2015年8月15日土曜日

映画『ゴーストライダー』 ・・・炎に包まれたガイコツ戦士がバイクに乗って暴れます

●原題:Ghost Rider
●ジャンル:アクション/ファンタジー/スリラー
●上映時間:114min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ/オーストラリア
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マーク・スティーブン・ジョンソン
◆出演:ニコラス・ケイジ、エバ・メンデス、ウェス・ベントリー、マット・ロング、ラクエル・アレッシ、ドナル・ローグ、ピーター・フォンダ、その他大勢

 8月も中旬を迎えました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
 まだまだ暑い毎日ですので、暑気払いにひとつゴースト系の作品はいかがでしょうか?

【ストーリー】
 アメリカ。父と共にバイクの曲芸乗りを天職とするジョニーは、父が不治の病に侵されてることを知り途方に暮れてしまう。ある日のこと、メフィストなる男が現れ、ジョニーに父の病を治したければ悪魔と契約しろと言う。半信半疑のジョニーは契約書にサインをしてしまい・・・。



【感想と雑談】
 あまり気にしていなかった作品ですが、そのタイトルといい、その飛ばしていそうな雰囲気といい、これは暑い夏の暑気払いになるのでは、と思い今更ながら手を伸ばした次第です。

 原作はMARVELコミックスなんですね。流行りのVFX技術が原作のイメージを忠実に再現できるようになって、アメコミ映画化も本格的に盛り上がりを見せてきた頃でしょうか。

 で、本作はバカ映画になりますかね。神様や悪魔が実在する大前提だと、何でもありの世界になってしまいますが、昨今はそんな中にも人間ドラマに比重を置くような作品が多く、見応えがあったりします。

 しかし、この『ゴーストライダー』はなんていうのか、やっぱりバカ映画だと思います。なんといってもニコラス・ケイジですからね。同じく主演の悪魔教とカーアクションが合体した『ドライブ・アングリー』('11)を思い出します。あれもバカ映画と呼びました。

 冒頭、ライダー親子によるサーカスの曲芸が披露されると、ほどなくして父が末期ガンであることを知ったイケメン息子ジョニーが、悪魔メフィスト(演じるはピーター・フォンダ!)と契約を結んでしまいます。翌朝、ガンが完治した父は曲芸のバイクで事故って昇天。コントのようです。

 十数年経ち、ニコラス・ケイジに成長しきったジョニーは、全米大人気のバイク芸人になりますが、自宅ではテレビを見ては「ハハハ・・・ハハハハ!・・・」と豪快なカス笑いをします。ナヨッちい男子ほど無敵ヒーローに変身するところにカタルシスがありますが、それをニコラス・ケイジがやるってのは、どうなのかなと思いました。



 突然、魔界から降り立ったメフィストの息子ブラックハートが、無敵のパワーを得るために、ある書物を探し始めます。邪魔する人間をミイラ化させたりして、やたら物騒なブラックハートですが、顔(メイク)が大袈裟すぎてコントのようです。

 息子の暴走を止めたいメフィストに契約のことを持ちだされ、遂にジョニーはガイコツ戦士ゴーストライダーに変身。父の形見のハーレーダビッドソンと共に、炎に包まれながら悪との対決に挑みます。革のスーツで身を包んでいますが、燃えてるのは頭と手先だけです。

 颯爽と町中を突っ走るゴーストライダーですが、走りながら爆炎を撒き散らすので、商店街はメチャクチャになってしまいます。凄い迷惑、というか大事件です。炎に包まれ過ぎて、暑気払いどころか余計に暑くなってしまいました。

 また、青年時代に恋人だったロクサーヌが登場し、再度ジョニーといい仲になるのですが、この現在のロクサーヌを演じるのがエヴァ・メンデスなんです。彼女、セクシー過ぎで肉食的なところが、これまた暑苦しい。美人さんなんだけどな(笑)。これ、夏じゃなくて冬に観るべきだったか。

 そんな暑苦しい設定に囲まれたジョニーはジョニーで、90m超えのバイク大ジャンプをキメると、車で移動中のロクサーヌに無理やり追い付きデートの約束を取り付けます。そして、渋滞を食らったドライバー連中は嬉しそうに、大スターのジョニーを取り囲みます。

 ドライバー 「ジョニーさん!妹にサインをくれませんか!」
 ジョニー 「ああいいとも、90mを超えたんだよ、ハハハ」
 ドライバー 「ありがとうございます!」
 ジョニー 「我ながら90mだなんて凄いこ(フェードアウト)」

 大スターを発見したときの群衆と、それに対するジョニーの脱力で優しい対応が、ちょっといい感じです。とてもホノボノとした場面になっています。



 もっと暴力的な内容かと思っていましたが、そんなことありませんでした。そもそもゴーストライダーが活躍する様よりも、可愛い髪型したニコラス・ケイジと暑苦しいエヴァ・メンデスの存在がインパクトあるくらいでした。

 ゴーストライダーの活躍で感心できたのは、ビルの屋上から散らしたコンクリートの塊を、下の群衆に落ちないように鎖ではじき飛ばすところ。地獄の使者なる扱いであっても、ヒーローである以上は、無意味に危害を加えないってことですね。細かい演出でした。しかしバイクで破壊してきた商店街は。

 ホラーでないにしても、存分にスカッとさせてくれることで暑気払いにでもなれば、と思った本作ですが、期待は外れました。ニコラス・ケイジが登場した辺りから推して知るべしでしたね(笑)。

 燃えるガイコツ戦士は人間とは絡みにくそうなので、ドラマもそう深くは形成できないかもしれません。昨今の流行りとは違ったポジションのアメコミ作品だな、と思いました。続編が出てますので、いずれ観みてみたいです。バカ方面に昇華していることに期待します(笑)。


 またひとつニコラス・ケイジの勉強ができました。


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【出典】『ゴーストライダー』/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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