2015年1月12日月曜日

映画『モネ・ゲーム』 ・・・英国男と米国女の贋作大作戦です

●原題:Gambit
●ジャンル:コメディ/犯罪
●上映時間:89min
●製作年:2012年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マイケル・ホフマン
◆出演:コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン、スタンリー・トゥッチ、トム・コートネイ、伊川 東吾、その他大勢

 上記の『鑑定士と顔のない依頼人』('13)から立て続けに観た犯罪コメディ作品になります。

【ストーリー】
  イギリス。キュレーターのハリーは仕事の依頼主であるメディア王シャバンダーのことが気に食わなかった。絵画に目のないシャバンダーに一泡吹かせようとハリーは一大作戦を決行。アメリカはテキサス娘PJをモネ作品の所有者に見立て、贋作をシャバンダーに買わせようとするが・・・。

【感想と雑談】
 『鑑定士〜』の次に観て正解でした。逆順に観てたら立ち直れなかったかも、ってそれは大袈裟。こちらは、なかなか軽快な内容で、爆笑とまではいきませんがニヤリとできる楽しい作品でした。しかし、ポスターのヒマワリ顔キャメロン・ディアスはどうにかならんか(笑)。コリン・ファースの対照的な顔付きと並んでるところは、英国と米国の性質を表してますよね。

 舞台は英国がメインで登場人物も英国人が多いですね。冒頭から主人公でキュレーターのハリーと相棒のネルソン少佐の英国訛りの英語が炸裂します。まずは米国テキサスでカウガールPJをスカウトするところ妄想が激しくて思わず笑ってしまいました。我に返ると大変厳しい現実が待っていますが。

 キュレーターというのは一見、鑑定士に見えますが、正式には鑑定士にプラスして収集した資料の専門知識を有し業務を管理監督する専門職を指すそうです。まあ、そんな細かなこと理解してなくても単なる鑑定士のイメージで追っても問題無しです。相棒に描かせたモネの作品『積み藁』の贋作をPJと共にシャバンダーにいかにして売りつけるかが肝となっています。英国風ウィットに富んでいてマンガちっくな作りですね。

 知らなかったのですが、黒縁メガネのコリン・ファースになんとなく昔のマイケル・ケインを連想したところ、これ実はリメイク作品だそうで、オリジナル作品『泥棒貴族』('66)のハリーはまさにマイケル・ケインが演じていたのだとか。どことなく、古きよき犯罪コメディの雰囲気が漂ってる訳です。

 おしとやかな英国人とは対象的に、フランクな米国人のPJを演じるキャメロン・ディアスは、ホントに典型的な米国人ですよね。以前、英国と米国を比較するような『ホリデー』('06)でも米国代表をやってたもんな。しかし、本作でのカウガールしながらの登場シーンは、あれどう見ても男だろ(笑)。代役に女スタントマンでも使えばいいのに。



 悪役のシャバンダーを演じるはアラン・リックマン。バカな体当たり役で新鮮でした。コメディも結構やってるのかな。英国紳士のイメージが吹き飛びました。いかすぜアラン。また、ハリーのライバルでキュレーターを演じるはスタンリー・トゥッチ。髭面だけとつぶらな瞳は隠せない好きな俳優さんです。あまり活躍の場がなかったのは残念。

 オリジナル作品にも登場したのか不明ですが、シャバンダーの取引先として日本企業が登場し、久々にエキセントリックな日本人を堪能できました。そんなヤツいねーよってやつ。しかし、本物の日本人を起用しているところは好感が持てました。仲間うちで話す日本語が流暢なんですよね。

 飛び抜けて注目するところはないのですが、犯罪コメディらしくクライマックスの贋作をめぐる騒動や、その後のオチは清々しくて気持ちのいいものでした。伏線と回収の妙もありますね。上映時間も90分を切る短さだし、なかなかのお手軽さでした。

 ところで、アラン・リックマンが素っ裸でふんぞり返るシーンがあるのですが、ここで股間を思いきりご開帳するのです。うまく隠してますけど。で、ご開帳シーンといえば、先の『鑑定士と顔のない依頼人』にもありました。ご開帳で繋がる2つの作品。配給もGAGA繋がりだし。これをセットで観られたのも不思議な巡りあわせですね。アホか。


 絵画っていいですよね。


(C)2012 GAMBIT PICTURES LIMITED
【出典】『モネ・ゲーム』/Happinet

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