2010年12月25日土曜日

映画『アバター・オブ・マーズ』 ・・・例の3D超大作のパチもんかと思いきや

●原題:Princess of Mars
●ジャンル:SF/スリラー/戦争
●上映時間:93min
●製作年:2009年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マーク・アトキンス
◆出演:アントニオ・サバトJr、トレイシー・ローズ、マット・ラスキー、チャコ・ヴァダケス、その他大勢

 クリスマスですね。皆さん盛り上がっているのでしょうか?今回は前々から気になってたSFファンタジー作品です。クリスマスとは100%無縁です。出演陣を見てビビビときた人は大正解です。

【ストーリー】
 現代。アメリカ軍特殊部隊のジョン・カーターは中東のどっかで任務中、仲間の裏切りから重傷を負ってしまう。かろうじて意識のあるジョンにアメリカ軍が告げたのは火星探索の命令。地球の代替惑星の探索に躍起になっていたアメリカ軍は、担ぎこまれたジョンに白羽の矢を立てたのだ。やがて謎の技術で体外離脱したジョンは火星に降り立つ。しかし、そこでジョンが目にしたのは、覇権争い真っ最中のヘリウム王国とサーク族の二大勢力であった・・・。



【感想と雑談】
 これ、実はちゃんとした原作が存在してるんですね。原題は『Princess of Mars(火星のプリンセス)』。1911年の作品だそうで、かなり年季が入っています。日本がデザインした小説の挿絵が海外でも人気とか、色々と歴史は深いようですね。でも、映画化作品が配給によってこんなタイトルとデザインにされては、どう見てもパチもんの王様です。実はリリース時から気になってましたが、旧作扱いになるまで待ちました(笑)。

 火星で空気製造の重要性を訴えるヘリウム王国と単に覇権欲しさで野蛮な行動をとるサーク族の争いに、地球から体外離脱してきた主人公が巻き込まれるという展開は、なんだか例の3D超大作を思わせるものがあります。原作の立場からするとこれはパチもん大逆転になるのでしょうか。やったぜ『アバター・オブ・マーズ』。

 と、心のガッツポーズをかましたかったのですが、残念ながら本作は色々と負けてしまってます。とにかくスカスカです。

 雪山を空撮から捉えた壮大なオープニングにワクワク度が急上昇するも、本編に入ると残念度が一気に急上昇。中東のどっかの暑そうな砂漠で特殊部隊の主人公ジョンが登場します。オープニングの雪山は一体なんだったのか。作戦上、隠密行動をとるジョンですが、あまりにも人気を感じない隙間だらけの展開です。オープニングから期待できる展開との激しい落差。主人公ジョンを演じるのは『ビッグヒット』('98)で殺し屋チームの色男を演じたアントニオ・サバトJr。本作でも抑揚のない色男ぶりを発揮。

 ジョンはどうやって火星に移動するのか。例の3D超大作でも科学的な説明は無いものの見せ場としては十分成り立っていましたが、本作でもある意味負けてはいません。暗闇の中、大怪我したジョンの目の前でライトアップされた上司が言います。「火星を調査して欲しい。キミはじきに死ぬが、この16GBのUSBメモリを使って再構築するから安心したまえ。」。秋葉原で投げ売りしてそうなUSBメモリ。こんなんで宇宙を行き来できるのか。


(お約束のCGモンスターも登場します。それと野次馬が二人)

 そんなこんなで、たぶんUSBメモリでデータ化されたジョンは、あっと言う間に飛ばされてしまいます。で、気が付いたら火星の砂漠。どうやって体を再構築したのか。そんなことはお構いなしに、バツグンの跳躍力が付いたジョンは30mくらいをひとっ飛び。この下半身に関する変化も、例の3D超大作にありましたね。

 さて、肝心の火星のプリンセスです。実は本作を見るきっかけとなったのがこの配役でした(笑)。ヘリウム王国のプリンセスにして絶世の美女、デジャー・ソリス姫を演じるのが、あのトレイシー・ローズなのです。出ました。ポルノ絶好調の時に年齢詐称の問題で業界を去った伝説の女優です。その後は一般女優として再出発し、様々な作品に出演されてます。

 プリンセス役をやるには貫禄が付き過ぎという問題もトレイシー・ローズなら許せます。結構な歳なんですがストライクゾーンにします。トレイシー・ローズの今の姿が拝めるだけでもヨシとしなければなりません。本作を観た後にジョン・ウォーターズ監督の『シリアルママ』('94)を観たのですが、これにもトレイシーは出演してました。この頃は若くて可愛かったですが、本作でもなかなかのものです。B級女優になってる気がしないでもないですが、いいんですトレイシー・ローズなら。

 作り手がトレイシー・ローズに舞い上がったせいか、本作はヘッポコ演出の特盛り状態です。例えばプリンセスを乗せた飛空挺を発見するや即攻撃に移るサーク族。遠方から吹き矢みたいなライフルでペコペコ撃ちます。3人くらいで。飛空挺は飛空挺で頑丈そうなのに火を吹いてヤバイ状態に陥ります。それを見たサーク族のリーダーは「よし、フックを投げろ!」と手下に命令。飛空挺に向けてブン投げられたフックは、思い切り届きませんでした。コントかよ。全体的にローテク文明なので人手に頼る点が多しです。


(どっかで見た形の飛空挺。本作はスターウォーズ/EP6の香りが漂ってます)

 また、サーク族に捕まったプリンセスは拷問にかけられます。仰向けにされたプリンセスのヘソの上にゴボゴボ煙を吐くフラスコをかかげる拷問係(露出度の高い女)。フラスコをよく見るとドライアイスの塊が数個。拷問係は中身をブチまけることなく体をウネウネしてるだけ。やがて助っ人の乱入で救出されるプリンセス。フラスコは一体なんだったのか。

 色々と問題を抱える作品ですが、実はところどころでハッとするシーンもあったりします。先に挙げたプリンセスを乗せた飛空挺が登場するところや、空気製造設備を遠方から捉えた構図なんかは、私のお気に入りです。どっかで見た気がするのは、それが『スターウォーズ/EP6』とそっくりだからでしょうか。でもパクリ元かと思わせるその『スターウォーズ/EP6』も、この火星のプリンセスに影響を受けていたという事実。

 クライマックスは空気製造設備で迎えることになります。あまりカタルシスは得られませんでしたが、その後のジョンとプリンセスの関係があの様に締めくくられるのはちょっと意外で、心に残る結果となりました。

 とは言っても、全体的に格安イメージなので、期待度ワクワクで観た人は体を壊すかもしれません。いないかそんな人。原作ファンの人はどうなんでしょうか。なんでも今度ディズニーも映画化に着手するそうです。ゴージャス度が急上昇しそうですが、勿論プリンセス役にはトレイシー・ローズを希望します。起用して下さい。ディズニーならやってくれます。きっと。

 という訳で、トレイシー・ローズの最近のお姿です。懐かしい人、挙手。

 トレイシー・ローズ
 最も目にされてる一般作品は『ブレイド』('98)なんじゃないでしょうか。ビッチなバンパイア役がハマってました。一時、歌手としても活躍されていました。


 今年最後の記事になるかな。訪問、応援コメント頂いた皆様、どうもありがとうございました。来年もこんな感じで続けていきたいと思いますので、またよろしくお願いしますね。

 それでは皆様、良いお年をお迎え下さい♪

(C) 2009 The Global Asylum Inc.
【出典】『アバター・オブ・マーズ』/アルバトロス株式会社

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2010年12月11日土曜日

忘年会の時期ということで、またまたAtomik Harmonikです

年末のこの時期といえば忘年会ですね。皆さん酒をしこたま飲んで楽しんでおられるかと思います。私も先日、そんな一時を過ごして参りました(酒強くないんですけどね)。

 ということで、そんな時期に相応しい曲を紹介したいと思います。それはスロベニアが誇る(またかよ)音楽ユニットAtomik Harmonikの『Pivo mi Dej』という曲。PVは雪山を舞台にいつものお色気コントが爆進してますが、テーマはどうやら"ビール”のようです。曲名の意味は直訳で「ビールは私の家具」あたりになるようですが(笑)、これはきっと「ビールも家具同様に生活する上でとても大事なもの♪」というビール好きの思いを表しているのでしょうね。ヨーロッパならではだと思います。
 
 PVでは常連と思われる二枚目オッサンが、ゲレンデや山小屋で女の子らに絡むいつものパターンですが、メンバーのアコーディオン担当が変わっていたり、寒々とした雪山を舞台にしているあたり、やけに新鮮に感じるのでした。彼らはいつもポカポカ陽気の春っぽいイメージだったからなあ(笑)。
『ATOMIK HARMONIK - Pivo mi dej.wmv 』

  
 んで、同じ曲にビール!な画像が並べられた動画も紹介しておきます。これってスロベニア?ドイツ?しかし、ホント楽しそうだよなあ。いっぺんあちらで飲んでみたいもんです。あんなデカいジョッキで飲んだら一発な気もするけど(笑;)。
『Pivo mi dej ATOMIK HARMONIK』

 
 最近、こんなネタが多い気がしますが、あまり気にしないことにします。皆さん、飲みすぎには注意しましょうね。
 次はクリスマスか・・・。

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2010年12月5日日曜日

映画『ノウイング』 ・・・地球の一大事にニコラスが右往左往します

●原題:Knowing
●ジャンル:SF/ドラマ/ミステリー/スリラー
●上映時間:121min
●製作年:2009年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アレックス・プロヤス
◆出演:ニコラス・ケイジ、チャンドラー・カンタベリー、ローズ・バーン、ララ・ロビンソン、ベン・メンデルソーン、その他大勢

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 気が付いたら12月に入ってました。クリスマスもあっという間に来るんでしょうかね。それにしても1年経つのが早いよなあ。
 さて、今回は昨年の割と新作になります。ある意味凄かったので記事にすることにしました。

【ストーリー】
 アメリカ。マサチューセッツ州のある小学校で50年前に埋められたタイムカプセルがお披露目される。中身は当時の生徒らが未来に託した絵画であった。当時担当した元教師のババアがウハウハ絵画を収めた封筒をバラまく。大盛り上がりの中、生徒の一人ケイラムはやっと封筒を手にすることができたが、中身は絵画ではなく一面に数字の羅列が書き綴られた紙切れであった。ケイラムが持ち帰った紙切れを父親の物理学教授ジョンが何気に調べてみると、数字の一部が過去に起きた大事件の日付や被害者の数と一致してしまう。他の数字も同様であった。やがて数字が未来のある日付を差していることに気付くジョン。50年前に埋められた数字の羅列が未来の事件を予言していたことに大混乱するジョンであったが、その後に息子ケイラムを巻き込む大事件まで起きることなど知る由もなかった・・・。



【感想と雑談】
 昨年のド派手な『2012』('09)とやたら被ってた印象がありますが、蓋を開けてみたらこっちもドえらい作品でした。

 一応、デザスター作品の部類に入っているようですが、どう見ても他の要素が占める割合がデカくなってます。デザスターものって、自然災害や天変地異が何らかの形で前面に描かれると思うんですが、本作はそんな気配はこれっぽっちもなくて、いきなり登場するのが顔色の悪い少女。しかも、夜中の学校の地下室に閉じこもって「囁きを止めて」とか言ってる。血だらけになって。ホラーかよ。

 主人公が物理学の教授なので、どことなくデザスター要素を思わせたりしますが、コイツがまた暗い。これっぽっちも笑わない。生徒に質問を投げかけておいて勝手に妄想にふけったりします。実は、ある事件で妻を失ってしまい、それが影響して人生どうでもいい性格に変わってしまったようです。また、その子供が耳が悪くて、最近やたらと妙な雑音が聞こえるとか言ってます。とにかく不安だらけのファミリーです。

 この物理学教授のジョン、先の少女がタイムカプセルに封印した紙切れに振り回されっぱなしです。振り回されプレイ。50年前に書かれた数字が未来に起きる数々の大事件を示していることが判明した時、ジョンはその数字の中に数日後の日付が幾つかあることに気付きます。ヤベえとばかりに行動に移りますが、予兆がある訳でもなく、紙切れ一枚の単なる数字ごときに周囲の人達は耳を貸したりしません。やがて、数字が示した通りの大事故が発生します。

 中盤の見せ場として、2つの大事故が描かれますが、この描写は実に見事でした。1つは旅客機の墜落事故。ワンカットの長回しとCGの組合せで、実に臨場感ある映像になってます。せっかく脱出できたのに爆炎に包まれる乗客達。爆発ですっ飛んでくる破片。本当に墜落させたんじゃないかと思える程の生々しさです。もう1つの事故は伏せておきますが、とにかく阿鼻叫喚の現場には嫌な気分に浸れること必至です。たぶん『ダイハード3』('95)をリメイクするとこうなると思います。


Flixster - Share Movies

 しかし、肝心の見せ場も偶発事故にしか見えずデザスターものには結びつかない印象です。実は太陽フレアの異常発生が後に判明するので、この影響で電子機器が暴走したという設定なのかもしれませんが、殆どそんなことには触れていません。結局、数字から直近に起きる事件を予見したにも関わらず、ジョンはそれを止めることもできず、ただ呆然と見守り立ち尽くすだけ。それにしても少女に数字の羅列を書かせた意味はいったい何だったのか。

 どうすんだよこの展開・・・とか思っていると、突然とんでもない方向に向かいだします。冒頭の奇怪な少女からして嫌な予感全開だったのですが、中盤にジョンが謎の男と対峙する場面で、終わったことがはっきりしました。ただの自然崩壊に向かう作品ではなかったのです。いったい何が始まるのか・・・これも伏せておきたいと思います。(って、他では散々ネタばらしされてるようですが)

 デザスターものには「地球自体の脅威」と「地球外からの脅威」の大きく2つの脅威があって、本作を当てはめるとすれば後者に入ると思うのですが、こんな展開にするなら初っ端から豪快な人類脱出計画でも立てて地球外からの脅威に対抗する方がよかったです。『2012』との差別化もあったのかもしれませんが。東宝の『妖星ゴラス』('62)では地球外からの脅威に対抗する為、巨大ジェットで地球を動かすという荒業をやってましたが、正直これのリメイクをやったらガッツリ応援できると思っております。スペクタクルな展開にはワクワクーですよ。

 ニコラス・ケイジ演じる物理学教授ジョンが、我々は目的があっての産物なのか、それともただの偶然の産物なのか、と問う場面があります。本人は偶然の産物だと言い切りますが、本作はまさにそんな視点で地球の存在価値を描いた作品なんだと思います。アレックス・プロヤス監督のセンスは面白いと思いますが、今回はさすがに面白すぎて開いた口が塞がらない結末となるのでした。




 たぶんこれが本作の元ネタになってるんだと思います。


 ニコラス・ケイジはいいヤツだと思います。


(C) 2009 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
【出典】『ノウイング』/ポニーキャニオン

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2010年11月21日日曜日

今更ながらの画質改善?!

 やられました。前々からこのブログってアップした画像の画質が非常に悪くて、悶々としながらもそういうもんだと諦めていたのですが、実はファイル形式ですんなり改善できたのですね。以前、調べてもヒットしなかったはずですが、最近改めて調べたらすんなり判明した次第です。ちゃんと調べろよ自分。

 で、その方法はというと、単に画像をPNG形式にしてアップすればいいだけのこと。JPG形式でBlogger用の保存先Picasaにアップすると勝手に劣化されちゃうんだとか?こういう形式によって画質が左右されるのって、他のHPやブログでも同様なんでしょうか?それとも、このBlogger(Picasa?)のみの仕様ってヤツ?

 うーむ、よくわかりませんが、これからはPNG形式でアップしていくことにします。ただし、PNG形式はJPG形式よりも何かと品質はいいようですが、その分容量は食うみたいですね。注意しなければ。あとグラフィックやるんならこの辺も勉強しないといけませんな。
 
 そんなこんなで画質の改善記念としまして(笑)、以下のコラージュ画像を作ってみました。どうでしょう?この違い。今まで画質を悪いまま表示させてきたのが悔やまれます。その他レギュラー画像も形式変えて差し替えました。クリアになったかな?
 
(今回のPNG形式)


(これまでのJPG形式)


 という訳で、今回は『Attack of the 50 Foot Woman(邦題:妖怪巨大女)』('58年)のイメージを勝手にパワーアップしたコラージュを使って、ちこっとだけ映画ネタにしてみました(笑)。これのダリル・ハンナ版のヤツ、500円のワゴンセールで買っておくんだったな。ちぇ。

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2010年11月12日金曜日

クラフトワークを久々に聴いたら、無性に描きたくなりました

ドイツが誇るテクノの始祖、クラフトワーク(KRAFTWERK)です。が、音楽ネタというよりも、イラストネタ?になるのかな。

 クラフトワークは'70年代から活動されてるテクノの王様(笑)だけあって、音作りが一味も二味も違います。'75年に発表されたアルバム『放射能』は初期の作品にして既にクラフトワーク節が大爆発。宙を飛び交う電磁波をシンセサイザーと極度に歪ませたボイスで表現していて、音楽というよりもラジオからのノイズを延々聴かされる感じ。ヘタすると戦慄のどん底まっしぐらです。悪夢に近いです。色気が微塵にも感じられません。他のアルバムではアウトバーンやヨーロッパ特急なんかもテーマに挙げていますが、まだ聴きやすく音楽的ながらも淡々としていて無骨なイメージが大半です。

 アルバム『放射能』は、暗くてとっても不気味です。電磁波をボイスのみで表現した「エネルギーの声」や「ウラニウム」は、音楽というよりも受信機が発する異世界住人のメッセージ。これを部屋暗くして一人で聴いた場合のダメージは計り知れません。でもね、これがクラフトワークのいいところなんですよね。大好きです(爆)。一貫してテクノロジーの発展していく様を硬い電子音で表現していく姿勢は表現主義のドイツならではだと思います。

 そんなクラフトワークのイメージをイラストにしてみました。といっても、『放射能』のライナーノーツや収録曲「Antenna」のPVに流れるイメージ丸パクリなんですけどね。何気ない輪っか状の電波を発するアンテナも、クラフトワークにかかるとどことなく不気味に感じます。そんな思いをイラストにしようと色々考えたのですが、表現力が乏しいので結局はPVのアンテナをまんま模すことにしたのでした。”だからなに?”な感想が大半でしょうけどね(笑;)。



『Kraftwerk - Uranium 』('75)
 一曲紹介。ウラニウムが何か喋ってきます。これに尽きます。部屋を暗くして聴いてみよう。


次は、映画ネタ頑張ります(笑)。

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2010年10月16日土曜日

映画『ゴスロリ処刑人』 ・・・悪党がゴスロリ娘に思い切りやられます

●原題:ゴスロリ処刑人
●ジャンル:アクション/ホラー
●上映時間:88min
●製作年:2010年
●製作国:日本
●言語:日本語
●カラー:カラー
◆監督:小原剛
◆出演:秋山莉奈、桃瀬美咲、佃井皆美、岡本正仁、白善哲、中島史恵、紅井ユキヒデ、亜紗美、青柳塁斗、柳憂怜、アクロバットパフォーマンス集団・Team 2X、その他大勢

 今回は久々の劇場鑑賞作品です。しかも邦画でミニシアター系の作品。実に思い出深い鑑賞となりました。

【ストーリー】
 20XX年の東京。ある組織に母親を惨殺され、父親を半身不随にされた娘ユキは、ゴスロリ衣装に身を包み復讐を開始する。現在夫々の職に付いてる組織の元メンバを探し出しては、自慢の黒傘で血祭りに上げるユキだったが、やがて組織の行動にある秘密が隠されていたことを知る。それはユキ自身にも関わる驚愕の事実であった・・・。



【感想と雑談】
 私の中では東京ショックシリーズから火の付いたブチキレ邦画です。9月に東京のシアターN渋谷でのロングランを終え、10月から突入する地方巡り。早速行って参りましたよ。『ロボゲイシャ』以来の久々の鑑賞となりました。間空けすぎだ(笑;)。

 観に行った劇場は勿論、名古屋シネマスコーレ。こちらに初めてお邪魔したのは、ちょうどインド映画が流行ってた頃だと思います。『ボンベイ・トゥ・ナゴヤ』('93)というインドと名古屋を舞台にしたインド映画でした。大盛況で席が足らず、臨時の折り畳み椅子で鑑賞したのですが、いやはやこれが大正解。壁際ポジションで前方にスペースがあったので、爆笑しすぎで上半身をぶん回しても大丈夫だったのです。これが通常の席だったら、あんな暴れ方は出来なかったと思います。ビバ、臨時席!どんな作品かというと・・・機会あれば紹介してみたいです。あんなインドミュージカルも珍しいんじゃないかと(笑)。

 さて、思い出浸りはこれくらいにして本題の『ゴスロリ処刑人』です。バッチリ10番台の整理券をゲットし、初日のレイトショーに挑みました。因みに、10月9日(土)~10月15日(金)の1日1回の上映期間。フラリと観に行くには向いてませんが、こういう玄人向けの緊張感漂うスケジューリングは良いですよね。
 
 開始早々、これでもかという勢いでスパゲティを食い続ける男。しかも口元ドアップ。合間にタバコを吸いつつ、延々と食い続けます。凄いインパクトですね。『タンポポ』('85)でもこんなに執拗なシーンは無かったんじゃないでしょうか(笑)。その後も秘密クラブの乱痴気騒ぎを長回しで描いたりと、とにかく掴みはOKなオープニングです。因みにスパゲティ男は、後ほど大変なことになります。

 主人公のユキは、両親をヒドイ目に会わせた組織の元メンバを一人ずつ仕留めていきます。この時の戦闘場面はどれも趣向を凝らしていてとても楽しく、また残酷性は勿論のことナンセンスなギャグが盛り込まれているのも、お祭り要素としては外せないものでした。ユキの黒傘に仕込んだ刃でチョンパされた首が「ぴゅー」というSEで飛んでいったり、超能力で無意味にスカートがまくれ上がったりと。特に4人目に登場する元メンバのレディ・エルは、二丁拳銃でカッコよく戦闘中だというのに、拳銃のグリップがカパッと開くと、それが携帯電話になっていて、彼氏とどーでもいい会話に華を咲かせてしまいます。常に深刻なユキとふざけ気味の元メンバの対比が可笑しいですね。
 
 復讐とは関係ないところで、ある不良軍団が出てくるのですが、なんか日本語がおかしいなあと思ってたら、オール外人なのでした。Team 2Xというアメリカのスタントチームで、『ジャンパー』('08)にも出演されてたらしいです。とにかく運動神経がハンパないので、ユキに散々やられる様は迫力があって楽しかったです。なんか同じことを繰り返す天丼みたいなこともやっていて、学ラン着た外人というシュールさも手伝って心に残る場面となってました(笑)。
 
 特殊造型は様々な作品で残酷描写を提供している西村映像。今回もどんだけ吹き出るんだよ、というレベルの血液噴水をやっていました(笑)。全体的に残酷度は控えめのようでしたが(それでも凄いですが)、とても効果的な使われ方をしていたと思います。元たけし軍団の柳憂怜演じるユキの父親が、ユキの頑張りがあったというのに、西村映像あっての盛大なオチを迎えるところでは、思わず笑ってしまいました。スプラッタは楽しく観たいものですね。
 
 小原剛監督の作品は今回が初見でありました。元々スタントマンからアクション監督まで努められてたそうで、なるほどアクション演出には随分とキレがありました。カメラワークがダイナミックなのも、そういう経歴が手伝っているからでしょうか。過去の作品を一度観てみたいですね。ゲーム原作の『お姉チャンバラ』とか気になります(笑)。まだまだお若いので、これから期待大の監督さんですね。
 
 それにしてもゴスロリ衣装っていいですよね。ゴシック&ロリータの略称とのことですが、この小悪魔的少女がまんま進化を遂げて処刑人に至る設定は、思い付いても実写化されることは無かったんじゃないでしょうか。”ゴスロリ処刑人”のフレーズ自体もインパクト大だし、実に印象的。秋山莉奈が演じるゴスロリ処刑人にやられたい諸氏は沢山いると思います。結構容赦ないところが痺れますよね。ところで愛称がオシリーナとのことですが、本作では残念ながらゴスロリ衣装でオシリーナ炸裂!は出来なかったようです。残念。
 
 今回は恒例の舞台挨拶もあって、上映後も楽しいひと時を過ごすことができました。小原剛監督、元メンバの由利ゲラ夫を演じた岡本正仁さん、そしてヤクザ嶋田を演じた紅井ユキヒデさんが、雨の中、わざわざ名古屋までお越し下さいました。本当は上映前から登壇される予定だったそうですが、当日の大雨の影響で大渋滞し間に合わなかったのだとか。上映後のみとなりましたが、その分濃ゆい挨拶となったのではと思います(笑)。撮影秘話や大人のオフレコ事情(笑;)が沢山聞けて、とても良かったです。
 
 紅井ユキヒデさん=いつもブログでお世話になってるBenny様http://blog.livedoor.jp/bennys1993/archives/1433858.htmlにやっとお会いすることができました。お話したいこと色々シミュレーションしてたのですが、実際目の前にした途端、舞い上がってしまい、まともな挨拶もできませんでした。反省(笑;)。こんな私ですが、握手にサインまで頂きありがとうございました。翌日は名古屋から帰り道を満喫頂いたようでホッとしております。こんな地ですが、また遊びに来て頂けたらと思います。どうもありがとうございました♪
 
 色んな意味で後に語れる要素がテンコ盛りな作品です。特にゴスロリの響きにビビビとくる方、面白さ倍増だと思うので、是非どーぞ。で、騙されたと思ったら、なかったことにして下さい。(なに?!)

 こちらにギャラリーが公開されてるので宜しければご覧下さい。
 http://www.nipponcinema.com/tag/gothic-and-lolita-psycho/gallery




youtubeに「ブラックラグーンかよ:D」なんてコメント入ってますけど、あのアニメはメイド処刑人ですな。あちらの実写版も観てみたいけど(笑)。

(C)2010ゴスロリ処刑人制作委員会

【出典】『ゴスロリ処刑人』
宣伝・配給協力:ユナイテッドエンタテインメント
宣伝協力:SPOTTED PRODUCTIONS
制作・配給:DHE

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2010年9月26日日曜日

夕焼けの景色に何かが写りこんでます

 この間、Tシャツとパンツ姿で寝たのですが、夜中に目が覚めた途端「うぉ」となり、思わず毛布を被ってしまいました。これが秋なんでしょうか。窓は全開だったんですけどね(笑)。とにかく、季節の変わり目は気を付けたいものですね。
 
 さて、今回は写真ネタです。ある日のこと、夕焼けが綺麗だったので撮影してみました。で、せっかくなのでブログで紹介しようと思いましたが、そのままでは面白くない。ということで、宇宙囚人303号ことキュラソ星人に登場してもらいました。どうでしょうか。笑えるでしょうか。因みにキュラソ星人とは、ウルトラセブンに登場するガソリンばっか飲んでる宇宙人で、咆哮も上げずに忍び寄る姿がとってもスリラーなやつです。ケムール人をベースにした容姿が結構イケてる宇宙人でもあります。好きな宇宙人の上位に入ってます。1位は?

 それにしても、こういう夕焼け空を背景にしたウルトラシリーズには傑作が多い気がしますね。

 タイトル『夕焼けとキュラソ星人』。そのまんまだ。


 と、大バカなネタで今回は済ましてしまうのでした。『○○○とキュラソ星人』シリーズも悪くないかもしれない(笑)。

<2010/9/26 追記>
 リクエストを頂きましたので、紫男と夕焼けセッションもやってみました。

 タイトル『夕焼けと紫男』。

  
 馬とヒロインまで巨大化しちゃったよ。・・・といいますか、紫男っていったい誰。何者?

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2010年9月20日月曜日

映画『ピカソ・トリガー リーサル・エンジェルス』 ・・・第6弾 薄着の金髪美女とボディビルダーが懲りずに旧日本軍の金塊探し

●原題:L.E.T.H.A.L. Ladies: Return to Savage Beach
●ジャンル:アクション/スリラー
●上映時間:98min
●製作年:1998年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンディ・シダリス
◆出演:ジュリー・ストレイン、ロドリゴ・オブレゴン、ジュリー・K・スミス、シェア・マークス、マーカス・バグウェル、クリスチャン・レテリエ、キャリー・ウェストコット、ポール・ローガン、ジェラルド・オカムラ(笑)、その他大勢

 すっかり秋めいてきました。熱帯夜からも開放されて涼しさ満点ですね。いいぞ秋!まあ、あっと言う間に冬になるんでしょうけどね:-p
 そういえば、前回のAtomik Harmonik。あれから毎日聴いているのですが、なんだか身体が軽くなった気がします。やっぱり音楽っていいですよね。
  さて、今回はシリーズもののアレです。例のやつ。遂に最後の6作目に辿り付くことができました。足掛け2年2ヶ月・・・ふぅ。相変わらずのバカンス要素に過ぎ去った夏を思い起こすのも一興でしょう。もういいからと思われても投下しますよ。

【ストーリー】
 アメリカのダラス。安全と秩序を守る組織リーサル・フォースの本部からある極秘情報が盗み出される。それは、旧日本軍がフィリピンから没収した金塊を隠したとされる無人島を示す地図であった。かつてその無人島に遭難した元エージェントらによって、金塊は無事フィリピンに返還され事件は解決していたはずだったが、その後に再び金塊が無人島に運ばれ隠されていることが判明する。犯人はフィリピン人のマルチネスだ。アメリカに散らばるエージェントらは、金塊を狙うマルチネスに立ち向かう為、リーサル・フォースのハワイ支部に集結し作戦を練ることにするが・・・。



【感想と雑談】
 再生した瞬間、アンディ・シダリス御大が元気よく登場します。もうニヤけるしかありません。この日本向けに撮ったであろう特典映像は、ピカソトリガーに新たな楽しみを与えてくれたと言っても過言ではないでしょう。6作品も観てきた人なら誰でもわかります(そんな人どれだけいるんだ)。

 今回も女優ジュリー・ストレインが登場し惜しみなくオッパイをドーンとやりますが、あまりの至近距離に御大も目が眩みます。お決まりの日本向けチラシの紹介では、配給会社がやってしまったのか、ジュリー・ストレインが一切写ってないデザイン。

 ジュリー 「私が日本人似だから金髪の子を選んだのね」
 御大 「そう、ジュリーはよく日本人に間違われるんだ」

 間違われないだろ。

 「ピカソ・トリガー」シリーズは、あくまでも配給会社がタイトル化しただけであって、正式なシリーズではないと思います。だいたいピカソ・トリガーって1作目での悪人のコードネームですからね。別にエージェントや組織を指してる訳じゃないんです。

 まあでも、1、2作目で同じエージェントらが活躍し、その2作目が今回の6作目に繋がってたり、3作目以降のキャラが最後まで継続していることを考えると、これら6作品をシリーズとして捉えてもいいのかなと思ってます。といいますか、どの作品もほぼ一緒なので、いくらでも後付けでシリーズ化しても問題無しです(笑)。御大はどう思ってたのかな。



 一応、最終回ですからね、ここで久々にピカソトリガー(というか御大の全作品)の5大要素を、再確認しておきましょう。

 1.大柄で巨乳の金髪ギャル
 2.大柄でバズーカを持つボディビルダー
 3.爆発するヘリコプター
 4.爆発するジープ
 5.ハワイかラスベガスかダラスでのロケ

 これでバッチリ、ぐっと幅が広がるものと思います。たぶん。

 開始早々、ハワイロケです。久しぶりですね。国の安全と秩序を守るリーサル・フォースのハワイ支部が、いきなり常夏コテージというのが笑えます。ここがまたラジオ局になっていて、DJの女エージェントがアメリカ本土のエージェントらに暗号放送を流します。

「こちらKSXYからお送りするのは、愛とセックスと恋についての占いよ」

一般リスナーも聴いてるので、隠語を交えて流します。こういう暗号放送は実際にあったりするのでちょっと興味深いです。こんなホットな暗号放送をダラスで聞き入る男女のエージェントは、勿論ピカソトリガーならではの裸です。今回気合入れすぎたのか、女エージェントがボカシ入りとなりました。


(遊んでる風にしか見えない、リーサル・フォースのハワイ支部)

 序盤、ハワイ支部からの指令を聞いたダラスのエージェントらはテロリストの殲滅に向かいます。ここで大河を舞台にしたモーターボートとジェットスキーのチェイスシーン。陸地に着くと敵は何故か爆薬ケースを盾にし、エージェントらに銃で応戦。狙えってことだよな。女エージェントは期待に応え、ボウガンを爆薬ケースにぶち込み、敵を大爆破。底抜けにヘッポコなところがピカソ・トリガーです。 

 2作目の『~サベージ・ビーチ』でフィリピンに返還されたはずの金塊が、ある悪人によってちゃっかり無人島に戻され、今回それを再び奪いに行くところにエージェントが絡んでいきます。本筋はこんな感じですが、なんかですね、台詞だけで説明するシーンがダラダラ続くので、ちょっと油断すると訳がわからなくなるのですね。

 でも集中してスジがわかったとしても、何にもならないところがピカソ・トリガーなので、細かいところは気にしないことにします。晴天、バカンス、金髪オッパイ、銃撃戦、爆発、これだけ楽しめればOKなんです。

 そういえば途中、悪人が使う潜水艦が登場するんですね。それに載って例の無人島に向かうんですが、それがどう見ても観光用の潜水艦なんです。で、悪人の女がスイッチを適当に押すと、一応潜水を始めるのですが、速度遅すぎて全然前に進まない。その一方で、ブラック・ウィロウが乗るヨットが優雅に無人島に向かってる。

 またその一方で、女エージェントが水上セスナでブイーンと無人島に向かってる。なんでも「ハワイから無人島まで12時間かかるわ」とのこと。飛行機で12時間かかる距離を、観光用の潜水艦とヨットで移動というのは無理があると思うのですが、なぜか全員がほぼ同時に無人島に到着してしまいます。どこを通ってきたんだよ。考証など気にしないピカソト・リガーです。 


(敵の観光船と潜水艦です。景観がとってもハワイ)

 リーサル・フォースの司令官ブラック・ウィロウを演じるのは我らがジュリー・ストレイン(笑)。ハワイ支部ではシビアな表情でDJに指令を出しますが、その格好は殆ど裸のビキニ姿です。途中、部下が誘拐され、深刻な顔をしたと思ったら「ところで、散歩でもしない?」と側近のボデービルダーに色目を使います。その後、バカンスな散歩を済ませ、プールで熱い行為に走る司令官ブラック・ウィロウ。誘拐された部下の立場は。

 悪人マルチネスを演じるのはロドリゴ・オブレゴン。この人、全6作通して出演されてるのですね。顔付きがゴツイので悪役中心なんだと思いますが、まさにピカソトリガーといえばこの人という存在になっています。今回は、ラストにどんでん返しが待っていて、なかなか奥深い役どころであったと思います。

 エージェントのフーを演じるジェラルド・オカムラですが、あまりお笑い担当に徹していないのが残念でした。いきなり変な日本語の掛け声で登場するのは良かったですが、前作のオッパイビンタ直撃みたいなインパクトはなかったです。

 小柄ですが巨乳に間違いない2人のエージェント、コブラとタイガーを演じるのは前作から引き続きジュリー・K・スミスとシェア・マークス。しかしとにかく凄い。二人とも身体細いのに、あのサイズはいったいナニ?重さもありそうで、ちゃんと支えてあげないと大変なことになりそう。島上陸時のスタイルに世の男性諸氏も大満足。たぶん。


(もう何も言うことはありません。とにかく頑張って欲しいです)

 無人島には悪の手下も到着し、エージェントらは激しく応戦します。その手下らは忍者のくせに、拳銃を使います。なぜ手裏剣を使わない。そこにラジコン爆弾担当のコブラが、ラジコン戦車を忍者に向け発進させます。仁王立ちの忍者の真下で停止するラジコン戦車。何故か微動だにしない忍者は木っ端微塵になるのでした。ピカソ・トリガーは爆発そのもが大事なので、それに至る過程は気にしません。

 クライマックスは、掘り起こした木箱を開けた途端、金塊と一緒に収まっていた爆弾がカウントダウン。「1分以内に起爆装置にコインをはめれ」と音声がせかしますが、それを囲むエージェントらは焦ってるのか焦ってないのかよくわからない状態。コインがはまらないので「ヤスリで削れ」と言うと、万能ナイフを取り出しゴシゴシ削リ出す女エージェント。あと20秒くらいしかないのに奇跡のカウントダウン。間に合いました。よかったです。

 ざっと、こんな感じでしょうか。これで一通り「ピカソ・トリガー」シリーズの記事が出来上がりました。全作品が例の5ヶ条をベースに作られているので、確かにどれも似たような出来でした(『~ダラスコネクション』('94)はちょっと別格)。そういうことからか、御大の上辺だけを述べてる評価が多く感じます。

 ですが、DVD特典をじっくり観てみると、低い予算でいかに工夫を凝らすかを懸命に述べているし、家族ぐるみでエロス好きながらも一貫した姿勢で映画を作ろうとする思いが伝わってきて、ちょっとは見る目を持った方がいいんじゃないかと思うようになりました。正直、好感が持てましたし、なんだか愛着も沸いてきました。あれだけ同じことを延々繰り返すってのも、ある意味凄いことですよね。御大はギャグやネタにしている訳ではなく、純粋に自分が好きで皆に楽しんでもらいたい作品を薦めてきただけだと思うのです。

 ここまで読んで頂いて、ちょっとでも興味が沸きましたら、ぜひ手を伸ばしてみて下さい。間違いなく1時間半を無駄にします。が、そんな中に少しでも萌える要素があったなら優勝です。金髪グラマー、大型拳銃、タンクトップ、安い爆発などなど、アイテムはテンコ盛りです。息子ドリュー・シダリスが監督した4作目『~ダラス・コネクション』辺りがいいでしょう。ダメージは少ない方だと思います。(←薦めるなよ)


(ラストは勿論、全員カンパーイ♪でバッサリ暗転。あれ?フーがいない)

 よろしければ他のシリーズ作品もどうぞ。

 第1弾:『ピカソ・トリガー 殺しのコードネーム』('88)
 第2弾:『ピカソ・トリガー サベージ・ビーチ』('89)
 第3弾:『ピカソ・トリガー エネミー・ゴールド指令』('93)
 第4弾:『ピカソ・トリガー ダラス・コネクション』('94)
 第5弾:『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』('96)

「ピカソ・トリガー」シリーズ完結。


<オマケ>
 シリーズ全作のIMDb評価(2015年1月27日時点)をまとめてみました。


 第1弾が高評価になるのはわかります。しかし、失速するはずのシリーズ中盤でまた盛り返しているという。きっと、御大の息子ドリュー・シダリス監督の功績でありましょう。
 という訳で、みんなも第4弾『ダラスコネクション』だけは観ようぜ(笑)。


(C) MMII MALIBU BAY FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ピカソ・トリガー リーサル・エンジェルス』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2010年9月12日日曜日

Atomik Harmonik ・・・スロベニアといえばこれです

 今回は音楽ネタです。
 スロベニアの音楽ユニット、Atomik Harmonik。

 だいぶ前ですが、キャンディストライパーって一体ナニ、という疑問から辿り着いてしまった曲『Turbo Polka』。これのPVが夢の世界すぎて、しばらくは”もうスロベニアしかない”と勝手に決め付けていた訳ですが、熱もやや冷めてしまったここ最近、またそれに輪をかけるようなPVを発見してしまい再燃焼。ここに紹介する次第であります。また始まったか・・・とお思いでしょうが、今回も懲りずに見守って頂ければと思います(笑)。
 
 Atomik Harmonik のコンセプトは、ヨーロッパのボヘミア地方に伝わる民族音楽Polkaということで、その曲調はとても軽快で牧歌的、そしてビジュアル的には目に染みるほどの眩しさという斬新な組合せ。総合的にハッピーな気分にしてくれる大変素晴らしいもの。メンバーは、男性ボーカル1人、女性ボーカル2人、アコーディオン1人、の4人構成のようです。
 
 PVはどれもこれも趣向を凝らしていますが、まず目に止まるのが女性ボーカルの美貌&ゴージャスさです。よくぞここまで育った!と叫ばずにはいられない容姿に、世の男性諸氏は滅亡寸前です。そして、イケメンとは言い難い男性ボーカルがいつもモテモテの役という、いつか夢は叶うぜな展開を見せてくれます。言葉は勿論わかりませんが、きっと見たまんまのことを歌ってるのでしょう。終始明るくて、とにかくハッピーになれます。一部悶々とするかもしれませんけどね。
 
 スロベニアは近年に社会主義連邦から独立した国の一つですが、元々西側寄りのところや国民気質もあって早くから情勢は安定したんだとか。こんな素敵な音楽が生まれるのも頷けますね。2004年に結成され現在も活動されてる模様ですが、残念ながら日本ではリリースされていないようで、ネットでもあまり情報がヒットしません。周辺諸国では人気があるようですが、かつてのヨーロッパ系のアバやアラベスクみたいに日本で流行ることはないんでしょうかね。スロベニアに行ってみたい今日この頃です。
 
 とにかく素晴らしいとしか言いようのないPV揃いです。・・・もしご覧頂けるようでしたらやや重めですので、一旦ポーズして読込みを進めてから、再生されることをお薦めします。

<2010/9/14 追記>
 後で知ったのですが、Atomik Harmonikは「Turbo Folk」というジャンルになるんだそうです。調べてみると、旧ユーゴスラビア一帯から生まれた比較的新しい音楽のようですが、「Folk=民族」を「ターボ」するってことで、なるほど新しくて激しい民族音楽が期待できる訳です。で、試しにYoutubeで検索してみました。そしたらクロアチアの女性歌手がヒットしたのですが、思ってたよりもアクが強くてヘビーな感じ。でも何度か聴く度にハマッていく予感。旧ユーゴの各国では様々な民族音楽がアレンジされてるってことか。このクロアチアの例からすると、東にいくほど濃い楽曲になっていくんじゃないでしょうか。スロベニアは旧ユーゴの最西端の国なので、Atomik Harmonikは「Turbo Folk」の中では最も明るい音作りをしてるユニットなのでは、と思ったりしてます。


『Brizgalna Brizga』('04)
 意味は「シリンジスプラッシュ」(なにそれ)。ファーストヒット曲のライブです。自分も拡声器持って乱入したくなるほど楽しそう。因みにこれをカバーしたのが『Turbo Polka』になります。ほんとスロベニアっていい国だなあ。素晴らしいです。


『Goveja župca』('06)
 意味は「牛肉スープ」? 出てくる男性連中が羨ましすぎるPVです。そんなに揺らさないで欲しい・・・と日記に書いておきました。素晴らしいです。


『Choco La』('??)
 チョコって色んな効能があるんだよな。思わず身体が熱くなります(笑)。割と最近のPVのようですが、女性ボーカルの1人に異変が起きてるのが気がかり。チョコの食いすぎ?それとも始まってる?素晴らしいです。


『Polkaholik』('06)
 懲りずに追加します(笑)。コントみたいに女性が入り乱れる様が、これまた楽しくて仕方ありません。お色気はデフォルト状態ですが、金髪フェチ、胸フェチ、花嫁フェチ、ナースフェチ、腋フェチにも満足頂ける(たぶん)オマケ付きのお得なPV。何度も観たくなる中毒性あり(自分だけ)。ところで、女性ボーカルの片割れはまた変わってないか。ウェルカムだけども。高画質アップぷりーず。誰も観てくれなくてもOK、これは自分専用の作業用PVなのです。素晴らしいです。


ところでキャンディストライパーってナニ?
 キャンディストライパー(Candy Striper)とは、女の子による病院内のボランティア活動だそうで、制服のピンクのストライプ模様がキャンディ柄に見えるところから命名されたらしいです。

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