●原題:Horrible Bosses 2 ●ジャンル:コメディ/犯罪
●上映時間:108min
●製作年:2014年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ショーン・アンダーソン
◆出演:ジェイソン・ベイトマン、チェーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、ジェイミー・フォックス、ケビン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、クリストフ・ヴァルツ、クリス・パイン、ジョナサン・バンクス、リンゼイ・スローン、その他大勢
【ストーリー】
アメリカ。ニック、デール、カートの三人は、にっくき上司らと決別し、自らが職場の上司になるべく会社を起こすことにする。発案したシャワー用品を売り込もうとやっきになる三人は、ある大企業から莫大な注文を受けるも、そこの悪徳社長の策略によって大借金を負うことになり、工場設備や特許までも失う寸前となる。意を決した三人は、悪徳社長の息子を誘拐し身代金を巻き上げようと策略するが・・・。

【感想と雑談】
前作は劇場公開されたのに、本作は未公開だったのですね。気付いたらレンタル屋に並んでいました。しばらく後回しにしていたのですが、改めてパッケージを見てみると、なんとクリストフ・ヴァルツが出てるじゃないですか。即決ですよこれはもう。しかしまあ、シリーズ失速の法則は免れないだろうな、と構えていたら、
意外や楽しめたという。
前作に引き続き、三人の主役にジェイソン・ベイトマン、チェーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、相変わらずの憎まれ元上司役にケビン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、悪友の犯罪アドバイザー(笑)役にジェイミー・フォックスという、よくやったぜと思えるところに、新キャラとしてクリストフ・ヴァルツとクリス・パインまで起用するとか、随分とゴージャスな布陣になっています。
前作では、名優らが嬉々と演じるハラスメント上司をいかに楽しく懲らしめるかに見所があったはずなのに、急激なハードボイルド展開に熱も覚めちゃった感じでした。なので今回の続編ではちょっとは気の利いたコメディらしさを期待していたのですが、これがまったく同じといってもいいくらいの展開。またかよ急激ハードボイルドだし。

しかし、これが面白く感じました。前作で受けた犯罪コメディの妙な印象も咀嚼するうちに耐性ができて作品全体のリズムを楽しめるようになったのかもしれません。なにこの自己分析。きっとこれは、本筋関係なく三人のアホさ加減と、それを加速させる脇役のボケとツッコミを楽しむべきシリーズなのです。過激大好き細かいことは気にすんな、というアメリカ人の偉大なノリも見え隠れします。
コメディアンらが三本矢となって暴走機関車のように作品を牽引する様はウザさを通り越して(笑)言うことなしです。ここでは脇役らに注目します。まず続投のケビン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、そしてジェイミー・フォックスらが失速せずに全力投球しているのが素晴らしいです。特にジェニファーの自助会を壊滅させる程のエロ依存症をもって主役の三人を虜にしてしまう演技はコメディエンヌの最高峰といってもいいでしょう。メイキングで見せる、どうしてもクチにできない台詞で恥じらう様も至高です。
続いて本作で新参の脇役の一人。悪徳社長の息子を演じるクリス・パインは、さほどいい印象のない役者だったところ、初めて等身大な姿を見た思いです。って、こんなキャラは等身大とはいわんか(笑)。コメディ作品だからか、生き生きとした様が好印象となりましたよ。カーク船長なんかより、もっとこういう役やれ。

今回、興味を引くきっかけとなった脇役のもう一人。悪徳社長を演じるクリストフ・ヴァルツ。もう言うことなしに大好きな役者であります。タランティーノ作品『イングロリアス・バスターズ』('09)での何ヶ国語もこなすナチス高官の嫌らしさといったら、彼以外に誰が演じることができたでしょうね。独特で流暢な言い回しの中に表裏を垣間見せる様が真骨頂で、欧州生まれが持つ迫力みたいなものも感じます。そんなクリストフは本作でも実に嫌らしい悪役を好演していました。
前作でハラスメント上司を持つことに嫌気の差した三人は、会社を起こすことで自らが上司になりますが、悪徳起業に道を閉ざされたことで、再びドタバタと走り回ることになります。あまりのピンチさに、元の上司や悪友にすがりつくものだから目も当てられない。でも、なんだかいい感じ。むしろ前作よりも好きな流れかもしれない。
ハードボイルドに至る展開は、ハラスメント上司に対するより、ビジネス上の悪意に対する犯罪計画からの方が、違和感なく納得もいくんじゃないでしょうか。コメディであれば尚さらです。監督が変わったことで演出や雰囲気にも差が出ていますが、潔く犯罪に手を染めることで、スピード感やスマートさがあるし、ハードボイルドもどんでん返しになってるところがいいですね。こういうテーマのコメディにしては一線を超えすぎな点は変わらずですが、総合的に私は続編の本作を推したいです。
シリーズを通して歯ブラシの粋な扱い方を学びました。
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【出典】『モンスター上司2』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント














