●原題:Death Becomes Her
●ジャンル:コメディ/ファンタジー
●上映時間:104min
●製作年:1992年
●製作国:アメリカ
●言語:英語語
●カラー:カラー
◆監督:ロバート・ゼメキス
◆出演:ブルース・ウィルス、メリル・ストリープ、ゴールディ・ホーン、イザベラ・ロッセリーニ、アライナ・リードホール、シドニー・ポラック、その他大勢
11月ももう終わりですね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?今回は今更感のメジャー作品ですけど、思い入れのある作品でもあるので挙げてみました。
【ストーリー】
アメリカ。落ち目の女優マデリーンと落ち目の作家ヘレンは学生時代からのライバル同士。ある日、ヘレンはフィアンセの整形外科医アーネストを紹介しようとマデリーンの楽屋に訪れる。しかし、数日後の挙式で夫婦になったのはアーネストとマデリーンであった。速攻でフィアンセを奪われたヘレンはマデリーンへの復讐を誓う。十数年後、年老いたものの悠々自適に暮すマデリーンに、ヘレンから出版記念パーティの招待状が届く。どう馬鹿にしようかほくそ笑むマデリーン。しかし、そこで待ち受けていたのは美しく若返ったヘレンであった・・・。
【感想と雑談】
思い出深い作品です。もう店頭には置かれなくなったものと諦めていたのですが、先日、開店して間も無いレンタル店で見つけたので、速攻借りてきました。いいぞレンタル屋。
しかし、何回観ても面白いなコレ。
誰もが夢見る永遠の美。これに執着し過ぎて一線を越えてしまった愚かで醜い人間を描いたファンタジー作品です。豪華な役者陣にコメディ調の作りなんですが、ブラックな要素満載なので評価はイマイチのようですね。私は好きすぎて堪らない作品なんですが。
ライバルの女二人が、ある秘策をもとに一人の男を巡って争い、後に和解をするも今後の人生のメンテナンスに四苦八苦する、という永遠の美への代償が恐ろし過ぎる様を、ロバート・ゼメキス監督らしいお笑いセンスで描いています。美しく若返らせ永遠の命を授けるが、物理的に頑丈な体になる訳ではない、というファンタジーに持ってくる辺りが監督らしい毒要素だと思います。
女優マデリーンを演じるメリル・ストリープと作家ヘレンを演じるゴールディ・ホーン、そして成形外科医アーネストを演じるブルース・ウィリスらの立ち振る舞いは、どれも半端なく、さすが名優であることが伺えます。三人ともこの手の作品に出るのは初じゃないでしょうか。特に感心するのがウィリスで、アクションヒーローとは正反対にマデリーンの尻に敷かれたダメ男ぶりが実に素晴らしい。女二人の一騎討ちにオロオロし、弾き出されるところが情けなくて、なんだか可愛い(笑)。
永遠の美マスター・リスルを演じる女優イザベラ・ロッセリーニは、キリリとした顔付が印象的で、肝心なところが見えそうで見えない衣装が気になって仕方なし。元モデルで女優イングリッド・バーグマンを母に持つそうです。綺麗な人です。
またクレジットされていない脇役として社会派の名監督シドニー・ポラックがER医師として登場しますが、これがなかなかのコメディ振りで大笑いしてしまいます。コント的な聴診器の扱いとか上手いよなあ(笑)。
首が後ろ向きのマデリーンや、腹に穴の開いたヘレンの描写は、特撮工房ILMの仕事ながら、当時最新だったCGやモーフィング技術も、昨今と比べるとチープに見えてしまいます。でも、それが味わいというものだし、あまりリアル過ぎるのも問題ですよね。因みに、ILMがオプチカル・プリンターを最後に使った作品になるそうです。以降、合成画面なんかは全てデジタル上で処理されるようになってるってことかな。
画面といえば今回、久々に見ていきなりの違和感が。なんと画面サイズが1.33対1なんです。昔のテレビ画面と同じですよ。メジャー作品でこんなのアリなんだっけ?そういうバージョンかなと思って調べたら、これが正式サイズなんだと。これはワイド画面で見たいよなあ。実は公開当時に観に行ってるのですが、全然覚えていないという自分(笑)。
さて、本作はオリジナルからして傑作ですが、日本語吹替えがまた奇跡の面白さを生み出しています。日本テレビ版の吹替えが絶品で、センスある翻訳と声優陣の腹に染み渡る渾身の演技が全てのキャラクタを際立たせているのです。残念ながらDVD版は翻訳も声優も変わっていて、行儀が良すぎるというか、バカさが足らないというか、全然面白くないです。
日本テレビではもう放映されない気配で、二度と耳にすることは出来ないかもしれません。昔録画したビデオテープが残ってるはずだけど、どこに仕舞ったっけな。出てきてもデッキが無いので観ることできないけども(笑)。記憶の範囲で、印象に残っている吹替え具合をちょっと紹介・・・
<屋敷の階段前でマデリーンがアーネストに暴言を吐くところ>
「こぉのフニャチンがぁ〜!ふにゃぁ〜、ふにゃぁ〜〜」
<屋敷のプールで男女カップルが満喫しているところに、突然アーネストが天井を突き破って落ちてくるところ>
男「あれぇ?」
水面でジタバタするアーネスト。
男「オッサン、泳ぐのか出るのかどっちだよ」
アーネスト「んああ、出てやる!出てやるとも!!」
急いでプールから這い上がり去っていくアーネスト。
男(女に向かって)「オッサン、結構やるよな」
こんな感じ。文字にすると何でもない台詞ですけど、映像と吹替え音声の組み合わせは奇跡のシンフォニーです。どこかアドリブっぽいのもテレビ版の魅力になるでしょうか。
ブルーレイ版はまだのようなので、リリースの際は是非、日本テレビ版の吹替えも入れて欲しいと思います。
最後の方で、神父が真の永遠の命とは云々かんぬん講釈しますが、これを聞いたマデリーンとヘレンが全く顧みないところが潔いですね。二人の顛末が永遠に語り継がれることを祈ります。
白い目で懇願してくる二人が夢に出てきそうだけど。
(C)1992 Universal City Studios,Inc. All Rights Reserved
【出典】『永遠に美しく』/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
2014年11月29日土曜日
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こんばんは!!
返信削除この映画も面白かったですよね~、と
自分の記事を見返すと評価が思ったより低かったり?(笑)
ちょっとブラックジョークがきつかったのでしょうか?
二人の素敵な女優さんの奮闘ぶり、役者魂だけが印象に残ってました!(^.^)
> さて、本作はオリジナルからして傑作ですが、日本語吹替えがまた奇跡の面白さを生み出しています。
そうだったんですね!?
ふにゃ・・は凄いですね!今なら絶対に
許されないでしょうね(笑)
相変わらず素晴らしいネタをお持ちで感動します!\(^o^)/
今更、気づきましたがジャケットもいい感じだったんですね!
お腹に穴が開いていることに気づきませんでした(笑)
二人の素敵な女優さんに応援です!!\(^o^)/
>take51様
返信削除どうも!
たしかにブラックジョークですね。でも、そんな作風にあの3人の役者がまた映えまくりなんですよ。
メリル・ストリープを見て、プラダ悪魔のミランダ女史もこんな若い時から肝っ玉だったんだなと感慨深くなります。ふにゃあ〜を連呼ですし(笑)。
しかし、ブルース・ウィリスは絶品だと思うですよ。コメディは前からやってたでしょうが、これはこれで新境地だったんじゃないですかね。
ジャケットがまたさりげなくブラックで粋ですよね。昔のデザインから変わってる気がするのですが、昔がどんなだったか忘れました(笑;)。
応援頂きましたありがとうございます♪
こんにちは!
返信削除>しかし、ブルース・ウィリスは絶品だと思うですよ。コメディは前からやってたでしょうが、これはこれで新境地だったんじゃないですかね。
ブルースウィルスの存在を忘れてました!
僕は途中で彼と気づかずに見てました(笑)
どうしてもダイハード系の印象が強くなりがちですけど、
こういう面を出した映画にもっと出て欲しいですね!!(^.^)
今日はブルースウィルスに応援です!!\(^o^)/
>take51様
返信削除ウィリスは、最近では「RED」シリーズとか、コミカルな作品に出られていますが、やっぱアクション寄りの逞しい役なんですね。
「永遠に美しく」みたいな演技も悪くないと思うのですが、歳取られて需要がなくなってるのかなあ。
もう1回、ゼメキス監督と組めばいいのかも?!
ウィリス応援コメントありがとうございます♪