2010年7月19日月曜日

映画『レモ/第一の挑戦』 ・・・早すぎたマトリックスと自由の女神の改修見学ツアーです

●原題:Remo Williams: The Adventure Begins
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/コメディ/犯罪/スリラー
●上映時間:121min
●製作年:1985年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ガイ・ハミルトン
◆出演:フレッド・ウォード、ジョエル・グレイ、ケイト・マルグレー、ウィルフォード・ブリムリー、チャールズ・シオッフィ、その他大勢

 ほぼ梅雨明けしたようですね。暑いです。夏本番突入ですな。今年は泳ぎに行けるかな?というか泳ぎに行きたいと思うようになれるかな(爆)。できるだけアウトドアを目指したいものです。
さて、今回はまた古くて、知られてるのか知られてないのかイマイチ不明な作品です。でもね、油断するときっとやられる楽しいアクション作品なんですよ。これが。

【ストーリー】
 現代のアメリカ。熱血漢のブサイク警官マキンは犯罪撲滅に忙しい毎日を送っていた。そんなある日、マキンは何者かによってパトカーごと海に落とされてしまう。それは政府公認の秘密組織による偽装事故であった。病院で目覚めたマキンは整形された上にレモと命名され、世の悪を抹消するエージェントに仕立て上げられる。組織のひとり、韓国武術マスタのチュンに弟子入りしたレモは組織に不満を漏らしながらも成長を続け、遂に軍事産業を牛耳る悪徳企業の討伐に向かうことになる・・・。



【感想と雑談】
 これ初めて観た時はビックリしました。どこかヘンテコなんだけど、この気合の入れ具合は一体なに?スゲーぞ!!そして、何度も観ていくうちに「これは大傑作」という評価が確定しました。政府もほんの一部しか認識していない秘密組織が登場し、世にはびこる悪を退治する必殺仕事人な設定なんですが、至る所でのアイデアやユーモア、そして体を張りまくったこれぞアクションな展開が楽しくて仕方ありません。

 元々ブサイク顔の警察官が組織によって整形を施され、主人公の顔になるという設定ですので、演じるフレッド・ウォードにはブサイクメイクを施し、それを取ることで整形後の顔を表現しています。ブサイク、ブサイク煩いんですが、実は本編では短い夜の場面だけなので、その顔をはっきりと拝むことはできません。といいますか、気が付いたらフレッド・ウォードの顔になっていたという具合です。本当に整形したのかよ?と思ったりもしますが、些細なことなのでスルーしてもいいでしょう。

 このフレッド・ウォードは既に中年の領域に入っていて、観ている側は初め不安になります。が、心配は一切不要です。怒涛の展開にそんなことすぐさま吹き飛んでしまうからです。メインの敵となるのは兵器開発を一手に担う悪徳企業。レモは独自に捜査を行なう善良な軍人を裏でサポートしつつ、最終的に社長とその手下を始末することになります。こういう大筋に、とんでもない設定や見せ方が乗っかってくる訳ですが、それまでのアメリカ発でこんな要素が詰め込まれた作品ってあったのでしょうか。



 さっそく組織のボスから、ある要人の暗殺を命じられるレモ。向かった先には小柄のアジア系老人がいました。実はこの老人、組織が雇う韓国武術シナンジュのマスター・チュンであり、レモの適正を試す為に待ち構えていた訳です。そうとは知らないレモは容赦なく攻撃します。ここで衝撃の銃弾避けが披露されます。

 レモがどんなに拳銃を撃ちまくっても、一発もチュンに当てることができません。撃つと同時にチュンは素早い動きで銃弾を避けます。マトリックスなんぞ目じゃないです。やがて間近に迫ったチュンは拳銃を奪うとレモを片手で倒してしまいます。実にエキセントリックです。この二人によるドタバタは、驚きと同時に楽しさ満点です。因みにチュンは”カンフー、空手、忍術は影の存在。韓国シナンジュこそ太陽”とか抜かすのですが、ここはエンタテイメントと割り切って楽しむべきです。

 サイレントアサシンに育てるべく、まずチュンはやたらレモを高所に連れていき、恐怖心を取り除く特訓を行ないます。なんと観覧車を使った特訓です。ここでゴンドラに乗るのはチュンのみ。レモはゴンドラの床下にぶら下がります(笑)。今なら容易にデジタル合成を使うでしょう。でも当時はそんなに技術はありません。光学合成は使えましたがリアリティに欠けます。ということで、レモ演じるフレッド・ウォードをホントにゴンドラ床下にぶら下げてしまいました。ゴンドラが頂上に達する辺りでは、なんと屋根の上に立たせてしまいます。あのー、フレッドさんの背景が普通に絶景になってますけど・・・。大丈夫?



 高所の特訓はこれだけではありません。本作の銃弾避けに続く名場面、自由の女神を使った特訓です。撮影当時がちょうど改修工事の時期だったようですね。女神像をスッポリと覆うように足場が組まれてます。レモはその足場を利用して松明の先端に行き、直立不動の姿勢で高所に佇みます。ここでもフレッドさんの背景は観覧車の時以上に絶景です。

 と、ここで、悪徳企業が放った刺客3人が登場。本作で一番のアクション場面でございましょう。どう見ても特撮ではなく、本当に足場をロケ地として撮影していて、足場にぶら下がったり飛び移ったりします。役者だけでなくスタッフらも非常に危険な状況にあるのではないか、と心配せずにはいられない緊張感が充満しています。ここでも殆どがフレッドさん本人が演じているのですが、凄まじい役者根性ですよね。ハリウッドの撮影は安全面には大変厳しいと聞きますが、それでもあの場所で撮影ってのは誰でも躊躇するんじゃないでしょうか。

 レモが自由の女神を上から下に移動しながら刺客を仕留めていく間、チュンはのんびり海を眺めていたりします。しかし、レモをこっそり背後から狙撃しようとする刺客を見つけるや、颯爽とサイレントアサシンを発動。気が付いたらチュンの足下に刺客が転がっていました。秒殺すぎます。ここでのチュンはカッコよすぎ。



 一通り特訓を終えたレモは、軍の上層部と密談中の社長軍団を仕留める為、山間部にある軍事演習場に向かいます。途中、悪徳企業を捜査中のフレミング少佐やチュンとも合流。その後、乗ったトラックが斜面を転がり落ちるは、演習用の砲撃ターゲットにされるわで、大変な目に合いますが、なんとか社長を追い詰め対峙することに成功します。この時、レモに銃を向ける社長。ここでレモが取る行動とは・・・そうシナンジュ大爆発。チュンの奥義を体得したレモは、果たして社長を仕留めることができるのか?カッコいいぜレモ!ちょっと笑っちゃうけどね(笑)。

 初めは犬猿の仲だったレモとチュンの関係も、やがて親子のような絆で結ばれるようになります。この二人は作品の肝といってもいいでしょう。チュンの謎めいた生活様式に戸惑いながらも順応していくレモ。そんな二人がアパートの厨房で交わす会話は独特のリズムとユーモアがあって楽しいです。チュンを演じるのはジョエル・グレイ。思い切り白人さんなんですが、メイクが結構きまっているので、つい最近まで純粋にアジア人が演じていると思っていました。名前からわかるってのにね(笑;)。

 原作は『デストロイヤー』という人気シリーズ小説とのことですが、映画化は思わせぶりのタイトル付けといて結局これでお仕舞いとなってる模様です。続編かリメイクでもやってくれないかな。今ならネタ不足だろうし、アメコミ映画に便乗して一発出すこと出来るんじゃないかな。第二の挑戦をお願いします(笑)。

 25年も前の作品ですが、未だ衝撃度が衰えることのない傑作です。特に高所のアクションが好きで、ご覧になっていない方は是非どうぞ。あまりレンタルには置かれていない気配ですが、もし見かけられたら手に取ってみて下さい♪

<追記 2010/8/1>
 TSUTAYAで、いつの間にか名作100選みたいな企画やってて、本作が大量に置かれてました。みな半信半疑なのか殆ど手付かずでしたが(笑;)。しかし、前から旧作として置いてあったっけ?どうなんだ?もっと早くアピールすれよな。



(c)1985 Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
【出典】『レモ/第一の挑戦』/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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2010年7月4日日曜日

サッパリ感溢れるデビッド・ボウイがやってしまってます


 7月になってしまいました。まだ梅雨ですが、すっかり暑くなってますね。なので暑気払いに映画ネタを一発・・・といきたいところですが、ここは久々に音楽ネタでいきたいと思います(笑)。

 昔からよく聴いてるデビッド・ボウイなんですが、YouTubeで珍しいライブ動画を見つけてしまいました。好きな曲の上位に入る『Station To Station』なんですが、発表当時の’76年頃のライブを拝めるという嬉しい動画。それまでギトギト(それはそれで魅力大)だったのが、洗い落としたかのようにサッパリ感溢れるキャラになって登場するのにウットリ。

 で、珍しいと思ったのが、このライブでボウイがなんと歌詞を間違えてしまうところ。初めて見ましたよボウイが間違えるところなんて。ハッと気づいて「やってもうた」な顔で笑い出すとこ、なんだかお茶目で可愛いくもあります(笑)。他にも色々とライブ動画を観ておりますが、歌詞間違えるって無かったんじゃないですかね。まあ、抑揚なく歌詞を繰り返すところなんで、結構間違いやすいのかも。例えるならジッタリン・ジンの『プレゼント』をスローにしたような曲。違うか。

 因みにこの曲、2部構成による10分程の大作になっていて、前半は列車が重苦しく走るような様、後半は晴れ渡った中を疾走していくような様を歌い上げてます。この前半から後半に転調するところが気持ち良すぎて堪りません。スタジオ録音の原曲版もいいですが、様々なアレンジの入るライブ版もいいですよね。特に今回のようなハプニングも起きたりするし(笑)。いいぞ!ボウイ!!

『Station To Station』('76年)
 ちょっとボケて残念な動画ですが、3:25からボウイのやっちまったタイム突入です。フレーズを1個飛ばした模様(笑)。しかしカッコ良すぎるよなこの頃のボウイ。映画『地球に落ちてきた男』('75)ではエイリアン役が妖艶すぎて男でもやられる始末。それにしてもこのライブ、コーラスの声でけーよ(笑)。

 動画が埋め込み禁止となりましたので、よろしければコチラのリンクからどうぞ♪
 ⇒ http://youtu.be/JwbxckoDgUA

『Look Back in Anger』('79年)  
 せっかくなんで好きな曲もう1本挙げときますね。’70年代後半のボウイめっちゃカッコええ!と思うんですが、皆さんはどう思われるで しょうか?ただの昔の優男って感じでしょうか。今見ても、もの凄くカリスマ性のある顔付きしてると思うんですよね。瞳孔が左右アンバランスなのもその一因でしょう。線はごっつ細いんですが(笑)。



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2010年6月12日土曜日

映画『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』 ・・・第5弾 薄着の金髪美女とボディビルダーがプロレスバカに戦いを挑んで大奮闘

●原題:Day of the Warrior
●ジャンル:アクション/スリラー
●上映時間:96min
●製作年:1996年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンディ・シダリス
◆出演:ケビン・ライト、クリスチャン・レテリエ、ジュリー・ストレイン、ロドリゴ・オブレゴン、ジュリー・K・スミス、シェア・マークス、マーカス・バグウェル、ジェラルド・オカムラ(爆笑)

 久々の更新なんですが、久々云々よりも『マネキン』記事へのアクセスが急上昇というのにビックリしてます。新作『セックス&ザ・シティ2』でキム・キャトラルの経歴に『マネキン』が紹介されたんでしょうかね。キーワード検索で沢山訪問頂いています。ありがとうございます。ボンクラ派としては『ゴースト・ハンターズ』もキーワードに入れて頂ければなと思っておりますが(笑)。

 さて、今回はあのシリーズ作品の第5弾になります。勿論、こんなエロバカ作品に需要が無いことはわかっておりますが、勝手に使命感を帯びてやってることですので。『セックス&ザ・シティ』で盛り上がってるところ恐縮ですが、投下させて頂きます。わはは。

【ストーリー】
 アメリカのダラス。ある日、諜報機関リーサルのコンピュータから極秘情報が盗まれてしまう。それは犯罪組織に潜入中の捜査官リストであった。リーサルの指揮官ウィローは、犯罪組織の帝王ウォリアーの仕業だと確信し、極秘に捜査官らの救出作戦を決行する。しかし、その作戦内容は全てウォリアーに筒抜けであった・・・。



【感想と雑談】
 「本編スタート」を押すと・・・当然のごとくアンディ・シダリス御大とジュリー・ストレインが元気よく登場します。今回、御大はシェア・マークスという女優をプッシュし、ジュリーも彼女が大親友であることをアピール。また、日本版(!)ビデオのカバーを手に取り、日本向けのアピールにも忙しい御大ですが、一方でジュリーはカバーの前面に出ているのが自分でなくシェア・マークスであることに「オッパイが小さいから端?」とご不満の様子。

 「こんなの間違ってるよ。アメリカでは誰もが平等であるべきだ」と熱くフォローする御大に、さすがだぜアンディ!と思った瞬間、ジュリーが御大の頭をペロンと舐めて本編に突入します。あ、DVDのカバーは平等になってますよジュリー。


(日本版ビデオカバーを紹介する御大と、ちょっと悔しげなジュリー・ストレイン)

 前作『ダラス・コネクション』は大変出来の良い作品でした。それまではペラッペラの印象だったところ厚みが増して二次元から三次元に昇華したような印象です。という訳で、そんなのピカソ・トリガーじゃねぇ!と危惧したのかどうかは不明なんですが、御大は息子ドリューから脚本と監督の座を奪いとってしまいます。御大が返り咲いて吹っ飛ぶネジ数十本。これぞピカソトリガーな作品が帰って参りました。

 御大といえばのピカソ・トリガー節は相変わらず健在ですが、今回は息子ドリューの活躍に影響を受けたのか、脚本や演出に変化球を見ることができました(後で知りましたが、息子ドリューは製作側に回ってるので、ある程度は口出しされてるのでしょう)。ジュリー・ストレインですが、前作での殺し屋ブラック・ウィローから、なんと諜報機関リーサルの指揮官ブラック・ウィロー役に変わってるんです。

 ダラスのオフィスで捜査官タイガーが「大変です!情報が漏れました!」と叫びながらドアを開けると、指揮官ウィローがお出迎え。「予算を削るなんて許さないわ!」とスタッフにそれらしいことを言ってる最中だったのですが、その時の格好が豹柄のビキニ姿。しかもルームランナーの真っ最中。これ以上に説得力のない諜報機関もないだろう、という筋書きになっています。これほどの脱力感を食らわせる変化球も珍しいですよね。とにかく冒頭から笑わせて頂きました。


(上司が夢の露出度。こういう発想をするアメリカってやっぱり自由ですよね)

 その他にも前作から継続しているキャラがいて、捜査官のコブラはそのままで、悪役だったスコーピオンが捜査官になって再登場します。残念なのが、スコーピオン役がウェンディ・ハミルトンでないこと。あのシリーズらしからぬ雰囲気が好きだったのですが、今回は特に印象に残らない金髪の女優さんが演じてました。

 一方のコブラ役はジュリー・K・スミスが続投しています。しかしこの女優さんは相変わらず凄いですね。あれはオッパイというより、2つのボールですね。エロスを超越した何かが待ってます。新登場の捜査官タイガーを演じるシェア・マークスも同じくです。ウィローに捜査の指示を受けるといきなり着替えだすのですが、その時に出現するのがやっぱり特大ボール×2。無駄に溢れるオッパイタイムこそ、飽きさせない工夫を凝らす御大がそこにいます。

 継続キャラとして忘れてならないのがジェラルド・オカムラ演じるフーです(笑)。今回はウィローの部下という善側の役に回ってます。これも変化球ですね。一気にセリフは増えてるし、お笑い担当という位置づけが更にパワーアップしてます。普段はラスベガスでエルビス・フーとしてワンマンショーを抱えてるのですが、あまりにもダサイので観客はウィローと一般のオバサンの2人。また、ウィローの振り向きざまにオッパイビンタを食らってはブッ飛ばされたりと、なかなか笑いのツボを押えた役どころになってます。憎めないですよこの役者さんは(笑)。


(ウィローのオッパイビンタを食らいでんぐり返るフー。運動神経がよすぎるぜ)

 犯罪組織の帝王ウォリアーを演じるのはマーカス・バグウェル。設定では元CIA上がりのプロレスラーなんですが(凄いな)、ホントにプロレスラーまんまの体格してます。やたら捕らえた敵をリングに上げては、ネイティブアメリカンな格好してプロレス技で仕留めていきます。この時のやたら気合を入れる姿がいかにもで、ちょっとオツムの足りなさそうなところも・・・。この人、マジメにプロレスラーの方なんでしょうか。

 アクション要素ですが、相変わらず腰の入ってなさ度はズバ抜けてます。狭い小屋の中で格闘した際、捜査官に殴られた敵は壁を突き破って伸びてしまいますが、その壁が厚さ2ミリのベニヤ板。別に格闘しなくても普通に生活してて十分破れまくるんじゃないかと。

 クライマックスにはウィロー+フーの凸凹コンビVSウォリアーの格闘があるのですが、プロレス演出のごとくウィローのヘナチョコキックで悶絶するウォリアー。これほど違和感のある格闘場面もそうないでしょう。金髪同士のキャットファイトは御大の興味のないところなのかアッサリ風味。じっくり見せてもらいたいところなんですが。まあ、爆笑場面があったので許しますけどね(笑)。


(敵の金髪娼婦と金髪捜査官コブラの一騎打ち。いわゆるキャットファイトの直前です)

 ストーリーを追いやすかった前作に対して、本作ははっきりいってチンプンカンプンです。何度か観直してスジがわかってきました。善と悪の描き分けが中途半端、というかメリハリが全然なくて、しかもバカンス要素が常に前面に出てるような状態なので、なかなか頭の中で話を構築することができません。

 部分的には洗練されてるし見所もあるんですが、やっぱりこのシリーズにストーリーは無いようなもので(一部例外あり)、金髪美女とボディビルダーのエロス+ヘッポコアクションのみを堪能するのが正しい観方なのでしょう。間違いありません。まあ、いつものシリーズ作品に戻ったな、というどこかホッとするところもありますけどね(笑)。


(ウィローとフーのヘッポコ攻撃に、なぜか苦戦する帝王ウォリアー)

 最後にこれも変化球に入るのか、結構印象に残ったアメリカンジョークを紹介します。捜査官タイラーとタイガーがセスナでジャングルの上空を飛ぶ時の会話です。

タイラー「木が多すぎて何も見えないな。見通しのいい西テキサスとは大違いだ」
タイガー「どんなふうに?」
タイラー「犬が家から出て行っても3日間はその姿が見えるんだ」
タイガー「すごいわね」
タイラー&タイガー「ハハハハハハ」


 こういう発想は出てきそうで、なかなか出てこないものですよね。さすがアメリカと唸らせる名ジョーク。勉強になりました(笑)。

 さて、残るはあと1作品です。たぶん同じくアンディ・シダリス御大の脚本・監督作品となるでしょうが、シリーズをどう締めくくってくれるのか楽しみです。期待大でいきますよ(笑)。

 よろしければ他のシリーズ作品もどうぞ。

第1弾:『ピカソ・トリガー  殺しのコードネーム』('88)
第2弾:『ピカソ・トリガー  サベージ・ビーチ』('89)
第3弾:『ピカソ・トリガー  エネミー・ゴールド指令』('93)
第4弾:『ピカソ・トリガー  ダラス・コネクション』('94)
第6弾:『ピカソ・トリガー  リーサル・エンジェルス』('98)


(今回エルビス・フーも参加し和み感溢れるラストを迎えますが、カンパーイ♪でバッサリ暗転というのは変わりありません)

(c) MMII MALIBU BAY FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2010年5月5日水曜日

映画『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』 ・・・アメリカ大統領が女子高生にやられます+衝撃の秋葉原

●原題:Dick
●ジャンル:コメディ/犯罪
●上映時間:94min
●製作年:1999年
●製作国:アメリカ/カナダ/フランス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンドリュー・フレミング
◆出演:キルスティン・ダンスト、ミシェル・ウィリアムズ、
ダン・ヘダヤ、ウィル・フェレル、テリー・ガー、その他大勢
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 どうもです。皆さんお元気でしょうか?今回はキルスティン・ダンストものです。タイトルからしてドーンと名前が入ってます。力入ってますね。これまた古い作品ですが、最後に衝撃のキルスティン+αを用意してますんで、ちょっとでも楽しんでもらえればと思います。

【ストーリー】
 ’72年のアメリカ。女子高生のベッツィーとアーリーンは、社会見学でホワイトハウスに訪問した際、ニクソン大統領から愛犬の散歩係を命じられてしまう。実はこの二人、たまたまウォーターゲート事件の現場に居合わせていたことから、大統領にマークされてしまったのだ。そんなことは露知らず、二人は青春を謳歌しながらもニクソン政権に深く関わっていく。。。


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【感想と雑談】
 ウォーターゲート事件の真相を掴んでいたのは実は二人の女子高生であった、というパラレルワールドな設定を当時のポップでサイケな文化を背景に楽しく描いています。この二人の女子高生ベッツィーとアーリーンを演じるのがキルスティン・ダンストとミシェル・ウィリアムズ。とにかく若い!はっちゃけてます。キルスティン・ダンストは美人でないとよく言われますが、ヨーロッパ系の顔立ちも相俟ってとても魅力ある女優さんだと思います。見事頭がスパークしている女子高生をとても可愛く演じています。

 一方のミシェル・ウィリアムズも見事な女子高生を演じていますが、キルスティンよりもやや落ち着いた設定になっています。実年齢でもミシェルの方がキルスティンより2つ年上なので風格にも現れている感じでしょうか。まあそれでもポッチャリしていて十分可愛いのですが。とにかく、今ではすっかり成長してしまったこの二人を素の女子高生として見られる本作は、実に味わい深いものがあるのです。

 ベッツィーとアーリーンがどのようにして事件に絡むのかというと、もうのっけから事件の舞台ウォーターゲート・ビルにアーリーンが住んでる設定になっていて(笑)、ある晩の出来事から二人の行動がリンクしていく訳です。ある晩の出来事とは勿論、5人の男による民主党オフィスへの侵入。これが即発覚した理由が、1F駐車場ドアにテープが貼られアンロック状態になっているのを警備員が発見したからですが、実はこれをやったのがベッツィーとアーリーン。なんと深夜にアイドル宛のファンレターを投函するのに駐車場をこっそり経由しなければならなかったから(笑)。

 この時、男達の仲間と鉢合わせするも、ただの泥棒と勘違いし一目散で逃げ切る二人は、後日に社会見学で訪問したホワイトハウスで、ニクソン大統領や高官達に完全マークされてしまいます。事件のことを闇に葬りたい大統領は、二人を監視する為に愛犬の散歩係を命じます。超感激の二人は、その後クッキーを焼いては訪問を重ね、犬の散歩に励みます。しかし、毎日のようにホワイトハウスに出入りする二人は、さすがに自分らが何かヤバイことに関わっているのではないかと気付き始めます。


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 結局、二人はワシントン・ポストに事件の真相を暴露し始め、遂には大統領が辞任に追いやられるという、事実通りの展開を迎えてしまいます。この一連の過程で、実際に公表されてきた当時の真相が、二人の行動によって上手くリンクしていくのが面白いです。ドアに貼られたテープ、盗聴テープの削除された18分間、ソ連との核軍縮、ヘリコプターに乗る際のピースサイン、なんてのが全て女子高生レベルの行動に起因していたのです(笑)。

 情報提供元として二人が「ディープスロート」と呼ばれるようになった経緯も傑作でした。また、当時のファッションや音楽をふんだんに取り入れてるのも良かったです。特に二人の衣装がコロコロ変わっていく辺り、可愛くてまるで着せ替え人形を見ているようでした。ラジオ会館な諸氏には堪えられない出来でございましょう(違)。

 ニクソン大統領を演じるのはダン・ヘダヤ。この人、いい顔付きしてますよね。必ず思い出すのが『コマンドー』の悪玉役なんですが、どうせならカリフォルニア州知事と対決すればいいのに、とか思ってしまうのは自分だけだと思います(当時はシュワ知事じゃないので意味無)。ワシントン・ポストの記者を演じるのはウィル・フェレル。もう一人の記者とコンビを組んでるのですが、これが事件を真面目に描いた『大統領の陰謀』('76)で同役を演じたロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンをパロってるのだとか。たしかに容姿や背丈が似ているか?(笑)。

 それと地味ーなところで、アーリーンの母親を演じるテリー・ガー。語呂良すぎる名前ですが、『未知との遭遇』('77)で冴えない主人公の妻役をやってたという、実は思い出深い女優さんです。

 本作は、ニクソン政権やウォーターゲート事件について予備知識のある人ほど楽しめるかと思います。私は正直詳しい方ではなかったので、後で調べてみて「なるほど!(笑)」と思えるところが多々ありました。まあそれでも面白かったし、着せ替え人形キルスティン・ダンストとミシェル・ウィリアムズをダラダラ見るだけでも十分価値のある作品だと思います。


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 さて、盛大な前振りはこのくらいにしておいて、本題に入ることにしましょう (゚д゚;)ぇ?

 ネットを徘徊していて、たまたま見つけた情報なんですが、なんとキルスティンてば、昨年('09)の夏に秋葉原に出現してたのですね!しかもその時の格好が、あるPV向けの撮影だとかで、ごっつハイパー状態。「Akihabara Majokko Princess」ということで、すなわちコスプレ姿なんです。

 秋葉原でアレな格好は珍しくないと思うのですが、彼女の場合体格が欧米系なので妙に浮いちゃってます(笑)。コミック系統の『スパイダーマン』出演繋がりで、いわゆるオタク文化に進出しちゃったのでしょうかね。しかしなんだよ、教えてくれたら会いに行ったのに!(笑) って、今頃知ったのって自分だけ?(汗;

 撮影時の様子を収めた動画ですが、遠巻きに眺めている群衆は彼女がキルスティン・ダンストってこと知ってるのかな。知ってないか。しかしいいなあ。でもまあ、この格好だと面と向かっても本人だと気付かないかもしれませんね。それにしても、あのキルスティン・ダンストが秋葉原でこんな格好してくれるなんて。まあ、ちょっとはオタク文化を理解してくれてるのなら嬉しいですけどね。ちなみにPVの監督、マックGなんだそうです。来てたのか秋葉原に。


『Kirsten Dunst - Turning Japanese』
 秋葉原と魔女っ子キルスティン・ダンスト(笑)の組合せが斬新すぎるPVです。なんだかんだいって最強です。曲もいいのですが、これキルスティン本人が歌ってるんでしょうかね。なんとなく本人でない気もしますが。ああ、ラジオ会館の前で踊っちゃってますな。それにしても、共演してるゾンビーズが羨ましすぎる(笑)。


 キルスティンは2008年にアルコール依存症に陥り入院されたそうですが、現在はよくなってるのでしょうか。なんとか無事に乗り切ってもらいたいものです。

<追記2011/1/10
 この曲、どこかで聴いたよなあと思ってましたが、案の定、映画でもよく流れてたりして、イギリスのバンドThe Vaporsによるオリジナル曲「Turning Japanese」('80)をカバーしたものでした。で、キルスティン本人が歌っているそうです♪しかし、そんなに古い曲だったとは。メロディがイケすぎですが、色褪せない曲とはこういうのを差すんでしょうかね。無数にカバーされているのも頷けます。

【出典】『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』/ジェネオン エンタテインメント

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2010年4月18日日曜日

映画『少女の髪どめ』 ・・・イランからのちょっといいお話だそうです

●原題:Baran
●ジャンル:ドラマ/ロマンス
●上映時間:94min
●製作年:2001年
●製作国:イラン
●言語:ダリー語/ペルシャ語
●カラー:カラー
◆監督:マジッド・マジディ
◆出演:ホセイン・アベディニ、モハマド・アミル・ナジ、ザーラ・バーラミ、アバス・ラヒミ、ゴラム・アリ・バクシ、その他大勢

 ここのところ、しょーもない作品続きでしたが、今回はちょっといい感じだと思います。珍しく中東アジアの作品ですが、普段のアホアホ記事を浄化してくれるでしょうか(笑;)。

【ストーリー】
 イランの工事現場。住み込みで給仕係として働いていた青年ラティフは、最近やってきたアフガニスタン難民の少年ラーマトに仕事を奪われ面白くなかった。更にラーマトは調理の腕がバツグンで現場に大人気というのが腹立たしい。ラティフはラーマトにプチ嫌がらせをする。ある日のこと、どこからか優しい鼻歌が聞こえてくるので、気になったラティフが辿ってみるとそこは給湯室。そっと覗いてみれば、そこには長い髪をとく少女の姿が。なんとラーマトであった。彼女は少年を装っていたのだ。ラティフは衝撃を覚えるもその日を境にラーマトを守ってやりたい思いが日に日に強まっていく。やがて当局に追われ現場から離れてしまうラーマトに、ラティフはいてもたってもいられなくなり・・・。



【感想と雑談】
 レンタル屋でふと目に止まった1本。監督が『運動靴と赤い金魚』のマジッド・マジディというのを知り「あ・・・」と思いました。『運動靴と赤い金魚』はだいぶ前にテレビの深夜帯で録画したものの、観る前にビデオテープが行方不明になってしまった(笑;)苦い経験があるんです。今回は珍しくイランの作品ですが、そういう経緯や何かビビビとくるものがあったので、ひとつ観ることにしました。

 世界情勢上イランは何かと耳にしている国でしたが、映画製作については殆ど予備知識がなく、いったいどんな作品なんだろうと思ってました。いやはや、これはやられました。別にアクションとかSFとか、そんな楽しければいい要素はこれっぽっちもないんですよ。イスラム圏内もあって馴染みのない空気に満たされていますが、根底にあるのは純粋な人間愛。愛といってもラブストーリーとかカタカナ表記で済ませるようなチョロイものではありません。舞台はアフガニスタン難民を不法と知りながらも雇い入れるイランの工事現場。金銭や異性のことで頭いっぱいの青年ラティフは、懸命に働く難民少女にショックを受け、「何とか救ってやりたい。でもどうすればいいのか」という人生初の悩みを抱えることになります。

 何百万人もの難民が必死になって生活している現実そのものを背景としているので、そう易々と万事解決な展開にはなりません。ひょんなことからバラン(ラーマトは偽名)を一人の少女として意識付いてしまい、複雑な思いでいっぱいになるラティフは、とにかく職場でのトラブルから彼女を守ろうとします。彼女に罵声を浴びせる作業員にラティフは食ってかかり、作業員が積み上げたレンガをキックで破壊したりします。もっとやれと思ってしまいます。が、ラティフは決して彼女の正体をバラすようなことはしません。バラせば彼女の境遇に悪影響を与えること必至だからです。かといって直接、彼女に何かをできる訳ではない。悶々としながらも彼女を見守り続けるラティフですが、気が付けばそれまでの浮つきがなくなって落ち着きが見え始めます。



 工事現場を離れたバランを難民コミュニティーで見つけても、ラティフは直接手助けもできずただ遠くから見守るだけ。極寒の中、川の激流から石を運ぶ過酷な仕事はバランだけでなく多くの難民女性らが担っています。青春真っ盛りのラティフとしては、彼女に淡い恋心を抱いたりもしたでしょうが、それを告白して何になるという残酷な現実が取り巻いています。

 ここでトドメの一撃を食らったラティフは、遂にある行動に移ります。それは自らの生活環境をも犠牲にする一大決心。イスラム教には困った者を救済する「喜捨(ザカート)」という教義があるそうです。そこまでやるんかと思ったりしますが、救済のレベルは別にしてこういう行為は人間として大事なことではあります。

 こう書くとなんだか観ていて辛くなるだけのようですが、実は淡々としながらもどこか優しい空気に包まれた作品であります。青年ラティフを演じるホセイン・アベニティが若かりし頃のフレディ・マーキュリーを思わせるという個人的楽しみもありました(笑)。しかし、あちらの男性陣は顔つきが濃いですな。女性陣はというと・・・バランくらいしか出てこないのですが、彼女を演じるザーラ・バーラミはハッとするくらいに可憐な少女。東アジア系に近い顔立ちです。

 また、その他で注目なのが現場監督のメマール。強面でいつも怒鳴り散らしていますが、ラティフの父親代わりにもなっていて、実はとても情に厚い監督さんです。イラン人を恥じるほどに難民のことを考えているし、バランの件を隠しながら相談事をぶつけてくるラティフには親身になって応えたりします。演じるモハマド・アミル・ナジはもの凄く濃い顔立ちなんですが(笑;)、とても味のある役者さんです。



 イラン映画ということで、手法としてはどうか?なんですが、これが意外やストーリーと双璧を成す程の出来。とてもしっかり撮られています。感心したのが、バランが少年ラーマトとして初登場するシーン。仲間と一緒に工事現場の建物を1階から3階まで上る様を1カットで収めています。建物は工事中の中途半端な状態なので、クレーン備え付けのカメラが吹き抜けから丸見えの各階を連続して捉えていきます。

 この長回しの中、多くの作業員らが働いているのですが、これが我々日本人からするととても違和感のあるシーンにもなってます。それは安全衛生。なんと各階と吹き抜けの間には何もない状態なのに作業員は誰一人命綱を装備していないのです。踏み外せば即転落の環境。実はバランがやってきたのも、元々働いていた父親が転落事故によって負傷したからなんですが、これが本当にイランの作業環境であるとすれば大変なこと。国の考え方もあるでしょうが、とにかく安全第一でいって欲しいと願うしかありません。

 ラストで遂に向かい合う二人。ここでバランが取る行動がちょっと意外でした。しかし、ラティフの思いなど知る由もなかったろうし、知ったとしてもそれが彼女の精一杯の愛情表現だったのかもしれません。この後の、ブルカ(イスラム女性が被るフード)越しに見つめるバランの瞳と、ラティフの満足げな微笑みが、実に印象的でした。マジッド・マジディ監督のメッセージにある「世界が戦争ではなく、愛によって支配される日を夢みよう」。無責任に声を上げて言うつもりはありませんが、思いやりの心だけは忘れないようにしたいです。

 ここまで読んで頂いて興味を覚えられた方には、ぜひ観て欲しいと思います。とてもいい作品だと思います。



【出典】『少女の髪どめ』/日本ヘラルド映画

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2010年4月4日日曜日

映画『ピカソ・トリガー ダラス・コネクション』 ・・・第4弾 薄着の金髪美女とボディビルダーがコンピュータチップを巡って大活躍

●原題:The Dallas Connection
●ジャンル:アクション/犯罪
●上映時間:94min
●製作年:1994年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ドリュー・シダリス
◆出演:ブルース・ペンホール、マーク・バリエール、ジュリー・ストレイン、ロドリゴ・オブレゴン、ジュリー・K・スミス、ウェンディ・ハミルトン、ジェラルド・オカムラ(笑)、その他大勢

 他に観る作品あるだろ?と思われること必至の今回(毎度ですか)。需要皆無のシリーズ作品がまたやって参りました。誰も読まないと分かっていても書かずにいられないこの使命感(笑)。以下に投下します。

【ストーリー】
 アメリカは南部のダラス。国際的な武器廃絶組織IWAR本部では、人工衛星上で地上探査システムを稼動させる計画を立てていた。このシステムは地中に隠された兵器類を容易に発見できるもので、主な目的はテロリスト活動の抑制だ。システムを開発した4名の科学者は3日後の稼動に向け、4つに分けた方程式をそれぞれコンピュータ・チップに記録し、IWAR本部に送付する。しかしその直後、3名の科学者が何者かによって殺害されてしまう。全員が殺害されればシステムの稼動は不可能となる。事態を重くみた連邦捜査局は、ダラス入りした残りの科学者アントニオ・モラレスの護衛に移るのであった。それが陰謀の始まりであることも知らずに・・・。



【感想と雑談】
 タイトル画面で[再生]をクリック。賢明な方ならもうお分かりでしょう。当たってます。

 「ハイ!アンディ・シダリスだ」

 本編の前に今日もアンディ・シダリス御大が豪勢な自宅(職場?)からご挨拶。そして来るか来るかと構えていると、やっぱりナイスボデーの女優ジュリー・ストレインが登場。もの凄い顔つきで世界中を威嚇・・・じゃなく圧倒するその存在感。

 そんな彼女にオッパイ攻撃を受けようとも、御大はお構いなしに作品の宣伝用パンフを見せびらかします。これがなんと日本向けに作られた日本語のパンフ。実は他のシリーズ作でも同様にアピールしてるんですが、ひょっとするとこの映像特典って日本向けなのかもしれません。ちょっと嬉しくなりました。

 この強制的なオープニングの宣伝は数分で終わってしまうのですが、この続きは映像特典からタップリと拝むことができます。ここでちょっと延長してみましょう。「ギャラリー」から[アンディ&ジュリー]という項目をポチッとしてみます。

 「ハイ!!ジュリー!!!」

 うわ、ビックリした。オープニングと同じシチュエーションで御大がいきなり叫びながら登場。ジュリーは既にスタンバってます。ここでは他の出演女優がジュリーの親友だとかプレイメイトだとか、シリーズのDVDボックスをプッシュしたりとか、更に具体的な宣伝が行なわれます。御大、歳の割りに実に精力的です。

 そしてこの後、あろうことかジュリーの妹リジー・ストレインが登場。まだ幼い体型ながらも、姉に続けとばかりにイケイケな個性をアピール。この姉にしてこの妹あり。御大が「いい体してっけど、リジーも脱ぐのかい?」とか言うと、ジュリーは「まだ幼いからダメ。アタシが代わりに脱ぐわ」と大迫力のオッパイをぶちまけます。こんなストレイン姉妹に挟まれた御大は実に幸せそうです。こういう職場っていいですよね。


(左が妹リジー、右が姉ジュリー。そして姉妹に挟まれ絶好調のアンディ・シダリス御大)

 さて、「どの作品も一緒に見える」がウリのはずのピカソトリガー・シリーズですが、今回は随分と違った印象を受ける作品となってます。なんていうんでしょうか、一言でいうと「映画してる」でしょうか(笑)。これは良かったです。無駄に溢れる裸体に爆発なんかは変わりないのですが、どこか一本スジが通っていて、メリハリを感じる出来になってるんですね。

 脚本・監督を前作「~エネミーゴールド指令」と同じく、御大の息子ドリュー・シダリスが担当しています。前作では御大のノリと大して変わらんなぁと思ってましたが、今回は「何があった?!」と思えるくらいの変化。メリハリのある演出、そしてミステリー風味の展開。

 開始早々、美女3人の殺し屋が華麗な手口で科学者を殺害します。

 フランスではベッドで科学者を非常に気持ちよく昇天させるブラック・ウィロウ(ジュリー・ストレイン笑)。
 南アフリカでは車中の科学者をラジコン爆弾で吹っ飛ばすコブラ(ジュリー・K・スミス)。
 中国ではゴルプ三昧の科学者をボール爆弾で木っ端微塵にするスコーピオン(ウェンディ・ハミルトン)。

 長身で女王様風味のブラック・ウィロウや、小柄ながら物凄いサイズのコブラも大変素晴らしいのですが、ここでは黒髪スレンダーなスコーピオンに軍配が上がりましょう。彼女は中国人のスケベ科学者と一緒にゴルフをするのですが、その時の格好がビキニ姿。斬新すぎるゴルフです。しかしまあ、ピカソトリガーらしくない華やかさといいますか、非常に垢抜けた印象を受ける女優さんです。皆さんも注目しましょう。あ、これもう16年前の作品になるんだ。今現在はどうなってるんだスコーピオン。


(無駄にエロくゴルフをするスコーピオン。健康的ではあります)

 なかなか掴みはOKなオープニングですが、その後も先に述べたようにメリハリある展開が続きます。いつものように連邦捜査官メンバーらは好き勝手にバカンスしていますが、ボスに呼ばれオフィスに集結すると空気がガラリと変わります。殆どがスーツ姿。一部カジュアルなヤツもいますがビキニやタンクトップ姿ではありません。

 これまでもスーツ姿は出てきてはいたのですが、作風からしてただの暑苦しい存在にしかすぎませんでした。今回はスーツ姿が普通に見えるくらいにピリリとした空気が漂ってるんです。中身のボデーがウズウズしているように見えなくもないのですが、なかなか感心できる場面であります。

 ボスと捜査官らはダラス空港まで科学者アントニオを迎えに行きます。このアントニオを演じるのはシリーズのお抱え俳優ロドリゴ・オブレゴン。彼もシリーズの顔になってます。前作での悪党サンチアゴ役のバタ臭さから一転して、ヒゲを剃り落としオメメぱっちりな優男顔に思わず笑ってしまいますが、これも本作を一味違うものにしている一要素となってる訳です。身辺警護に当たる女性捜査官の裸体を妄想するなど、まあ彼ならではの「ああ、やっぱり」な展開が後に待ってるんですが(笑)。

 犯罪組織の一風変わった殺し屋フーを演じるのはジェラルド・オカムラ。名前からして日系の俳優ですね。なかなか憎めない風貌のオッサンなんですが、皆さんどこかで目にされてると思いますよ。ジュリー・ストレインと並ぶと凸凹コンビになるので自動的にお笑い担当にもなってます。第2作目『~サベージ・ビーチ』で東洋人の殺し屋を演じたアル・レオンと同じ系列ですね。怪しいカンフー技で強いのか弱いのかイマイチ不明という(笑)。


(奥の殺し屋フーが放った銃弾が手前で着弾)

 シリーズ特有のマッチョ捜査官×2が、接近してきた殺し屋コブラとスコーピオンの罠にはまり、預かってたコンピュータチップをまんまと奪われてしまいます。その罠というのが、非常に情けないもので、鼻の下を伸ばした瞬間に電撃攻撃を食らったり毒を盛られたりと。何やってんだよと思いたいところですが、この色気とマッチョ野郎のヘッポコ具合こそシリーズの売りでもあるのでヨシとしなければなりません。

 ヘッポコといえば、先の殺し屋フーがトレーニング中のマッチョ捜査官に襲いかかります。その体格と年齢差からマッチョ捜査官が勝者になりそうですが、それで効いてるのかというヘッポコパンチでフーが勝者となります。こういうリアリティのなさもシリーズの醍醐味なんですね。

 後半になると、殺し屋一行とある人物の関係が明らかとなり、捜査官らが一網打尽にすべく総攻撃を開始します。恒例のマグナム大型拳銃に今回は自動小銃M16も加わり、男のメタファ全開となります。ここでの銃撃戦なんですが、これまた今までなかったような演出が冴えていて、えらく感心してしまいました。

 捜査官と殺し屋が森の中で撃ち合いするのですが、一つの画面に双方を配置して奥行きある構図で見せてくれるのです。奥から射出された弾丸が手前の樹木に着弾する様。カット割りを使わずに全体を見渡せる画作りって大変だと思うのですが、これをちゃんとやってくれてるんです。こういう銃撃戦は大好きです。結構、画作りがしっかりしていると思います。

 シリーズ5大要素にある「ジープを爆発させる」ですが、今回はちゃんと車が大爆発します。ボートの爆発も実際は爆薬だけ爆破したカットにすり替えているものの結構な迫力。ひょっとするとシリーズ中、もっとも費用がかかってるかもしれません。バカンス要素については、前作に続きダラスが舞台なんですが、シリアス気味のせいかあまり感じることはありませんでした。しかもなんと雨のシーンもあったりで、こういうのを「雨降って地固まる」って言うんですね(違)。


(手前のコブラによって奥のボートが大爆発)

 その他、空砲のマシンガンやラジコン爆弾を使った伏線なんかも今まで感じなかった「映画してる」要素になってます。ラストもフォーマルでシックな雰囲気でカンパーイ!そして暗転。シリーズは全て同じ印象・・・のはずでしたが、今回はやたら予想を裏切る出来になっていました。

 結構見応えある作品だと思います。監督のドリュー・シダリスは父親になかったカラーを出そうとしたに違いありません。5大要素の盛り込みを守りつつ、映画度と洗練度をアップさせている。女優のオッパイも形が良すぎる。素晴らしいじゃないですか。

 と、なんだかベタ褒めの感想になってしまいましたが、これはあくまでもシリーズ内の相対的な評価であって、決して誰が観ても楽しめる作品という訳ではありませんので(爆)。

 今回でシリーズ4作目となります。やっと折り返しました。残るはあと2作品。どんな出来が待ってるのでしょうか。乞うご期待です。最後まで付き合って下さる方いますか?わはは。

 よろしければ他のシリーズ作品もどうぞ。

 第1弾:『ピカソ・トリガー 殺しのコードネーム』('88)
 第2弾:『ピカソ・トリガー サベージ・ビーチ』('89)
 第3弾:『ピカソ・トリガー エネミー・ゴールド指令』('93)
 第5弾:『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』('96)
 第6弾:『ピカソ・トリガー リーサル・エンジェルス』('98)


(フォーマルですが、やっぱりカンパーイ♪でその後バッサリ暗転)

© MMII MALIBU BAY FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ピカソ・トリガー ダラス・コネクション』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2010年3月10日水曜日

映画『モンスター・オブ・ザ・デッド/ビキニビーチの惨劇』 ・・・ナマズ怪獣が本気を出すそうです

●原題:Monster from Bikini Beach
●ジャンル:ホラー/スリラー
●上映時間:95min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ダーリン・ウッド
◆出演:ステファン・バーゴ、ゲーリン・ハワード、ステファン・ヒデゥン、ルイセル・ハンソン、アダム・サーク、その他大勢(ビキニ数十名)

 今回は久々の「~・オブ・ザ・デッド」ものです。ご多分に漏れず非常にヘッポコなんですが、それはオリジナル部分に限ってのことで、実は配給会社がとんでもないものを仕込んだ当たりクジみたいな作品です。

【ストーリー】
 アメリカのどこぞの町カマロビル。夜の川辺でカップルが遊んでいると、突然川から巨大ナマズが出現。男をなぎ倒し、女を川に引きずり込む。翌朝、カップルの変死体が発見されるや、地元カメラマンのアーチーとTVレポーターのラクエルが速攻で現場にやってくる。アーチーは昔から伝わる巨大生物の存在を訴えるがラクエルは相手にしない。その一方、地元の悪徳刑事サミーは麻薬組織からブツを巻上げようと躍起になっていた。成功したら嫌気のさしたカマロビルを去るつもりだ。ある日、サミーが目を付けていた麻薬組織のメンバが惨殺される。現場には巨大な足跡が残っていた。そこに駆け付けたアーチーとラクエルから巨大生物の話を持ちかけられるもサミーは聞く耳を持たない。そうこうしているうちにカマロビルでは若い女性で賑わうゴーゴーダンス大会が開催されようとしていた・・・。



【感想と雑談】
 「~・オブ・ザ・デッド」シリーズのタイトルも、散々ネタ出尽くしたかと思ってましたが、まだまだあるんですね。このタイトルに惹かれたのはいうまでもないのですが、手にしたパッケージの裏面を見た瞬間、衝撃が走りました。日本語吹替についてなんですが、実はこれ2種類入ってて、そのうちの一つがなんと「モンスターしゃべっちゃう」版。モンスターがしゃべるのかよ・・・。これについては後ほど語ることにして、まずはどんな作品なのかを紹介してみましょう。

 開始早々、夜の川辺でカップルが遊んでいます。ビキニ姿で踊る彼女と嬉しそうに酒を飲む彼氏。この踊る彼女ですが、いきなり尻のアップで登場するので、その飛ばし方から大体そういう作品であることがわかります。タイトルにビキニビーチってあるくらいですから。やがて我慢できなくなった彼氏は彼女の尻をムギュウーとします。すると、川から巨大ナマズが出現。

 デカい頭に人間サイズのボディを持つナマズ怪獣。ハリボテ全開です。サスペンスの定石がはなから木っ端微塵で、開始数分でその姿を現します。巨大なカギ爪で引っぱたかれた彼氏は安っぽい内臓をドバー、ビキニを剥ぎ取られた彼女はオッパイをドーン。お約束です。そして悲鳴を上げながら画面から消えていく彼女。この女優、残念ながら本作で一番可愛いかったりします。一応掴みはOKでございましょう。

 実はもの凄くチープで粗めの映像なんですが(ビデオ撮りかな)、この後のオープニングタイトルが正直カッコいいんですよ。緑色に揺らめく水面をバックに青く照らされたビキニ姿の女性が踊るだけという、シンプルながらも007のタイトルっぽさも感じさせるセンスなんです。ここで凄い作品なんじゃないかと思えてくるのですが、本編に戻ると冒頭のチープな映像に戻ってしまうので、ああやっぱりーとズッこけてしまいます。


(吹替えではカッパと呼ばれるアーチーと、TVレポーターのラクエル)

 変死体が発見されるや速攻で現場に登場する、主人公の地元カメラマンのアーチーとTVレポーターのラクエル。このアーチー、髪型が凄いです。アメリカ人にこんなヤツいるんかと思えるくらいにインパクト大。ラクエルはもうちとお肌の手入れをされた方がヨロシイんじゃないかという残念な美人さんです。でもサービスタイムのシャワーシーンで全裸になってくれるのでヨシとします。

 この2人とは対照的に裏で暗躍する刑事サミー。足が本当に悪いらしい初老の役者が演じてます。怪獣エピソードに全然絡まずオープンカーを運転しては、一人ナレーションでブツブツ喋ってるだけ。ヘッポコな作風からするとやたら重厚な演技をカマしてるので非常に浮いてしまってます。いったい脚本にどんだけ幅を持たせようとしているのか。結局、アーチーとラクエルに合流し怪獣と対決することになりますが。

 カマロビルは昔は広大な沼地だったらしく、そこに生息していたナマズが何故か巨大化。川辺周辺に出現しては人を襲うだけの存在となった模様です。やたら女性好きらしく、ゴーゴーダンス大会のビキニ女性らを最終ターゲットにします。特殊メイクや造型もチープでいい加減なんですが、展開や演出具合からすると味わい深いものがあります。クライマックスの大暴れシーンでは1カットだけCGによる首チョンパがあって、ここだけ豪勢にするのはどーかと思いました。ラストは刑事サミーの機転(というか暴走行為)で一応ハッピーエンドを迎えますが、溜飲はこれっぽっちも下がることはありません。オリジナル音声ではね。

 一通り観終わってから、再びタイトル画面にゴー。
 そして、お待ちかねの吹替え「モンスターしゃべっちゃう」版にチェンジ!!

 初っ端から豪快な吹替えが始まります。オリジナルでは一切会話のなかった川辺のカップルがしゃべりまくります。出オチに近いです。アドリブでしょうか。2人は一切クチを動かしてないというのにこの情報量。ここだけでも通常の吹替え版と同じなんですから、モンスターがしゃべりだすと一体どうなるのか。ほどなくナマズ怪獣が出現しました。

 凄いです。色々しゃべってきます関西弁で。なんかボヤきに近いです(笑)。捕らえた彼女を引きずり画面から消える際には「はい、フレームアウトー」とか言ってます。この「モンスターしゃべっちゃう」版は通常吹替えにモンスター吹替えを追加したものですが、既に通常吹替えからして暴走しまくってて、普通しゃべらないオブジェまでもガンガンしゃべったりします。トーテムポールとか。最初、誰の吹替えやってんだよと思ってしまいました(笑)。


(アーチーにラクエル、そして友人たち。とにかく残念な一行です)

 ナマズ怪獣は出現する度にしょーもない台詞を大連発。川辺にいるアーチーとその友人の目の前に出現し「M字開脚しろや、ほれぇー」と放つと、殴られでんぐり返った友人はズーズー弁で「うぁー、M字開脚ぅ」と返します。その後、暴れまくるナマズ怪獣から友人に再びカットが戻ると、まだでんぐり返ったままで「M字開脚ぅ」と繰り返します。怪獣も怪獣ですが友人も友人。下らなさすぎるだろ(笑)!!

 この「モンスターしゃべっちゃう」版が本作の吹替えマックス値になっていて、全ての配役が色々と大暴走してます。オリジナルの展開は最低限保った状態で、声優さんが出演者らの容姿のことやその場で思い付いたようなことをベラベラしゃべりまくる感じですね。最後の最後までそんな調子。これはもうオリジナルとは別次元の作品へと昇華しています。大変素晴らしいです。

 こんな作品に惹かれるのって、幼少の頃から楽しんでいたギャグ映画とかアニメ番組の影響でしょうかね。特に「怪獣王ターガン」というアメリカ産アニメの吹替え。あまりのメチャクチャさにこれ絶対にアドリブだよなと思いながら観ていたものです(笑)。配給会社のJVDはメチャクチャな吹替えでは定評があるそうで、今回もだいぶカマしてくれたようです。そういえば初期に記事にしていた『マシーン・オブ・ザ・デッド』もJVD発でした。これも相当メチャクチャな吹替えで、本作を観ていてなんか似てるなーと思っていたら配給元が一緒だった訳です。納得。他の配給作品も観たくなってきました。

 そういえば今年2010年のアカデミー賞が発表されましたね。そんなメインストリームからかけ離れた本作ではありますが、逆にアカデミー賞作品なんかでは味わえない魅力全開な作品なんだと思います。が、やっぱし無理がありますか。


(一応、ゴーゴーダンス大会が惨劇に見舞われます)

 しかし、ビーチ、ビーチいう割には川辺しか出てこなかった気がする。川辺も砂浜があればビーチって呼ぶんでしたっけ? 

『Beach Girls And The Monster (1965) - Trailer』 ひょっとして、これのリメイクなんか?!
(C)2008 TFO Productions All Rights Reserved 【出典】『モンスター・オブ・ザ・デッド/ビキニビーチの惨劇』/ジェィ・ブイ・ディー にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへブログパーツ