2014年5月31日土曜日

こういうのもデジタルリマスタ化っていうのでしょうか・・・


 皆さん、いかがお過ごしでしょうか?まだ6月に入ろうかという時期ですけど、なんだか暑いですね。これでは先が思いやられます。

 さて、前回は『スターウォーズ/EP4』のリマスタ化作品についての記事でした。なので、今回はその流れで、大好きな続編のEP5・・・ではなく、音楽PVのリマスタ化について記事にしたいと思います。たまにやる音楽ネタってやつ(笑)。

 ナンシー・シナトラの『These Boots Are Made for Walkin'』('66)。これ数々の映画でも使われ耳にしている名曲ですけど、自分は『オースティン・パワーズ』('97)のフェムボット(笑)の登場シーンで電流が走りましたね。女性型アンドロイド「フェムボット」軍団の素敵な出で立ちと、曲の特徴的なフレーズが妙にマッチングしていて、とても印象深いシーンになっていました。

 で、久々にこの曲のPVを見ようかとyoutubeを検索してみたら、くだんのリマスタ化されたらしきバージョンを見つけた訳です。音声も修正されてると思いますが、見た目勝負の美麗さにはとにかく惹きつけられましたね。かなり綺麗になってる。

 しかし、そう思うのも、比較元の別バージョンの画質がえらく悪いからなんですが、実はもともと品質がいいところを、あえて劣化させて時代性を強調するという演出なのかもしれませんけどね。例えばNASAが発表した火星の地表写真の顛末とか。なにその例え。真相はわからんです。

 まあ、どっちでもいいことで、とにかくこの画質から見てとれる当時のファッションや振り付けが、えらく新鮮です。結構いい加減で雑な撮り方してるのが、逆にキッチリ作ってる同年代の映画作品よりも、当時の空気を身近に感じとることができますね。女性ダンサーの表情や仕草が可愛いよなあ。

 今こういう振り付けをやったらアイドルとかもっと面白くなるんじゃない? と思えるのは自分だけ。

『 Nancy Sinatra - These Boots Are Made for Walkin'』('66)

<オリジナル版・・・たぶん>


<リマスタ版・・・たぶん>



 この曲、色んな歌手やグループによってカバーされ続けているんですね。耳に残りやすい独特のリズムとメロディが人気の所以でしょうか。

 最後のキメのフレーズがいいです。

 〜 Are you ready boots? Start walkin'! 〜

 ・・・健康増進ですね。ありがとうございます。


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2014年5月25日日曜日

映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』 ・・・SFファンタジーの金字塔がやって参りました

●原題:Star Wars Episode IV: A New Hope
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/ファンタジー/SF
●上映時間:126min
●製作年:1997(1977)年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョージ・ルーカス
◆出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、ピーター・カッシング、アレック・ギネス、アンソニー・ダニエルズ、ケニー・ベイカー、ピーター・メイヒュー、デビッド・プラウズ、フィル・ブラウン、シェラ・フレイザー、その他大勢

 そろそろ6月ですね。6月といえば梅雨の季節ですか。ジメジメいやですね。空梅雨も困りますけど、雨は適度に降って欲しいものです。

【ストーリー】
 遥か宇宙の彼方。帝国軍の圧政に苦しむ銀河系では、反乱軍がレジスタンス活動を行っていた。そんな最中、反乱軍のレイア姫は帝国軍の極秘情報を入手するが、すぐさま追っ手の怪人ダースベイダーに捕らえられてしまう。しかし間一髪、極秘情報を託された2体のロボットが辺境の惑星タトゥイーンへ射出され、たまたまそれを回収した青年ルークは、ロボットが再生するレイア姫のメッセージから、近隣の変人ベン・ケノービを探すはめになる・・・。



【感想と雑談】
 レンタル屋を徘徊していると、たまに何度も観ている作品を発作的に観直したくなります。今回、SFコーナーを眺めていると『スターウォーズ』シリーズ6作品が目に飛び込んだのですね。やっぱり『〜 エピソード5/帝国の逆襲』が至高のシリーズ大傑作!面白かったよな!!

 ということで、『〜 エピソード5/帝国の逆襲』を借りました。帰ってさっそく鑑賞しようと、ケースをパカと開けると、円盤には何やら違和感を覚えるイラストが。そこには天にライトセーバを突き上げる白装束のルークとややエロいレイア姫がいました。IVの文字も見える。『〜エピソード4/新たなる希望』ですねこれは。

 完全にレンタル屋のミスなんですが、とにかく可笑しくて笑ってしまいました。ケースに表記されるタイトルは合ってるので完全に中身の入れ間違いなんですが、円盤の凄く判りづらいタイトルデザインは、こうなっても仕方ないだろというレベル。ケースと中身の整合性までチェックできるといいのにね。しかしなんだろか、この笑って許せる感は。

 そんなこんなで、せっかくなので、本シリーズの記念すべき第1作目であり、現在のエンタテイメントの原点ともいえる『スターウォーズ エピソード4/新たなる希望』について書いてみたいと思います。とはいっても、これほど知られた作品もないので、新鮮味の皆無な記事になると思いますけどね(笑)。

 初めてみた本作は、ただただ衝撃的でした。その後の人生に影響を与えるくらいの威力。大袈裟かな。まあ、もともと映画好きだったところに確固たる嗜好付けを施してくれた感じでしょうか。その後、日本でも映画界やテレビ界でも続けとばかりに、スターウォーズを火種に宇宙SFブームは加速していった訳です。ちょっと節操のない時代ではありましたね。よくいえば元気のある時代だったか。



 今回DVDで観たのは、劣化したマスタフィルムをデジタルリマスタ化して、新規映像を追加した’97年製作のバージョンです。当時「特別編」と称してエピソード4〜6が順次、一般公開されましたが、DVD版は更に改良を加えたバージョンになってるそうです。

 オリジナルが製作された’77年を思うと、まず映像はガサガサなんだろうなと思えますよね。ところが、20世紀フォックスのトレードマークからして大変澄んだ映像になってる。当時当たり前だった映像が、現在になっても変わらずの品質で観られるというのは素晴らしいことです。続いてルーカスフィルムのマークから暗転すると、ジャジャーンと始まるテーマ音楽とタイトルバック。ここはいつ観ても心踊る瞬間です。初見の時から時間が止まったような気分。

 DVDの技なのか、吹替音声を選択していると、オープニングに流れる粗筋も日本語になるのね。なんという親切設計。まあ、字幕派の自分は英語の方がしっくりくるのですが(笑)。反乱軍の輸送船と帝国軍のスターデストロイヤーが画面スレスレに飛び交うシーンもまた見事だこと。やはり70年代臭さは感じますが、当時の映像をこれだけ美麗に修復した技術は大したものです。

 惑星タトゥイーンの宇宙港モスアイズリーの映像は、本作で最も修復と追加が施されたところでしょう。CGで描かれたロボットやモンスターの様子を捉えながらカメラは上昇し、港を俯瞰の構図で映し出します。えらくダイナミック。ひとつの作品の中で、アナログマットからデジタルマットへの変換という、マットペインティングの歴史を体現させてるのも感慨深い。また、これらの修正映像は、オリジナル製作の当時では表現不可能だったのが、やっとこさ実現できるようになったので、監督ジョージ・ルーカスにとっては感無量のことだったとか。

 修正された映像の中で特筆なのが、モスアイズリー港でハン・ソロがジャバ・ザ・ハット一味と対峙するところ。これ、オリジナルでカットされていたシーンなのですが、追加映像として復活させるのに、当時のジャバの設定はヒューマノイド体型だったので、例のナメクジガエル体型に置き換えているのです。ハン・ソロがジャバの周りを歩く際、尾っぽを乗り越える動きまでデジタル加工している。切り貼りみたいに平面的な動きになってるハン・ソロがちょっと不自然ですけど、熱意は十分伝わってくる重要なシーンですね。



 登場人物のルーク、ハン・ソロ、レイア姫、オビ=ワン・ケノービなんかも、修正によって美麗に生き返っています。そうでなくてもハン・ソロなんか普遍的なカッコよさがあって、これを若きハリソン・フォードが演じてるってとこもポイントですよね。ただ、ルーカスのどこか平面的な演出は、今になって観てみると、ちょっと鼻に付くところはありますね。これは次作から監督が代わっていくことで洗練されていくのですが。

 もともとジョージ・ルーカスは壮大な大河ドラマとして章立てまで構想していて、本作は過去と未来に挟まれる激動のエピソードを描いているのですが、壮大な世界を背景にしつつも、勧善懲悪と単純明快な活劇を斬新な映像でひとつの作品に仕上げたというエポックメイキングな出来が、唯一無二なところです。更には、他のエピソードを既に押さえた上であれば、過去と未来の出来事を思い返しながら観ることにも、また一興の楽しみがありますね。

 70年代は、冷戦やベトナム戦争を背景に、映画自体はニューシネマと呼ばれるどこか未来を暗く見据えるような作品が主流となっていましたが、本作はそんな時代に、サブタイトルの「新たなる希望」を文字通りに世界に示してくれたのだと思います。当時、見たことのない映像を極限まで作り上げようとした工房が、その後の技術革新を映画だけにでなく、産業自体の底上げにまで貢献しているのも、実に興味深いことです。エンタテイメントが世界を牽引するまでになってるのですね。

 映画歴史の転換の象徴にもなってる本作ですけど、初めに書いてる通りシリーズで一番好きなのは、エピソード5の『帝国の逆襲』なんです(笑)。だって、監督が変わって演出やドラマに奥行が出てるし、屈指のキャラクタやテーマ曲の初登場だし、驚愕の事実だし、メカデザインが秀逸すぎるし、いろいろ語れる点が多しなんですよね。皆さんが一番好きなエピソードはなんでしょうね。



 欧米人がデザインするメカがいちいちカッコよくてお腹いっぱい。特にジャワ族のサンドクローラーとか。


(C)1997 LUCASFILM LTD.
【出典】『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2014年5月6日火曜日

映画『ワイルド・ガール』 ・・・アメリカヤンキー娘がホグワーツみたいなイギリス学校に転校します

●原題:Wild Child
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス
●上映時間:98min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ/イギリス/フランス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ニック・ムーア
◆出演:エマ・ロバーツ、ナターシャ・リチャードソン、キンバリー・ニクソン、ジュノ・テンプル、ソフィー・ウー、リンゼイ・コッカー、ジョージア・キング、シャーリー・ヘンダーソン、アレックス・ペティファー、エイダン・クイン、シェルビー・ヤング、ニック・フロスト、その他大勢

 遂にGW連休も最後となりましたね。皆さん満喫されたでしょうか?連休疲れで明日からしんどいですね。さて、今回はGWの最後を飾るに相応しい・・・かどうかはわからない作品です(笑)。

【ストーリー】
 アメリカの女子高生ポピーはワガママが行き過ぎて自宅パーティで大暴走。パパの堪忍袋はついにブチ切れ、ポピーはイギリスの寄宿学校へと送り込まれてしまう。イギリス一流の躾よりも一流ブランドや自由奔放を好むポピーは、現地のルームメイトとも馬が合わず、生徒会長に至っては速攻で犬猿の仲に。やがて、ポピーはわざと不祥事を起し、退学扱いを目論むことにするが・・・。



【感想と雑談】
 今回は、女子校生が弾ける学園コメディです。特別こういうジャンルも追ってる訳ではないのですが、本作のウリとしている異文化同士でのドタバタってのは気になるものです。アメリカとイギリスって同じ英語圏なのに文化や気質が全く違っているので、そういう関係に成り立つドラマって興味深いし、面白いと思うのです。『ホリディ』(’07)なんてのもまさにそんな作品でしたね。ケイト・ウィンスレットが良かったに〜。

 で、本作です。パパの後妻ウェルカムパーティと称し乱痴気騒ぎをする少女ポピーは、開始早々3分でパパの逆鱗に触れてしまいます。パパは相当のお金持ちなのか、そこは海岸沿いに構える豪華な屋敷。プールも付いてる。トニー・スタークかよ。とにかくポピーはイギリス名門の寄宿学校へと飛ばされます。

 舞台は一気にイギリスへと移ります。雨空の下、山間を移動する車を捉えるシーンは、アメリカのカラフルなイメージとは極端な対比となっていて非常に分かり易いです。到着する寄宿学校はこれまた古風なレンガ作り。周りの景観も手伝ってまるでハリポタみたいです。まあ、ハリポタがイギリスを舞台にしているので当然ですかな。後の「ここはホグワーツかよ」という台詞には笑えます。



 ここからイギリス文化に放り込まれたヤンキー少女ポピーのドタバタ生活がスタートします。伝統と統率を重んじる寄宿学校は、制服姿は勿論のこと様々なルールで縛られた厳しい環境です。イギリス人ルームメイト(4人との相部屋)からの孤立や、お約束の存在であるイジワル生徒会長with取り巻き連中との確執など、波乱の道のり。それでもくじけないポピーにはワクワクします。

 ポピーを演じるのはエマ・ロバーツ。体ちっさいな。ジュリア・ロバーツの姪だって。イギリス人役は全て本場の役者陣を揃えていてロケ地も間違いなく本場イギリス、ということで偽りなく本物を突き通した作りになってると思います。自分は西洋文化に詳しくないので、ひょっとするとウソもあるかもですが、少くとも海外で描かれる勘違い日本のようなレベルではないはず。

 学園生活なので、イジワル生徒会長やイケメン男子との関係がドタバタに拍車をかけますが、何よりもそんなさなかにイギリス文化が見てとれるところが素晴らしいです。本作はヤンキー娘がイギリスに単独入りするのが大半なので、双方の国の違いを対等に見比べることはできないのですが、それでもポピーの視点で映されるイギリスは新鮮で興味深いです。



 どうしてもイギリス生活から抜け出したいポピーは、ルームメイトからの提案で、不祥事を起し退学する計画を立てます。利害が一致することでルームメイトも協力し、ポピーは負のアピール拡散に忙しくなります。これが皮肉にもルームメイトとの親交を深め、イギリス生活を段々と受け入れていくという、ポピーの姿はお約束ではありますが、荒んでいた心情が溶け初めていく様はなかなかいいものです。

 仮装パーティでルームメイトらをハデに演出したポピーは、その際イケメン男子と急接近。この時、渾身のキーラ・ナイトレイ仮装(笑)をキメたイジワル生徒会長が大嫉妬しますが、普段はブサイクなのが実に可愛くなっていて、ちょっといいじゃない生徒会長、と思えるのは自分だけでないはず、ぐしし。閑話休題。生徒会長はポピーに怒り爆発、スパークしてしまいます。

 後日、イケメンとのデートを終え、ほっこり気分に浸ってるポピーに、ルームメイトがあるものを突き出します。それは、ポピーが友人に送ったとされるルームメイトや学校生活への誹謗中傷を含んだメール文で、校内にばら撒かれていました。初めのうちは確かに不満はあったが、そこまで書いてはいないし今の思いは全然違う、とポピーは懸命に訴えるもルームメイトは完全に冷めてしまいます。その後もポピーは騒動を起し、浮上してしまう念願だったはずの退学処分。



 メール流失事件をきっかけに問題は膨らんでいき、やがてクライマックスに雪崩れ込んでいきます。ホグワーツ(笑)並みの大講堂で開かれる裁判のような生徒会で、ポピーはいかにして活路を見出すのか。そしてルームメイトはポピーに何を思うのか。生徒会は思わぬ展開を見せ、学園コメディに相応しいオチを迎えることになります。当然でしょうな。

 ポピーとルームメイトら双方が作用し合うことで、お互いが抱えていた悩みや問題を解き放つという内容は、異国同士の関係も相俟ってなかなか深いものがあると思います。監督がどの国の方か不明ですが、テンポよくキレのある演出をされているので、重いこともなく学園コメディの王道として楽しめるのではないでしょうか。

 そういえば途中、ポピーが美容室に立ち寄りますが、そこのゲイ美容師をニック・フロストが演じていました。イギリスといえばのコメディ役者なんですかね。よくサイモン・ペグと共演してた印象があります。最近だと『宇宙人ポール』('11)なんてありましたね。

 同じ英語でも訛りの違いが面白いので、できればオリジナル音声で堪能すべきでしょう。


(C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ワイルド・ガール』/ジェネオン・ユニバーサル

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