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2016年5月5日木曜日

映画『私がクマにキレた理由』・・・ スカーレット・ヨハンソンが子守で大奮闘します

●原題:The Nanny Diaries
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス
●上映時間:106min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
◆出演:スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、ニコラス・アート、クリス・エヴァンス、ポール・ジアマッティ、ドナ・マーフィー、アリシヤ・キーズ、ジュリー・ホワイト、その他大勢

【ストーリー】
 アメリカ。せっかく大学を卒業できたというのに、この先の人生を見いだせず、就職に興味を持てないアニー。ある日、公園で男の子を相手にしたことで親であるミセスXから強引に子守の誘いを受けてしまう。その場の勢いで仕事を引き受けるアニーだったが・・・。



【感想と雑談】
 マーベルのSF超大作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』('16)が大変素晴らしい出来だったので、やはりここはひとつ、スカーレット・ヨハンソン(スカヨハ)にスポットを当ててみたいと思いました。『シビル・ウォー〜』のことを書けよ、というご意見が聞こえますが、ここはそういうポリシーですので。

 若かりし頃のスカヨハです。

 冒頭いきなり大学の卒業式でコケるという失態をかます主人公アニー。彼女の独り立ちが描かれます。演じるは何かと強靭でセクシーなイメージのあるスカヨハですが、本作では地味めなヒロインを演じています。これが素晴らしい。最近の現代ドラマ『ドンジョン』('13)とかも純愛なヒロインでしたが、ダイナマイトすぎる性格と容姿が問題でした。

 地味なリクルートスーツを決めて商社へ面接しに行くも、アニーは自分の人生が何なのか分からなくなり路頭を彷徨いだします。このスカヨハがナチュラルメイク(っていうの?)でケバくもなんともないんですよ。当然ながら初々しい。で、意外と背が低いみたいで、他の役者と並ぶとえらくちっちゃくて、全てが相まって愛らしい(笑)。


(キャプテン・アメリカの4年前とブラック・ウィドウの3年前です)

 セレブなミセスXから名前を聞かれアニーと答えるも、”ナニー(子守)”と聞き間違えられたせいで、強引に子守の仕事を任されることになります。子守に楽なイメージを持つアニーは気軽に受けますが、実は大変な仕事でした。子守を雇うのは大抵がセレブ層で、当然まず子供の世話を殆どしません。ミセスXもご多分に漏れずで、更に傲慢で高飛車という性格が付いてきて、ワガママな注文にアニーも辟易します。『プラダを着た悪魔』('05)の子守業界版ともいえましょう。

 はじめは状況にムカつき放題のアニーも、ミスター&ミセスX(なんだよその名前)夫妻の根深い問題に子供が取り残されていることを知り、子守を通して家族再生と自己成長のなんたらかんたら・・・で、要はとってもいいお話しなのですが、そんなことよりもスカヨハにスポットなので、スカヨハのことを書きます。

 コメディでもあるので微笑ましいスカヨハ要素がテンコ盛りです。特筆すべきは、アニーが子供のイタズラで パンツが丸見えになるところ。しかも後ろ向きで前かがみになります。グラマー体型がかますパンツ姿で可愛いのですが、これを目撃するイケメン学生が問題です。演じるはクリス・エヴァンス。まさかのヒーロー&ヒロインの顔合わせです。でも、マーベル作品ではないので、二人ともお気楽な関係です。クリスは学生といっても体型は既にキャプテン・アメリカなので、いつか暴れるんじゃないかと不安になります(笑)。スカヨハの方はブラック・ウィドウが微塵にも想像できない華奢な雰囲気ですが。



 手強い子供に翻弄されながらも心を通わせたり、トラブル発生時に慌てふためいたりと、不器用なんだけど、純真に一所懸命に向かい合うスカヨハがとにかくいいです。古風なメイドのコスプレしてちょこちょこ歩くところなんか可愛かったな。ちなみにイケメン学生の目の前で披露するこのメイド服がアメリカ国旗をなぞったデザインで、なんだかキャプテン・アメリカを彷彿とさせます。クリスは普通のポロシャツ姿だったりして、なにこのクロスオーバー。二人に対するなんかの暗示だったんでしょうかこの作品は。

 この子守という仕事はアメリカでは普通に浸透しているようで、いろんな作品で見かけますよね。よく日雇い的にギャラを渡してサイナラする場面とか。でも、日本では単に表に出てきていないだけかもですが、まあ馴染みがないですね。なので、子供相手の大変さはわかるものの、子守自体はアメリカならではのテーマであり、日本人には理解し難い歴史的な深い意味があるのかもしれません。

 まあでも、等身大でフレッシュなスカヨハが微笑ましいし、ホロリとするオチもあったりで、コメディ寄りのドラマ作品として楽しめると思います。邦題のタイトルの意味は、ちゃんとクライマックスに用意されていますので。これが何なのかは実際に観て頂ければと思います。もし興味がありましたらね。スカヨハファンで未見の方は、ぜひレンタル屋へ行ってみるべし。

 スカヨハは、『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』('04)でもクリス・エヴァンスとの共演とパンツもろ見え(笑)が堪能できます。こっちの方が更に若いですね。というか昔の作品ほどナチュラルなスカヨハが堪能できるということですね。


 ・・・久々に記事を更新しました。次回がまたどうなるかわかりませんが、マイペースでいきたいと思います。


(C)Copyright MMVII by The Weinstein Company, LLC. All Rights Reserved.
【出典】『私がクマにキレた理由』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2016年2月13日土曜日

映画『しあわせはどこにある』・・・ ロザムンド・パイクとの同棲に戦慄を覚えますが大丈夫ですたぶん

●原題:Hector and the Search for Happiness
●ジャンル:アドベンチャー/コメディ/ドラマ
●上映時間:120min
●製作年:2014年
●製作国:イギリス/ドイツ/カナダ/南アフリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ピーター・チェルソム
◆出演:サイモン・ペグ、ロザムンド・パイク、ステラン・スカルスガルド、ジャン・レノ、トニ・コレット、クリストファー・プラマー、伊川東吾、バリー・アトスマ、その他大勢

【ストーリー】
イギリス。精神科医のヘクターは何の問題もなく日々の生活を送っていた。同棲する恋人クララもそんなヘクターを愛情いっぱいに世話してくれていた。しかし、患者へのカウンセリングを繰り返すうちに、ヘクターは果たして自分は幸せな人生を歩んでいるのだろうかと疑問を持ち始める。意を決したヘクターは、クララをひとり残して幸せ探しの旅に出るが・・・。



【感想と雑談】
 今年一発目の映画記事です(おせーよ)。昨年の話題作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』('15)をメインに、もう1本何か見ようと徘徊して見つけたのが本作。サイモン・ペグが出演とか共通点だし、何よりもロザムンド・パイクが出てるじゃんか。パッケージもいい雰囲気。一緒に借りました。

 すまんトム、こっちの方が面白かったわ。

 どっちも世界を股にかける一大スケールな展開で結構命がけなところも共通点なんですが、異国の旅路でいろんな経験を積むロードムービー的な本作の方がしっくりきましたね。自分が歳をとった所為もあるかもですが(笑)。あくまでも比較なんで『ミッション~』も十分なエンタテイメント作品で楽しかったです。

 さて、本作の主人公はサイモン・ペグ演じる精神科医ヘクター。人柄はいいのに職業柄か何かと悩みがちな男。なんですが、とにかく注目点はその恋人クララを演じるロザムンド・パイクなんですよ。冒頭、悪夢にうなされるヘクターが飛び起きると、いきなり目の前に笑顔のクララがいるの。やべえ、逃げてヘクター!!って思わず叫んじゃいそう。『ゴーン・ガール』('15)がフラッシュバックする瞬間です(笑)。

 クララは完璧な恋人ぶりで、ヘクターの健康にも気を使うし、公の場ではちゃんとヘクターを引き立てたりする。素晴らしい。素晴らしすぎて逆に裏があるのでは・・・とちょっとでも勘ぐると『ゴーン・ガール』がフラッシュバック・・・って、そういう設定じゃないから。イギリス人の血統も手伝ってか落ち着きも感じる美人さんですね。製薬会社に務める彼女がバイアグラ系新薬の話をする時、効能を示すのに拳を立てる仕草がとても可愛いと思いました。



 勿論、ロザムンド祭だけで終わる作品ではありません。ヘクターが愛するクララを置いてまで実行に移した幸せ探しの旅。異国での様々な経験やトラブルの教訓から”幸せ”の欠片をメモに書き留めていくのですが、その旅路で出会う人々がとにかく魅力的なんですね。例えば、

 中国へ向かう旅客機で出会う大企業の堅物社長エドワードを演じるはステラン・スカルスガルド。味わいある北欧男優ですね。ブスッとした態度で、ヘクターみたいな男は最も敬遠するはずなのに、何かを感じて気を許しちゃう。一緒に豪遊までしちゃったりする。がむしゃらに働いて稼いで引退して余生を送ることが幸せみたいなエドワード。

 アフリカのホテルで出会う麻薬王ディエゴを演じるはジャン・レノ。久々に見たなこの人。貫禄付いてます(笑)。メモ書きするのにディエゴから借りたペンがその後の命を左右するトラブルに関わるところは、本作が優しい世界だけで終わらないことがわかる結構な見せ場。妻の重病に悩むディエゴはヘクターに出会ったことで幸せになれるのかな。

 そして、アメリカで再会する元恋人アグネスを演じるはトニ・コレット。好きな女優です。『シックスセンス』('99)で息子から告白を受ける時の演技が忘れられません。アグネスの存在はどことなく彼女に未練がましいヘクターと現恋人クララとの関係に当然ながら影響を及ぼします。やがて、スカイプ映像に映るクララの冷めていく態度が不安を煽ることに。ここで『ゴーン(以下略



 クライマックス。沢山の出会いを経たヘクターは、最終地アメリカの大学で脳の幸せ度合いを測定する機械にかけられます。旅路での経験とクララのことを思い起こすヘクターにやがて反応しだす機械。果たして”幸せ”が何であるのか、ヘクターは解き明かすことができるのでしょうか・・・。

 オチがどうあれ、ヘクターが取った行動は意味のあることなんだなと思いました。異世界に触れることで新しきを知るというのは今更ですけど大事なことですよね。別に教訓じみてる訳ではないのですが。それと、旅路での色んな人との出会いは何かと印象的ですが、別れ際をヘタに感動的にしてないところもよかったです。

 社長エドワードは別れ際にヘクターが抱擁する素振りを見せるとスッと身を引くし(この二人の間は必見)、麻薬王ディエゴは帰国したヘクターに電話までしてあることを伝えますが捨て台詞を吐くとすぐに画面の外に去ってしまいます。あくまでもヘクターの通過点としてドライな扱いだったかもしれませんが、ヘクターの人柄が本人の気づかぬところで、幸せの何かを振りまいていたのは確かでしょうね。

 カラフルで丁寧に作られた大変見やすい作品です。サイモン・ペグとロザムンド・パイクは『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』('14)でも共演されてましたが、対極的に疲れきった設定でした。なのでロザムンドは、本作の方が嫁にしたい度No1です(笑)。


 『ゴーン・ガール』とセットで観ると危険かもしれない。


(C)2014 Egoli Tossell Film/ Co-Produktionsgesellschaft "Hector 1" GmbH & Co. KG/Happiness Productions Inc./ Wild Bunch Germany/ Construction Film. 2014 All Rights Reserved.
【出典】『しあわせはどこにある』/角川書店

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2015年11月29日日曜日

映画『ドン・ジョン』・・・ もの凄いスカヨハを存分に堪能します

●原題:Don Jon
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス
●上映時間:90min
●製作年:2013年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョセフ・ゴードン=レビット
◆出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、スカーレット・ヨハンソン、ジュリアン・ムーア、トニー・ダンザ、グレン・ヘドリー、ブリー・ラーソン、ロブ・ブラウン、ジェレミー・ルーク、その他ポルノ動画大勢

【ストーリー】
アメリカ。リア充の独身男ジョンは夜な夜なナンパする人生を送っていた。今日も美女とベッドインしたジョンは、事が終わった後である行為に没頭する。それはネットでポルノ動画を鑑賞し全力投球することであった。生身の女性とどれだけ付き会おうが、ジョンはポルノ動画に別次元の快楽を求めていたのである。ある日のこと、ジョンはセクシー美女バーバラをナンパするが、彼女が予想外に夢見る乙女だったので調子が狂いだす。更には、もう一人の女性エスターとも知り合ったことで、ジョンは人生の一大事を迎えることになる・・・。



【感想と雑談】
 ジョセフ・ゴードン=レビットは、『インセプション』('10)や『ダークナイト/ライジング』('12)でのスマートで堅物なイメージが強かったので、今回の変貌具合にはちょっと驚いてしまいました。主人公ジョンを演じるだけでなく、脚本と監督までやってるなんて、

 これがジョセフの本気ってやつ。

 クラブでナンパしては持ち帰り、自宅で合体し終わると、添い寝する美女をそっと退け、ジョンは別室でパソコンをパカと開けます。そしてポルノサイトを呼び出し、今日のオカズとなる動画を物色します。ポルノ動画の快楽こそ至高とのたまうジョン。この時ターゲットオンすると全力投球でアヘ顔になるところ、全盛期のロバート・パトリックを思い出してしまいました。液体金属ロボT−1000の人。ちょっと似てませんかね。

 今回の目玉はスカーレット・ヨハンソンでありましょう。我らがスカヨハ。ビバ!スカヨハ。ブロンドセクシー美女バーバラ役の匂い立つエロさ本領発揮ですよ。本当に素晴らしい。ジョンの期待とは裏腹に純愛と家庭を重んじるバーバラは、初デートでいきなりジョンを映画に誘いますが、当然それは恋愛作品だったりします。スクリーンを恍惚な表情で見つめるバーバラの顔面ドアップは圧巻です。



 ここで鑑賞する架空の恋愛作品ですが、恋人同士をチャニング・テイタムとアン・ハサウェイが演じています(笑)。街角で出会い、愛し合い、ビンタを食らい、涙ながらに許しを乞い、遂に結婚し、そしてオープンカーで疾走する、というもの凄くベタな展開にジョンは辟易しますが、それでもバーバラの超絶セクシー美女ぶりに、今までない感情で突き進むことになります。わかる、わかるぞ。しかし、付き合っていくうちに、バーバラに対し違和感を覚えることになるジョンです。

 ところどころ登場するジョンの家族がまたいい感じです。マフィアみたいなパパはタンクトップ姿でやたら凄むけどジョンに彼女ができたことを嬉しそうにするところが可愛い。ママも豪快で明るくて可愛い。妹はいつも無口でスマホを弄ってるけど実は有能だったりする。この家族と共に日曜礼拝に参じる度、ジョンは婚前の性交渉とポルノ鑑賞(笑)を懺悔しますが、その様は逆に自分の罪を正当化しているようにも見えます。宗教のスタイルも様々なのでしょうか。

 絶好調なジョンの前に現れる熟女エスターを演じるはジュリアン・ムーア。登場した途端、いきなり泣きだします。『ブギーナイツ』('97)でも離婚調停で親権を奪われ号泣するポルノ女優役をやってたのでどうしても重なってしまいました。あれは名演技でありました。バーバラとは真逆の性格を備えたエスターの登場によって、ジョンの人生に変化が起こります。エスターが示すジョンへの態度は、バーバラとは対象的に心地よいものです。ビバ!スカヨハに変わりはないですが、年上の女性もいいものですね。一方、かつて『がきデカ』でこまわり君がいった「年上にも限度がある」にも同感ではありますが。意味不明。



 中盤、バーバラがジョンの嘘つき行為を問いただすところは、スカヨハのプンプンすぎる演技が可愛いし大笑いもできたので、コメディに間違いないなとは思いましたが、この作品、間違いなくファミリー鑑賞はNGです。ポルノ動画やポルノ用語が満載ですので。こういう男性の心理を描いた作品は、女性に受け入れられるのか嫌悪感を抱かれるのか気になるところです。

 もの足りなさは感じますが、こういう題材を面白い視点でさらりと描いている辺り、ジョセフ・ゴードン=レビット監督の今後に期待したいと思います。次作もスカヨハを起用して下さい。

 ところで、ジョンが閲覧しまくるのが『PornHub』というポルノサイトなんですが、これ実在するサイトなんですね。動画配信だけでなくオリジナル商品も発売しているアメリカでは大手のサイトのようです。で、最近、このサイトへのアクセス数が激減した期間があったそうで、それがアメリカ産ゲーム『Fallout4』が発売された直後のことだそうです。RPGの最高峰といわれる大人気のシリーズ最新作なので、世界中の男性陣はポルノそっちのけでプレイに没頭したという(笑)。わかる、わかるぞ。


 スカヨハの体のラインが凄すぎる。


<追記>
 ジョセフはロバート・ゼメキス監督の最新作『ザ・ウォーク』('15)で究極の綱渡り師を演じるようですね。シリアス系ですがゼメキス印のジョセフも楽しみです。


(C)2013 Don Jon Nevada, LLC. All Rights Reserved.
【出典】『ドン・ジョン』/KADOKAWA/角川書店

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2015年11月15日日曜日

映画『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』・・・ 盛大なバードウォッチングが人生を左右します

●原題:The Big Year
●ジャンル:コメディ/ドラマ
●上映時間:100min
●製作年:2011年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:デビッド・フランケル
◆出演:ジャック・ブラック、オーウェン・ウィルソン、スティーブ・マーチン、ロザムンド・パイク、ラシダ・ジョーンズ、アンジェリカ・ヒューストン、ジョベス・ウィリアムズ、その他大勢

【ストーリー】
アメリカ。1年間でウォッチングした鳥類の数を競う大イベントのザ・ビッグイヤー。今年もチャンピオンのケニーがタイトル防衛をするべく参戦するが、そんな彼をライバルとして同じく参戦する二人の男がいた。サラリーマンの独身男ブラッドと大企業の社長スチューである。3人の男達は相手の腹を探りながら、様々な攻防戦を続ける。今年の勝者はいったい誰になるのか・・・。



【感想と雑談】
 最初、どーしよーかな、と迷っていたのですが、出演陣に女優ロザムンド・パイクの名前を見つけた瞬間、即決しレジに向かってしまいました(笑)。しかしこれ、単なるバードウォッチング好きのドタバタコメディかと思っていたのですが、随分と違ってました。

 アメリカにこんな競技があったとは。

 アメリカ全土をまるまる1年かけて鳥類を追っかけ、ウォッチした数が一番多かった選手が優勝なんだって。スタートは新年明けた瞬間で、ゴールは年末の年越し直前。厳格なルールやコースとかは存在しないようで、とにかく色んな鳥をウォッチした数を自己申告していくだけの競技。

 審査員が常に張り付く訳でもなく、各選手のみで走り回って、ウォッチする度に「○○○○を見たぞー」と叫んでメモるの。アメリカではこういう規模の競技にもなると、不正するとかの発想の余地もなく、真面目にバカがつくほど一途な夢に向かって爆走するんでしょうな。

 1年もの間、どれだけバードウォッチングに時間を割き、またコストをかけられるかなので、凄まじく生活にも影響が出ます。アメリカ全土が対象になると、旅費も莫大だし、仕事も休みがち。家庭持ちだと理解を得るのも大変。さすがアメリカ、鳥好きもスケールが違い過ぎます。アホか。



 そんな競技にぞっこんな3人の男が主人公です。700種以上もの記録を持つチャンピオンのケニーを演じるはオーウェン・ウィルソン。仕事も成功していて妻がロザムンド・パイク(!)だというのに鳥のことで頭がいっぱい。親と同居中の独身男ブラッドを演じるはジャック・ブラック。厳しい生活状況だというのに鳥のことで頭がいっぱい。大企業の社長スチューを演じるはスティーブ・マーチン。部下に引き止められながらも悠々自適に鳥のことで頭がいっぱい。芸達者が勢揃いですね。

 この男達がそれぞれどんな背景を持って鳥に挑むのかを延々と追っていきます。コメディというよりも、軽快で洒落た人間ドラマという感じでしょうか。『プラダを着た悪魔』('06)や『31年目の夫婦げんか』('12)のデビッド・フランケル監督らしいスマートさですね。

 実話をもとにしているそうですが、ちゃんとエンタテイメントしているところは感心するばかりです。しかしまあ、よくぞこういう作品を撮ったなと思いますね。神出鬼没な鳥を追うのに、様々な大自然を舞台にしているので、裏方の苦労も相当なものだったのでは。VFXも使ってはいたようだけど。



 ブラッドとスチューの二人は家族の受け止め方や立場も違うけど、競技の勝ち負けよりも互いを尊重し合える関係になるのは微笑ましたかったです。

 この二人とは対照的に、ケニーが競技終了後にある光景を複雑な表情で見つめるところは、そこに被さる「欲しいものを得る為に払う代償の大きさ」を説くナレーターの声も相俟って、とてもしんみりする場面でした。

 地味な印象のバードウォッチングですが、本作はアメリカナイズされたスケール感でテンポもよく見易かったです。ジャック・ブラックが期待通りの顛末を見せてくれるところも、お約束といえばお約束ですね。大団円とはいきませんが楽しめる作品でした。

 ところで、ロザムンド・パイクなんですが、三枚目な役かと思っていたら意外とシリアス調だったので、『ゴーン・ガール』('14)がちょびっとだけ浮かんでしまいました。いかすぜ、ロザムンド。


 しかし鳥類が700種以上ってどんだけいるんだよ。


(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

【出典】『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2015年11月3日火曜日

映画『ロイヤル・セブンティーン』・・・ 米国ヤンキー娘の突撃で英国貴族がパニックに陥ります

●原題:What a Girl Wants
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス
●上映時間:105min
●製作年:2003年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:デニー・ゴードン
◆出演:アマンダ・バインズ、コリン・ファース、ケリー・プレストン、エイリーン・アトキンス、アンナ・チャンセラー、ジョナサン・プライス、オリバー・ジェームス、クリスティーナ・コール、その他大勢

【ストーリー】
アメリカ。女子高生ダフネは母リビーとの二人暮らし。かつて英国貴族の父ヘンリーと結婚したリビーだったが、ダフネを身ごもった直後に離婚していたのである。ダフネはリビーと向き合うに連れヘンリーへの思いが強くなっていた。ある日のこと、ダフネは一大決心し、ひとり英国に飛び立つのであった・・・。



【感想と雑談】
 レンタル店で何気に手に取った作品ですが、これが当たりでした。異国に乗り込んだ女子高生が、文化の違いに揉まれながらも父親探しに奮闘する展開には、心のガッツポーズもフル全開です。我ながら意味不明です。

 以前にも、同様の米国女子高生の青春もの『ワイルド・ガール』('08)を記事にしました。米国と英国はお互い同じ英語圏なのに、文化と性質に違いがあってとても興味深いです。異国同士なら大抵は楽しめますが、英語の訛りの違いも加わる面白さから、米国と英国の関係がダントツ盛り上がりますね。

 ダフネを演じるアマンダ・バインズの可愛いこと。米国ではケリー・プレストン演じる母親リビーのアシスタントみたいな生活を送っていてパッとしない存在なんだけど、父親に会いたい一心で英国に乗り込んだ以降は、天真爛漫な威力を発揮します。英国からすれば奇行の塊が大爆進。

 名門貴族の父ヘンリーを演じるはコリン・ファース。なんでもこなす実力の英国名優ですね。一気に画面が引き締まります。ダフネの存在に驚き、こっそり米国のリビーに電話すると、事情を察知し、遂に観念するヘンリー。名門の体裁とスキャンダルの間に揺れるナイスガイです。



 ヘンリーには側近というか知恵袋みたいなジジイがいて、自分のバツイチ娘と孫娘を家系に宛てがおうと策略してるの。いずれヘンリーが政界入りしたら甘い汁吸うたろかな腹黒ファミリーで、ダフネが邪魔で仕方がない。英国流儀も相俟った悪の存在であり、米国人ダフネとの対比が凄く鮮明になります。

 貴族の地味なファッションショーに間違って紛れ込んだダフネは、調子こいてステージを闊歩してしまい、英国人を仰天させます。頭を抱えるヘンリー。しかし、英国人はダフネの斬新さに感銘し応援するようになります。ダフネざまあー、とほくそ笑んでいた腹黒ファミリーがざまあーの瞬間です。こういう痛快さがいいですね。

 『ワイルド・ガール』は父親との交流はあるものの女子高生のほぼ独走状態でしたが、本作は異国間の女子高生と父親を対等に描いていて格調の高さも伺えました。貴族でいるより自由に生きたいヘンリーの葛藤が爆発し遂ににハメを外すところや、そんな親だけにダフネと瓜二つの点があるところは、笑いのポイントです。

 意外や製作年が2003年と古いのですね。最近の作品かと思えるくらいの垢抜けさです。若めのコリン・ファースがなかなかのイケメンで、ひとりレザーパンツで踊り狂うところは、『ラブアクチュアリー』('03)のヒュー・グラントを思い出しました。・・・ああ、この作品でもコリン・ファースがいい味出してたっけ。



 ちょっと気になった点は、実在する英国の伝統や文化、性格なんかを利用してコメディの踏み台的な描き方をしているところでしょうか。ハリウッドに一方的にやられている感。しかしまあ、英国にしてみれば自国の堅苦しさを打開したい思いもあるでしょうし、派生国のオープンな米国に見とれる部分もあるのだと思います。エンタテイメントの世界では余計な心配なのかもしれません。

 そういえば、『ラブアクチュアリー』には、英国女に嫌気の差した男が渡米して米国女をはべらすエピソードがありましたね。米国女が英国訛りを楽しむコントが秀逸すぎるし、結構好きだったりします。もっとそういうのやれ英国。

 なんだかんだ、異国同士のドタバタは楽しいし(え)、固定観念やルールが際立つことで新たな発見やヒントも得られるんじゃないか、と思いますね。とにかくアマンダ・バインズとコリン・ファースがいいのでお勧めです。

 と書いておいて、アマンダ・バインズのその後を調べてみたら、本作以上の奇行ぶりに驚いてしまいました。なんだ?マリファナ所持とか、ひとん家に勝手に入って焚き火とか、飼い犬にガソリンをぶっかけたりとか、って。どーしたアマンダ。ダフネの健全さはどこにいった?女優業は終了しているようで非常に残念であります。

 ついでに、ダフネの母親リビーを演じたケリー・プレストンも調べてみたら、「夫のジョン・トラボルタと共演した『バトルフィールド・アース』('00)で、ゴールデンラズベリー賞の「最低助演女優賞」を受賞してしまった」とのこと。やるじゃん。


 英国はかつて洋楽ブームで大変お世話になった国。


(C)2003 Warner Bros. Entertainment Inc. and Gayload Films LLC.

【出典】『ロイヤル・セブンティーン』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2015年10月19日月曜日

映画『ゴーン・ガール』・・・ 謎な夫婦を観た後は、ゲイなミュージカル動画でキメてみます

●原題:Gone Girl
●ジャンル:ドラマ/ミステリー/スリラー
●上映時間:149min
●製作年:2014年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:デビッド・フィンチャー
◆出演:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、テイラー・ペリー、キャリー・コーン、キム・ディケンス、パトリック・フュジット、エミリー・ラタコウスキ、その他大勢

【ストーリー】
アメリカ。今日はニックとエミリー夫婦の結婚5周年の日。しかし気がつけば屋敷は荒らされ、エミリーの姿はこつ然と消えてしまう。早速、ニックのもとに駆けつける警察は誘拐事件として捜査を始めるが、この夫婦には実はある秘密が隠されていた・・・。



【感想と雑談】
 観ました、『ゴーン・ガール』。

 デビッド・フィンチャー監督、相変わらずやってるな、と思いました。この監督の作風は、なんといいますか、とにかくクールでパンクですよね。しかもズッシリしていて見応えもバッチリ。闇を残したままの顛末には考えさせられました。この余韻はいったい。

 妻との謎めいた関係にある夫を演じるのはベン・アフレック。前から胡散臭い印象しかなかった役者ですが、これがなかなかよかったです。コメンタリでは監督も、さりげない演技が旨い役者だと褒めまくり。ただ、一部ベンのワガママによるトラブル発生については一言「プロ意識の欠如」と漏らしていたけど(笑)。なんだ、見直そうと思ってたベン・アフレックは、やっぱし胡散臭い役者に変わりはないってことか。残念だな。

 謎めいたビッチ(あ言っちゃった)な妻を演じるのはロザムンド・パイク。ちょっと日本人好みの顔してませんかね彼女。あまり感情を見せない冷淡なところが実にいい。瞬きしてないような目つきが怖いんですが。ボンドガールとかSFヒロインとか、そんな役でしか見たことなかった女優さんですが、本作でいっきに株が上がりましたね。最近のSFコメディ『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』('13)でサイモン・ペグと組んでたのを思い出します。今後、要注意の女優さんになりました。

 序盤は妻失踪事件のミステリー仕立てで、中盤からは一気にドンデン返ってスリラー仕立てになって、そんである人物がエライことになって、えええとなりました。このえええとなった人物を演じたのがニール・パトリック・ハリスなんですね。

 この役者、私にとっては『スターシップ・トゥルーパーズ』('97)で軍部の若きエリート士官カールなんですが、一般的にはテレビドラマ『天才少年ドギー・ハウザー』の主人公の方が有名みたいです。ちょっと前に観たコメディ『荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜』('14)でも姿を拝見していたので、ここのところ印象付いていました。下の写真のお方です。



 ここから、ニール・パトリック・ハリスのネタが始まります。

 で、『ゴーン・ガール』を観終わって、なんとなくYoutubeでミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』('01)の楽曲パート動画をダラ観してたのです。

 そしたら他の類似サムネイルにニール・パトリック・ハリスの名前が見えました。なんで?!と思って見てみたら、本人がケバい格好で歌い出しました。最近、舞台化した『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』で主役を演じた彼によるたぶん授賞式でのパフォーマンス動画でした。

 ’14年度のミュージカル主演男優賞を取ったんだって。ビックリしました。この時の選曲が「Sugar Daddy」というイカしたナンバーで、映画版の原曲が好きなんですが、このハードにアレンジされた舞台版もなかなかいいです。音がちっさいんだけど。。

 宇宙バグと戦う若き士官であり、西部開拓時代のゲス野郎であり、ロザムンド・パイクにあんなことされる資産家であるという、ニール・パトリック・ハリスのイメージが完璧に木っ端微塵になること請け合いな素敵すぎる動画なので、凄く暇でこちらにたどり着いた方なら観るしかないと思うです。こんな姿でフォーマル軍団に特攻とか、きっと笑えます。

『Neil Patrick Harris - "Sugar Daddy" - from Hedwig』


 いじくられる観客の中に、サミュエル・L・ジャクソンとケビン・ベーコンがいたような(笑)。他の観客は・・・有名な人かな、ちょっとわかりませんでした。

 ちなみに、ニール・パトリック・ハリスは同性愛をカミングアウトしているそうなので、こういうドラッグクイーンな役はすんなり演じられるのでしょうね。


 意外や素敵な発見でした。


(C)2015 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
【出典】『ゴーン・ガール』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2015年7月12日日曜日

映画『カリフォルニア・ドールズ』 ・・・女子プロレスでアメリカンドリームを目指します

●原題:...All the Marbles
●ジャンル:アクション/コメディ/ドラマ/ロマンス/スポーツ
●上映時間:113min
●製作年:1981年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ロバート・アルドリッチ
◆出演:ピーター・フォーク、ヴィッキー・フレデリック、ローレン・ランドン、バート・ヤング、トレイシー・リード、アーサリン・ブライアント、リチャード・ジャッケル、ミミ萩原、ジャンボ堀、その他観客大勢

 いきなり暑いですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?7月も中旬あたりでそろそろ夏休みの準備でしょうか(笑)。
 今回は、古いですが、なかなか侮れないスポーツ作品の紹介です。

【ストーリー】
 アメリカ。美貌の女子プロレスコンビ、カリフォルニア・ドールズのアイリスとモリーは今日もマネージャのハリーと共に安い興行で汗を流していた。上を目指したいのに泣かず飛ばずの二人だったが、ひょんなことからある試合に勝ってしまい、世間の注目を集めることになる。そして、全米人気の一大プロレス興行にも呼ばれるようになり・・・。



【感想と雑談】
 80年代初頭の作品です。散々テレビ放映されてたと思うのですが、当時はこの手のジャンルは興味がなかったのか観た覚えがありません。ロバート・アルドリッチ監督といえば、その他の作品はテレビで何本か見ていましたが、男気溢れる骨太な作風の印象でした。

 本作では女子プロレスを題材にしていますが、監督にかかれば、骨太な世界に変わりはなかったようです。女社会ではあるけども、一般の女性観は排除して、ハードスポーツに生きる女性らを引き気味に痛快に描いてます。マネージャ男との細かな関係があったりしても、いつまでもグズグズせず、どんどん切り捨てていく感じ。

 冒頭、ミミ萩原とジャンボ堀との対戦後に意味深な日本人が現れたりもしますが、当然その場しのぎの単なるイベントです。主人公らの道を阻むライバルや悪徳プロモーターらの本筋となる存在も、ヘタなドラマを生むことなく、一貫しているのが潔い。噂に聞いていた通りの面白さでした。



 さて、女性同士の格闘といえばキャットファイトです。しかも女子プロレスとくれば、究極のキャットファイト です。主人公カリフォルニア・ドールズのアイリスとモリーを演じるヴィッキー・フレデリックとローレン・ランドンによる、ホントに女優なのかと疑わざるを得ない格闘レベルは、まさにキャットファイトの至高ともいえましょう。

 映画的な演出をせず、リングの様子を引き気味に撮っています。まるで観客かテレビの視聴者が淡々と目撃していくような視点になっていて、誤魔化しがありません。観客の声援、マネージャの怒号、レフェリーの行動も含め、ホンモノの女子プロレスの空気になっています。

 全米放映される一大イベントのクライマックス。因縁のライバルチームとの試合を、試合時間の30分とほぼ同じ尺で描いていて、これがまた手に汗握ったりします。それまでの主人公らを巡る様々な要素がいっきに集約されていて、要はイカサマ行為が乱発されるのですが、それがどう決着するのか気になって仕方ないです。



 押され気味のカリフォルニア・ドールズが、一瞬でイカサマ行為とライバルチームをひっくり返すところは、あまりに急転すぎる痛快さで爆笑してしまいました。あれは凄かった(笑)。これがアルドリッチ監督の真骨頂か。心のガッツポーズも発動しまくりです。

 マネージャのハリーを演じるのはピーター・フォークなんですが、刑事コロンボの印象がどうしても強いので(笑)、後先考えない図太いキャラというのは新鮮でした。また、途中トラブルからブチ切れてプロモーターの高級車をバットで破壊するところは、そういう描写の走りなんじゃないかな、とふと思いました。どうなんだろう。

 クライマックスの試合後、因縁のライバルチームがカリフォルニア・ドールズに取る行動には、とても感動しました。あれだけの関係であっても、スポーツの原点に戻って、潔い考えに触れたアルドリッチ監督、ホントにグッドジョブです。

 そういえば、同監督の『ロンゲスト・ヤード』('74)も刑務所の男社会でアメフト試合を痛快にこなす作品でしたが、こちらも最後に看守の囚人に対する敬意がさらりと描かれていて、子供心にも感銘を受けた思い出があります。アルドリッチ監督の遺作となった本作は非常に趣深い作品だと思います。

 そうそう、ソフト化にはなんと昔のテレビ放映時の吹替えも入っています。力いっぱい昭和な(笑)吹替えで鑑賞するのも一興でしょう。


 泥レス試合のオッパイぽろりは究極のオマケ。


(C)1981 by Metro-Goldwyn-mayer Film Co.and SLM Entertainment,Ltd.
【出典】『カリフォルニア・ドールズ』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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2015年2月7日土曜日

映画『ブロンドジャンクション』 ・・・コマンドーの監督が送る、残念な女アサシン VS 爆弾オッパイ

●原題:Betrayal
●ジャンル:アクション/ドラマ/スリラー
●上映時間:94min
●製作年:2003年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マーク・L・レスター
◆出演:エリカ・エレニアック、ジュリー・ドゥページ、アダム・ボールドウィン、ジェレミー・レリエット、ジェームズ・レマー、ダミアン・チャパ、その他大勢

 皆さん、いかがお過ごしでしょうか?まだまだ寒いですね。インフルエンザもそうですが、そろそろ気になってくるのが花粉症です。嫌な季節ですホントに。
 さて、今回は犯罪アクションものを紹介したいと思います。いろいろ問題があって楽しい作品です。

【ストーリー】
 アメリカ。凄腕女アサシンのジェインは、今日も常連の組織から仕事を引き受ける。それは組織の売上金を横領してる下っ端の始末であった。手際よく仕事を済ませたジェインは、あろうことか売上金を持ってトンズラする。裏切られ怒り心頭の組織から逃れる為、ジェインは母エミリーと息子ケリーの親子に一般人を装いヒッチハイクを懇願する。親子は快諾するも、それがジェインとのヤバイ珍道中になろうとは知る由もなかった・・・。



【感想と雑談】
 何気に手を伸ばした作品です。パッケージの粋なポーズのブロンド美女(この時はそう見えました)に惹かれたのは当然ですが、なんと監督が『コマンドー』('85)のマーク・L・レスターで、出演陣にも思い出深い女優がいたりしてビックリ。運命の巡り合わせを感じ、即決しました。配給アルバトロス発掘のDVDスルー作品のようです。

 なにこれB級すぎるし、凄く懐かしい気分。

 始まってすぐ浮かんだのが木曜洋画劇場。展開もそうですが、垢抜けない色合いとスタンダードサイズの画面も相俟って、かつての東京12チャンネルありがとうな気分に浸れました。観る前の淡い期待(どんな)は木っ端微塵ですが、その出来が意外すぎて逆に色んな意味で収穫がありました(笑)。

 冒頭、娼婦を装った女アサシンのジェインが酒場でマフィアを始末するくだりはいい感じです。しかしこのジェイン、黙ってればいいのに汚い言動とクチもとが残念すぎる美人。クールビューティさもない自己陶酔ぎみの女。最初の印象が覆されます。演じるはフランス女優のジュリー・ドゥページ。どんな基準で起用したのか知らんですが、このB級臭さには非常にマッチしてる女優といえましょう。

 ひと仕事終えたジェインのしたり顔を拝むと、突然、砂漠のハイウェイが映されます。誰も歩いておらず何も走っていないハイウェイを15秒くらい映すと、次に角度を変えてまた同じような光景を15秒くらい・・・ということを5、6回繰り返す謎のカット。展開に向けた布石のつもりでしょうか。この辺りでコマンドーの監督にしてはどうなの、と思えると同時に笑いがこみ上げてきます。

 ジェインとは対象的に善良な親子。ママのエイミーを演じるはエリカ・エレニアック。『沈黙の戦艦』('92)をご存知の方は思い出して下さい。ケーキの中から飛び出しトップレスで踊りだすプレイメイト役を。実際プレイメイトでもあった女優です。懐かしいなあ。家賃滞納で困窮するシングルマザー役ですが、未だ健在の爆弾オッパイのせいで、ジェインを食ってしまうほどの存在感。笑えます。


(エリカ(左)の独り勝ち。そしてタイトル通りに交差するブロンド集団です)

 組織の金を奪い逃走中のジェインは、親子が車で同じ目的地に移動することを知るや、慌ててヒッチハイクを懇願します。

 ジェイン 「田舎の妹が危篤なんです。わたし足がなくて(;ω;)」

 同情した親子はジェインを乗せ目的地メキシコに向け出発。すると、ジェインは、タバコふかすは親子を見下し始めるわで、情緒不安定な女にしか見えなくなります。親子が可哀想・・・。

 休憩時、笑えるほどの唐突さで車に轢かれそうになったジェインは、殺気まる出しで、いまの車を追えと親子に迫ります。

 ジェイン 「あのゴキブリ野郎が!!とっちめてやる!!!」
 ママ      「そんな態度は止めて!落ち着きなさいよ!」
 ジェイン 「田舎の妹が・・・(;ω;)」

 急転すぎてアホか。

 モーテルで一泊することになった一行。ママ孝行の息子ケリーは、ジェインの部屋で100万ドル入りのカバンを発見します。夜、寝静まった頃、ケリーはカバンをそっと奪うと、ママの寝顔を見ながら「もうお金のことで苦労はかけないよママ」と置き手紙を残します。そして、ひとりヒッチハイクして自宅に戻ります。おい。

 翌朝、カバンを奪われたことで本性を現したジェインは、ママに拳銃を向けケリーのことを脅迫。やがて、追ってきた組織とコントみたいな銃撃戦に突入します。至近距離でショットガンが一発も当たらないスーパー銃撃戦。なんとか逃れたママは、通りがかった男に助けを求め、自宅に向かうことにします。実はこの男、話のキーとなる存在で、このあと二転三転する展開に拍車をかけます。一応スリラー要素です。


(レスリー・ニールセンのコメディ作品にもこんな銃撃戦がありました)

 一方、自宅に戻った息子ケリー。100万ドル入りのカバンを隠すと、お菓子を取り出し、くつろぎます。そして、スイッチオンしたテレビから、ジェインが指名手配中の殺人犯であることを知るや、

 ケリー 「ママがぁー!!!!(;ω;)」

 再びアホか。”殺人犯とは知らずに金を奪っちゃったんだよママ”、と猛省するケリーですが、オマエそういう問題なのか。最大の謎行動を起こす息子ケリーの顛末は爆笑ものです。

 クライマックスはジェインとママの一騎打ちで締めとなります。当然こうでなくてはいけません。ですが、ジェインも殺しのプロと豪語する割にはヘッポコすぎて、ママとの低レベルで対等なキャットファイトになってしまうのは、全体を包む空気から予想はできていましたが、やはり残念ではありました。

 ジェインのこと酷く書いちゃいましたが、実は可愛いところもあったです。今さらですが(笑)。最後の最後まで木曜洋画劇場だったな、と思わせる作品でありました。

 製作と監督をマーク・L・レスターがやってますが、かすかに片鱗はあるものの、残念ながら『コマンドー』には程遠い出来でした。18年も経って力量がなくなったのか、それとも『コマンドー』自体がジョエル・シルバー製作による奇跡の作品であったのか。どっちでもいいです。


 木曜洋画劇場を復活して欲しい。


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【出典】『ブロンドジャンクション』/パンド

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