2014年11月23日日曜日

映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』 ・・・スーパーソルジャー同士が実弾&肉弾戦で一騎討ち

●原題:Captain America: The Winter Soldier
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/SF/スリラー
●上映時間:136min
●製作年:2014年
●製作国:アメリカ
●言語:英語語
●カラー:カラー
◆監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
◆出演:クリス・エバンス、サミュエル L・ジャクソン、スカーレット・ヨハンソン、ロバート・レッドフォード、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、コビー・スマルダース、フランク・グリオ、エミリー・バンキャンプ、トビー・ジョーンズ、ジェニー・アガター、マキシミリアーノ・ゴンザレス、その他大勢

 すっかり寒くなってますね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?3連休はどこかへお出かけですかな。今回はかなりメジャーな作品です。大ハマリしたので、いつもの体裁を変えてみました。

【ストーリー】
 アメリカ。第二次大戦中にスーパーソルジャー化し、ドイツ軍のオカルト集団ヒドラとの戦闘で勝利を収めた後、現代に甦ったキャプテン・アメリカことロジャース。生活様式に戸惑いながらも、ニック・フューリー率いる組織シールドの一員として多忙な毎日を送っていた。フューリーはシールドが提唱する世界平和を目的とするインサイト計画に疑惑を感じ内密に調査を行うが、その過程で暗殺者ウィンター・ソルジャーに襲撃され命を落としてしまう。シールド上層部はフューリーの行動がインサイト計画を陥れるものだったとし、直属の部下であるロジャースを追跡しだす。窮地に追い込まれたロジャースは、仲間のナターシャとファルコンと共に、真の敵を暴くため行動を起こすが・・・。



【感想と雑談】
 前作の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』('11)がちょっとイマイチの印象だったので敬遠していましたが、ブラック・ウィドウが出とるし(笑)ひょっとして・・・な思いで手を伸ばしました。

 なんだこれは、素晴らしすぎる。

 スーパーヒーローが荒唐無稽な存在であるのに変わりはないのですが、それを取り巻く要素を限り無く実社会ベースで描いているのですね。目線が安定しているし、地に足が着くどころか、首辺りまでぶっすり突き刺さっています。

 半端ないスケール感でありながら、政治策略と近代戦略、そして近代戦術の様が丁寧に描かれていて、空想と現実が違和感なく同居しているし、表裏入り乱れるドラマ性で上質なサスペンス・スリラーとして成り立っているのが実にいい。この漲る緊張感よ。

 特筆したいのがアクション面なんですが、オカルト的な能力、超常現象、ビーム系の兵器なんぞは登場せず、あくまでも近代的な戦術を基本とする描写のキレのよさ。監督アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟の手腕はとにかく見事です。

 ロジャースもウィンター・ソルジャーも尋常でない能力を飛び道具や素手を通して発揮し、ナターシャやファルコンがサポートを務め、また組織や戦闘集団らが対等に参戦し暗躍するところも、世界観に幅を効かせているところです。

 あ!我らがスカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウことナターシャのことだけで盛り上るはずだったのに、それだけでは全然収まらない勢いになってしまいました(笑)。今回、紅三点なところもあって、他のシールドの女性エージェント2名の活躍ぶりも高得点。参りました。

 個人的に従来のスーパーヒーローものではお目にかかれなかった感動のシーン(演出)をいくつか挙げてみたいと思います。

<ハイジャックされたシールド船舶>
 船舶のコンピュータ室でテロリストから爆弾を放たれた直後、咄嗟にロジャースがナターシャを抱えてジャンプするところ。なんとナターシャは飛び込む先のガラス窓を瞬時にハンドガンで打ち抜くのです。サブリミナル効果のごとくナターシャの性能アピール。


<ビル街で襲撃を受けるニック・フューリー>
 車輌の強化ボディを打ち抜くのに、丸太(破城槌というそうです)のマシンを持ち出すところ。安易に重火器に頼るだけでなく、専用の装備を持ち出すところがリアルですね。ご丁寧に三脚を固定する様まで映しています。『ダイハード』('88)でも同様に迫撃砲を固定するシーンがありました。


<高速道路での戦闘集団とウィンター・ソルジャー>
 車輌から放り出されたロジャース一行に、追っ手の戦闘集団とウィンター・ソルジャーが協同で猛攻撃をかけるところ。チームワークで行動するところに説得力を感じます。ウィンター・ソルジャーが高架下に逃れた一行を狙うのに、戦闘員とすれ違いざまに小銃を受け取るところは、何気すぎて鳥肌ものでした。


<ビル街でのタイマン勝負その1>
 高速道路からビル街に逃れたナターシャにウィンター・ソルジャーが迫るところ。グレネードランチャーで警察車輌を吹っ飛ばした後、無言でナターシャに忍び寄る際の静寂とサスペンス度がたまりません。ナターシャの小気味よい返し技もいいです。


<ビル街でのタイマン勝負その2>
 ナターシャを助けに駆け付けたロジャースがウィンター・ソルジャーと勝負するところ。サブマシンガンとハンドガンを至近距離で撃ちつくすという有り得なさですが、何故か理にかなった動きにしか見えません。また、ウィンター・ソルジャーはナイフを取り出し接近戦に入りますが、その素早い動きの中、ナイフを宙で掴み直したりします。この運動神経とリズム感は半端ないです。


<ヘリキャリアの発進>
 ロジャースが発進し出したヘリキャリアの甲板を疾走するところ。背景の空や巨大な建造物がそびえる様、そしてその空気感が凄まじいです。どう見ても完全ロケにしか見えないのですが、やっぱりこんな実物を作れるはずはないので、底無しCGの表現力に身を任せるしかないです。


 と、こんな感じでハッとさせる描写が満載なんですね。現実的な設定と編集の上手さがスーパーヒーローと組織力のバランスを上手くとっていて、さらにスリルとサスペンスがこれを底上げしているのです。

 シールド上層部の1人を重鎮ロバート・レッドフォードが演じているのも、社会派スリラーの重厚さも出してる要因ですね。なんと今年78歳なんだとか。お若く見えますね。それにしても、アメコミ原作の映画化も随分と地位が上がったものです。逆にそれしかネタがないのかよ、と危惧もしちゃいますけど。

 前作は、第二次大戦を背景に米軍がスーパーソルジャー化計画を成功させた訳ですが、本作の元凶となるナチスのオカルト組織ヒドラが登場するも、超常現象が登場するわ、頭領レッドスカルの存在がファンタジー然にしか見えないわで、なんともフワフワしてイマイチでした。レトロな時代の夢や未来感が先走ってたのかも。

 本作は、そのヒドラの残党が暗躍するのですが、あくまでも現代的で血の通った世界を構築しているところがよかったと思います。レーザー光線がビービーとか、怪物がうがーとか、オカルトや異次元がどうとか、もうそういうのを受け付けなくなってるようです自分は。

 布石がてんこ盛りで次作が気になるところですが、お約束のエンドクレジットのエピソードがまた驚愕なんですよね。え、そんな展開に持っていくの?方向性がちょっと心配。でも、本作の兄弟監督が続投とのことなので、期待しちゃっていいかな。


 女エージェント3人衆には頑張って欲しい。


(C)2014 Marvel
【出典】『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』/ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

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2 件のコメント:

  1. こんばんは!この映画は面白かったですよね!!(^^♪
    我らがヨハンソンが素敵過ぎて、あと2人の
    女性エージェントの存在を思い出せません(笑)

    >個人的に従来のスーパーヒーローものではお目にかかれなかった感動のシーン(演出)をいくつか挙げてみたいと思います。

    いずれも素晴らしかったですよね!(^.^)
    確かに最近のアクションものとは感じの異ったものを
    感じました。斬新でカッコ良かったですよね!!(^^♪

    >シールド上層部の1人を重鎮ロバート・レッドフォードが演じているのも、社会派スリラーの重厚さも出してる要因ですね。なんと今年78歳なんだとか。お若く見えますね。

    ストーリーが締まるというか、流石の存在感です。
    って78歳とは驚愕の若さですね、、(^▽^;)

    >布石がてんこ盛りで次作が気になるところですが、お約束のエンドクレジットのエピソードがまた驚愕なんですよね

    これまた残念ながら記憶が全く無いのですが、
    続きが楽しみには違いないです(笑)

    相変わらずの渾身の記事とヨハンソンにガッツリと
    応援させて頂きます!!\(^o^)/

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  2. >take51様
    そうですね。面白かったの一言に尽きますよね。

    ヨハンソンは「アイアンマン2」ほどのケレン味はなかったですが、その分シリアスな存在感がよかったですね。

    他の女性エージェントはですね、えーっと、ロジャースのアパート隣人を装ってた若手と、フューリーの腹心でヘリキャリア破壊を通信室から指揮していたベテランです。二人ともベッピンさんで良い働きぶりでした。ヨハンソンぴーんち!かも?(笑)。

    現実的な問題を孕む世界にロジャースが放り込まれているので、それぞれ対応する様が純粋な犯罪アクションになってるんですよね。スーパーヒーローものとして構えると飛び抜けて見えます。

    レッドフォードはホント若いですよね。70年代に「コンドル」というCIAの陰謀が絡む似たような境遇のスリラーに出演していて、これのオマージュとか言われてるそうです。未見なんですが、ソフト化されてるのかなあ。

    エンドクレジット前の次作エピソードは、せっかく本作で出したノリが崩れてしまうんじゃないかと不安になる内容でした。続投される監督さんには、しっかりと釘を差しておいて欲しいです(笑)。

    ヨハンソンには、早いとこブラックウィドウのスピンオフを出して欲しいですね!

    ヨハンソン応援頂きありがとうございます!

    後ほど、take51様の記事にもお邪魔させて戴きますね♪

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