
●ジャンル:アクション/SF/スポーツ
●上映時間:125min
●製作年:1975年
●製作国:イギリス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ノーマン・ジュイソン
◆出演:ジェームズ・カーン、ジョン・ハウスマン、モード・アダムス、ジョン・ベック、モーゼス・ガン、パメラ・ヘンズリー、その他大勢
ついに花粉がやって参りました!目やノドが痒いです。鼻づまり始まってます。これが4月まで続くと思うとホント憂鬱になりますね。花粉も神経質になるほど症状もヒドくなる気がします。なのであまり相手にしないようして、症状を軽くしたいと思います。花粉って何のこと?
さて、今回はローラースケートを始めるきっかけとなった懐かしいSF作品です(笑)。
【ストーリー】
2018年の未来。大企業が世界を治めるようになった時代。戦争、犯罪、環境問題、格差等は一切無くなり、世界は平和そのものになっていた。そんな中、世界中の大衆は企業が提供するローラーボールに熱狂していた。ローラーボールとは、複数プレイヤーによる2チームがローラースケートでトラックを周回しながら鉄球を巡りバトルを繰り広げる過激なスポーツだ。ヒューストン・チームの花形プレイヤーのジョナサンは今日も絶好調だった。マドリッド・チームとの試合も難なくこなし、重役も誇らしげにジョナサンを称える。しかし、翌日ジョナサンを呼んだ重役は彼にいきなり引退しろと告げる。理由を聞いてもただ引退しろとしか言わない重役にジョナサンは納得できない。自分には全世界の熱狂的ファンが付いているのだ。重役を無視し、次の東京・チームとの試合に挑むジョナサン。しかし、警告は徐々にエスカレート。それは試合内容にまで及ぶのであった・・・。

【感想と雑談】
ズガッと発射された鉄球をボールキャッチャーのミットがガッシと受け止める。そんなテレビCMのイメージが当時のガキンチョのハートを鷲掴み。その後にローラースケートが流行り出したという(たぶん)。水性ボールペンも「ローラーボール」と呼ばれるようですが、本作とは関係なさそうです。
バッハの「トッカータとフーガ」をBGMに、暗闇からローラーボールの試合会場が浮かび上がるというイカしたオープニング。ゲートからスタッフらが登場し試合の準備をし始める。
近未来スポーツのローラーボール。その舞台となるのは全長160mの円形トラックで、18度の角度がついたバンク状態から巨大なすり鉢を思わせる。トラックの中央には各チーム用のピットエリアがあり、そのど真ん中にはコントロールタワーが設置され、天辺ではスタッフがイスに座りゆっくりと回転しながら試合を監視する。トラック外周の壁面には1ヶ所、奥に磁気発生装置が埋め込まれた穴が開いている。鉄球をブチ込む為のゴール穴だ。
チームは合計10人のプレイヤーで構成。攻撃スケーター×5人、ボールキャッチャー×2人、バイカー×3人。ユニフォームは上半身がほぼアメフト仕様で下半身が皮パンツ、そしてバイカー以外はローラースケートを着用。関節部分には防御用パットを装着し、両手のグローブには鉄鋲が並ぶ。パンチを食らったら大変なことになりそうだ。ジェームズ・カーン演じる主人公ジョナサンは、今日もバッチリキメてヒューストン・チームを盛り上げる。観客らも鼻息荒くジョナサンコールを繰り返す。
本作ではローラーボールは3試合行われる。1試合目はマドリッド・チームとの対戦。コントロールタワーからの遠隔操作で、トラック外周の空気砲から鉄球が発射される。ソフトボール大で重さ10kgの鉄球は、勢いで外周の壁面に沿って転がっていくが、やがて失速し中央に寄ってくるのをボールキャッチャーが特製のミットでキャッチ。その鉄球を渡された攻撃スケーターがバイカーの牽引で一気に加速しゴール穴を目指す。
ここからローラーボールの本領発揮。ゴールを妨害しようと寄ってくる敵をパンチやキックで倒すのは当り前。バランス崩し転倒した敵がいれば蹴飛ばしたりバイクで轢いたりする。死傷者が出たって大したペナルティにならない。そういうルールなのだ。そんなローラーボールに観客らは大熱狂。ジョナサンがゴールに鉄球をブチ込めば、鼻息荒すぎて飛んでく勢いだ。

平和になりすぎた世界。そうなると大衆は欲求不満となり刺激を求め出す。世界を支配する大企業はそれに気付き矛先をローラーボールに向けさせるが、気付いてみればジョナサンなるカリスマプレイヤーが誕生。彼に夢中になり出した大衆を制御できなくなる恐れが出てきた。
そこで、チームを統括する重役がジョナサンを無難に引退させようと画策するのだが、ジョナサンは納得いかず言うことを聞かない。その後ジョナサンが注文した本をお取り寄せ不能にしたりとプチ嫌がらせをする重役。この後も何度かジョナサンを説得するが、全然首を縦に振ってくれないので、ついに重役はスパークし、ルール変更を施すことに。2試合目の東京・チームとの対戦を、ペナルティ無しの交代制限付きにするのだ。
黄色のユニフォームでキメた東京・チームは、不気味なイエローモンキーだ。あまり好意的な描き方をされていないのが残念。試合前のトラック周回のデモでは両手を交互に突き出しながら行進し、突然、仁王像みたいなポーズでイヤァーッと叫び加速する。ダメだこれでは。
東京・チームが繰り出すいかにも日本的でエキセントリックな戦術に、ヒューストン・チームは翻弄され、かなりの痛手を負ってしまう。ちなみに、当時は本作のベースになったに違いない「ローラーゲーム」というエンターテイメントが実在した。これの日本チームである東京ボンバーズがこの東京・チーム役としてオファーされたのだが、撮影現場を見に来た当人達があまりの怪我人続出状況から、今後の興行に響いてしまうからと出演を断ってしまったそうだ。うーん、ここをなんとか頑張って頂ければ、伝説となったかもしれないのに。
3試合目のニューヨーク・チームとの対戦では、ペナルティも交代も時間制限も無しというデスマッチ仕様にまで加速。ジョナサン抹殺に向け大企業までも鼻息が荒くなる。怒涛のクライマックスは生き残ったジョナサンと敵バイカーとの一騎打ち。
そういえば同年代の『デスレース2000年』も近未来のスポーツを描いている。独裁政権下でチキチキマシンなデスカーが人を轢きまくるレースに大衆のボルテージも急上昇。そんな中で不満分子が政権を打倒しようとする内容は『ローラーボール』とどことなく同じ匂いがする。どんな社会であっても上手くバランスをとらないと人間に平和と暴力の2面性がある以上は必ず変化が現れてくるという問題である。『デスレース2000年』には強烈な脱力感と笑いが伴うけど(笑)。
シリアスさと臨場感では『ローラーボール』の方がずっと上。中だるみや試合の細かいカット割りが気になったりするけど、それでもスケーターを追うカメラワークは迫力あるし、実在のスポーツかと思える程の生々しさもあって、’75年製作にしては凄い作品なんじゃないかと思います。
大ファンだったジョン・マクティアナン監督がこれのリメイクを撮っていますが、噂によれば大変な出来とのこと。IMDbの評価を見て身体が震えてしまいました。2.7/10(笑)。凄い監督だったのに、こうも才能は続かないもの??? 観るのが怖くなってきた(笑;)。
【出典】『ローラーボール』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン