2008年8月13日水曜日

映画『ダークナイト』 ・・・かなりやばいアメコミ映画がやってきました

●原題:The Dark Knight
●ジャンル:アクション/ドラマ/ミステリー/スリラー
●上映時間:152min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:クリストファー・ノーラン
◆出演:クリスチャン・ベール、ヒース・レジャー、アーロン・エッカート、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン、マギー・ギレンホール、その他大勢

なんだか凄い盛り上がりようなのだ。観る人殆どが大絶賛なのだ。予告編からすると確かにカッコいいぞ!バットポッド!


ヒース・レジャー演じるジョーカー。惜しい役者さんを亡くしました。 ご冥福をお祈り致します。

【ストーリー】
ゴッサムシティ。どこからともなくジョーカーという男が出現する。何の躊躇もなく人を殺し、究極の仕掛けを用意しては市民らを恐怖のどん底に突き落とす。そしてその混乱する様を見て楽しんだりする。恐怖を振り撒く男だ。
そんなジョーカーを捕らえるべく、警察にヒーロー検事、そしてバットマンらは奔走するのだが・・・・・・。

【感想と雑談】
前作のビギンズもそうだったけど、キャラクタの描き方が素晴らしいと思う。

ジョーカーである。
冒頭の銀行強盗でジョーカーは仲間を射殺する。集団行動のリスクを仲間減らしで回避する考えは皆思っても出来ない行為だが、それを平気でやってのける。その後に加速していくジョーカーは、相手に究極の選択肢を与え続け、苦悩する様を見ては楽しむ。これが憎しみや復讐心ではなく、ただの欲求からくる行為であるのが厄介だ。
現実でも罪の意識なく衝動的に殺人を犯すジョーカーみたいな輩が出てきているし、そのうち本人が出てくるような気がして怖くなる。

本作はバットマンとジョーカーだけではなく、ビギンズから引き続きのゴードン警部や新登場のデント検事らにもキーとして焦点を当てていた。あれだけの登場人物に深みを与え奥行きを出していたのは素晴らしかった。

2時間半の長丁場だけど、目まぐるしい展開に長さを感じることは無かった。
初回の鑑賞はどうしても見落とすところがあったりするけど、本作にはそれを放っておけない魅力がある。なので、また観に行こうと思っとります(笑。

アメコミ映画も随分と侮れない存在となりましたね。いい映画にジャンルは関係ないということかな。
世界的な映画データベースサイトのIMDbでは評価9.2/10で、いきなりベスト3に輝いております。凄いなー。

そうそう、バットポッドね。あのタイヤぶっとさの理由はわかって感動したのだけども、あれってホントに走ってるのかな。
だとしたら最強のプロップってことだよね。しかし、カッコよかったなー(笑。

TM& © DC Comics © 2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
【出典】『ダークナイト』/ワーナーブラザーズ

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17 件のコメント:

  1. かなり濃い映画ですね。同じ回に外人さんが数名いたのですが、とんでもないものを観てしまったみたいな顔をしてたのが印象に残っています。また観たいです。(笑)
    応援凸

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  2. >whitedog様
    そうですね。濃厚すぎて、一瞬これが
    バットマンの映画だというのを忘れて
    しまいました(笑。
    何度も観たくなる魅力がありますね。
    私ももう一度行こうかなあと。
    応援どうもです♪

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  3. バットマンは子供の頃に観た、多分オリジナルムービーだったかと思うのですが、印象が悪くて手を付けていませんでしたが、
    先日「バットマン ビギンズ」をようやくちゃんと観られたので、これも観ようと思っています。
    小さい時の印象というのは、良くも悪くも重要ですね。応援です♪

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  4. さっき観てきました。

    CGの派手な映像だけがやたら目立つ映画ではなく、久々にストーリーや役者の演技でグイグイと惹きこまれ「やられた、まいった!」と感じた映画でした。

    ヒース・レンジャーのジョーカーは最高!あれ以上のジョーカーはないでしょう。亡くなって本当に残念です。

    応援ポチ♪

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  5. ダークナイト評判いいようですね。
    ぜひ見てみたい!
    日本に帰ったら、遅い夏休みとって見に行こうかなぁ。
    只今、ニューメキシコ州に居ます。
    アメリカから応援ぽち!

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  6. >Dolitea様
    実は私も小さい時ではないのですが、バートン版バットマンで
    印象イマイチだったのですよ。
    これがビギンズとダークナイトで見事逆転してしまいました(笑)。ナイスです。
    応援どうもです♪

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  7. >dai様
    おお、観ましたか!
    ヒース・レジャー凄まじかったですね。
    あんな異常者役は滅多に出てこないんじゃないかと。
    その他のキャラクタも立ってて見応えありましたね。
    応援どうもです♪

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  8. >とら次郎様
    アメリカ横断ウルトラ出張お疲れ様です。
    大変でしょうが一生の思い出間違いなしですね。羨ましい!
    ダークナイトはアメリカでも凄く人気のようですよ。もうそちらで観てきちゃうとか(笑。
    それではこれからもお気を付けて!
    応援どうもです♪

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  9. こんばんは。
    今作は、ヒース・レジャーのジョーカーの演技が物凄くて、本当に見応えのある映画でした。
    多分、内容的にも完成度は高いだろうに、やっぱり印象に残っているのは、ヒースのジョーカーなんですよね。
    本当に、惜しまれますね。

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  10. >Matthew様
    ヒース・レジャーは見事でしたね。
    他の役者陣も脇を固めていて、ホント見応えある映画でした。
    あとからジワジワくるんですよ、これが(笑;。
    2回目に行くっきゃない♪

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  11. マイブログご訪問&トラコメありがとう
    ございました!
    かなりやばい、特にヒースが“とっても”
    やばかったですね。ホントに命を削った演技だったんでしょうね。
    他の俳優の存在感が、すべてフッ飛ぶくらいのインパクトがありました。
    オスカー、あげたいですね!

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  12. >mori2様
    実はヒース・レジャーを見るのは本作が初めてでした。なので、他の作品を見ても彼がジョーカーに見えてきそうで怖くなりますね(笑;)。
    たしかにオスカー級の名演技でした。あげましょう賞を。

    コメントありがとうございました♪

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  13.  Jokerというとジャックニクラウスの怪演が思いだされます。ティムバートン監督の表現する世界は、全体的にファンタスティックな装いなので、「バットマン」という物語が扱う重た〜いテーマにはそぐわないという印象が拭えなかったという記憶があります。元々、現実から乖離した独特でスタイリッシュな世界を描き出す方なので、重たいテーマどうこう?と言うのはナンセンスなのですが、やはりメイクや衣装など、すべてのデザインが美しくて原色志向があまりにも強いため、まるでアリスインワンダーランドのカードキャラ(最強のジョーカー)が飛び出してきたような印象を受けます。

     対してヒース演じるJoker。本来正体を隠すため、もしくは演劇性を上げるために施すメイクなんかを実にいい加減、乱雑にやっています。衣装だけバチッと決めて最後に思いつきで白粉や紅を塗りたくった、そんな感じを受けます。素顔を晒したところで気にもとめないその異常性に戦慄を覚えます。

    「どうせ俺は誰でもない。正体なんて最初から無いのさ。俺はお前達の望むままに生まれた。キングで もクイーンでもエースでもない、何者にも属さない、人の生をひたすら笑う者 / ジョーカー」己を破壊しつつ、ただただ悪意をばらまき、燃え上がる世界の上で歓喜する者(執事アルフレッドの台詞より)。札束を「世界」に見立てて燃やすシーンがそれをよく表しています。
     
     キングの映画「イット」のコメントを書かせて頂きいた時にも感じたことですが、私はどうも昔からこの道化者という存在に強く興味を引かれます。ジョーカー、ピエロ、サーカスクラウン、大道芸人、曲芸師、宮廷道化師。色んな呼び名があって色んな場所に彼ら(それら)は現れます。歴史は結構古くて、起源は古代エジプトにまで遡るそうです。何と言うか、限定された上演世界にしか出現しない、実体を持たず己を持たない表面世界の怪物というイメージがあります。衣装をひっぺがしたら何もなく、ただ空洞が広がるばかり、底のない穴に引き込まれていくような感覚が怖いんです。
     
     ヒース演じるJokerにとって、世界はただの「茶番劇」に見えていたのかもしれません。そのように考えると、ティムバートン監督はまさにその奥行きを持たない表面だけの世界を、バットマンではなくJokerに焦点を当てることで、シュールにそしてモノ悲しく描きたかったのかなとも思えてきます(シザーハンズとかにも繋がるのかな〜?)。

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  14. >匿名様
    ピエロ嫌いはアメリカが本場のようで、イットに限らず他にも色々な作品がありますね。
    とことん恐怖の対象にしたいのか、遂にはキラークラウンっちゅう、地球侵略にきたのがピエロ型エイリアンというコメディSFまで登場しました(笑)。しかしこれ、コミカルなデザインにしようが、どんな形にしようがピエロという絶対的な存在がどこまでも追っかけてくる恐怖、ゾクッとするシーン続出の珍作でした。

    ダークナイトのジョーカーは、理由があるのかないのか、よくわからない存在が怖かったです。刑務所でノイズのような効果音が流れる中、幼少時代を語るシーンはなんともいえなかったですね。
    こんな最悪なジョーカーに人質として捕らえられたフェリー2隻の乗客達の運命を変えたのがバットマンではなく、乗客達そのものというところも印象深かったです。
    極度の精神状態に置かれた群像劇ですが、先にも書きましたミストとはまた対照的な人間の業を描いていたとも思います。これにひるんだジョーカーにトドメを刺したのがバットマンでなかったですか。このジョーカーVS乗客達のシーンにも意味があったように思えますね。

    コメント、ありがとうざいました。

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  15. 「ダークナイト」ー「闇の騎士」とそのまま訳すか?「夜明けを待つ者」と捉えるか?

    返信ありがとうございます。
    どうも大好きな作品の話となると長くなってしまいます。ごめんなさい。
     
     Jokerがめぐらす最後の奸計で、最も憎々しく恐ろしいのは、ゴッサムシティーの正義のイコン(象徴)ともいえる検事デントを、正義と悪の境界線でぶった切って「Two Face」という怪物を創り出してしまったことかなと思うんです。もうそれは完全悪とか純粋悪ではなくその狭間で苦しむ者。Jokerはバッドマンとは対局の存在です。ウェインはそこんとこに気づくのが、今ひとつ遅かったように見えます。いやわかっていても認めたくなかったという印象がある。この2人が対立を深めていけば必ず最悪の犠牲(ウェインが最も愛する者)がでる。アルフレッドにはわかっていた。Jokerにもわかっていた。ただし一つだけ足りないピースがある。それはその狭間で引き裂かれてしまう者、ゴッサムを引き裂く者。両性具有の怪物Two Face。このそのまんまのデザインは「バットマン」という物語の特質を最もシンプルに、最も力強く、しかも残酷に表現しているんじゃないとかと思います。

     Jokerというモンスターの狡猾さは、デントを救うためにバッドマンが汚名をきるであろうということを計算に入れていること。しかも数年後に知らされてしまう事実が、実は堕ちていたのはデントのほうで、人間社会の善意とか良心みたいなものを「信じたい」と願うゴッサム市民の希望を一気に!打ち砕いてしまったこと。こういうきっつい復讐(といっていいのかわかりませんが、やはりJokerは世界を憎んでいるように思えます)劇は精神的にかなり応えます。私がこの映画に対して強い思入れをもってしまうのは、映画とはいえあまりにも世界の構造をストレートでシンプルに描いている点にあるんです。この「ダークナイト」っていう作品はその辺の揺れ動きみたいなものをリアルに描きつつも「信じたい」という強い思いが宿っているそんな映画だとおもうんです。さらに言えば作品をどのように解釈し、我々が世界をどのようにデザインしてくかが問われているんじゃないかと。

     続編「ダークナイトライジング」はやはり「夜明け」という意味なのかなと思います。

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  16. 「バッドマン」は永久にJokerに勝てない。しかし「ブルースウェイン」なら勝てる?

    主人公バッドマンのことにあまり触れていなかったので追伸。
     
     バッドマンことブルースウェインは元々正義のヒーローでも何でもありません。ただ己を取り巻く過酷な運命に抗っていったら、「バッドマン」というフォルムが出来上がってしまった、それだけのこと。しかし、Jokerっていう純粋な「悪」なるものが現れてしまったため、「バッドマン」は対局の「正義」という反対概念に追いやられてしまう。そうなるとウェインのやっていることは、アルフレッドからするともうただの正義マンごっこになってしまう。
     
     Jokerはバッドマンみたいな特殊な装備をしてるわけじゃない、言って見れば普通の人間です。しかし彼はゴッサムという「街」を質にとって、ある意味街そのものをバッドマンの敵にしてしまうんです。これは非道なテロの典型的なやり口ですが、守るべき対象が牙を向いてくるわけですから、単純なバトルという訳にはいかなくなる。不特定多数、圧倒的物量の前にはなす術がない。タイマンに持ち込もうにも肝心のJokerが中々つかまらない。やっと捕まえてボコボコにしても手応えがまったくない。Jokerはただのデコイ、さらにどぎつい罠が仕掛けられ戦局は泥沼化していく。バッドマンは結局最後までJokerを打ち破ることできなかったんです。

    「お前も俺と同じ一匹の ”人間” だろ。それを認めろ!」
    「俺と勝負したいなら、まず ”そこ” から降りろ!」
     
     地上を這いずり回るJokerは、
     バッドマンにずっとそんなメッセージを送っているように思えるんです。
     
     ウェインが本当の意味でJokerに打ち勝とうと思うんなら、「バッドマン」であることをやめ、あのフェリーの乗客の1人、つまりゴッサム市民の1人に戻ることなんじゃないかと思います。「それじゃ映画になんねーだろ」って言われそうですが、我々の生きる現実世界には彼のようなヒーローはいません。しかし、Jokerのような狂ったテロリストはいます。もし我々が彼らの脅威にさらされても「バッドマン」が現れて助けてくれることなんて決してないんです。我々が彼らに対し、単純な暴力や権力(パワー)によって立ち向かうことが出来ないのなら、残された唯一の手段はあのフェリーの乗客達のように「負けない」という強度を持った意志を表明をすることだけなんですね。「勝つ」ではなく「負けない」なんです。Jokerがもし腹いせに乗客達を殺したら、そこで彼は「負け」なんです。だからこの一件に関して彼は振り上げた拳を引っ込めるしかなかったんだと思います。Jokerは「やれやれ」といってため息をつきながら、元の道化師に戻りおどけてやり過ごすしかなかったんだと思います。たとえ全てではなくとも、彼の復讐と破壊は「無効」にされてしまい、Jokerに最もダメージを与えた痛恨の一撃になってしっまたんじゃないかと思います。もうバッドマンなんかにになる必要はないんだって心から思えた時、私は「ブルースウェイン」であるとはっきり口にした時、ウェインはJoker(この時点での彼の敵はオリジナルJoker でなく、自分の心に住み着いたJoker=もう1人の自分)に本当の意味で勝つことができるのかなと思います。

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  17. >匿名様
    アメコミの映画化は昔からありましたが、今回のノーラン監督によるシリーズ化から内面性やシリアス性が強調されるようになった気がします。
    ノーラン監督の個性の賜物でしょうが、ちょっと違和感があるのがアクション演出なんです。何かエッジが足りないというか?バットポッドの登場とかは感動ですが、追跡するカメラを離すほど加速もするのにスピード感がないんですね。マッタリしてる。後発のライジングでも、証券所からバイクで逃走するところなんか、バリケードを突破するにしては勢いやスピード感、がない。
    まあ、ノーラン監督のポイントはそこではないのだろうし、あえてギリギリ一線を超えないことで非現実であることを保っているのかもしれません。
    私はパッと見からも作品を評価するし、見方が非常に薄いのでご容赦下さい(笑;)。
    作品を大事にし分析される匿名様には敬服しますよ。私ももっと作品を咀嚼してメッセージを読み取れるようにしたいです。でも、大半が志の低い作品なので、不毛なことになりそうですが(笑)。

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