2012年12月30日日曜日

2012年も終わりですね。という訳で・・・


 今年最後の更新は何にしようか、と考えておりましたが、映画記事は前回のスピーシーズXXXXXXで出尽くした感がありましたので(笑)、ここはひとつ・・・・・・Atomik Harmonikで決めておこうと思います。ネタが無い訳ではありませんよ。最後の最後はハッピーな気分で終わらせたいじゃないですか。←このブログの風物詩みたいなもんです。

 今回紹介するのは、今年の後半辺りに発表されたみたいで、割と新曲のようです。この音楽ユニット、後年はだいぶ落ち着いた感が漂ってますけど、相変わらずのお色気と牧歌的コンセプトには癒され放題。民族音楽ポルカをベースにしたスロベニアの楽しい音楽ユニットです。

『ATOMIK HARMONIK - Jasmina (Official video)』
 内容は、都会っ子が農村に嫁入りってやつでしょうか?出迎えた牛さんも真っ青な豊満さですね。赤いの着けてると襲われちゃうぞ。気をつけろよ。それとちゃんと働けよ。


 さて、今年もあと僅かとなりました。このブログを立ち上げてから5回目の年越しを迎えることになります。これまで色んな方にお立ち寄り頂き、これが励みとなって続けることができました。とにかく感謝の気持ちでいっぱいであります。ありがとうございます。来年も、相変わらずのペースと内容(笑)で続けていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。
 
 来年も皆様にとって良い年でありますように。
 
 
にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ
 

2012年12月24日月曜日

映画『スピーシーズXXXXXX 寄生獣の吐息』 ・・・クラブの女店長が変な寿司を食べて大変なことになります

●原題:Parasitic
●ジャンル:ホラー/SF
●上映時間:79min
●製作年:2012年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ティム・マーティン
◆出演:ビアンカ・ホーランド、アマンダ・ベック、ミゲル・デ・ラ・ロサ、マーカス・ジョーダン、ジョン・ジスコート・ジュニア、アイル・ギャラガー、ジェームズ・ディーン・ルース、その他大勢

 12月の一大イベント(笑)クリスマスですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?今回は、久々のエロでグロな作品です。こういう記事の方がサクサク進んでしまいます。アホなブログです。

【ストーリー】
 アメリカ。どこぞの海域に人工衛星をぶっ飛ばし謎の隕石が落下する。その数日後、あるクラブの女店長ヴァルが海域で獲れた魚をクチにすると、突然の腹痛に襲われ出す。トイレに駆け込み苦しむヴァルは、やがて体から謎の触手を伸ばし、様子を見に来た女スタッフに襲い掛かるのであった・・・。



【感想と雑談】
 出ました。あのスピーシーズX・シリーズが帰って参りました。誰だ?前回の5Xで終わったとかいったやつは・・・このブログ、そして私でした。仕方ないです、シリーズが続く以上、当ブログもレポートを続けるしかありません。無駄な使命感でいきます。

 今回、XXXXXXというXが6個も並ぶ羽目になっていますが、読み方は普通に”シックス”となっています。エックスがシックスでセックスな展開も期待できるという、トリプルな語呂と掛け合いがなかなかイケてると思います。トリプルXのダブルインパクトともいえましょう。

 勿論、これは配給会社の策略であって、作り手にとってはシリーズ化やXの数なんか全く関係ないことです。SFでエロスで憑依ものであれば、何でもOK。即シリーズ作品に決定です。前後が繋がっていなくてもノープロブレモです。

 以前、ファイナルデスティネーション・シリーズが、5作目『ファイナル・デッドブリッジ』('11)にして奇跡的な面白さを記録したので、このスピーシーズXシリーズ最新作もひょっとしてイケけるかも?!という期待が膨らみました。が、パッケージ解説には「監督は「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」「アポカリプト」「スーパーマン リターンズ」などを手がけるハリウッドを代表するVFXアーティスト=ティム・マーティン」とあり、どこか苦し紛れの危険臭も漂ってはいます。

 

 開始早々、宇宙の彼方から、隕石が勢いよく飛んできて、人工衛星を破壊し、地球に落ちていきます。そして、ギューンと夜空を突っ切る隕石をバックに仰々しいタイトル。CGを使ったシーンで、気合の入れ具合がなかなかいい感じです。

 が、話が始まった途端、緑色に汚染された魚を捌くという、とても生臭いシーンがいちいちアップで描かれます。床にベチャッと落としたのを、そのまま拾ってまな板に置いて、包丁でダンッダンッとぶつ切りにしていくの。で、出来たのがカリフォルニア巻。とっても美味しそうでオェー。いらないだろこんなシーン。

 今日もクラブが無事終了し、一息入れる女店長のヴァルは、デリバリした例のカリフォルニア巻を食います。見た目からして明らかにヤバかったのか、暫くして腹を押さえトイレに向かうヴァル。そんなイベントを引き金にクラブは阿鼻叫喚の密室と化し、スタッフらは右往左往する羽目になるのです。

 ヴァルは、いきなり緑色のリバースをします。なんだこれは、『深海からの物体X』('94)かよ。あのイタリア珍作品も、有名大作のスタッフが参加したとか宣伝されていて、バカ女が得体の知れない魚を調理して食ったら、カメラに向かってオエーってすんの。一緒だな。でも志は本作6Xの方がずっと低空飛行です。



 やがて、ボール玉オッパイをさらけ出したヴァルは、胸から1本の触手を伸ばし、先端の針を他の女スタッフの腹に打ち込みゾンビ化させます。一切、隕石落下との因果関係は説明されないのですが、宇宙から飛来した生命体が魚を介して人類に憑依した、と解釈するしかないです。

 今回ビッチ臭は漂っているものの、女店長ヴァルを筆頭に4人の女性陣はなかなかの美形揃いだと思います(パッケージ美女には相変わらず及ばないけど)。が、スピーシーズといえばのエロス要素は、ヴァルの上半身が拝めるのと、変なお面を着けた女が合体に励むくらいで、ほぼ皆無と言っても良いでしょう。また、4Xや5Xにあった「憑依後の方が美人、もしくは可愛く見える」という裏ワザも無くなっています。本作での憑依後は、単なるブサイク女と化していて非常に残念です。

 クラブのスタッフには男も何人かいるのですが、マッチョでゲイ風味の用心棒×2、飲んだくれメタボ、オタク眼鏡、といった連中がまったく機能していないのが逆に潔いです。ギターでゾンビをぶん殴る女スタッフの方が頼もしいです。仲間がゾンビ化していく中、残り少なくなったスタッフ連中は、事態をどう打開していくのか・・・。どーでもいいです。

 

 密室にしたクラブがだだっ広すぎて位置関係が意味不明だし、集うキャラに誰一人と感情移入ができず主人公が不在、という今ひとつ困った作品であります。照明が弱い中ビデオ撮りしたせいか、終始画面は暗くノイズが入りっぱなしだし。救いなのが上映時間が79分(笑)。何の抑揚もない脚本で撮り溜めして、後で編集したらこんなになっちゃったですね。よくわかります。

 パッケージ裏面の雰囲気から、初期のような明るく美しいエロスが期待できたのですが、蓋を開けたら一応きれいなお姉さんは出てきたものの、緑色のオエーをした後、目をひん剥いてトイレの周りを徘徊していただけな気がします。

 この記事を読んでくれて、もしも観たくなった方がいらっしゃったら、1作目のXと2作目のXXをセットで借りることをお薦めします。クチ直しに最適すぎます。

 最後にIMDbの評価(2012/12/24時点)をグラフにしてみました。


 あ、前作の5Xで息を吹き返してたのですね!ファイナルデスティネーション・シリーズとまさに同じだったんだ。で、本作でまたガタ落ちか(笑)。XXXが低いのは解せぬ。

 よろしければ他のシリーズ作品もどうぞ。

第1弾 ⇒ 『スピーシーズX  美しき寄生獣』
第2弾 ⇒ 『スピーシーズXX  寄生獣の誘惑』
第3弾 ⇒ 『スピーシーズXXX  寄生獣の甘い罠』
第4弾 ⇒ 『スピーシーズXXXX  寄生獣の囁き』
第5弾 ⇒ 『スピーシーズXXXXX  美しき寄生獣軍団』


【出典】『スピーシーズXXXXXX 寄生獣の吐息』/AMGエンタテインメント

にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ

2012年12月16日日曜日

映画『もしも昨日が選べたら』 ・・・美人すぎるケイト・ベッキンセイルと夢の万能リモコンです

●原題:Click
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ファンタジー
●上映時間:107min
●製作年:2006年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:フランク・コラチ
◆出演:アダム・サンドラー、ケイト・ベッキンセイル、クリストファー・ウォーケン、デビッド・ハッセルホフ、ヘンリー・ウィンクラー、ジュリー・カブナー、ジョセフ・キャスタノン、テイタム・マッキャン、ニック・スワードソン、ロブ・シュナイダー、その他大勢

 12月に突入していました。どうりで寒いし雪も降る訳です。風邪やインフエンザの季節にも突入ですね。安全と健康には十分注意していきたいと思います。皆さんもご注意下さいね。
 今回は、ちょっといい感じのコメディ作品です。
 
【ストーリー】
 アメリカ。デザイナーのマイケルは家庭そっちのけの仕事人生を送っていた。そんなある日のこと、買い物先のホームセンターでマイケルは、ミステリアスな店員に出会い、彼からある万能リモコンを譲り受ける。家中の電化製品を操作できる万能さに気を良くするマイケルだが、実はそのリモコンにはある特殊な機能が隠されていた・・・。



【感想と雑談】
 前回に引き続き、今回もアダム・サンドラーです。基本コメディのファンタジー作品ですね。家族のことを思いながらも、やっぱり仕事が大前提のダメ男が、ある万能リモコンを手にしたことで、大変な人生を送ることになります。
 
 この万能リモコン、家中に散らばる沢山のリモコンから開放されるのは勿論のこと、主人公のマイケル以外の周囲の全てをプレイヤーで再生するかのごとく操作できてしまいます。音消し、一時停止、早戻し、早送り、色調整、等など。ウハウハなマイケルは調子こいて、あることに利用し始めますが、それがやがて悲劇を呼び起こすことになります。
 
 マイケルを演じるのは勿論アダム・サンドラー。安心と信頼のコメディ役者ぶりを発揮しています。妻のドナを演じるのはケイト・ベッキンセイル(以降ベッキン)。このベッキン、美人すぎて優勝にしたいくらいです。アジア系の血が混じってるそうで、エキゾチックなところもグッドです。こんな美人の良き妻を泣かすことになるマイケル。死刑。
 

 
 ホームセンターのミステリアスな店員を演じるのはクリストファー・ウォーケン。マッドサイエンティストにも見える役柄は、彼ならではの怪しさ爆発です。神出鬼没なところもあってマイケルを後々悩ませることになります。
 
 万能リモコンの機能に気付いたマイケルは、初めのうちは過去を再生して思い出に浸ったり楽しんだりしますが、やがて早送りの機能に目覚め、自分の都合のいいように人生を操作し始めます。

 家族のことを省みず万能リモコンを使っては仕事を進めますが、途中ゲスな社長の采配によって昇進が見送りとなってしまいます。ゲス社長を演じるのは、デビッド・ハッセルホフ。昔のドラマ『ナイトライダー』で喋る車を運転してた人。なんなんでしょうね、このクドさとムカつく存在感は(笑)。本人もわかってやってるんだろうな。
 

 
 笑ったのが、ゲス社長にマイケルが仕返しをするところ。食事中に一時停止すると、連続ビンタをかまし(首がカクカク動く)、顔に向かって豪快に屁をかまします。そして一時停止を解除。ゲス社長「もぐもぐ・・・ん?・・・もぐ・・・クソの味がする!!」。
 ざまあ、ハッセルホフ。

 中盤をすぎると、マイケルは面倒くさいことや都合の悪いことを全て早送りし始めます。操作する本人からすると一瞬で未来になりますが、気になるのは、早送りの間、マイケルはどう行動しているのか?それは自動操縦と呼ばれ、適当に反応するだけのボット状態になっているのでした。
 
 自我を持つマイケルとボット状態マイケルの差によって、家族らは振り回され、関係にも歪が生じ始めます。さすがに不本意すぎる事態をマイケルは反省し、修復しようと躍起になりますが、万能リモコンは過去の操作を学習し、勝手に早送りをし続けます。



 気が付いたら、初老になっているマイケル。そして、傍らにはドナ。歳を取っても、やっぱり美人すぎて優勝にしたいベッキンがそこにいました。特殊メイクはアダム・サンドラーには容赦なしですが、ベッキンには寛大です。因みに特殊メイクを担当したのはリック・ベイカー。大ベテランの方で、そのお手並みは見事というしかありません。
 
 事態を収拾することもできないまま老い続けるマイケル。その後に待ち受けるのは・・・。
 
 マイケルに感情移入すればするほど、あのオチは開放感と幸せ感でいっぱいになると思います。家族をテーマにしたコメディですからね、当然といえば当然です。オチの持っていき方に目くじらを立ててはいけません。登場するキャラ全てがよく立っているし、テンポも良いので、とても楽しめました。ベタですが、仕事一途についても考えさせられました。


ざまあ、ハッセルホフ。(あ、またいっちゃった)


(C) 2006 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『もしも昨日が選べたら』/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ

2012年11月12日月曜日

映画『エージェント・ゾーハン』 ・・・イスラエルのスーパーエージェントが美容師を目指します

●原題:You Don't Mess with the Zohan
●ジャンル:アクション/コメディ/ドラマ
●上映時間:113min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:デニス・デューガン
◆出演:アダム・サンドラー、ジョン・タトゥーロ、エマニュエル・シュリキー、ニック・スワードソン、レイニー・カザン、イド・モッセリ、ロブ・シュナイダー、マライア・キャリー、ジョージ・タケイ、その他大勢

 夜が寒くなりました。ついに毛布オンリーから掛け布団スタンバイです。しかし、よく考えたら来月で今年も終わりの季節なんですよね。寒くなるのも当たり前ですが、なんだかイマイチ冬モードの感覚がありません。なんでだ?暖かいから?

【ストーリー】
 アメリカはニューヨーク。イスラエルのスーパーエージェント・ゾーハンの夢はスーパー美容師になること。闘う毎日を送るより、髪を切って皆を幸せにしたいゾーハンは、パレスチナのエージェント・ファントムとの対決で殉職を装い、母国に内緒で渡米してきたのだ。早速、有名美容師に売り込むゾーハンだが、あっさり門前払いを食らってしまい、途方に暮れてしまう。途中知り合った青年マイケルやイスラエル人オーリの協力を得て、中東タウンのある美容院に就くことになるが、そこの経営者はパレスチナ人のダリアであった・・・。



【感想と雑談】
 開始早々、イスラエルが誇るスーパーエージェント・ゾーハンが海辺に登場し、彼がどれほどスーパーなのかが描かれます。マッチョ野郎共や牛と綱引きしても楽勝し、全裸でバーベキューをやれはブン投げた焼魚をケツでキャッチし、そんな彼を見ただけでイスラエル美女はフェロモン全開になります。つまり、そんなヤツいねーよ、なノリです。

 主演はアダム・サンドラーで、監督はデニス・デューガン。『ウソツキは結婚のはじまり』('11)のコンビですね。これ結構楽しめた作品だったので、本作もイケると即断し借りたのでした。イスラエルとパレスチナの根深い現実問題を背景にしていますが、根底のテーマは平和そのものですね。

 ケタ外れの戦闘能力に、もの凄い中東訛りで、母国の食材やジュースをこよなく愛し、20年前のトレンドを貫き通すというゾーハン役への気合の入れようは、実際ユダヤ系でもあるアダム・サンドラーの真骨頂なのでしょう。

 パレスチナの強敵エージェント・ファントム役のジョン・タトゥーロもなんだか意気揚々と演じていて楽しそう。冒頭では暫くゾーハンとのコントのような対決が続き、手榴弾で羽子板をやった結果、爆発でゾーハン死亡!に狂喜するファントム。ここで両人の腐れ縁という設定が印象付けられた後、実は生きていたゾーハンが渡米し、本編の美容院騒動へと突入します。



 ニューヨークでは、青年マイケルを交通事故から救ったことで、ゾーハンはマイケル家に居候することになります。マイケル役はニック・スワードソン。彼も『ウソツキは~』に出ていたし、他の作品でもアダム・サンドラーと共演していますね。なかなかのコメディ役者だと思います。本作では、生真面目なママ思いの青年ですが、居候のお礼にとゾーハンがママに一発キメているのを見てしまい、この先試練が始まるナイスガイ。

 中東タウンで、パレスチナ人のダリアが経営する美容院に就くことになるゾーハン。初めは清掃係りを命じられますが、やがてスタッフに欠員が生じたことで、急遽、客を担当することになります。ここから、ゾーハンのスーパー美容師タイムが始まります。

 客がご老人(殆ど)だろうと、女性であることを尊重するゾーハンのテクニックは、容姿を褒めちぎり、イヤリングをクチで外し、股間のモッコリを押し付け、髪をナメナメし、シャワーを天井に向けてぶちまけ、最後に個室で一発キメてやることです。風俗だろこれでは。しかし、へアスタイルの出来栄えは素晴らしく、個室サービスも相まって、その評判はクチ込みで広がり、連日、ご老人の長蛇の列が出来ることになります。

 ゾーハンの客の扱い方が飛び抜け過ぎているので、ここは一番の笑いどころです。ご老人が嬉しそうに若返っていく様を見るのも、なんだか微笑ましくていいです。この勢いで、マイケルママにもヘアカットを施し一発キメるゾーハンですが、それを見たマイケルが胃薬を飲むのが、また笑えます(笑)。


(よく考えると、大惨事な美容院だったりします。)

 本作では、イスラエルのフィジーバブレフという飲料水や、ホムスという食べ物がやたら登場します。特にホムス。『宇宙戦争』('05)で、娘ダコタ・ファニングがデリバリしたあるものを、ダメ親父トム・クルーズがクチにします。その途端、トムは動きがピタリと止まり、これは何かとダコタに問います。そしてダコタの答えに、

 トム「ホムス・・・?!」

 このやり取りからホムスが気になっていた貴兄も、本作を見ることでだいぶ溜飲が下がるものと思います。『宇宙戦争』では非常に不味そうな演出をされたホムスですが、ひよこ豆と白ゴマを原料にしたペーストで、実は美味い食べ物なんだそうです。トムとダコタのくだりについては、これもユダヤ系のスピルバーグ監督ならではのギャクだったのかもしれませんね。

 話逸れました。

 悪徳企業の都市開発計画によって、立ち退きを迫られている中東タウン。ゾーハンのおかげで繁盛することになったパレスチナ美容院も例外ではありませんでした。悪徳企業の巧妙な嫌がらせによって、中東タウンではイスラエル人とパレスチナ人が、一触即発な状態に陥ります。

 その一方、パレスチナ人からゾーハンが生きているとの知らせを受けたファントムは戦闘モードに突入。速攻で渡米し、中東タウンで暴れだします。ゾーハンもその知らせを受け、現場に急行します。この後、悪徳企業も巻き込み、二つの民族争いは、いったいどうなってしまうのでしょうか・・・。



 実際の中東問題は深刻な状況であり、そう簡単に解決策は見つかる様相もありません。本作は、そんな関係が少しでも良くなってくれれば、という思いが笑いと共に込められていて、どちらにも偏らず温かい目で描かれています。絵空ごとではあるのですが、ゾーハンとダリアがデート中に民族間の争いに言及するくだりでは、素の情勢が垣間見える瞬間であり何ともいえないもどかしさもあるのが、印象的でした。

 まあ、エンタテイメントのコメディですからね、楽しめないといけません。下品だったり、好き放題やったりもしていて、なかなか痛快でやるじゃんか。ファミリー鑑賞にはやや危ういコメディですが、納得のオチも用意されているし、十分楽しめる作品だと思います。

 そういえば、マライア・キャリーも本人役でゲスト出演していましたが、この作り手達って、サプライズ的な配役も考えているのかな。『ウソツキは~』ではニコール・キッドマン、最近の『ジャックとジル』('11)ではアル・パチーノ出したりしてるし。他にもそんな作品あるのかな。

 ディスコ、ディスコ、グーグー♪(ホムスほどではないですが、ノリノリになると発せられるかけ声で耳に残りました 笑)


(C) 2008 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND BEVERLY BLVD LLC ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『エージェント・ゾーハン』/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ

2012年11月4日日曜日

たまーにやってくるイラスト更新です

 
 11月に入りましたね。皆さん、お元気でしょうか?そろそろ、風邪とかインフルエンザが気になる季節ですね。ありきたりの事ですが、健康管理を一番にして、無事に乗り切りたいものです。
 
 さて、今回は映画ネタではなく、不定期にやっているイラストネタです。
 
 当初、ブログのタイトル画像を更新しようと思って作成したものですが、横長サイズに合わせて描けばいいのに、気が付いたら見えないところまで描いてしまいました(笑)。
 
 という訳で、こんなもんで?!てな感じですが、せっかくなので更新ネタに使うことにしました。

 モデルは・・・ある実在の女優さん、ということにしておきます(爆)。わかる人はわかるかな・・・。あ、作成ツールは、毎度のGIMPでした。



 以前は、絵画調に細かく時間をかけて描いてましたが、最近、線画っぽいシンプルな絵に惹かれます。集中する気力がなくなってる所為かもしれませんが(笑;)。シンプルなだけに、口元の表現とか難しいです。

 次の映画ネタは、コメディ作品になる予定です。


にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ

2012年10月21日日曜日

映画『トロール・ハンター』 ・・・「ダウンタウンのごっつええ感じ」を思い出します

●原題:Trolljegeren
●ジャンル:ファンタジー/ホラー
●上映時間:90min
●製作年:2010年
●製作国:ノルウェー
●言語:ノルウェー語/英語
●カラー:カラー
◆監督:アンドレ・ウーヴレダル
◆出演:オットー・イェスパーセン、グレン・エルランド・トスタード、ヨハンナ・モールク、トーマス・アルフ・ラーセン、ハンス・モーテン・ハンセン、その他小勢

 今年もあと2ヶ月ちょっとですね。とにかく、できるだけ色んな作品を観るのと、体を動かすように(笑)したいです。

【ストーリー】
 ノルウェーの山間。大学生のトーマス、ヨハンナ、カッレは、研究課題として熊ハンターの取材を行なっていた。ある日のこと、密漁者ハンスの存在を知り、彼に密着取材の許可を得ようとするが、速攻拒否されてしまう。それでも諦めない一行は、夜な夜な山に出向くハンスを追跡することにする・・・。



【感想と雑談】
 トロールハンターです。トロールを狩る人。ストレートなタイトルですね。一応、ファンタジーにジャンル分けされていますが、内容は現代のノルウェーを舞台に一般人が伝説の怪物と対峙する、というものです。こういう作品を待っていました。架空の舞台に剣や魔法というファンタジーはもういいです。
 
 開始早々、「あるフィルムが発見され、検証した結果、本物であると断定した。」というテロップが表示されます。なんだこれ、もう廃れたと思っていたPOV(Point of View:一人称視点)形式かよ。3人の大学生によって撮影されたトロールハントの一部始終の映像を、まんま映画にしたという設定なんですな。観る人によっては酔ってしまいそう。
 
 映像が始まってまず目に付くのが、風光明媚な山間の景色です。撮影時期にあえて選んだのか、暫くはどんよりした暗い雨空が続きますが、記録映像という体裁から目の前に広がる山続きの大自然が生々しく映えていて、これから起きることへの期待度も加速します。この大自然の素晴らしさ。さすがだぜ、ノルウェー。


 
 大学生トーマスらに突撃取材をされ、一言「失せろ」と吐く密猟者ハンスが燻し銀でカッコいいです。一瞬ビク付くトーマスですが、諦めずにハンスを追跡します。この後も、何度か取材を試みるもハンスの態度は変わらず。そんなハンスが一匹狼すぎて、段々と可笑しく見えてきます。やがて、山中でトーマスは何かに肩を噛まれ、ハンスはトロールの仕業であることを匂わせます。
 
 ハンスから取材の許可を得たトーマスらは、やがてトロールに遭遇します。この深夜の森、不気味な咆哮と木々のざわめきが近づいてくる辺り、まさに幼少の頃に抱いた恐怖がそこにありました。この緊張感はなかなかくるものがありました。遂に森の開けた場所に姿を現したトロール。頭が3つ付いています。なんだコイツ。

 トロールとはノルウェーに古くから伝わる妖精であり、一種のマスコット的存在なのだそうです。小型、大型、3つ頭、など様々なタイプがあるそうですが、基本的にブサイクなヒューマノイド怪獣です。

 ハンスの攻撃によってトロールは仕留められます。実はトロールの存在は政府ぐるみで隠蔽されており、ハンスはその唯一のハンターとして、ノルウェー中の山を巡っていたのです。処理後の場所には政府が駆けつけ、熊の仕業であるように偽装しますが、市民への「ロシアの熊がフィンランドとスウェーデンを越えてきたのです。心配すな。」という説明にだんだん無理が生じてきます。


 
 常に眉間に皺をよせるハンスは、日ごろの鬱憤を晴らす為、トロールの存在を取材を通して世間に暴露することにします。疲れてるみたいです。そんな、世間から非常に浮いた孤高のハンス。彼を追えば追うほど、先にも書きましたが、可笑しい空気が漂ってきます。なんかこのノリってどこかで見た気がする・・・。
 
 次のトロール退治では血液採取もすることになったハンス。突然、全身ブリキのロボットみたいな姿で登場し「いやな仕事だぜ」と呟き、巨大な注射器を持って一人突進します。そして、トロールに投げ飛ばされ、かじられ、地面に叩きつけられるハンス。駆けつけたトーマスらに「うー・・・少し体が痛むぜ」。死ぬだろ普通。そして「赤いボタンには触るなよ」と意味不明なことを言い、再度トロールに突進します。おかしいだろ!
 
 このノリ、思い出しました。松本人志です。昔のバラエティ番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」で度々やってた、本人演じる様々な変人に、一般人やマスコミが巻き込まれていく不条理なコント。そして、本人が監督・主演した『大日本人』('07)なんかもそうです。まさにあのノリをビンビン感じてしまったのです。きっと、本作の作り手は、リスペクト松本人志であるに違いありません。
 
 作りものの記録映像を本物だと言い切り流し続ける本作は、伝説の妖精と孤高のハンターを題材にし、クソ真面目に描いたことで、観る人によってはただのフェイク作品だけでなくギャグ作品にも昇華するという、裏ワザを秘めた力作であると思います。私はブリキロボットのハンス登場で大笑いし、見事昇華しました(笑)。


 
 肝心のトロールの描写ですが、リアルなCGに、手ぶれ映像に同期したハメ込みもされていて、十分見られる映像になっていました。クライマックスに登場するトロールは必見です(笑)。
 
 やるじゃん、ノルウェー。
 

(C) 2010 FILMKAMERATENE AS ALLE RETTIGHETER FORBEHOLDES. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『トロール・ハンター』/ワーナー・ホーム・ビデオ

にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ

2012年10月8日月曜日

映画『エターナル 奇蹟の出会い』 ・・・カラオケを歌うミラ・ジョボビッチとロシア版少林サッカーです

●原題:Lucky Trouble
●ジャンル:コメディ/ロマンス/スポーツ
●上映時間:90min
●製作年:2011年
●製作国:ロシア
●言語:ロシア語
●カラー:カラー
◆監督:レベン・ガブリアーゼ
◆出演:ミラ・ジョボビッチ、コンスタンチン・ハゲンスキー、イバン・アーガント、ウラジミール・メニショフ、ガリーナ・ジョボビッチ、ローマン・マディアノフ、その他大勢

 10月に突入していました。衣替えですな。で、体育の日込みの3連休、皆さんいかがお過ごしでしょうか?全国的に天気もよさそうで、行楽三昧なのでしょうね。勿論、ここはインドア三昧。

【ストーリー】
 ロシア。小説家を夢見る教師のスラヴァは、ある日のこと車に轢かれるが、運転していたナージャに速攻で一目惚れ。付き合うことになった二人は、やがて婚約しモスクワで結婚式を迎えることになるが、スラヴァは式の前日に校長の策略によって足止めを食らってしまう。それは、少年サッカーチームの監督となり大会に出場するというものであった。一刻も早く結婚式に向かいたいスラヴァは、適当に少年らを集め、初戦での敗退を目論むが・・・。



【感想と雑談】
 パッケージ写真がなんとなく、ダイアン・レインっぽく見えなくもないですが、正真正銘、ミラ・ジョボビッチなのです。
 
 ミラ・ジョボビッチといえば、バイオハザードを中心に、SF、ホラー、アクション、サスペンス、そしてエロス、という殆ど気の抜けない作品ばっかに出演され、どこか痛々しい非現実的なヒロイン像だったのです。が、本作のパッケージを見た時、今まで無かった彼女のイメージに、期待が一気に膨らんでしまいました。紹介写真の全てにおいて、実にいい表情を見せていたからです。血肉もオッパイも皆無のこの自然な空気。これはイケると思いました。
 
 貧相なツラの教師スラヴァが横断歩道を渡っていると、信号無視の車が突っ込んできます。思い切り衝突され吹っ飛ぶスラヴァ。慌てて駆け寄り覗き込む女性ナージャが、スラヴァのボヤけた視点で映され、徐々に焦点が合ってくると、いましたそこにジョボビッチ。相変わらず美人だなこの人。


 
 一目惚れしたスラヴァは自分に過失があったと警官に言い張り、ナージャを無実にします。そんなスラヴァが気になったナージャは、同乗していたゲスな恋人ダーニャを放っぽって、病院へ直行。いい仲になった二人は、その後のオープニングタイトルとともに、はっちゃけたデートを繰り広げ、すっかり親密な関係になり、婚約までしてしまいます。
 
 オープニングで既にそんな展開かよ。むむむ、ちょっと想像していたのと違いました。事故るタイミングはそれでいいですが、二人の関係は紆余曲折を経て、せめて中盤あたりから互いが気になり出すようにして欲しかったですね。これだと、9割方の残りの時間をどーすんだよ、と心配してしまいます。が、実はこの作品、本筋はこの二人だけではなかったのです。

 なんだよこれは、ロシア版少林サッカーかよ。
 
 東の町パリチキで教師に就くスラヴァは、モスクワでの結婚生活をするべく学校に退職願いを出すも、お局校長は簡単に受理してくれません。スラヴァに残って欲しい校長は、少年サッカー大会の壮行会で、彼が地元チームの監督であると嘘をついてしまいます。更にはパスポート没収までされ、頭がテンパったスラヴァは、適当にホームレス少年を集めチームを結成し、ライバル監督の入れ知恵でわざと負け(笑)、さっさとモスクワへ旅立とうとします。


 
 しかし、路上を厳しく生き抜いてきた少年らに隙はありませんでした。相手を翻弄する動きとチームワークで大会を勝ち進んでいき、スラヴァのモスクワ行きはどんどん伸びていきます。そんなことは黙っておきたいスラヴァは、激しいウソを付きモスクワ到着が遅れることを都度ナージャに連絡。結婚式や披露宴を引き伸ばそうとナージャも大変忙しくなります。カラオケ歌ったりして。ここで何日も式場に足止めを食らってる来客がシュールで笑えます。
 
 少年サッカーチームとスラヴァのギクシャクした関係がドタバタ交えて改善していく辺り、どこかで見たような作風で新鮮味はあまりないですが、合間で一人奮闘するナージャを愛らしく演じるミラ・ジョボビッチが拝めたので全てヨシとします。ついでにナージャの母親役がミラの実の母親ガリーナ・ジョボビッチというのもポイントにしておきます。母親も女優だったとは知らなんだ。
 
 少林サッカー並のテクニックや少年らとの交流も見ていて楽しいので、あまり欲張らずにミラ・ジョボビッチと少年サッカーは分離して、どちらかに絞ってもよかったですね。
 
 それにしても、ミラ・ジョボビッチはお綺麗ですなあ。たしか、結婚して子供もいるのですよね。なのにこの美貌と体型だもんな。バイオハザードでのゾンビ退治もいいですが、これからは本作のような役柄をもっとやっていって欲しいと思います。


 
 そういえば、製作総指揮がティムール・ベクマンベトフなんですね。監督作の『ウォンテッド』('08)くらいしか観ていませんが、サッカー試合中の独特な映像センスは彼ならではなのでしょう。
 
(C) Ltd."Tabbak" all rights reserved.
【出典】『エターナル 奇蹟の出会い』/ファインフィルムズ

にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ