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2016年5月15日日曜日

映画『お!バカんす家族』・・・ 遊園地を目指して4000キロを珍道中

●原題:Vacation
●ジャンル:アドベンチャー/コメディ
●上映時間:99min
●製作年:2015年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー
◆出演:エド・ヘルムズ、クリスティナ・アップルゲイト、スカイラー・ギゾンド、スティール・ステビンズ、チェビー・チェイス、クリス・ヘムズワース、レスリー・マン、ビヴァリー・ダンジェロ、チャーリー・デイ、ノーマン・リーダス、レジーナ・ホール、その他大勢

【ストーリー】
 アメリカ。国内線パイロットのラスティは、愛する家族と幸せな生活を送っていたが、一方ではマンネリも感じていた。妻のデビーが毎年の丸太小屋バカンスに飽きていることを知るや、ラスティは一念発起し新たなバカンスを計画する。それは家族で4000キロ先の遊園地ワリーワールドに向けて旅をすることだった・・・。



【感想と雑談】
 ちょっとベタなパッケージに身構えてしまいましたが、クリスティナ・アップルゲイトが出てるんですね。思い入れのある女優なので興味が湧いてしまいました。あ、よく見たらマイティソーのクリス・ヘムズワースも出てるとか(笑)。これはいったい。

 なんという絶品コメディ。

 ああやっぱアメリカって凄いわ、と唸らせるほどのセンス・オブ・バカ度です。オープニングタイトルから早くも一般人のバカンス写真を使った二段オチ演出に、これはイケる!!と確信しました(笑)。本編でのキャラクタの造形は素晴らしく、どいつもこいつも特徴的で無駄なく立ちまくり状態です。シーン毎にとにかく笑える仕掛けがテンコ盛りで、コメディとはそういうものですがとにかくいい。

 冒頭、国内線パイロットのラスティが乱気流で大揺れしながら乗客の美人ママのおっぱいを鷲掴みにするという、「ドリフ大爆笑」(古いよ)さながらのコントが素晴らしいです。観る人の心も鷲掴みです。演じるエド・ヘルムズをじっくり見たの始めてなんですが、いいコメディアンですね。



 ちょっと疲れた感じの妻デビーを演じるのがクリスティナ・アップルゲイトなんですが、大好きな『ビッグ・ヒット』('98)に出ていたことで印象付いてる女優です。初めは普通の良きママですが、歴戦のコメディエンヌがそれを許すはずもなく、ネジが徐々に外れて台詞どころか体当たりで下品ネタに突撃していくところは感動ものです。女優の鑑です。好きだぞクリスティナ(笑)。

 また、息子兄弟の設定にもツボりました。暴力的な弟が温和すぎる兄をしょっちゅうイジメるという、過激で可愛くもある兄弟関係には大笑いしました。女の子に見とれている兄に弟が突然ビニール袋攻めするところは、その状況やBGMも相まって神がかりでしたし、のちに再度ビニール袋攻めが活かされるところは痛快でもありました。何度も見直したいシーンです(笑)。

 こんな家族が西海岸の遊園地に向かう4000キロの珍道中は『なんちゃって家族』('13)の比ではないと思いました。旅の過程で思い出作りをしたいパパは色んなサービスをしますが、その全てが豪快なトラブルに繋がってるのが楽しいです。珍道中をサポートするのはキャンピングカーではなくアルバニア製の謎のセダンで、これだけでも飛び抜けたアイテムなんですが、特にある言語で暴走するカーナビに息子が「なんでこんなに怒ってるの?!」と呆れるところは、作り手のわかってる感がヒシヒシと伝わる瞬間でした(笑)。



 『モンスター上司』('11)の脚本コンビが手がけていて、その経緯もあってか脇役陣もなかなか豪華ですね。コメディ役者系では、ママ友のレジーナ・ホール、脳天気バカ嫁のレスリー・マン、急流下りガイドのチャーリー・デイ、なんてのが飛び抜けていました。ところで、ラスティの豪傑父親のチェビー・チェイスは本作に繫がる前日譚『ホリデーロード4000キロ』('83)で同じ役をまんま演じられていたんですね。母親役も本作と同じくビヴァリー・ダンジェロで。世代をまたがった一大ドラマになってるんだこれ。

 強烈な髪型でリスペクト俺様のクリス・ヘムズワースや、謎のトラック野郎のノーマン・リーダスには、そんな役もやるんだとビックリですが、やはり真の役者ほど潔くバカ役もこなすということですね。凄くわかります(笑)。そういえば冒頭の乱気流でいじられる乗客親子のパパ役をコリン・ハンクス(トム・ハンクスの息子)がやってました。だから何って感じですが(笑)。

 本作のいいところは、ハチャメチャ路線のところ、それでも根底には家族の幸せを願う思いがあるところです。国際線パイロットとの確執から繫がるクライマックスで目的をやり遂げようとする家族の結束はカタルシス以外のなにものでもないです。下品なネタが多いですが、どのシーンも愛さずにはいられない魅力ある作品です。

 吹替でも観たのですが、やはりコメディってのは化けるものですね。翻訳やアドリブの妙もあってか、オリジナル音声とは違った面白さを感じます。コメディ作品はベテラン声優も本領発揮の場ではないでしょうか。ぜひ吹替でも観て頂きたいです。


 しかし、4000キロのドライブ旅行ってどんなよ。


(C)2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
【出典】『お!バカんす家族』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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2016年2月13日土曜日

映画『しあわせはどこにある』・・・ ロザムンド・パイクとの同棲に戦慄を覚えますが大丈夫ですたぶん

●原題:Hector and the Search for Happiness
●ジャンル:アドベンチャー/コメディ/ドラマ
●上映時間:120min
●製作年:2014年
●製作国:イギリス/ドイツ/カナダ/南アフリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ピーター・チェルソム
◆出演:サイモン・ペグ、ロザムンド・パイク、ステラン・スカルスガルド、ジャン・レノ、トニ・コレット、クリストファー・プラマー、伊川東吾、バリー・アトスマ、その他大勢

【ストーリー】
イギリス。精神科医のヘクターは何の問題もなく日々の生活を送っていた。同棲する恋人クララもそんなヘクターを愛情いっぱいに世話してくれていた。しかし、患者へのカウンセリングを繰り返すうちに、ヘクターは果たして自分は幸せな人生を歩んでいるのだろうかと疑問を持ち始める。意を決したヘクターは、クララをひとり残して幸せ探しの旅に出るが・・・。



【感想と雑談】
 今年一発目の映画記事です(おせーよ)。昨年の話題作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』('15)をメインに、もう1本何か見ようと徘徊して見つけたのが本作。サイモン・ペグが出演とか共通点だし、何よりもロザムンド・パイクが出てるじゃんか。パッケージもいい雰囲気。一緒に借りました。

 すまんトム、こっちの方が面白かったわ。

 どっちも世界を股にかける一大スケールな展開で結構命がけなところも共通点なんですが、異国の旅路でいろんな経験を積むロードムービー的な本作の方がしっくりきましたね。自分が歳をとった所為もあるかもですが(笑)。あくまでも比較なんで『ミッション~』も十分なエンタテイメント作品で楽しかったです。

 さて、本作の主人公はサイモン・ペグ演じる精神科医ヘクター。人柄はいいのに職業柄か何かと悩みがちな男。なんですが、とにかく注目点はその恋人クララを演じるロザムンド・パイクなんですよ。冒頭、悪夢にうなされるヘクターが飛び起きると、いきなり目の前に笑顔のクララがいるの。やべえ、逃げてヘクター!!って思わず叫んじゃいそう。『ゴーン・ガール』('15)がフラッシュバックする瞬間です(笑)。

 クララは完璧な恋人ぶりで、ヘクターの健康にも気を使うし、公の場ではちゃんとヘクターを引き立てたりする。素晴らしい。素晴らしすぎて逆に裏があるのでは・・・とちょっとでも勘ぐると『ゴーン・ガール』がフラッシュバック・・・って、そういう設定じゃないから。イギリス人の血統も手伝ってか落ち着きも感じる美人さんですね。製薬会社に務める彼女がバイアグラ系新薬の話をする時、効能を示すのに拳を立てる仕草がとても可愛いと思いました。



 勿論、ロザムンド祭だけで終わる作品ではありません。ヘクターが愛するクララを置いてまで実行に移した幸せ探しの旅。異国での様々な経験やトラブルの教訓から”幸せ”の欠片をメモに書き留めていくのですが、その旅路で出会う人々がとにかく魅力的なんですね。例えば、

 中国へ向かう旅客機で出会う大企業の堅物社長エドワードを演じるはステラン・スカルスガルド。味わいある北欧男優ですね。ブスッとした態度で、ヘクターみたいな男は最も敬遠するはずなのに、何かを感じて気を許しちゃう。一緒に豪遊までしちゃったりする。がむしゃらに働いて稼いで引退して余生を送ることが幸せみたいなエドワード。

 アフリカのホテルで出会う麻薬王ディエゴを演じるはジャン・レノ。久々に見たなこの人。貫禄付いてます(笑)。メモ書きするのにディエゴから借りたペンがその後の命を左右するトラブルに関わるところは、本作が優しい世界だけで終わらないことがわかる結構な見せ場。妻の重病に悩むディエゴはヘクターに出会ったことで幸せになれるのかな。

 そして、アメリカで再会する元恋人アグネスを演じるはトニ・コレット。好きな女優です。『シックスセンス』('99)で息子から告白を受ける時の演技が忘れられません。アグネスの存在はどことなく彼女に未練がましいヘクターと現恋人クララとの関係に当然ながら影響を及ぼします。やがて、スカイプ映像に映るクララの冷めていく態度が不安を煽ることに。ここで『ゴーン(以下略



 クライマックス。沢山の出会いを経たヘクターは、最終地アメリカの大学で脳の幸せ度合いを測定する機械にかけられます。旅路での経験とクララのことを思い起こすヘクターにやがて反応しだす機械。果たして”幸せ”が何であるのか、ヘクターは解き明かすことができるのでしょうか・・・。

 オチがどうあれ、ヘクターが取った行動は意味のあることなんだなと思いました。異世界に触れることで新しきを知るというのは今更ですけど大事なことですよね。別に教訓じみてる訳ではないのですが。それと、旅路での色んな人との出会いは何かと印象的ですが、別れ際をヘタに感動的にしてないところもよかったです。

 社長エドワードは別れ際にヘクターが抱擁する素振りを見せるとスッと身を引くし(この二人の間は必見)、麻薬王ディエゴは帰国したヘクターに電話までしてあることを伝えますが捨て台詞を吐くとすぐに画面の外に去ってしまいます。あくまでもヘクターの通過点としてドライな扱いだったかもしれませんが、ヘクターの人柄が本人の気づかぬところで、幸せの何かを振りまいていたのは確かでしょうね。

 カラフルで丁寧に作られた大変見やすい作品です。サイモン・ペグとロザムンド・パイクは『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』('14)でも共演されてましたが、対極的に疲れきった設定でした。なのでロザムンドは、本作の方が嫁にしたい度No1です(笑)。


 『ゴーン・ガール』とセットで観ると危険かもしれない。


(C)2014 Egoli Tossell Film/ Co-Produktionsgesellschaft "Hector 1" GmbH & Co. KG/Happiness Productions Inc./ Wild Bunch Germany/ Construction Film. 2014 All Rights Reserved.
【出典】『しあわせはどこにある』/角川書店

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2015年12月28日月曜日

映画『キングスマン』・・・ 英国流スパイアクションの定番がやって参りました

●原題:Kingsman: The Secret Service
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/コメディ
●上映時間:129min
●製作年:2014年
●製作国:イギリス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マシュー・ヴォーン
◆出演:コリン・ファース、タロン・エガートン、マイケル・ケイン、マーク・ストロング、サミュエル・L・ジャクソン、ソフィア・ブテラ、スフィ・クックソン、マーク・ハミル、その他大勢

【ストーリー】
 イギリス。どの政府にも属さない独立諜報機関キングスマン。エージェントのハリーは、ある事件をきっかけに、かつて作戦の最中に命を落とした同僚の息子エグジーをスカウトする。不良同然ながらも父親の血を継ぐだけあってエグジーには十分な素質があった。一方、キングスマンはアメリカのIT実業家ヴァレンタインが世界規模の陰謀を企てていることを察知。ハリーとエグジーは捜査に移るが・・・。



【感想と雑談】
 実に素晴らしい。こういうリズムを持った作品ってホントにいいものです。根底が幼少の頃に胸踊らせた007シリーズのユーモアと奇想天外さであって、それを近代的な脚本と技術で底上げしてるという、

 イギリスの面目躍如ですよこれは。

 伝統と規律を重んじる精神のもと、紳士たる身だしなみから繰り出す壮絶なアクションは、これぞ静と動を併せ持つイギリスというやつではないですか。同じ英語圏のヒャハーなアメリカよりも、日本に通じるものがありますね。この諜報機関は、まさに世界を相手にする必殺仕事人です。名作『レモ/第一の挑戦』('85)もそんなお話しでした(笑)。

 政府の指揮下に公正性がないことを嘆いた財閥は秘密裏に諜報機関を設立しますが、その本拠地に選ばれたのが伝統ある高級スーツ店キングスマンなのです。店内では趣きある調度品が落ち着きを醸す一方、超技術によるギミックが仕掛けられていて、紳士エージェントの表裏と同様に、ローテクとハイテクの対比が鮮明で目を見張るところです。これぞイギリスにしか出せない魅力というやつ。



 スパイといえばの小道具も粋なものばかりで、紳士傘が武器と盾を兼ねてるところはいかにもです(笑)。ケレン味溢れる点では小道具だけでなく、密かに建築された広大な施設も外せません。後半の舞台となるヴァレンタインの根城も下僕たちを見下ろすようにガラス張りの司令室が設置してあって、ここでドンパチやるとか懐かしい空気が充満しまくりです。

 主演はイギリス側のコリン・ファースと重鎮マイケル・ケイン。このコンビは新旧スパイやクライム関連の繋ぎ役でもあるようですね。マイケルは古くからスパイ作品の常連だし、主役の絵画泥棒を演じた『泥棒貴族』('66)のリメイク作品『モネ・ゲーム』('12)ではコリンが主役を演じてましたしね。

 また、若手役者も揃えてエージェントの世代交代まで描いてる辺り、ロートルな世界で終わらせないフレッシュさは今風といったところですね。昔ながらの007って幼い時期が描かれていなかったので斬新といえるのかも。最近の007はシリアスにそんな路線に入ってる気はしますがね。

 スパイアクションには魅力ある悪役も欠かせません。アメリカ側のそんな期待を裏切らないIT実業家ヴァレンタインを演じるは我らがサミュエル・L・ジャクソン。ニヒルでもなんでもなく、狡猾で変なところで気弱なヒップホップ野郎。今時の申し子みたいでよろしい。しかし今回のサミュエル、『ジャッキー・ブラウン』('98)の銃器密売人に戻ったかのような若々しさなんですが、なんと今年67歳なんだとか!見えないぜサミュエル。



 本作の最大の見せ場はなんといっても主人公ハリーの身のこなし。イギリス人の血統を醸しながらの戦闘シーンが素晴らしすぎます。同じイギリス人のマシュー・ヴォーン監督だからこその手腕でしょうか。独特のスピード感とワンカットのような巧妙な編集、そして縦横無尽なカメラワークによる一大殺陣はカタルシスの連続。粋なBGMがこれまた拍車をかけます。演じるコリン・ファースもよくあれだけ体が動いたもんです(全て本人が演じたと信じたい)。『96時間』シリーズはちょっとは見習って欲しい。

 ちょっと笑ってしまったのが、ヴァレンタインの女用心棒があるエージェントを迎え撃つところ。この女用心棒、両足が刃物を備えた義足になっていて、新体操みたいな技を繰り出すの。で、このエージェントが一瞬で唐竹割りにされるのね。ペローンって真っ二つ。安すぎるCGがまるでワザとやったかのようで、きっと『殺し屋1』('01)へのオマージュもあるに違いない。

 また、見た後で笑ってしまったのが、マーク・ハミル。出てたの全然気づかなかったです。かなり前面に出ていた人物なのに。言われてみればたしかにマークの面影あったような・・・。最新のスターウォーズを見る前に、本作で近況のお姿を拝んでしまいました(笑)。

 マシュー・ヴォーン監督は、経歴をみてみれば、なるほどクライム系の作品群を手がけられていたのですね。コミック原作の映画化に力を入れられているようですが、前作の『Xメン:ファースト・ジェネレーション』('11)よりも、『キック・アス』('10)での小気味よいユーモアとアクション性が更にパワーアップして帰ってきた感があります本作は。お勧めしたい逸品です。


 ちょっとスーツを着こなしてみたいと思いました。


 さて、今年はこれが最後の記事となります。素敵な作品で締めることができてよかったです(笑)。しかしまあ、ブログも8年目に突入とか、よく続いているもんです。あとどれだけ続けられるかな。。
 迷いこまれた方にちょっとでも役に立てればと来年もとりあえず頑張っていこうと思います。

 それでは来年も皆様にとって良い年となりますように。


(C)20th Century Fox Film Corp. All rights reserved
【出典】『キングスマン』/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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2015年7月6日月曜日

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』・・・ シャーリーズ・セロン最強伝説

●原題:Mad Max: Fury Road
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/SF
●上映時間:120min
●製作年:2015年
●製作国:オーストラリア/アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョージ・ミラー
◆出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キーズ・バイアン、ゾーイ・クラビッツ、ロージー・ハンティントン・ホワイトリー、リリー・コウ、アビー・リー、コートニー・イートン、その他狂った人大勢

 7月に入ってました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
 今回は、もの凄く久々に劇場新作の記事で更新したいと思います。

【ストーリー】
 核戦争によって砂漠と化した世界。暴力組織の内輪もめに巻き込まれた旅人マックスは、組織を裏切り良き社会を目指す女戦士フュリオサに合流し、タンクローリーで追手の暴走族を蹴散らす・・・。



【感想と雑談】
 面白かったです。久々のシリーズ作品なので、ダレてたら困るなと思ってましたが、そんな心配は消し飛びました。

 このテンションの張り具合は、ジョージ・ミラーの功績が一番でしょうが、周りを固めるスタッフ陣と役者陣らのシリーズへの理解度も相当なものだったのでしょうね。『マッドマックス2』(’82)から続く世界観のようですが、2はまだ現実的だったのに対して、本作はかなり病状が進行した毒世界になってます。

 放射能によってか、見た目がいかにもフリークスかミュータントかってくらいのイカれた連中が、暴力装置をもって弱者らを支配してるのね。なんだか『インディジョーンズ/魔宮の伝説』('84)の邪教集団みたい。で、トム・ハーディ演じるマックスが、強いんだか弱いんだかわからんうちに拉致されるの。なにこの世界、と思ってしまいましたが、それも数分のうち。

 シャーリーズ・セロン演じる女戦士フュリオサが登場するや、タンクローリーを爆走し始めるところから、完全に虜になってしまいました。しかし、シャーリーズはワケありキャラであれば何でもこなしますよね。筋の通った強い女がお似合いでしょうか。CGでゴツイ義手を付けてたけど、体の線は細くてきれいでした(笑)。

 フュリオサ以外にも女性キャラが結構出てきて砂漠のオアシスになってるとこは、異常すぎる世界には眩しい存在。でも、危なっかしい世界でセクシーな格好は、見ていてハラハラします。逆にまだまともに見える2の世界では、こうも女キャラは出てこなかったような。無口なアマゾネス風の女戦士はいたけども。

 この感動は『デス・レース』('09)に通じるものがありました。あちらは70年代のSF珍作のリメイクでしたが、そのパワフルさに終始笑いが絶えなかった傑作でしたが、今回もそんな感じで見ることができました。そもそも『デス・レース』も武装したタンクローリーが大バカなオチを持って退場する盛り上がりっぷりでしたが、あれはきっと『マッドマックス2』へのオマージュだったのでしょうね。

 今回はジョージ・ミラーが変わらず監督した正真正銘シリーズの後継作品ですからね。とにかく、シリーズ失速の法則がいっさい当てはまらずの勢い。真の主役ともいえる改造車のオンパレードぶりは笑わずにはいられません。

 最高なのが、戦闘集団の中にBGM担当のトラックがいたこと。戦闘時に士気を上げるのに、火を吹くギターをギュイーンと弾いて、数人が太鼓をドンドンドンドン叩いてるの。単なる移動中にもドンドン叩いてた気がしますが、一番大変な役割なんじゃないかと思いました。一応、アホか、といっておきます。

 トム・ハーディはメル・ギブソンほど眼光やカリスマ性はないですが、新たなマックス像として活躍していたと思います。鎖が繋がった状態でフュリオサ陣と格闘したり、タンクローリーを巡って様々な活躍をするところは、パワフルすぎてコントに見えるくらいの迫力でした。

 延々、心のガッツポーズ状態の傑作でした。

 2015年7月6日現在、imdb評価が8.5ポイントという、世界中が大好き状態です。


 終始タンクローリーで引っ張る潔さに感服。


(C)2014 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『マッドマックス 怒りのデス・ロード』/ワーナー・ブラザーズ

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2015年2月17日火曜日

映画『エクスペンダブル・レディズ』 ・・・女傭兵部隊がテロリスト軍団に殴りこみをかけます

●原題:Mercenaries
●ジャンル:アクション/アドベンチャー
●上映時間:89min
●製作年:2014年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:クリストファー・レイ
◆出演:ゾーイ・ベル、クリスタナ・ローケン、ブリジット・ニールセン、シンシア・ロスロック、ヴィヴィカ・A・フォックス、ニコール・ビルダーバック、ティム・アベル、ジェラード・ウェッブ、その他大勢

 こよみは春ですけど、やっぱり寒いですね。この間、雪降ったし雪。まだまだ降りそうな予感がします。
 さて、前回に引き続き、今回もアルバトロス配給の作品です。割と新作ですが中身はどうなんでしょうか。

【ストーリー】
 カザフスタン。訪問中のアメリカ大統領の娘エリスがテロリスト軍団に拉致されてしまう。テロリストの女頭領ウルリーカは、娘と引き換えに我が領土に恩恵を与えよとホワイトハウスを脅迫。アメリカ大統領の側近らはエリスを救出するべく、ある傭兵部隊を秘密裏に結成する・・・。



【感想と雑談】
 思い付きそうで思い付かなかった『エクスペンダブルズ』の女性版(笑)。本家より人数は少なめですが、その分、配役で勝負なんだぜという意気込みがパッケージからヒシヒシと伝わって来ます。前回に続きアルバトロス配給なので、既に見えた気がしますが、その放っておけない女優陣に手が伸びた次第です。

 かつてのアクション作品で名を馳せた(たぶん)女優らが、様々な経歴を持つ犯罪人として登場します。まずは、テロリスト軍団の女頭領ウルリーカを演じるブリジット・ニールセン。完全にオッサンだろこれ。男装の麗人すぎる。過去の作品からしてキワモノ的な美形ではあったけど、今回の更なる貫禄の付きようはいったい。出オチですね。シルベスタ・スタローンの元嫁ということで本家との繋がりを感じますが微妙に。

 このウルリーカに対抗すべく、アメリカ政府は百洗練磨の女囚人どもをスカウト。政府の役人モナ役をシンシア・ロスロック、囚人側では戦術に精通したカサンドラ役をゾーイ・ベル、狙撃の達人キャット役をクリスタナ・ローケン、殺し屋レイブン役をヴィヴィカ・A・フォックス、そして爆弾の達人メイリン役をニコール・ビルダーバック、それぞれが演じています。

 シンシア・ロスロックは、女格闘家で数多くのアクション作品に出られてますね。香港アクションでは、サモ・ハン・キンポーと互角に戦ったりしてました。凄い人だ。本作では裏方に徹していましたが、レイブンとの確執からキレのある格闘をちょっとだけ見せてくれます。



 ゾーイ・ベルは、なんといってもタランティーノ監督の『デスプルーフ』('07)ですよね。スタントウーマン兼女優としてデビューした姿がとても印象的でした。欧米系のアクション女優って貴重だと思います。本作では45口径コルトガバメントを愛用する渋い主役級で見せ場はテンコ盛りです。

 ヴィヴィカ・A・フォックスは、タランティーノ監督の『キル・ビル1』('03)にも出てたのですね。殆ど記憶にないですが。本作では二丁拳銃とビッチで肝っ玉な言動がなかなかイカしてると思います。両手のグロック19を交互に突き出し連射する様はどうかと思いましたが。

 クリスタナ・ローケンは、実は本作で一番気になった女優です。というかファンです(笑)。彼女は『ターミネーター3』('03)に尽きるでしょうか。ギューンとオッパイ膨らまして警官を惑わし、シュワの股間を握りトイレの壁をぶち抜いてくT−Xの勇姿に、心のガッツポーズを送った諸氏は少なくないはず。終始のポーカーフェイスが真骨頂でしたが、本作では当然の人間役なので(笑)、色んな表情が拝めます。しかしもう36歳なんだ。相応の顔付きになっちゃってるな。ところで、彼女はレズをカミングアウトしてたはず。突撃してもT−Xよろしくぶっ飛ばされるだけかと思うので、遠くから眺めておくだけにしましょう。

 で、最後はニコール・ビルダーバック。この人、メンバのひとりなのにパッケージに姿がないんですよね。配給アルバトロスも失礼なことすんなよと思ったら、本国からしてそういう扱いになってるの。ジェット・リーに匹敵するアジア女優はいなかったのかな。一応、中国人役ですけど、韓国出身でドラマに多く出演されてる模様。本作では爆弾マニアで核ミサイルにウットリするコミカルな役どころです。レイブンに「どーも」と礼を言われると「それは日本語だ!」と怒ります(笑)。



 女優の見本市みたいになってしまいました。中身の方なんですが、はっきりいって安いです。終始スカスカな空気が漂っています。低予算の苦境をかなりのゴリ押しで突破してますので、画面全体の見た目と大真面目な行動をとるキャラクタとのギャップに笑えます。肝心のアクションでは、本家よろしく銃撃戦での血しぶきはド派手ですが、周辺のオブジェクトには殆ど着弾効果がなく、車や壁は頑丈で穴も空きません。爆発エフェクトはCG合成のようです。核ミサイルはスノコに積まれて登場という、もの凄いテキトー感です。

 しかし、そんな中にも見どころがあったりするのです。まず、アクションに付き物の銃火器に一風変わったタイプがあるところ。狙撃の達人キャットに役人がブレイザーR93というドイツ製の狙撃銃をいちいち説明しながら渡します。338口径ラプアマグナム弾を5発装弾とか。有名な銃なのでしょうか。ディティールに拘った印象的なシーンなのです。 それから、所々でカメラワークや演出にセンスと工夫を感じます。頑張ってると思います。

 また、銃撃戦時に敵兵が逃げていきますが、これを見たキャットが「任せれ」と狙撃銃を持ち出し、敵兵を目で追いながらノシノシ歩いてくるところ。ここちょっとした長回しになっていて画面構成と演じるクリスタナの鬼気迫る表情にグッときます。更には敵兵を睨みつけながら、狙撃銃をバイポットで固定し、スムースに伏せ撃ちに移行する辺りのカッコよさ。そして鋭い眼光。撃たれてもいいと思いました。T-Xの面影は皆無だけど。

 クライマックスのC−130輸送機を使ったアクションは、かつての007を彷彿させるほどの盛り上がりっぷりです。機内ではやっぱりスノコに積まれた核ミサイルにヒヤヒヤしながらウルリーカと大戦闘。後部のハッチが開くと機は急上昇し、彼女らはゴロゴロ転がり落ちそうになったりします。危ねえぞ。頑張れよエクスペンダブル・レディズ。

 で、どこか感心もできるんだけどやっぱり爆笑もできる、ひと粒で二度美味しい超B級作品でありました。シリーズ化されたらもっと笑えるぞきっと。


 やっぱり木曜洋画劇場を復活して欲しい。


<オマケ1>
 ブリジット・ニールセン主演の『スタークリスタル』('95)です。ブリジットはこうでなくてはいけません。なんだか『ターミネーター3』のT−Xの元祖にも見てとれますね。クリスタナ・ローケンの立場は?!



<オマケ2>
 『デスプルーフ』の頃に見つけたゾーイ・ベルの可愛いハイキックです。まず彼女のスカート姿というのが衝撃でした(笑)。



(C)2014 The Global Asylum Inc.
【出典】『エクスペンダブル・レディズ』/アルバトロス

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2014年12月23日火曜日

映画『ダイ・ハード4.0』 ・・・アナログ刑事がデジタル戦闘集団に挑みます

●原題:Die Hard 4.0
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/スリラー
●上映時間:129min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:レン・ワイズマン
◆出演:ブルース・ウィリス、ティモシー・オリファント、ジャスティン・ロング、マギー・Q、クリフ・カーティス、ジョナサン・サドウスキ、ケビン・スミス、メアリー・エリザベス、ウィンステッド、その他大勢

 雪降りました雪。でも雨も降ったりします。どっちも寒いです。とにかく体調には注意していかないと。今回は年末のクリスマス時期ということで、そんな感じの作品?です。

【ストーリー】
 アメリカ。突然、FBI本部が何者かによってハッキングされる。FBIは凄腕ハッカーのファレルを重要参考人として警察に連行を依頼し、娘と喧嘩別れしたばかりの刑事マクレーンにその指令が入る。ふて腐れながらもファレルのアパートに向かうマクレーンは、そこで謎の戦闘グループに襲撃され、命からがらファレルを連れ出すことに成功する。その戦闘グループはアメリカ全土を制圧しようと目論む国防省あがりのトーマス率いるハッカー軍団であった。金融システムを突破するアルゴリズムを開発させたファレルを口封じする為アパートを襲撃したトーマスは、マクレーンに邪魔されたことで怒り心頭になる・・・。



【感想と雑談】
 クリスマスといえば・・・そう『ダイ・ハード』('88)がありました。でも、今回はだいぶ外れて『ダイ・ハード4.0』('07)のことを書こうと思います(笑)。クリスマスには関係ない作品ですが、シリーズとしては繋がりありますからね。

 前作の『ダイ・ハード3』('95)から12年ぶりとなるシリーズ4作目。当時はかなり話題になっていたかと思います。たしか。好きなシリーズなので期待度はデカかったですが、一抹の不安もありました。4作目ともなるとシリーズ失速の法則は発動しまくりのはずですからね。予告を観ても、ちょっと微妙かも、と。

 初見の時は、既に密室劇でもなんでもない(冒頭のアパート襲撃のところはやや密室だったか)開放的な展開に優等生肌の悪役が新鮮ということで、いきなり傑作とまではいかないが割と楽しめたことは覚えています。アクションもアクロバティックだなあ、なんてことも。



 監督のレン・ワイズマンは、いわゆるスタイリッシュなお方ですよね。初監督『アンダーワールド』('03)が縁で主演のケイト・ベッキンセイルを嫁にしてるし、その後も何作品かで再びベッキン嫁を起用してるし、しかもイケメンときてるし。スタイリッシュとは関係ないところで腹立たしいですが、とにかくカメラワークやデザインがやたらカッコいい監督さんです。

 こんなスタイルはダイハードじゃないだろうし、悪役の最後も迫力なさすぎ、という思いがある一方、実は感心できる点があったりするのも確かなところ。これは何度か見直すうちに思うようになりました。そら何度も観れば愛着も湧くだろうよ、と思われるかもしれませんが逆です。そもそも何らかに惹かれてこそ何度も観たくなるものでしょう。

 で、感心できるのが、人間関係の描写。もともとダイハードシリーズは泥臭い人間関係の上に成り立つアクションが面白いところですが、本作もスタイリッシュながらもそういう点がちゃんと際立っていて、実はシリーズ中もっとも感心できる点を含む作品かもしれません。



 マクレーン刑事とハッカー小僧ファレルの親子まがいの関係は当然ですが、それ以上に悪側にも血の通った演出を施しているのがいいです。戦闘ハッカー集団のボスであるトーマスと子分達のやりとりが本当に日常的で人間臭いところがあって、それってあるある(笑)と思えてしまうのです。

 例えば、金融システムからのダウンロードがなかなか始まらず苛立つ子分に、トーマスが「我慢しろ、とにかく待て」と言うと、暫くしてダウンロードが始まるところ。また、マクレーンの娘が暴れたせいで自分の足を撃ち抜いた子分にトーマスが「しっかりしてくれよ、いいか?・・・本当だな?」と呆れた表情でしつこく諭すところ。

 極めつけは、戦闘機のパイロットにニセの指示を出そうとしてハタと黙りこみ血走るトーマスに、子分が慌てて出撃コードを伝えるところ。この時のトーマス演じるティモシー・オリファントの鬼気迫り感が凄いです。こんなふうに、仲間内の落ち度やそれを指摘する台詞など、話の進行には関係ない人間のゆらぎや血の通いをいちいち挿入するところが、人間関係に深みを与えていると思うのです。



 マクレーンの活躍ぶりが奇想天外で行き過ぎ感も満載なことで評価がそういう方向に行きがちかもしれませんが、視点を変えて観れば新鮮で面白いと思えるところが多々発見できるかもしれません。

 単純にアクション面に目を向けてみると、クライマックスのトレーラーと戦闘機のチェイスはよく出来てるなあと思います。VFX総動員の威力ってやっぱ凄いです。高架の坂を登っていくトレーラーにミサイルやバルカン砲を撃ちこむところは実写にしか見えないのですが、CGでないとしたら本当にどうやって撮影してるのか想像もつかない臨場感です。

 また、かなり自由のきくカメラで撮影しているのか、高速でカーチェイスする様を急激に旋回したり接写したりします。パトカーが高速で左折するところをすれ違いざまスレスレに描写するところ迫力あるなあ。同時期の『デスプルーフ』('07)でも同様の撮影をしていたので、ひょっとしてカーチェイスの新しい幕開けだったのでしょうか。まあ、あまりカーアクションものは観てないので何ともいえませんけどね。

 そうそう、マクレーンの娘役をメアリー・エリザベス・ウィンステッドが演じてますね。しかし、彼女ホントに可愛いわ。『デスプルーフ』ではチアリーダー役が光ってましたなあ。顔付きが外人外人してなくて親しみ感じますよね。最近は歳相応な役どころみたいだけど。彼女とマギー・Qのキャットファイトが見たかったな。マクレーンの娘なんだから互角に戦えるはず。これ重要。 ←バカ

 ということで、今年はあと1回は更新できるかな。頑張ってみよう。


 「ジョン、お前はデジタル時代のハト時計だ」は名台詞ですね。


(C)2007 Twentieth Century Fox Film Corporation and Dune Entertainment LLC
【出典】『ダイ・ハード4.0』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2014年11月23日日曜日

映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』 ・・・スーパーソルジャー同士が実弾&肉弾戦で一騎討ち

●原題:Captain America: The Winter Soldier
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/SF/スリラー
●上映時間:136min
●製作年:2014年
●製作国:アメリカ
●言語:英語語
●カラー:カラー
◆監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
◆出演:クリス・エバンス、サミュエル L・ジャクソン、スカーレット・ヨハンソン、ロバート・レッドフォード、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、コビー・スマルダース、フランク・グリオ、エミリー・バンキャンプ、トビー・ジョーンズ、ジェニー・アガター、マキシミリアーノ・ゴンザレス、その他大勢

 すっかり寒くなってますね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?3連休はどこかへお出かけですかな。今回はかなりメジャーな作品です。大ハマリしたので、いつもの体裁を変えてみました。

【ストーリー】
 アメリカ。第二次大戦中にスーパーソルジャー化し、ドイツ軍のオカルト集団ヒドラとの戦闘で勝利を収めた後、現代に甦ったキャプテン・アメリカことロジャース。生活様式に戸惑いながらも、ニック・フューリー率いる組織シールドの一員として多忙な毎日を送っていた。フューリーはシールドが提唱する世界平和を目的とするインサイト計画に疑惑を感じ内密に調査を行うが、その過程で暗殺者ウィンター・ソルジャーに襲撃され命を落としてしまう。シールド上層部はフューリーの行動がインサイト計画を陥れるものだったとし、直属の部下であるロジャースを追跡しだす。窮地に追い込まれたロジャースは、仲間のナターシャとファルコンと共に、真の敵を暴くため行動を起こすが・・・。



【感想と雑談】
 前作の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』('11)がちょっとイマイチの印象だったので敬遠していましたが、ブラック・ウィドウが出とるし(笑)ひょっとして・・・な思いで手を伸ばしました。

 なんだこれは、素晴らしすぎる。

 スーパーヒーローが荒唐無稽な存在であるのに変わりはないのですが、それを取り巻く要素を限り無く実社会ベースで描いているのですね。目線が安定しているし、地に足が着くどころか、首辺りまでぶっすり突き刺さっています。

 半端ないスケール感でありながら、政治策略と近代戦略、そして近代戦術の様が丁寧に描かれていて、空想と現実が違和感なく同居しているし、表裏入り乱れるドラマ性で上質なサスペンス・スリラーとして成り立っているのが実にいい。この漲る緊張感よ。

 特筆したいのがアクション面なんですが、オカルト的な能力、超常現象、ビーム系の兵器なんぞは登場せず、あくまでも近代的な戦術を基本とする描写のキレのよさ。監督アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟の手腕はとにかく見事です。

 ロジャースもウィンター・ソルジャーも尋常でない能力を飛び道具や素手を通して発揮し、ナターシャやファルコンがサポートを務め、また組織や戦闘集団らが対等に参戦し暗躍するところも、世界観に幅を効かせているところです。

 あ!我らがスカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウことナターシャのことだけで盛り上るはずだったのに、それだけでは全然収まらない勢いになってしまいました(笑)。今回、紅三点なところもあって、他のシールドの女性エージェント2名の活躍ぶりも高得点。参りました。

 個人的に従来のスーパーヒーローものではお目にかかれなかった感動のシーン(演出)をいくつか挙げてみたいと思います。

<ハイジャックされたシールド船舶>
 船舶のコンピュータ室でテロリストから爆弾を放たれた直後、咄嗟にロジャースがナターシャを抱えてジャンプするところ。なんとナターシャは飛び込む先のガラス窓を瞬時にハンドガンで打ち抜くのです。サブリミナル効果のごとくナターシャの性能アピール。


<ビル街で襲撃を受けるニック・フューリー>
 車輌の強化ボディを打ち抜くのに、丸太(破城槌というそうです)のマシンを持ち出すところ。安易に重火器に頼るだけでなく、専用の装備を持ち出すところがリアルですね。ご丁寧に三脚を固定する様まで映しています。『ダイハード』('88)でも同様に迫撃砲を固定するシーンがありました。


<高速道路での戦闘集団とウィンター・ソルジャー>
 車輌から放り出されたロジャース一行に、追っ手の戦闘集団とウィンター・ソルジャーが協同で猛攻撃をかけるところ。チームワークで行動するところに説得力を感じます。ウィンター・ソルジャーが高架下に逃れた一行を狙うのに、戦闘員とすれ違いざまに小銃を受け取るところは、何気すぎて鳥肌ものでした。


<ビル街でのタイマン勝負その1>
 高速道路からビル街に逃れたナターシャにウィンター・ソルジャーが迫るところ。グレネードランチャーで警察車輌を吹っ飛ばした後、無言でナターシャに忍び寄る際の静寂とサスペンス度がたまりません。ナターシャの小気味よい返し技もいいです。


<ビル街でのタイマン勝負その2>
 ナターシャを助けに駆け付けたロジャースがウィンター・ソルジャーと勝負するところ。サブマシンガンとハンドガンを至近距離で撃ちつくすという有り得なさですが、何故か理にかなった動きにしか見えません。また、ウィンター・ソルジャーはナイフを取り出し接近戦に入りますが、その素早い動きの中、ナイフを宙で掴み直したりします。この運動神経とリズム感は半端ないです。


<ヘリキャリアの発進>
 ロジャースが発進し出したヘリキャリアの甲板を疾走するところ。背景の空や巨大な建造物がそびえる様、そしてその空気感が凄まじいです。どう見ても完全ロケにしか見えないのですが、やっぱりこんな実物を作れるはずはないので、底無しCGの表現力に身を任せるしかないです。


 と、こんな感じでハッとさせる描写が満載なんですね。現実的な設定と編集の上手さがスーパーヒーローと組織力のバランスを上手くとっていて、さらにスリルとサスペンスがこれを底上げしているのです。

 シールド上層部の1人を重鎮ロバート・レッドフォードが演じているのも、社会派スリラーの重厚さも出してる要因ですね。なんと今年78歳なんだとか。お若く見えますね。それにしても、アメコミ原作の映画化も随分と地位が上がったものです。逆にそれしかネタがないのかよ、と危惧もしちゃいますけど。

 前作は、第二次大戦を背景に米軍がスーパーソルジャー化計画を成功させた訳ですが、本作の元凶となるナチスのオカルト組織ヒドラが登場するも、超常現象が登場するわ、頭領レッドスカルの存在がファンタジー然にしか見えないわで、なんともフワフワしてイマイチでした。レトロな時代の夢や未来感が先走ってたのかも。

 本作は、そのヒドラの残党が暗躍するのですが、あくまでも現代的で血の通った世界を構築しているところがよかったと思います。レーザー光線がビービーとか、怪物がうがーとか、オカルトや異次元がどうとか、もうそういうのを受け付けなくなってるようです自分は。

 布石がてんこ盛りで次作が気になるところですが、お約束のエンドクレジットのエピソードがまた驚愕なんですよね。え、そんな展開に持っていくの?方向性がちょっと心配。でも、本作の兄弟監督が続投とのことなので、期待しちゃっていいかな。


 女エージェント3人衆には頑張って欲しい。


(C)2014 Marvel
【出典】『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』/ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

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