2010年9月5日日曜日

映画『ラスト、コーション』 ・・・工作員になって異性を騙すともの凄いダッシュが拝めます

●原題:Lust, Caution(色,戒)
●ジャンル:ドラマ/ロマンス/スリラー/戦争
●上映時間:157min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ/中国/台湾/香港
●言語:中国語/日本語/英語
●カラー:カラー
◆監督:アン・リー
◆出演:トニー・レオン、タン・ウェイ、ジョアン・チェン、
ワン・リーホン、トゥオ・ツォンファ、その他大勢
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 まだまだ暑いです。なので、今回もまたホラーかと思いきや、全然違いました。日中戦争を背景にした人間ドラマです。しかも、大半がロマンス要素です。なんですが、いつもとはベクトル正反対ながらも、インパクトはかなりありました。ということで、変な汗をかくところは今回も一緒かもしれません。

【ストーリー】
 1938年。日中戦争まっただ中の中国から香港に逃れていた女子学生ワンは、あるきっかけで抗日思想を掲げる学生劇団に入団する。団長のクァンは、日本界隈の汪兆銘政権下で抗日家を排除し続ける特務機関員を暗殺しようと目論んでいた。工作員に抜擢されたワンは、富豪夫人に成りすまし、特務機関員のトップであるイーへの接触に成功する。しかし、イーと合体を繰り返すうちに、ワンの心には工作員と敵の関係を越えた感情が芽生えてしまう・・・。


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【感想と雑談】
 久々に観たアジア系の作品です。なんか、あまりに激しい性描写のせいで、各国では厳しい上映制限が設けられたらしいです。まあ、激しい描写とか言ってもポルノではないので、ギリギリセーフで映るはずはないのですが、ここはインパクトを頂き幅を広げ放題、と思い手を伸ばした次第です。

 ところで、このタイトルの意味、てっきり”最後の警告”あたりでOKだと思ってたんですが、全然違いましたね。この”ラスト”は色欲とか色情の意味になるんだそうです。因みに、中国語タイトルは『色,戒』。エロス厳禁でしょうか。それは困ります。しかし、綴りをよく見れば違いはわかりますが、カタカナ表記でラストって書かれたら、やっぱ前者と思い込んでしまいます。まあ、LustでもLastでも、内容からして意味は通じるような気はしますが。

 激しい性描写なんて観るのはいいけど、撮る対象としてはとても難しい部類に入るんじゃないでしょうか。監督は誰なんだ?と思っていたら、これがアン・リーだったのですね。過去にアクションやSFヒーローものも撮ってるので注目の的だったのですが、実は監督に対して恥ずかしい思い出があるのです。その名前の響きからして、普通に女流監督だと思っていたのです。アンですからね、アン。周りに豪語してました。「女流監督がスゲーよ」。そしたら後日に写真で見た姿、コーヒーカップを落としそうになりました。力いっぱいオッサンだったのです。改名して欲しいと思いました。


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(どー見てもオッサンなアン・リー監督です)

 アン・リー監督の作品は観てきた限り、どれも人間性を掘り下げた作風であるなと思います。『グリーン・デスティニー』('00)や『ハルク』('03)なんてアクションファンタジーものも撮ってますが、基本的には人間ドラマ重視の展開をしてますね。『グリーン・デスティニー』は中国の時代劇アクションで、やんちゃなチャン・ツィイーと大人の間を置くチョウ・ユンファとミシェル・ヨーの関係。動と静の対比が素晴らしいです。

 『ハルク』はかったるいと不評を聞きますが、監督自らモーションキャプチャしたハルクの一挙一動には凄く拘りがあって大好きです。『アイスストーム』('97)なんてアメリカの片田舎を描いた作品もありましたが、これには強烈な印象が残っています。一見平和な2つの家庭に嵐のごとくドロドロな異変が起きるという、有名な役者勢揃いも手伝ってのインパクト。究極の人間ドラマです。監督が持つアジア人としての繊細さが、欧米系においても一種独特な作りに結びついてるのかなと思います。

 さて、今回のエロス厳禁ですね。前述の通り、人間性に集中しがちなストーリーから狭苦しいものを想像してましたが、そんなことなかったです。主人公の純真な女子学生が抗日運動に傾倒し工作員として活動していく様をサスペンス交え活発的に描いてましたし、当時の上海の町並みもスケール感満載だったりと、結構エンタテイメント。特務機関員イーが日本軍に関わりある人物というのが、我々日本人からして気になる存在というのもあったと思います。

 ところで、イーの豪邸では、ジョアン・チェン演じるイー夫人が友人らとしょっちゅうマージャンをやってるのですが、これを見て思い出したのが『酔拳2』。『酔拳2』では、アニタ・ムイ演じるジャッキーの母親が同じく友人らとマージャンをしていて、旦那が帰ってくると速攻で整体術をやってるフリをするという、てっきり狙い所なんだと思っていたのです。が、本作を観て夫人同士のマージャン三昧は日常茶飯事であることがわかりました。勉強になりますね。イーが帰宅した瞬間、ジョアン・チェンも慌てふためき大暴走すれば楽しいのですが、残念ながら本作ではそういうイベントは起きません。


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 本作の売りである、特務機関員イーと女子学生工作員ワンの激しい関係。いつ命を狙われてもおかしくないイーはとても用心深く、初めはワンの誘いに簡単には乗ってきません。悶々とする中、突然イーが上海へ転勤することになり、暗殺未遂でガックシの抗日劇団ですが、その数年後に新たな抗日組織のスカウトによって元劇団員らに再びチャンスが訪れます。再度アタックしてきたワンに、イーは遂に大爆発。後先考えずに本能でワンの衣服を引き千切りベッドに押し倒します。

 確かに激しい性描写です。花瓶とか柱で隠すようなことはしません。二人の合体している様子をかなり堂々と捉えていて、ヘアもはっきりと映っていますが、肝心の部分は当然ながら見えません。だたし、影で暗くなってるところもあります。なので、明度を上手く調整すればひょっとすると?!かもしれません(笑)。

 女子学生工作員ワンを演じるのはタン・ウェイ。彼女の華奢な体型からすると、富豪夫人を演じるには幼すぎるんではないかと思えました(でもこの時28歳。見えないって)。その代りではないですが、まだ処女だったワンを工作員にする為に劇団員と愛のない初体験から特訓をする描写がなんともいえない後味を残します。

 貫禄ジョアン・チェンを妖艶な工作員役に持ってきた方がいいんじゃないかとも思いましたが、イーが女房よりはずっと若い女がいいという男の平均的本能を爆発させるあたり、それはそれで自然体でよかったと思います。このジョアン・チェン、『ツインピークス』('90)、『ハンテッド』('95)の頃よりずっと歳を取ってしまいましたが、綺麗な女性に変わりはなかったと思います。一応。


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 特務機関員イーを演じるのはトニー・レオン。香港の俳優といえばよく聞く名前ですね。でも代表作が何なのかよくわかりません。とにかくいぶし銀漂ってます。本作では終始ポーカーフェイスで合体の時だけ激しくグラインドな役ですが、ある場面だけもの凄い全身躍動を見せてくれます。トニー猛ダッシュ。一体どーいうことなのかは、観てのお楽しみです。

 何度も合体していくうちに本心から打ち解けるようになったイーは、ワンにある豪快なプレゼントをします。ワンは手玉に取るようになったイーに暗殺のチャンスが訪れたことを実感しますが、一方で芽生えた感情との葛藤に苦しみだします。このプレゼントのやりとりがワンとイーの最大の見せ場となり、その後はラストに向かって淡々と進んでいくだけとなります。さて、二人にはどんな運命が待っているのでしょうか。

 なんだか激しく合体するだけの作品に思われるかもしれませんが、実際は監督の丁寧な演出が冴え渡る見所満載の作品だと思います。少なくとも損はしないと思います。アン・リー監督は次作として『テイキング ウッドストック』('09)という伝説のウッドストック音楽祭の舞台裏を描いた作品を撮ってるんですね。ここでも一家族に焦点を当てた人間ドラマにしているのだとか。今後は、またアクションとかファンタジーものを撮ってもらいたいですね。


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2010年8月28日土曜日

映画『ブラッド・フィースト 血の祝祭日2』 ・・・殺人ケータリングと夢のランジェリーパーティーです

●原題:Blood Feast 2: All U Can Eat
●ジャンル:ホラー/コメディ
●上映時間:92min
●製作年:2002年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ハーシェル・ゴードン・ルイス
◆出演:ジョン・マッコネル、マーク・マクラクラン、メリッサ・モーガン、トニ・ワイン、J・P・デラウセイ、クリス・マウアー、クリスティ・ブラウン、クリスティーナ・クェンカ、ミシェル・ミラー、クリスティ・ポリト、ジル・ラオ、シンディ・ローバル、ベロニカ・ラッセル、ジョン・ウォーターズ、その他大勢

 気が付いたらもうちょっとで9月なんですね。夏もそろそろ終わりでしょうか。ラッキー。まだまだ暑いですけどね。さて、今回は101本目ということで、調子こいて夢の国製作の犬作品にしようかと思いましたが、止めました。ということで今回も暑い時の必需品、ホラー作品です。スプラッタでもありますが、前回と同様、怖くなるというより、変な汗が流れるだけの珍作品かもしれません。’60年代のスプラッタ元祖の続編になります。

【ストーリー】
 アメリカのある町。料理人のファドは祖父が経営していた店を相続しケータリング(仕出)を始めようとするが、店内に放置されていたエジプトの女神像に取り憑かれ殺人鬼に豹変してしまう。実はかつてエジプト料理を出していた祖父も同じ運命を辿っていたのだ。そうとは知らず、町に来たばかりのランプリー家は、娘の結婚パーティ用にとファドに料理の注文をしてしまう。ウハウハなファドは町の娘を捕らえてはその血肉を使って料理の準備を開始。過去の経緯からも警察はいち早くファドをマークするが、なかなか証拠を掴むことができず、遂に結婚パーティの日を迎えることになってしまう・・・。



【感想と雑談】
 スプラッター作品の第一号と言われる『血の祝祭日』('63)。これを世に出したハーシェル・ゴードン・ルイス監督が、再びメガホンを取り、続編としてパワーアップさせてしまったのが本作です。ひょっとすると猛烈な若年ファンが、やる気ない監督を駆り立てプロデュースし、再びやらかそうとしたのかもしれません。この辺よくわかりませんが、見事に当時のテイスト漲る作品となっています。それにしても何歳なんだよ監督。因みに’03年の東京ファンタ映画祭で上映されたそうです。

 80年代のスプラッタ全盛期に突然リリースされた監督作品には驚愕しまくりでしたが、実際に観てみればこれほどショボい作品はないだろうという感想でした。私が観たのは『血の祝祭日』、『2000人の狂人』('64)、『ゴアゴアガールズ』('72)くらいなんですが、どれもこれも血ノリや動物の内臓を品無くブチ撒け、パーツ化する人体はもろマネキンという、見せ方に洗練の欠片も無く、ストーリーも有るのか無いのかよくわからない作品でした。

 しかし、こういうのを60年代から出したというのは凄いこと。当時はドライブインシアターで大当たりだったとか。タブーなんだけど皆が心底見てみたい要求にバッチリ応える偉業だったんですな。


(なにも知らず料理を注文するランプリー家のザマス。そして夫ダディと娘ティファニー)

 そういうDNAが受け継がれている本作はそれだけでも注目なんですが、これの吹替えを担当したのがまた大問題。あのジェイ・ブイ・ディーなんです。またかよ。相変わらず必殺の吹替でキメまくりです。但し、今回はオリジナルからしてパワー全開なので、いつものアドリブ連射は大人しめ。オリジナルの脱力感を更に煽る訛りと大袈裟な口調で攻めてる感じです。これが何度も観ていくうちに大ハマリ。ハーシェル・ゴードン・ルイス監督とジェイ・ブイ・ディー。最強タッグといえましょう。これも実に見事な作品に昇華しています。

 開始早々、浮浪者二人が店裏で動物の死体を拾い上げます。その時の会話。

 浮浪者1 「毛深いネズミだな、今晩のメシだずぇ」
 浮浪者2 「ネコの毛を剥げ、オレは火を起こす」

 拾い上げた動物どっちだよ。

 この後、店から漏れた赤い光を浴びた二人は、笑いながら首を切り、内臓を引きずり出し、自滅します。そしてオープニングタイトル。イカした主題歌をバックにファドが店に登場。この後、メタボで大食漢のルーミス刑事と関西弁のマイク刑事、そしてランプリー家の恐妻(ザマス)が絡み合い、女の子らが様々な手法で調理されていきます。


(初っ端の犠牲者。左手がえらいことになってますが、この後もっとえらいことに)

 スプラッタ描写については、相変わらず演出で盛り上げようとかせず、人体を切り開きグリグリする様をドアップの固定視点で延々追ってるだけです。スプラッタもある意味爽快感が得られるものですが、ここでのグチャグチャ粘性タップリの様はそんなスプラッタからは随分とかけ離れたものを感じます。長時間見てるとおかしくなりそうですが、うまくギリギリの範囲で収まってる感じです。

 スプラッタも映画手法に上手く乗せて盛り上げるのが常套ですが、この監督は見たいところだけ見せればいいじゃんという単純構造なんですね。元々、映画に対しては金儲けの一つとしか捉えていなかったようで、手法を凝らすことなく投げやり感が溢れています。よく考えれば映画史の始まりも単純な欲望に応えるだけの娯楽だったはず。人間に怖いもの見たさという心理がある以上、そんな監督を無視することはできないと思います。

 本作では、そんな監督センスにギャグを盛り込んだりしてますが、普段の生活背景に得体の知れない要素を配置して笑いを誘うようなことをしています。これが一見「は?」なノリなんですが、とてもシュールな要素もあって、後でジワジワとくる仕掛け。

 例えば、ランプリー家の夫ダディの運命。恐妻ザマスによって事故死するのですが、なんとその後の至る所でダディの死体が横たわっているんです。どこに横たわろうが、全員が普通に跨いだりして石のごとく相手にしません。オブジェと化しラストまでその調子。笑うしかないです。こういうセンスが総合的な破壊力を生んでいてクセになってしまいます。


(これが至高の宴、ランジェリーパーティーです)

 中盤でランプリー家の結婚を祝うランジェリーパーティーが開催されるのですが、恐らく本作のエロス担当になってるのかもしれません。まあ、女の子らが他愛のない会話で盛り上がり、ケーキをパクつくだけのダラダラしたものです。必然性は全く無いのですが、この時の吹替によって大変な見せ場になってしまいました。全員が頭頂部を抜けるような声を出し、しかもあまり会話にもなっていないパーティー。一部抜粋してみましょう。

「ねぇえ、昨日買った新型ブラよ、見て見てぇ」
「凄いステキ、綺麗なオッパイ」
「あらぁー、グラァっときちゃうわ、バッチリよぉ」
「ホントぉ?、でもお尻がおっきく見えない?」
「大丈夫、フレンチカットだからぁ、チョォー足なが効果ありよぉ。アタシのも同じスタイルよぉ」
「アタシのは、すっごく大胆な感じよぉ。大胆でしょぉ?」
「わかんないわぁ、多分ね。カワイイわぁ、どこのお店ぇ?」
「小さなブティックよ、んーふふ、んーふふふ、ふぅーんふぅーん」
「どーかしら?」
「チョォー、チョォー、ステキよぉ、マジカワイイわぁ」

 こんな調子です。

 ただ意外にも、この手にしてはキュートな女の子が勢揃い。お得感満載です。トップレスになった時のオッパイ加減がやたらナチュラルなんですが、これを見てあのピカソトリガー・シリーズが人造人間揃いというのを実感しました。


(オブジェ化した正装ダディを発見。しかし、出席者らには見えない存在のようです)

 女の子の様々なパーツが使われた料理は大好評で、ランプリー家の恐妻ザマスも太鼓判。結婚パーティでは見事な盛り付けで出席者も大満足。そんな出席者の一人である神父を、あの悪趣味の帝王ジョン・ウォーターズが演じています。新郎新婦を祝福した後、男色家らしく出会った男どもを誘いまくります。

 双子の男の子らに至っては、神父「地獄を知ってるかい?私といれば大丈夫だ」、双子「わかったよーん、わかったよーん」。子供なのに何故かオッサン声で吹替パワー炸裂。しかし、いい仕事してますねウォーターズ。サイテー映画で類は友を呼ぶってやつでしょうか。

 何の捻りもない展開なので、ラストは予想通りの結末を迎えます。でもこういう作品にまともなラストを期待してはいけません。殺人鬼ファドや関西弁マイク刑事の運命よりも、このラストにおいて常にメシのことしか頭にない大食漢ルーミス刑事や、オブジェ化したダディの死体に思いを馳せるのが、正しい見方なんだと思います。って、無理やりか。いつものことです。


(双子に話しかける我らがジョン・ウォーターズ神父。画が引き締まりますね)

監督の過去作品も吹替えしたら大化けしそうな予感。観てみたい(笑)。

【出典】『ブラッド・フィースト 血の祝祭日2』/ジェイ・ブイ・ディー

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2010年7月19日月曜日

映画『レモ/第一の挑戦』 ・・・早すぎたマトリックスと自由の女神の改修見学ツアーです

●原題:Remo Williams: The Adventure Begins
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/コメディ/犯罪/スリラー
●上映時間:121min
●製作年:1985年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ガイ・ハミルトン
◆出演:フレッド・ウォード、ジョエル・グレイ、ケイト・マルグレー、ウィルフォード・ブリムリー、チャールズ・シオッフィ、その他大勢

 ほぼ梅雨明けしたようですね。暑いです。夏本番突入ですな。今年は泳ぎに行けるかな?というか泳ぎに行きたいと思うようになれるかな(爆)。できるだけアウトドアを目指したいものです。
さて、今回はまた古くて、知られてるのか知られてないのかイマイチ不明な作品です。でもね、油断するときっとやられる楽しいアクション作品なんですよ。これが。

【ストーリー】
 現代のアメリカ。熱血漢のブサイク警官マキンは犯罪撲滅に忙しい毎日を送っていた。そんなある日、マキンは何者かによってパトカーごと海に落とされてしまう。それは政府公認の秘密組織による偽装事故であった。病院で目覚めたマキンは整形された上にレモと命名され、世の悪を抹消するエージェントに仕立て上げられる。組織のひとり、韓国武術マスタのチュンに弟子入りしたレモは組織に不満を漏らしながらも成長を続け、遂に軍事産業を牛耳る悪徳企業の討伐に向かうことになる・・・。



【感想と雑談】
 これ初めて観た時はビックリしました。どこかヘンテコなんだけど、この気合の入れ具合は一体なに?スゲーぞ!!そして、何度も観ていくうちに「これは大傑作」という評価が確定しました。政府もほんの一部しか認識していない秘密組織が登場し、世にはびこる悪を退治する必殺仕事人な設定なんですが、至る所でのアイデアやユーモア、そして体を張りまくったこれぞアクションな展開が楽しくて仕方ありません。

 元々ブサイク顔の警察官が組織によって整形を施され、主人公の顔になるという設定ですので、演じるフレッド・ウォードにはブサイクメイクを施し、それを取ることで整形後の顔を表現しています。ブサイク、ブサイク煩いんですが、実は本編では短い夜の場面だけなので、その顔をはっきりと拝むことはできません。といいますか、気が付いたらフレッド・ウォードの顔になっていたという具合です。本当に整形したのかよ?と思ったりもしますが、些細なことなのでスルーしてもいいでしょう。

 このフレッド・ウォードは既に中年の領域に入っていて、観ている側は初め不安になります。が、心配は一切不要です。怒涛の展開にそんなことすぐさま吹き飛んでしまうからです。メインの敵となるのは兵器開発を一手に担う悪徳企業。レモは独自に捜査を行なう善良な軍人を裏でサポートしつつ、最終的に社長とその手下を始末することになります。こういう大筋に、とんでもない設定や見せ方が乗っかってくる訳ですが、それまでのアメリカ発でこんな要素が詰め込まれた作品ってあったのでしょうか。



 さっそく組織のボスから、ある要人の暗殺を命じられるレモ。向かった先には小柄のアジア系老人がいました。実はこの老人、組織が雇う韓国武術シナンジュのマスター・チュンであり、レモの適正を試す為に待ち構えていた訳です。そうとは知らないレモは容赦なく攻撃します。ここで衝撃の銃弾避けが披露されます。

 レモがどんなに拳銃を撃ちまくっても、一発もチュンに当てることができません。撃つと同時にチュンは素早い動きで銃弾を避けます。マトリックスなんぞ目じゃないです。やがて間近に迫ったチュンは拳銃を奪うとレモを片手で倒してしまいます。実にエキセントリックです。この二人によるドタバタは、驚きと同時に楽しさ満点です。因みにチュンは”カンフー、空手、忍術は影の存在。韓国シナンジュこそ太陽”とか抜かすのですが、ここはエンタテイメントと割り切って楽しむべきです。

 サイレントアサシンに育てるべく、まずチュンはやたらレモを高所に連れていき、恐怖心を取り除く特訓を行ないます。なんと観覧車を使った特訓です。ここでゴンドラに乗るのはチュンのみ。レモはゴンドラの床下にぶら下がります(笑)。今なら容易にデジタル合成を使うでしょう。でも当時はそんなに技術はありません。光学合成は使えましたがリアリティに欠けます。ということで、レモ演じるフレッド・ウォードをホントにゴンドラ床下にぶら下げてしまいました。ゴンドラが頂上に達する辺りでは、なんと屋根の上に立たせてしまいます。あのー、フレッドさんの背景が普通に絶景になってますけど・・・。大丈夫?



 高所の特訓はこれだけではありません。本作の銃弾避けに続く名場面、自由の女神を使った特訓です。撮影当時がちょうど改修工事の時期だったようですね。女神像をスッポリと覆うように足場が組まれてます。レモはその足場を利用して松明の先端に行き、直立不動の姿勢で高所に佇みます。ここでもフレッドさんの背景は観覧車の時以上に絶景です。

 と、ここで、悪徳企業が放った刺客3人が登場。本作で一番のアクション場面でございましょう。どう見ても特撮ではなく、本当に足場をロケ地として撮影していて、足場にぶら下がったり飛び移ったりします。役者だけでなくスタッフらも非常に危険な状況にあるのではないか、と心配せずにはいられない緊張感が充満しています。ここでも殆どがフレッドさん本人が演じているのですが、凄まじい役者根性ですよね。ハリウッドの撮影は安全面には大変厳しいと聞きますが、それでもあの場所で撮影ってのは誰でも躊躇するんじゃないでしょうか。

 レモが自由の女神を上から下に移動しながら刺客を仕留めていく間、チュンはのんびり海を眺めていたりします。しかし、レモをこっそり背後から狙撃しようとする刺客を見つけるや、颯爽とサイレントアサシンを発動。気が付いたらチュンの足下に刺客が転がっていました。秒殺すぎます。ここでのチュンはカッコよすぎ。



 一通り特訓を終えたレモは、軍の上層部と密談中の社長軍団を仕留める為、山間部にある軍事演習場に向かいます。途中、悪徳企業を捜査中のフレミング少佐やチュンとも合流。その後、乗ったトラックが斜面を転がり落ちるは、演習用の砲撃ターゲットにされるわで、大変な目に合いますが、なんとか社長を追い詰め対峙することに成功します。この時、レモに銃を向ける社長。ここでレモが取る行動とは・・・そうシナンジュ大爆発。チュンの奥義を体得したレモは、果たして社長を仕留めることができるのか?カッコいいぜレモ!ちょっと笑っちゃうけどね(笑)。

 初めは犬猿の仲だったレモとチュンの関係も、やがて親子のような絆で結ばれるようになります。この二人は作品の肝といってもいいでしょう。チュンの謎めいた生活様式に戸惑いながらも順応していくレモ。そんな二人がアパートの厨房で交わす会話は独特のリズムとユーモアがあって楽しいです。チュンを演じるのはジョエル・グレイ。思い切り白人さんなんですが、メイクが結構きまっているので、つい最近まで純粋にアジア人が演じていると思っていました。名前からわかるってのにね(笑;)。

 原作は『デストロイヤー』という人気シリーズ小説とのことですが、映画化は思わせぶりのタイトル付けといて結局これでお仕舞いとなってる模様です。続編かリメイクでもやってくれないかな。今ならネタ不足だろうし、アメコミ映画に便乗して一発出すこと出来るんじゃないかな。第二の挑戦をお願いします(笑)。

 25年も前の作品ですが、未だ衝撃度が衰えることのない傑作です。特に高所のアクションが好きで、ご覧になっていない方は是非どうぞ。あまりレンタルには置かれていない気配ですが、もし見かけられたら手に取ってみて下さい♪

<追記 2010/8/1>
 TSUTAYAで、いつの間にか名作100選みたいな企画やってて、本作が大量に置かれてました。みな半信半疑なのか殆ど手付かずでしたが(笑;)。しかし、前から旧作として置いてあったっけ?どうなんだ?もっと早くアピールすれよな。



(c)1985 Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
【出典】『レモ/第一の挑戦』/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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2010年7月4日日曜日

サッパリ感溢れるデビッド・ボウイがやってしまってます


 7月になってしまいました。まだ梅雨ですが、すっかり暑くなってますね。なので暑気払いに映画ネタを一発・・・といきたいところですが、ここは久々に音楽ネタでいきたいと思います(笑)。

 昔からよく聴いてるデビッド・ボウイなんですが、YouTubeで珍しいライブ動画を見つけてしまいました。好きな曲の上位に入る『Station To Station』なんですが、発表当時の’76年頃のライブを拝めるという嬉しい動画。それまでギトギト(それはそれで魅力大)だったのが、洗い落としたかのようにサッパリ感溢れるキャラになって登場するのにウットリ。

 で、珍しいと思ったのが、このライブでボウイがなんと歌詞を間違えてしまうところ。初めて見ましたよボウイが間違えるところなんて。ハッと気づいて「やってもうた」な顔で笑い出すとこ、なんだかお茶目で可愛いくもあります(笑)。他にも色々とライブ動画を観ておりますが、歌詞間違えるって無かったんじゃないですかね。まあ、抑揚なく歌詞を繰り返すところなんで、結構間違いやすいのかも。例えるならジッタリン・ジンの『プレゼント』をスローにしたような曲。違うか。

 因みにこの曲、2部構成による10分程の大作になっていて、前半は列車が重苦しく走るような様、後半は晴れ渡った中を疾走していくような様を歌い上げてます。この前半から後半に転調するところが気持ち良すぎて堪りません。スタジオ録音の原曲版もいいですが、様々なアレンジの入るライブ版もいいですよね。特に今回のようなハプニングも起きたりするし(笑)。いいぞ!ボウイ!!

『Station To Station』('76年)
 ちょっとボケて残念な動画ですが、3:25からボウイのやっちまったタイム突入です。フレーズを1個飛ばした模様(笑)。しかしカッコ良すぎるよなこの頃のボウイ。映画『地球に落ちてきた男』('75)ではエイリアン役が妖艶すぎて男でもやられる始末。それにしてもこのライブ、コーラスの声でけーよ(笑)。

 動画が埋め込み禁止となりましたので、よろしければコチラのリンクからどうぞ♪
 ⇒ http://youtu.be/JwbxckoDgUA

『Look Back in Anger』('79年)  
 せっかくなんで好きな曲もう1本挙げときますね。’70年代後半のボウイめっちゃカッコええ!と思うんですが、皆さんはどう思われるで しょうか?ただの昔の優男って感じでしょうか。今見ても、もの凄くカリスマ性のある顔付きしてると思うんですよね。瞳孔が左右アンバランスなのもその一因でしょう。線はごっつ細いんですが(笑)。



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2010年6月12日土曜日

映画『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』 ・・・第5弾 薄着の金髪美女とボディビルダーがプロレスバカに戦いを挑んで大奮闘

●原題:Day of the Warrior
●ジャンル:アクション/スリラー
●上映時間:96min
●製作年:1996年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンディ・シダリス
◆出演:ケビン・ライト、クリスチャン・レテリエ、ジュリー・ストレイン、ロドリゴ・オブレゴン、ジュリー・K・スミス、シェア・マークス、マーカス・バグウェル、ジェラルド・オカムラ(爆笑)

 久々の更新なんですが、久々云々よりも『マネキン』記事へのアクセスが急上昇というのにビックリしてます。新作『セックス&ザ・シティ2』でキム・キャトラルの経歴に『マネキン』が紹介されたんでしょうかね。キーワード検索で沢山訪問頂いています。ありがとうございます。ボンクラ派としては『ゴースト・ハンターズ』もキーワードに入れて頂ければなと思っておりますが(笑)。

 さて、今回はあのシリーズ作品の第5弾になります。勿論、こんなエロバカ作品に需要が無いことはわかっておりますが、勝手に使命感を帯びてやってることですので。『セックス&ザ・シティ』で盛り上がってるところ恐縮ですが、投下させて頂きます。わはは。

【ストーリー】
 アメリカのダラス。ある日、諜報機関リーサルのコンピュータから極秘情報が盗まれてしまう。それは犯罪組織に潜入中の捜査官リストであった。リーサルの指揮官ウィローは、犯罪組織の帝王ウォリアーの仕業だと確信し、極秘に捜査官らの救出作戦を決行する。しかし、その作戦内容は全てウォリアーに筒抜けであった・・・。



【感想と雑談】
 「本編スタート」を押すと・・・当然のごとくアンディ・シダリス御大とジュリー・ストレインが元気よく登場します。今回、御大はシェア・マークスという女優をプッシュし、ジュリーも彼女が大親友であることをアピール。また、日本版(!)ビデオのカバーを手に取り、日本向けのアピールにも忙しい御大ですが、一方でジュリーはカバーの前面に出ているのが自分でなくシェア・マークスであることに「オッパイが小さいから端?」とご不満の様子。

 「こんなの間違ってるよ。アメリカでは誰もが平等であるべきだ」と熱くフォローする御大に、さすがだぜアンディ!と思った瞬間、ジュリーが御大の頭をペロンと舐めて本編に突入します。あ、DVDのカバーは平等になってますよジュリー。


(日本版ビデオカバーを紹介する御大と、ちょっと悔しげなジュリー・ストレイン)

 前作『ダラス・コネクション』は大変出来の良い作品でした。それまではペラッペラの印象だったところ厚みが増して二次元から三次元に昇華したような印象です。という訳で、そんなのピカソ・トリガーじゃねぇ!と危惧したのかどうかは不明なんですが、御大は息子ドリューから脚本と監督の座を奪いとってしまいます。御大が返り咲いて吹っ飛ぶネジ数十本。これぞピカソトリガーな作品が帰って参りました。

 御大といえばのピカソ・トリガー節は相変わらず健在ですが、今回は息子ドリューの活躍に影響を受けたのか、脚本や演出に変化球を見ることができました(後で知りましたが、息子ドリューは製作側に回ってるので、ある程度は口出しされてるのでしょう)。ジュリー・ストレインですが、前作での殺し屋ブラック・ウィローから、なんと諜報機関リーサルの指揮官ブラック・ウィロー役に変わってるんです。

 ダラスのオフィスで捜査官タイガーが「大変です!情報が漏れました!」と叫びながらドアを開けると、指揮官ウィローがお出迎え。「予算を削るなんて許さないわ!」とスタッフにそれらしいことを言ってる最中だったのですが、その時の格好が豹柄のビキニ姿。しかもルームランナーの真っ最中。これ以上に説得力のない諜報機関もないだろう、という筋書きになっています。これほどの脱力感を食らわせる変化球も珍しいですよね。とにかく冒頭から笑わせて頂きました。


(上司が夢の露出度。こういう発想をするアメリカってやっぱり自由ですよね)

 その他にも前作から継続しているキャラがいて、捜査官のコブラはそのままで、悪役だったスコーピオンが捜査官になって再登場します。残念なのが、スコーピオン役がウェンディ・ハミルトンでないこと。あのシリーズらしからぬ雰囲気が好きだったのですが、今回は特に印象に残らない金髪の女優さんが演じてました。

 一方のコブラ役はジュリー・K・スミスが続投しています。しかしこの女優さんは相変わらず凄いですね。あれはオッパイというより、2つのボールですね。エロスを超越した何かが待ってます。新登場の捜査官タイガーを演じるシェア・マークスも同じくです。ウィローに捜査の指示を受けるといきなり着替えだすのですが、その時に出現するのがやっぱり特大ボール×2。無駄に溢れるオッパイタイムこそ、飽きさせない工夫を凝らす御大がそこにいます。

 継続キャラとして忘れてならないのがジェラルド・オカムラ演じるフーです(笑)。今回はウィローの部下という善側の役に回ってます。これも変化球ですね。一気にセリフは増えてるし、お笑い担当という位置づけが更にパワーアップしてます。普段はラスベガスでエルビス・フーとしてワンマンショーを抱えてるのですが、あまりにもダサイので観客はウィローと一般のオバサンの2人。また、ウィローの振り向きざまにオッパイビンタを食らってはブッ飛ばされたりと、なかなか笑いのツボを押えた役どころになってます。憎めないですよこの役者さんは(笑)。


(ウィローのオッパイビンタを食らいでんぐり返るフー。運動神経がよすぎるぜ)

 犯罪組織の帝王ウォリアーを演じるのはマーカス・バグウェル。設定では元CIA上がりのプロレスラーなんですが(凄いな)、ホントにプロレスラーまんまの体格してます。やたら捕らえた敵をリングに上げては、ネイティブアメリカンな格好してプロレス技で仕留めていきます。この時のやたら気合を入れる姿がいかにもで、ちょっとオツムの足りなさそうなところも・・・。この人、マジメにプロレスラーの方なんでしょうか。

 アクション要素ですが、相変わらず腰の入ってなさ度はズバ抜けてます。狭い小屋の中で格闘した際、捜査官に殴られた敵は壁を突き破って伸びてしまいますが、その壁が厚さ2ミリのベニヤ板。別に格闘しなくても普通に生活してて十分破れまくるんじゃないかと。

 クライマックスにはウィロー+フーの凸凹コンビVSウォリアーの格闘があるのですが、プロレス演出のごとくウィローのヘナチョコキックで悶絶するウォリアー。これほど違和感のある格闘場面もそうないでしょう。金髪同士のキャットファイトは御大の興味のないところなのかアッサリ風味。じっくり見せてもらいたいところなんですが。まあ、爆笑場面があったので許しますけどね(笑)。


(敵の金髪娼婦と金髪捜査官コブラの一騎打ち。いわゆるキャットファイトの直前です)

 ストーリーを追いやすかった前作に対して、本作ははっきりいってチンプンカンプンです。何度か観直してスジがわかってきました。善と悪の描き分けが中途半端、というかメリハリが全然なくて、しかもバカンス要素が常に前面に出てるような状態なので、なかなか頭の中で話を構築することができません。

 部分的には洗練されてるし見所もあるんですが、やっぱりこのシリーズにストーリーは無いようなもので(一部例外あり)、金髪美女とボディビルダーのエロス+ヘッポコアクションのみを堪能するのが正しい観方なのでしょう。間違いありません。まあ、いつものシリーズ作品に戻ったな、というどこかホッとするところもありますけどね(笑)。


(ウィローとフーのヘッポコ攻撃に、なぜか苦戦する帝王ウォリアー)

 最後にこれも変化球に入るのか、結構印象に残ったアメリカンジョークを紹介します。捜査官タイラーとタイガーがセスナでジャングルの上空を飛ぶ時の会話です。

タイラー「木が多すぎて何も見えないな。見通しのいい西テキサスとは大違いだ」
タイガー「どんなふうに?」
タイラー「犬が家から出て行っても3日間はその姿が見えるんだ」
タイガー「すごいわね」
タイラー&タイガー「ハハハハハハ」


 こういう発想は出てきそうで、なかなか出てこないものですよね。さすがアメリカと唸らせる名ジョーク。勉強になりました(笑)。

 さて、残るはあと1作品です。たぶん同じくアンディ・シダリス御大の脚本・監督作品となるでしょうが、シリーズをどう締めくくってくれるのか楽しみです。期待大でいきますよ(笑)。

 よろしければ他のシリーズ作品もどうぞ。

第1弾:『ピカソ・トリガー  殺しのコードネーム』('88)
第2弾:『ピカソ・トリガー  サベージ・ビーチ』('89)
第3弾:『ピカソ・トリガー  エネミー・ゴールド指令』('93)
第4弾:『ピカソ・トリガー  ダラス・コネクション』('94)
第6弾:『ピカソ・トリガー  リーサル・エンジェルス』('98)


(今回エルビス・フーも参加し和み感溢れるラストを迎えますが、カンパーイ♪でバッサリ暗転というのは変わりありません)

(c) MMII MALIBU BAY FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2010年5月5日水曜日

映画『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』 ・・・アメリカ大統領が女子高生にやられます+衝撃の秋葉原

●原題:Dick
●ジャンル:コメディ/犯罪
●上映時間:94min
●製作年:1999年
●製作国:アメリカ/カナダ/フランス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンドリュー・フレミング
◆出演:キルスティン・ダンスト、ミシェル・ウィリアムズ、
ダン・ヘダヤ、ウィル・フェレル、テリー・ガー、その他大勢
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 どうもです。皆さんお元気でしょうか?今回はキルスティン・ダンストものです。タイトルからしてドーンと名前が入ってます。力入ってますね。これまた古い作品ですが、最後に衝撃のキルスティン+αを用意してますんで、ちょっとでも楽しんでもらえればと思います。

【ストーリー】
 ’72年のアメリカ。女子高生のベッツィーとアーリーンは、社会見学でホワイトハウスに訪問した際、ニクソン大統領から愛犬の散歩係を命じられてしまう。実はこの二人、たまたまウォーターゲート事件の現場に居合わせていたことから、大統領にマークされてしまったのだ。そんなことは露知らず、二人は青春を謳歌しながらもニクソン政権に深く関わっていく。。。


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【感想と雑談】
 ウォーターゲート事件の真相を掴んでいたのは実は二人の女子高生であった、というパラレルワールドな設定を当時のポップでサイケな文化を背景に楽しく描いています。この二人の女子高生ベッツィーとアーリーンを演じるのがキルスティン・ダンストとミシェル・ウィリアムズ。とにかく若い!はっちゃけてます。キルスティン・ダンストは美人でないとよく言われますが、ヨーロッパ系の顔立ちも相俟ってとても魅力ある女優さんだと思います。見事頭がスパークしている女子高生をとても可愛く演じています。

 一方のミシェル・ウィリアムズも見事な女子高生を演じていますが、キルスティンよりもやや落ち着いた設定になっています。実年齢でもミシェルの方がキルスティンより2つ年上なので風格にも現れている感じでしょうか。まあそれでもポッチャリしていて十分可愛いのですが。とにかく、今ではすっかり成長してしまったこの二人を素の女子高生として見られる本作は、実に味わい深いものがあるのです。

 ベッツィーとアーリーンがどのようにして事件に絡むのかというと、もうのっけから事件の舞台ウォーターゲート・ビルにアーリーンが住んでる設定になっていて(笑)、ある晩の出来事から二人の行動がリンクしていく訳です。ある晩の出来事とは勿論、5人の男による民主党オフィスへの侵入。これが即発覚した理由が、1F駐車場ドアにテープが貼られアンロック状態になっているのを警備員が発見したからですが、実はこれをやったのがベッツィーとアーリーン。なんと深夜にアイドル宛のファンレターを投函するのに駐車場をこっそり経由しなければならなかったから(笑)。

 この時、男達の仲間と鉢合わせするも、ただの泥棒と勘違いし一目散で逃げ切る二人は、後日に社会見学で訪問したホワイトハウスで、ニクソン大統領や高官達に完全マークされてしまいます。事件のことを闇に葬りたい大統領は、二人を監視する為に愛犬の散歩係を命じます。超感激の二人は、その後クッキーを焼いては訪問を重ね、犬の散歩に励みます。しかし、毎日のようにホワイトハウスに出入りする二人は、さすがに自分らが何かヤバイことに関わっているのではないかと気付き始めます。


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 結局、二人はワシントン・ポストに事件の真相を暴露し始め、遂には大統領が辞任に追いやられるという、事実通りの展開を迎えてしまいます。この一連の過程で、実際に公表されてきた当時の真相が、二人の行動によって上手くリンクしていくのが面白いです。ドアに貼られたテープ、盗聴テープの削除された18分間、ソ連との核軍縮、ヘリコプターに乗る際のピースサイン、なんてのが全て女子高生レベルの行動に起因していたのです(笑)。

 情報提供元として二人が「ディープスロート」と呼ばれるようになった経緯も傑作でした。また、当時のファッションや音楽をふんだんに取り入れてるのも良かったです。特に二人の衣装がコロコロ変わっていく辺り、可愛くてまるで着せ替え人形を見ているようでした。ラジオ会館な諸氏には堪えられない出来でございましょう(違)。

 ニクソン大統領を演じるのはダン・ヘダヤ。この人、いい顔付きしてますよね。必ず思い出すのが『コマンドー』の悪玉役なんですが、どうせならカリフォルニア州知事と対決すればいいのに、とか思ってしまうのは自分だけだと思います(当時はシュワ知事じゃないので意味無)。ワシントン・ポストの記者を演じるのはウィル・フェレル。もう一人の記者とコンビを組んでるのですが、これが事件を真面目に描いた『大統領の陰謀』('76)で同役を演じたロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンをパロってるのだとか。たしかに容姿や背丈が似ているか?(笑)。

 それと地味ーなところで、アーリーンの母親を演じるテリー・ガー。語呂良すぎる名前ですが、『未知との遭遇』('77)で冴えない主人公の妻役をやってたという、実は思い出深い女優さんです。

 本作は、ニクソン政権やウォーターゲート事件について予備知識のある人ほど楽しめるかと思います。私は正直詳しい方ではなかったので、後で調べてみて「なるほど!(笑)」と思えるところが多々ありました。まあそれでも面白かったし、着せ替え人形キルスティン・ダンストとミシェル・ウィリアムズをダラダラ見るだけでも十分価値のある作品だと思います。


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 さて、盛大な前振りはこのくらいにしておいて、本題に入ることにしましょう (゚д゚;)ぇ?

 ネットを徘徊していて、たまたま見つけた情報なんですが、なんとキルスティンてば、昨年('09)の夏に秋葉原に出現してたのですね!しかもその時の格好が、あるPV向けの撮影だとかで、ごっつハイパー状態。「Akihabara Majokko Princess」ということで、すなわちコスプレ姿なんです。

 秋葉原でアレな格好は珍しくないと思うのですが、彼女の場合体格が欧米系なので妙に浮いちゃってます(笑)。コミック系統の『スパイダーマン』出演繋がりで、いわゆるオタク文化に進出しちゃったのでしょうかね。しかしなんだよ、教えてくれたら会いに行ったのに!(笑) って、今頃知ったのって自分だけ?(汗;

 撮影時の様子を収めた動画ですが、遠巻きに眺めている群衆は彼女がキルスティン・ダンストってこと知ってるのかな。知ってないか。しかしいいなあ。でもまあ、この格好だと面と向かっても本人だと気付かないかもしれませんね。それにしても、あのキルスティン・ダンストが秋葉原でこんな格好してくれるなんて。まあ、ちょっとはオタク文化を理解してくれてるのなら嬉しいですけどね。ちなみにPVの監督、マックGなんだそうです。来てたのか秋葉原に。


『Kirsten Dunst - Turning Japanese』
 秋葉原と魔女っ子キルスティン・ダンスト(笑)の組合せが斬新すぎるPVです。なんだかんだいって最強です。曲もいいのですが、これキルスティン本人が歌ってるんでしょうかね。なんとなく本人でない気もしますが。ああ、ラジオ会館の前で踊っちゃってますな。それにしても、共演してるゾンビーズが羨ましすぎる(笑)。


 キルスティンは2008年にアルコール依存症に陥り入院されたそうですが、現在はよくなってるのでしょうか。なんとか無事に乗り切ってもらいたいものです。

<追記2011/1/10
 この曲、どこかで聴いたよなあと思ってましたが、案の定、映画でもよく流れてたりして、イギリスのバンドThe Vaporsによるオリジナル曲「Turning Japanese」('80)をカバーしたものでした。で、キルスティン本人が歌っているそうです♪しかし、そんなに古い曲だったとは。メロディがイケすぎですが、色褪せない曲とはこういうのを差すんでしょうかね。無数にカバーされているのも頷けます。

【出典】『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』/ジェネオン エンタテインメント

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