスをぶっつぶせ』と『ゾンビ・ソルジャー』をハシゴしまして、せっかくなので『ゾンビ・ソルジャー』を今年最後の記事にすることにしました(笑)。

【ストーリー】
 東ヨーロッパ。7人からなる傭兵部隊がある男を山中まで護衛する。男の目的は紛争地帯に発見された鉱物資源の調査だ。その土地を買い占めた企業から雇われたのだという。辿り着いた場所は山中にある古い地下施設。どこが鉱物資源よと首を傾げる傭兵らを尻目にズンズン突き進む男。奥の部屋で妙な装置を発見する男だが、その表情は既にその存在を知っていたかのようだ。やがて、ある部屋からカギ十字の紋章が発見され、そこがかつて第二次大戦中のナチスドイツ軍の施設だったことが判明する。男の本当の目的はナチスドイツが発明したある装置を回収することだったのだ。それは不死のゾンビ兵士を作り上げる究極の装置であった。傭兵部隊はヤバイ空気を感じ始め早々に去ろうとするが、突然目の前に現れた無数の人影に驚愕する。それはナチスの軍服に身を包んだゾンビ兵士軍団だった・・・。

【感想と雑談】
 久々の冒険鑑賞であるが、今回も残念な結果となってしまった。

 出だしはいい感じである。どんよりした曇り空の下、傭兵部隊と男を乗せたオンボロトラックが、山道を進んでいく。荷台に乗せられた傭兵らは全員一癖も二癖もあるような連中だ。その中のリーダー格は更に百戦錬磨のオーラが出ていて申し分ない。軽口叩いてくる部下には無言で睨み返す。

 トラックを降りてからは暫く森林地帯を徒歩で移動するのだが、彼らの装備がまたよさげだ。ロシア系と黒人系の傭兵はAK47で、その他白人系の傭兵はH&KG36で固めている。彼らの趣味なのか。個人的には好きな銃器だったりする(笑)。

 そんなこんなで、地下施設に辿り着いた一行は、そこを舞台にゾンビ兵士らと対決するのだ。

 ゾンビ兵士は神出鬼没なところがあり、地下施設内で現れたかと思ったら突然消えたりする。普通のゾンビではないらしい。またゾンビ兵士の製造装置について、迷宮アドベンチャーゲーム『ミスト』シリーズに出てきそうなデザインセンスでなかなかよろしいのだが、大仕掛けなカラクリがある訳でもなくハリボテ然としているのがちょっと寂しい。


 ゾンビ兵士らが大々的に登場するシーンが、なんだか昔観たバラエティ番組のようだった。あれはガッツ石松家に宇宙人グレイ型を仕向けるという企画で、初めは雄グレイ単体がガッツ石松に「遊ぼうよガッツ」と呼びかける。次に雌グレイを引き連れ「彼女ができたよガッツ」と呼びかけ、最後には子グレイを引き連れ「子供ができたよガッツ」と呼びかける。

 イタズラされていることより、夜中にグレイがしつこく呼んでくることに腹が立ったガッツ石松はついに表に飛び出す、という素敵な企画だったのだが、この時の焚かれたスモークと投光機によるバックライトを背にしたグレイの姿が、本作のゾンビ兵士の大々的登場シーンに被った訳である。森の中でスモークにバックライトか。そういう演出担当のゾンビ兵士がいるのか。別に笑えるシーンではないのだが、バラエティ番組を想像させてしまうようではアウトだ。スモークと投光機は使いようである。

 この後、地下施設から大戦当時のナチスによるゾンビ兵士計画を綴った記録フィルムが発見されるのだが、その中のアニメーションによるゾンビ兵士らの行進の模様。その滑らかさは手描きでなく明らかにCGであったりする(笑)。また、記録によればゾンビ兵士らをドイツからアメリカまで徒歩で移動させホワイトハウスを攻撃するという計画だったらしい。

 徒歩で移動か。いったいどれくらいかかるんだ?大西洋横断の海中移動だろ。サメにやられないのか。もしこの計画が実行されていたとなると、終戦後の好景気で調子こいてるアメリカにゾンビ兵士らが到着し一発大逆転となったかもしれない。これはこれで面白そうだ。これってなんとなく『カリブゾンビ』を思い出す。同じくナチスドイツが開発した水中型ゾンビ兵士が現代に蘇るという内容だ。観てないけど(爆)。


 ゾンビといえば人体損壊が最大の見せ場なのだが、残念ながらそれは皆無に等しかった。あくまでも戦闘用に不死の肉体を持つ兵士が目的だった訳で、いくらオカルト好きナチスも見境なく人肉をむさぼるゾンビは作らなかったようである。装置によって強烈な磁場を作りだし、アインシュタインの訳のわからない理論の成立によって発生したパワーを浴びた一般兵士らが、ゾンビ兵士となったのだ。

 計画は終戦によって中途半端なところで終わってしまったので、ゾンビ兵士らは地下施設の周辺をさ迷い、訪れる人間を襲うだけの存在となってしまった。その襲い方が、銃撃戦の最中に傭兵を一人誘拐し(どうやって)ライフルの薬莢で体中をグリグリしたり、背後から忍び寄って傭兵をめった刺しにしたり、地下施設に突然現れ傭兵の頭をぎゅうっと壁に押し当てるとどっかに消えたりする。なかなかセコいゾンビ兵士だ。

 ゾンビというより、終始無言の顔色悪いドイツ軍兵士が団体で歩いてくるようなものだった。影のある画(フィルムにあえて銀成分を残す「銀残し」手法かも)が非常に思わせぶりだし、クライマックスはゾンビ兵士らを無力化するのに装置付近ギリギリまでおびき寄せるという粋な展開を見せるのだが、最後の最後にカタルシスは吹き飛ぶし、男の「オマエ何やっとんねん!!」と思わせる最終行動にも目が点になるという、最終的にダメダメ結果の残念な作品なのでした。

もっと弾けて欲しい。


 今年から始めたブログですが、無事に年内は続けることができました。皆様からは沢山の応援を頂きまして、本当にありがとうございました。励みになりました。来年も激動の年になりそうですが、なんとか頑張ってみたいと思います。来年も変らずアホ記事を書き続けたいと思いますので、よろしければ暇つぶしにご利用下さい(笑)。
 今年もお世話になりました。それでは皆様、よいお年をお迎え下さい♪♪

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14 件のコメント:

  1. こんばんわ~
    G36を使っているので興味シンシンですwなおかつゾンビなんても~

    よく映画で撮影前に訓練するやつとかありますが、実際のプロの方は腰で打つことはないそうです。
    (いわゆるランボー撃ち)
    ちゃんと肩に当てるみたいですね~。

    そういう見方をすると楽しさも一層です。

    いや~銃ってホントにいいものですね^^
    ってなんのコメントだ??

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  2. 徒歩で移動…。ものすごい無茶っぷりですね。
    では良いお年をー。来年も楽しみにしております!

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  3. >もじゃもじゃのっぽ様
    どうも!^^
    ご無沙汰です。

    傭兵ってとこに惹かれたんですよ。イギリス映画なのか移動時の陣形とか臨機応変に行動取るとこなんか結構丁寧に撮っていたと思います。G36Cでしたっけ?コンパクトタイプの。あれを使ってたと思います。撃つところも迫力ありましたよ~。
    相手にするのがゾンビ兵士というのが残念ポイントだったですが(笑;)。

    なんとプロは腰で撃たないのですか@@
    載せた写真の傭兵は腰で撃ってますが、外で行動する時は全員いい姿勢で構えてましたよ。惜しいですね。
    銃はいいものですよ~^^

    応援コメントありがとうございました♪
    それではよいお年を♪

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  4. いや~、相変わらずumetramanさんところのレビューはマニアぷんぷんの映画多くて、そそられますなぁ~(笑)

    今年一年、色々楽しい記事ありがとうございました!

    来年も、マニアでB級たっぷりの映画を期待しておりますよ!

    よいお年を!

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  5. >P様
    どうもです!^^

    そうなんですよ。徒歩で移動って陸地ならまだしも、海底歩き出したら絶対に方向を誤るんでないかと。海溝とかどうすんだろって。
    たぶんレミングス方式で乗り切るんでしょうね。上陸するのはたった一人という映画化しやすいオチが付きそうです(笑)。

    応援コメントありがとうございました♪
    それではよいお年を。こちらこそ楽しみにしておりますぞ♪

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  6. こんばんは!

    この映画も名前は知ってるけど、未見の映画です(^-^;)
    結論としてはダメダメ映画だったんですか。

    兵士を不死にするのが目的だから、人肉なんか食べないっていうのは妙に論理的に見えますけど、
    こういう冷静な部分を取り払わないと、やっぱりこういう映画は弾けないんでしょうね。
    でも「ミスト」に似たデザインって結構興味あります。
    わたし「ミスト」大好き(*^-^*)
    umetramanさんって結構ゲームやる方なんですか?

    今年はいろいろお世話になって、本当に感謝してます。有難うございました。
    来年もまたよろしくお願いします。
    umetramanさんも良いお年を!

    応援ポチです☆

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  7. >とら次郎様
    どうもです!^^

    そんなマニアぷんぷんだなんて(笑;)。
    そりゃあラスベガスなんたらと比べたら断然ゾンビに行ってしまいますけどね(笑)。
    レンタル屋では新作コーナーのちょっと外れに入ると、こんなマニア無法地帯な作品が大量に置かれてますからね。選ぶのが大変です(笑)。

    今年も最終日になりましたね。ホラー映画レビューにアメリカ旅行記は楽しく読ませて頂きました。来年も楽しみにしておりますよ♪

    今年もお世話になりました。それでは良いお年を♪

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  8. >薄荷グリーン様
    どうも!!^^

    おお、これご存知でしたか。未見は正しい選択だと思いますよ(笑)。
    邦題にゾンビという名称を使うものだからどうしても期待しちゃいますね。でもこれ原題にも劇中にもゾンビ用語は一切出てこないのです。作り手は血生臭さよりも科学による驚異的な産物を前面に出したかったようですが、もうちょっと暴れてくれてもよかったですね。イギリス映画らしく落ち着き過ぎちゃったかな。

    薄荷グリーン様も「ミスト」好きでしたか??あれいいですよね。幻想的なメカ類が堪らんです。根性無しの私は攻略本チラ見ばっかりですけど(笑)。1作目の音の組合せで方角を決めるところは鼻血が出そうになりました(笑;)。
    実はゲーム大好きなんです。ブログには1本分だけ書いてるのですが、偏りすぎてなかなか一般ウケしないようなゲームばかりやってるんです。映画にもなった「DOOM」ってありますよね。ああいうアクション系が好きで、実は今も古いの引っ張り出してやってるとこなんです(笑)。

    今年もそろそろですね。こちらこそ、沢山のことを教えて頂きありがとうございました。勉強になりました。
    また来年もよろしくお願いしますね。楽しみにしております♪

    それでは、良いお年を♪

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  9. いや、ナチスドイツ軍の大西洋横断計画って
    どうするつもりだったんでしょう??(^▽^;)

    感じだと限りなく無気力君たちみたいなのに、そんな感じで
    大西洋渡れるんでしょうか?
    タンタンと渡るのかも(笑)

    いや~、今年1年面白いレビューを有難うございます!!
    是非、来年も引き続き今の雰囲気でブログをお願いします!!

    僕もゾンビ兵士よりは気合を入れてブログを更新していきたいと思います(笑)

    では来年も宜しくお願い致します!!(^^♪

    今年1年の感謝の意を込めて応援凸!!

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  10. 兵士VSモンスター&イギリス映画というと、「ドッグ・ソルジャー」を思い出すんですが、もっとはちゃめちゃ?
    戦闘シーンはちょっとマニアックな雰囲気ですね。観てみま~す。

    今年はいろいろとありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。
    良いお年を・・・

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  11. あけましておめでとうございます。(*^^)v

    新年のご挨拶が遅くなってしまいましたが、昨年はお世話になりました。有難うございます。
    m(__)m

    『ゾンビ・ソルジャー』、設定は面白そうなんですが、私のイメージする、いくつかの映画で植えつけられた邪悪な(?)ナチスの所産としては、中途半端なゾンビさん達なんですね。

    何でもアリでOKなのに、製作者側にその気はなかった・・・、では勿体無い。(^^ゞ

    応援もちっと凸!、です。
    今年もよろしくお願い致します。(^^♪

    P.S.『薔薇の名前』でレスを書いたはずなんですが、投稿失敗してたみたいですね。残念。(^^ゞ

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  12. >take51様
    あけましておめでとうございます!
    昨年は色々とお世話になり、ありがとうございました。

    ナチスはオカルト志向だったそうで、ネタは尽きないようですね。もう何でもありのようです。しかし・・・大西洋横断は無理がありましたね(笑;)。
    記録フィルムによると何百人ものゾンビ兵士がホワイトハウスに向かっていくのですが、ホントにやったらサメにかじられたり、どこぞの海溝に落ちたりして、途中でほとんど消滅しちゃうでしょうね~。

    応援コメントありがとうございました。
    今年もよろしくお願いしますね♪

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  13. >Whitedog様
    あけましておめでとうございます!
    昨年は色々とお世話になり、ありがとうございました。

    「ドッグソルジャー」ありましたね!実はそれ未見なんですよ~。たしか「ディセント」の監督さんでしたか。評判いいので今度借りねば。たぶんですね、「ドッグソルジャー」の方が見応えあると思いますよ。野生の血が混じってますから、弾けていそうですね。
    「ゾンビソルジャー」は科学の力で顔色悪い兵士ができましたなので、はちゃめちゃ度は
    微妙かな~(笑;)。

    応援コメントありがとうございました。
    今年もよろしくお願い致します♪

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  14. >よーじっく様
    あけましておめでとうございます!
    こちらこそ昨年は色々とお世話になり、ありがとうございました。

    これ、傭兵部隊は結構よさげなんですが、ゾンビ兵士らが大人しめなんで、ちょっと肩透かし食らうんですね。もっと暴れてもいいんじゃないかなって。ゾンビ映画ファンの方だと物足らないと思います。キライな方だと適度なアクションがあったりして、イケるかもしれませんが(笑)。

    邪悪なナチスといえば「悪魔の生体実験」ですかねやっぱり。イルザ所長によって作り出された最強ゾンビ兵士!ときた方が説得力ありますね(笑)。

    ええ!?「薔薇の名前」にコメント頂いてましたか(汗)!すみません、コメント機能が不調だったかもしれません。申し訳ありませんでしたm(_ _)m

    応援コメントありがとうございました。
    今年もよろしくお願い致します♪

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