2009年12月31日木曜日

映画『マイノリティ・リポート』 ・・・未来の警官隊が非常にヤバイものを装備してます

●原題:Minority Report
●ジャンル:SF/犯罪/アクション/ドラマ/ミステリー
●上映時間:145min
●製作年:2002年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:スティーブン・スピルバーグ
◆出演:トム・クルーズ、マックス・フォン・シドー、
コリン・ファレル、サマンサ・モートン、その他大勢
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 どうも!今回は微妙に懐かしいスピルバーグのSF作品です。あまり触れられることのない点をネタとして強調してみました。今年の偏り道最後の記事として締めくくりたいと思います。大晦日にコレかよ!とかいうツッコミは大歓迎です(笑)。

【ストーリー】
 2054年のアメリカ。多発していた殺人事件は犯罪予防局の予知能力システムよって見事に減少。予知能力システムはプリコグと呼ばれる3人の予知能力者によって構成され、局員のジョンは予知された情報を元に現場へ急行する日々を送っていた。そんなある日のことシステムはジョン自身が殺人を犯すことを予知してしまう。そんなはずはないとジョンは動転しながらも真相解明の為に逃走。一方、法を犯す前に逮捕することが気に入らない司法省は、そんなジョンを手がかりに犯罪予防局を潰そうと躍起になる・・・。


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【感想と雑談】
 これ、最近なんかの動画(特撮ベスト100・・・だったかな)で犯罪予防局の空飛ぶパトカー発進の映像が紹介された際、ここ確かにカッコよかったよなと思ったのと、初見の時からすんごく気になってた部分もありましたんで、今更ながら記事にしてみました。

 初めて観た時はよくわからない話でした。大筋は陰謀に巻き込まれたトム・クルーズ演じる局員ジョンが、いかにして悪を暴き事件を解決していくかという内容なんですが、プリコグと呼ばれる予知能力者の特性を利用したトリックや、どの時点で何が起きているのかがあまり理解できなくて、ラスト付近は真相解明しましたという流れを傍観しているようなものでした。

 今回DVDで何度か見直してみて、だいたいわかるようになったのですが、証言や回想、未来ならではのアイテムが入り乱れてのインパクト状態に未だ釈然としない部分があります。これは更に見直していけば精度は上がっていきそうですが、矛盾点は多々残りそうです。この手の作品は矛盾などは容認しないと成り立ちませんが問題はその程度ですね。

 デビッド・リンチ作品は矛盾そのものをパズルのように楽しむことができますが、本作は現実に起きていることをストレートに表現しているはずなので、いかに矛盾を感じさせないかが重要なんだと思います。・・・って、頭の回転が鈍い私がこんな偉そうなこと言うのもあれなんですが(笑;)。

 見た目でいきますと、未来が舞台ということで、目を見張るアイテムはてんこ盛りです。2054年という割と間近な時代設定からか、景観については現代のデザインを大部分残しているのですが、前半だけにCGで描かれた超未来都市が出てきます。最初にジョンがカプセルみたいな自動操縦の車で逃走するところですね。当局に操縦を奪われたので車から脱出しようとすると、突然に道路が垂直に折れ曲がって振り落とされそうになりすが、この辺りのビジュアルインパクトは相当なものです。

 この後、下降を続ける車からビルのベランダに飛び込むと、そこでは妙な団体がヨガ(?)のポーズでお出迎え。スピルバーグ流一発ギャグですね。とりあえず笑っておきましょう。後半に入ると都市部から遠のくせいか、車は普通のタイヤ式になって景観は現代的に落ちついてしまいます。ちょっとアンバランスな感じ。


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 ジョンがプリコグの予知した情報を分析する時に使うスクリーンは冒頭での目玉となっていて印象深いです。しかし手の動きだけで操作するのは斬新ですが、使いこなすのは大変そうです。腕が疲れそうだし。

 また、ジョンの自宅にはコーンフレークがあるのですが、その箱自体がスクリーンになっていて、やたらアニメのキャラが騒いでいます。こんなのが実現化したら鬱陶しいと思うのですが、案の定ジョンは思い切り投げ捨ててしまいます(笑)。いいぞ。

 こういう一方的なインターフェースは他にも導入されていて、ビルやトンネルの壁面、そしてなんと新聞までも見出しや宣伝がウジャウジャ動いています。新聞は読みづらそうです。話逸れますが、この新聞が登場する地下鉄のシーンで、背後に頭だけ写ってるのキャメロン・ディアスなんだそうです。よく見てみると確かに目元が彼女っぽいです。カメオ出演だとか。

 アイテムの中で直感的に実現性を感じるのが、個人を特定するデバイス群ですね。指紋と同じく個人を特定できる網膜情報を登録しておいて、いたるところでセンサが働きます。バイオメトリクスによる住民カードですね。特定の場所で個人認証をするには大変便利ですが、この未来ではマーケットにも随分と適用されていて、街中を歩いていると色んな広告に仕込まれたセンサが反応。

 「やあジョン、寂しくないかい?」
 「やあジョン、ストレスが溜まっているようだね」
 「やあジョン、旅行なんてどうだい?」

 やたら広告が個人攻撃を仕掛けてきます。鬱陶しい事この上なし。電車に乗るとき手ぶらで清算が出来るのは便利な気はしますが。しかしここまで管理された社会って居心地悪いですよね。


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 未来ということで警官隊も黙ってはいません。先に発進シーンがカッコいいと書いた長距離移動用の空飛ぶパトカー(なんて名前だろう?)ですが、よく見るとカタツムリみたいなデザインでちょっと不恰好。『ブレードランナー』のスピナーの方が100万倍カッコいいです。

 警官隊らはちょっとした移動ではジェットパックを背負ってこれまた空中移動します。ジョンを発見し逮捕しようと躍起になって空から舞い降ります。その動作からしてワイヤで吊ってるのは見え見えですが、デジタル処理でワイヤを消しているので、リアルなんだけども変なシーンになってます。また、人間を自由に飛ばすには、かなりの推進力が必要のはずですが、ジェットパックからはちょびっとしかジェットが出ていません。

 ジョンと乱闘する際に大勢でジェット噴射させているのですが、周りは真っ黒こげにもならず皆平気です。更にジョンと取っ組み合いながらアパートの窓から飛び込むと、食事中の家族の頭上でホバーリングするのですが、焼けるのはハンバーグだけです。普通なら全員がハンバーグになるはずです。まあ、ネタにできる矛盾点ということでヨシとしましょう(笑)。

 警官隊の装備品がまたいくつかあるのですが、スパイダーという網膜センサを備えた小型ロボットは本作の特撮場面で一番費用がかかっていそうです。手のひらサイズで関節のない3本足をウネウネ動かし移動するその姿は奇怪な虫そのもの。捜査の為アパートに放たれたスパイダー群をカメラが天井越しの視点で追っていくところは、各部屋で住民らが色んな反応を示していて面白いです。喧嘩真っ最中の夫婦がスパイダーが近づいたときだけピタッと喧嘩を止めるのは笑いどころで、こういうギャグは至るところで拝めることになります。

 また、司法省の役人が装備する銃が面白いです。銃床を掴みながら銃身をクルリと一回転させることで発射が可能となり、また発射されるのが実弾ではなく一種の衝撃波になっています。ジョンがこれを器用に扱いながらアクロバティックに役人らを吹き飛ばす様は見ていて気持ちがいいのですが、あるシーンのみの短い出番となっているのは非常に残念なところです。


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 さて、初見の時からすんごく気になってた部分というのが、警官隊のある装備品に対する字幕翻訳なんです。それは警官隊が路地裏でジョンを取り囲んだ時に放つ一言

 「嘔吐棒の準備はいいか?」

 ・・・嘔吐棒?!なんだ嘔吐棒って??その後、暴れ出したジョンにその警棒らしきものを逆に押し付けられ激しくリバースする警官隊。そして大惨事。なるほど確かに嘔吐棒。でも他にもっといい翻訳なかったのかなあ。吹替では「嘔吐誘発スティック」とか言ってるし。

 調べてみると英語では「SICK-STICKS」と付けられています。気分を悪くさせて抵抗力を無くす警棒のようですが、その効果からまんま翻訳するのもどうなんでしょう。せめて生体鎮圧棒か生体鎮圧スティックとか・・・でもなんかゴチャゴチャしちゃうなあ。嘔吐棒ならスッキリするのか(どこが)。ちなみに翻訳担当は我らが戸田奈津子先生・・・。「AUTO-BOW」とかいう自動式ボウガンだったらよかったのにね!(←意味不明)。皆さんだったらどんな訳にしますか?

 最後に役者について。予知能力者プリコグの紅一点アガサの母親役をジェシカ・ハーパーが演じてます。有名どころで『サスペリア』の主人公役がありましたが、私にとっては『ファントム・オブ・パラダイス』('74年)のフェニックス役が思い出の女優さんなんです。今回は台詞は全然ないし出番も非常に少ないのですが、事件のキーにもなっているので心に残る存在となってました。さすがに昔の面影は遠のいてましたが、またお目にかかれて嬉しかったです^^。

 すっかりアクの強い展開や映像が前面に出てしまった本作ですが、子供っぽい残酷性やイタズラ心が垣間見えるのは昔と変わりないスピルバーグ節だなと思います。なんだかんだ嫌いじゃないですこの作品。ご覧になってる皆さんの印象はいかがでしょうか?


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 さて、ついに2009年も終わりですね。今年も当ブログは更新頻度が激減しながらもなんとか続けることができました。こんなブログにお付き合い頂いた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。来年もまた色々ありそうですが、なんとか楽しい年にしたいものですね。

 今年も色々とお世話になりました。それでは皆様、よい新年をお迎え下さい♪

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2009年12月13日日曜日

あのヒューマン・リーグがスーパージョッキーに出演してたですか

おお、こんなに短期間での更新は久しぶり。でも映画ネタじゃないんです(笑;)。

YouTubeで懐かしやヒューマン・リーグを検索してみたら、あるインタビュー動画を発見したのです。これ観て一瞬思いました。”何これヒューマン・リーグってスーパージョッキーに出演してたの?!”(笑)。非常に新鮮だったのでアップしてみます。

英国にもこういうバラエティ番組があったんですね。途中PVを紹介したと思ったら1秒くらいで切ったり(動画上カットしてるか)、ラストに盛大なイタズラをしたりと、ノリノリな司会や暴走気味な進行がどことなく日本的です。英語なんで何言ってるのかサッパリなんですが(笑)。個人的にはファンだった女性メンバのジョアンヌ(黒髪の)をもっとアップで映して欲しかったな~。

ヒューマン・リーグに一切ノータッチだった方はスルーして下さい(笑;)。

『The Human League - Interview (2nd Bit) Oct 1981 ITV 1 Tiswas』

あのヒューマン・リーグがこんないじられ方するとは。。。サイコーです♪

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2009年12月7日月曜日

映画『2010年』 ・・・来年は太陽系に大異変が起きる模様です

●原題:2010: The Year We Make Contact
●ジャンル:SF/ドラマ/スリラー
●上映時間:116min
●製作年:1984年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ピーター・ハイアムズ
◆出演:ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・ミレン、ボブ・バラバン、キア・デュリア、ダグラス・レイン(HAL9000音声)、その他大勢
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 どうもです♪これまた久々の更新でございます(笑;)
巷では最新作『2012』で盛り上がっているようですが、今回はその2年前つまり来年にも超一大事が起きるんですよ、ということをアピールした作品になります。凄まじい地盤沈下の前に、太陽系の一大事で人類みな兄弟です。たぶん。

【ストーリー】
 2001年のディスカバリー号による木星探査計画が失敗に終わり、総責任者のフロイド博士は地上でションボリと余生を送っていた。出来れば真相を確かめに再び木星に行きたいところだが、現在アメリカは冷戦に忙しく宇宙開発の予算が下りない状況にあった。そんなある日、ソ連の科学者が目の前に現れ、我が国のレオノフ号を木星に向かわせるため音信不通となっているディスカバリー号の詳細を教えて欲しいという。これはチャンス到来とばかりに自分が同乗しディスカバリー号をメンテすることを提案するフロイド博士。ソ連とアメリカの両政府は難色を示したが、最終的には了承。4ヵ月後、アメリカ側からフロイド博士と2人のエンジニアが同乗するソ連のレオノフ号が木星に向け発進する。その先でえらいことが待ち受けていることも知らずに・・・。


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【感想と雑談】
 公開当時もそうでしたが、今回久々の再見でも『2001年宇宙の旅』の続編としては、とても残念な出来になっていると思いました。とことん科学考証に拘り、無機質に淡々と攻めまくるところが神々しくもあった『2001年~』ですが、本作は何か余分な点や垢抜けていない点が多々あります。

 要するにダサいです。これが続編でも何でもない宇宙SFの単品ということであれば印象も変ったかもしれませんが、ビッグタイトルの続編を背負っている以上、どうしてもハードルが高くなってしまいます。原作は同じくアーサー・C・クラークによるものですが、制作&脚本&撮影&監督がピーター・ハイアムズ印という、ごっつ俺様流を貫いた作品になっています。キューブリック監督にも一貫したポリシーに凄く俺様流を感じたのですが、ハイアムズ監督は残念ながら個性というか特徴的なところが感じられないので不安になります。

 冒頭、ニューメキシコ州に現存する電波望遠鏡(『コンタクト』でジョディ・フォスターが怪電波をキャッチする場面でも登場)を使ったロケを行っています。ここでフロイド博士とソ連の科学者が接見するのですが、周りは砂漠に等しい荒涼とした大地になっていて、早くも宇宙SFから程遠い画作りになってます。「2010年になっても、そんなに風景は変らねーだろ」というハイアムズ監督の有難いお言葉が聞こえてきそうです。(これはこれで先見性があったと見るべき?)

 その後フロイド博士は、のどかなホワイトハウス前でソ連との共同計画について大統領を説得させる為の秘策を練ったり、家に帰れば家族に長旅に出ることを打ち明けたりします。この時、フロイド博士の奥さんは、流しで皿を割ってしまう程のショックを受けます。ここがなんだか取って付けたような印象で、ディスカバリー号の事故のことを知ってのことなのか、何でそこまでショックを受けるのかイマイチ説明不足に感じました。また、フロイド博士の大豪邸ではイルカを飼っているのですが、宇宙SFものに子供共々プールではしゃぐイルカは不要なんじゃないかと。原作に入ってたらゴメンですけど。

 冒頭からたるい地上ドラマが続きますが、1点だけ目を見張るところがありました。フロイド博士が海辺でノートパソコンを扱っているところです。これプロップではなく、Apple社が宣伝も兼ねて出した新作パソコンの現物なんだそうです。80年代初頭からあのようなコンパクトな筐体が開発されていたのですね。ちょっと感動しました(というか勉強不足><)。この数年後に制作される『エイリアン2』に登場するセントリーガンのコンソールについてノートパソコンの先駆けだと豪語したのが恥ずかしいです(笑;)。しかし、外人さんはなんで海辺でパソコン扱うのが好きなんでしょうね。他の作品でも見かけますよ。止めた方がいいと思います。砂とか潮風浴びると押したキーが元に戻らなくなりそうです。


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 やっとこさ舞台が宇宙に移ると、ソ連が誇るレオノフ号がいきなり登場しますが、地球の宇宙施設から発進するようなワクワク感溢れる様を描くこともなく、一気に舞台は木星近辺に飛んでます。このレオノフ号、どことなく『エイリアン2』の戦艦スラコ号を思わせるのですが、両作のデザイナーがシド・ミードなので納得です。私はシド・ミードの大ファンですが、彼のデザインは本作ではちょっと派手に見えて残念です。

 船内のコントロール室にはド派手な計器類に透明な柱が乱立してたりして全体的にカラフルで軽い印象。コンソール部分をよく見ると、普通のデスクトップ用のキーボードがパネルに埋め込まれてたりします。宇宙を航行している空気があまり感じられません。重力についてはレオノフ号の居住区は回転しているので、その遠心力によってクルーは普通に歩き回っています。なのに、あるシーンではフロイド博士が打ち合わせ中にペンを宙に浮かしたりします。回転止めちゃったのかな。やる気も一緒に。

 再登場するディスカバリー号ですが、ミニチュアや船内のセットを製作するのに『2001年~』の関係書類が全て処分済みだった為、作品鑑賞しながら苦労して図面を起こしたんだそうです。全体的なデザインは頑張って再現しているようでした。しかし、1点だけ似ても似つかない部分がありました。それはモニタ画面です。これが一番残念なところ。なんとただの丸っこいブラウン管を使っているのです。

 『2001年~』では、今で言う液晶パネルを彷彿させる角ばったモニタ群が作品を際立てていました。刻一刻変化する情報を映し出す直角平行でフラットなモニタがごっつカッコよかったと思いませんか?これ、当時の現存する製品では容易に実現できなかったので、パネル(スリガラス?)の背面からCGではなく手書きのアニメを映写機で投影してたそうなんです。手書きですよ!どんな手を使ってでも確実な未来を正確に表現しようとする熱意が凄く伝わってきました。

 残念ながら本作では熱意どころか冷気を充満させるくらいに妥協しちゃったようです。製作当時はCGも発達してたでしょうし、既存のブラウン管を使うことで製作もし易かったのかもしれません。しかし未来のインタフェースを表現する努力が欠落しているので、非常に時代性を感じる出来になってしまってます。ディスカバリー号だけでなくレオノフ号もです。まんま80年代の空気。劣化したデザイン。予算の問題があったのなら、シド・ミードを起用せずモニタの表現に力を入れれば良かったと思うのです。こういうちょっとしたところの考え方でも作品の出来は左右されますよね。

 事故ったディスカバリー号の船内では、本船の船長デビッド・ボーマンが幽霊のごとく登場し、フロイド博士一行に「これから木星に素晴らしい事が起こるのでさっさと地球に帰れ」とお告げします。これまでに衛星イオで不可解な現象が発生したり、巨大なモノリスが登場していることからも、フロイド博士はヤバイ空気を察するのですが、それでもレオノフ号のロシア人クルーらは頭が固いので納得しません。

 しかし、木星表面に大量のモノリスが出現しだすと、さすがにこれはヤバイと一気に帰還モードに移ります。木星の引力圏から脱出するのにレオノフ号の推進力では足らない為、浮遊するディスカバリー号と合体してダブルの推進力を得ようとしますが、そうするにはディスカバリー号のコンピュータHAL9000を説得する必要があります。途中で切り離したディスカバリー号が木星の異変に巻き込まれるのは間違いなく、そんな運命を人間同様の知能を持つHAL9000はどう受け止めるのか。ここが最大の見せ場となってます。大したことないかもしれませんが。


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 デビッド・ボーマン船長を『2001年~』と同じくキア・デュリアが演じ、HAL9000の音声も同じくダグラス・レインが担当しています。ここはよくぞやってくれたとちょっと嬉しかったですね。前作から16年も経ってるので、キア・デュリアには特殊メイクを施しているようですが、そんなに違和感はなかったと思います。

 一方、フロイド博士をロイ・シャイダー、ディスカバリー号の設計士をジョン・リスゴーが演じています。シャイダーにリスゴーです。二人とも名優だと思うのですが、本作をダサくしている要因でもあります。この二人が出てくると、どうも現代的に感じてしまうんですね。二人とも未来の宇宙にマッチしてないです。無名の役者を使ってたらどうなってたかな。

 ロシア人側ではレオノフ号の女性キャプテンをヘレン・ミレンが演じてます。ロシア訛りの英語がイカしてるのですが、なんといっても若い。言われないとヘレン・ミレンだと気づきませんよ(笑)。その他ロシア人側にはもう一人女性クルーがいるのですが、台詞がほとんどなく、途中フロイド博士とちょっと絡むだけで、以降一切出番はありませんでした。あんな狭い舞台でどんだけキャラを無駄にしてんだ。

 『2001年~』の神秘的で難解な展開からすると、本作は意外なくらいわかり易くまたスケールの小さいオチを迎えます。地球ではアメリカと当時ソ連との冷戦が未来まで続いている設定になっていて、開戦間近という非常に緊迫した状況にあるのですが、木星の大異変を知った両国の首脳陣はあることを悟るという、なんだか説教じみたオチでもあります。神秘性もなくベタベタになってしまったという印象ですね。それにしても、木星にあんなことが起きたら、太陽系おかしくならないのかな??

 『2001年宇宙の旅』がSF映画の金字塔と呼ばれるのは、何年経っても劣化しない未来が焼きこまれているところにあると思うんです。直角平行に真円という質素なデザイン美学には常に先を見る科学の目を感じるし、説明を排除してBGMはクラシック音楽のみというところも一役買ってるでしょう。2001年はとうに過ぎましたが、この素晴らしさは劣化どころか年を増すごとに加速していく一方です。

 本作は科学の目ではなくエンタテイメントの目に特化してしまったようです。しかも中途半端に。木星を当時の情報から最新のCGで精巧に表現したとしても、身近のコンソールに既存のブラウン管やキーボードをはめ込むだけの安易なディテールでは、今見るととっても劣化した未来になってしまいます。逆行した2010年です。レオノフ号についてはソ連の技術後進を示唆していたと解釈してもいいかもしれませんが、肝心のディスカバリー号の件でポカミスしているので、結局は残念な結果でございました。今話題の2年しか違わない『2012』よりは明るい未来なんですけどね(笑;)。原作はシリーズ化してこの先も話は続くのですが、映画化は1作目だけでよかったと思います。

 ピーター・ハイアムズ監督はこの何年か前に『アウトランド』という宇宙SFものも撮っているのですが、こっちの方がずっと楽しめると思います。木星の衛星イオを舞台にショーン・コネリーが宇宙の麻薬組織に戦いを挑むもので、シンプルでアクション有りの楽しさがあります。宇宙でショットガンをブッ放すし(笑)。あ、まさかこれに味占めて『2010年』を撮ろうとしたんじゃないだろな。


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・・・・・・
 さて、そろそろクリスマス時期ですな。正直この歳になってもワクワクなんですが、一方でなにがクリスマスじゃい!という自分もいたりします(笑;)。ということで、素敵なMAD動画を紹介して終わりにしたいと思います。もう古い動画なんですが、某動画サイトでは有名な字幕MADで、ドイツ名作『ヒトラー/最期の12日間』での緊迫した作戦司令室のやりとりを、涙と笑いの渦に変えまくってます。空耳が凄い。(なに今回の記事)

『ヒトラー総統閣下がクリスマスについてお怒りのようです』
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2009年11月17日火曜日

ちょいネタ3連発です(映画ネタ付き)

今回はアホネタ記事です(いつもか)。しかも3連発。たまにはいいですよねえ(笑;)。一応最後には、映画ネタも入れてますので♪

【念願のクリスピー・クリーム・ドーナツ】
 出ました。いつか行ってみたいと思っていたクリスピー・クリーム・ドーナツ(Krispy Kreme Doughnuts)です。結構、店舗数増えてるみたいですが、やっぱり初号店の新宿店ですな。やっとこさ行くことができました。過去に週末の夜に行ったことがあるのですが、怒涛の行列を目の前にクルリと方向転換(笑)。人気ありますね。

 今回は週初めの午前中ということで空き空きの状態でした。なかなかいいですぞ。ちょっとワクワク状態で短い列に並び、一言いいたいレジを済ませて2階席で食しました。うん、噂通りにとても柔らかいドーナツでした。口あたりは良かったです。しかし、まあとにかくその甘いこと。ドーナツが甘いのは当り前なんですが、さすがアメリカン。一歩先をいってますね。『逃亡者』でトミー・リー・ジョーンズが捜査中にドーナツを買いに行かせる場面を思い浮かべてしまいました。やっぱこんなテイストを欲してたのかな、と(笑)。もうちょい甘さ控えめだったらよかったかな。

 とにかくこれがクリスピー・クリーム・ドーナツか・・・と唸りながら食していたのですが、ふと周りを見渡せば、男客は自分一人。ちょっと冷たい汗が流れてきたので、そそくさと済ませて出てしまいました。ここはひとつメンズデーを設けて頂ければと(できるか)。

 レジの時に一言いいたかったというのは、商品名についてなんです。ミスタードーナツみたいにトングで取っていけるといいんですが、ここはガラスケースに収まっているのを指定するんですね。これいちいち言うの苦手なんですよ(笑;)。こういうのに限って豪快な名前が付いてたりするんだ。とりあえず素のヤツが食いたかったのですが、これ名前が「オリジナル・グレーズド」っていうんですよね。「オリジナル」か「プレーン」あたりでいいじゃないですか。噛みそうですよ。コーヒーはコーヒーで、メニューを見ると写真はあるのに名前がパッと見わからない。パニック・イン・自分。よーく見ると「クリスピー・クリーム コーヒー スムース」とか付いてるの。長すぎます。しかもなにスムースって。最後が”リッチ”と付いてるのもありました。ここも「ブレンドコーヒー」とか「アメリカンコーヒー」とかに名前変えてくれ。思いっきり指差して”コレ”と言ってしまいました。・・・・・・これが歳ってヤツなんでしょか?!。くそぅ(笑;)。

 今度行った時は絶対に商品名で注文してやる。(←懲りずにまた行くようです)



【美味いインスタントラーメンの作り方】

 よくインスタントの味噌ラーメン(鍋で作るヤツね)を食べるのですが、やっぱりインスタントだけあって何か物足りないですよね。外で食べる味噌ラーメンにはコクがあって美味しいのですが、このコクをインスタントに出せないかと考えた時、あるものが閃きました。牛乳です。牛乳しかないんじゃないかと。ネットで検索したら、他の方も書かれていました。なんだ当たってるじゃないか。早速試しました。

 通常の水の量を少なめにして作り上げ、最後の方で牛乳を足してちょっと煮込みます。100ccほどブチ込んだら、思ったより白濁状態になってしまいましたが(笑;)、これが結構コクが出て美味かったですよ!もうちょっと少なめでもいいでしょうが、これでもなかなかのものでした。うーん、これでインスタントライフに箔が付いたぞ(笑)。興味がある方、騙されたと思ってやってみて下さい。
因みにカップヌードルを煮立てた牛乳だけで作るのも美味しいという噂ですが、これは気が進まないです(笑;)。実際どーなんだろう。

【最後に映画ネタ】

 たまたま発見したMAD動画ネタです。『マトリックス/リローデッド』でスミス100人切りのシーンがありましたが、これをあるキャラを使って正確に再現しているという、とてもイカした動画です。感動と爆笑の渦となりました(笑)。ちょっと古いようで、既出しまくりかもしれませんが、スミス100人切りが好きでこの動画を知らない方は、ぜひご覧になって下さい♪

『Super Mario Reloaded』

中盤のピーチ姫が・・・(笑)。

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2009年11月6日金曜日

映画『ロボゲイシャ』 ・・・社長さん嫌や、わっ!攻撃で世界征服です

●原題:ロボゲイシャ
●ジャンル:SF/アクション/ドラマ/コメディ
●上映時間:102min
●製作年:2009年
●製作国:日本
●言語:日本語
●カラー:カラー
◆監督:井口昇
◆出演:木口亜矢、長谷部瞳、生田悦子、竹中直人、志垣太郎、斎藤工、松尾スズキ、くまきりあさ美、中原翔子、亜紗美、デモ田中、石川ゆうや、紅井ユキヒデ、その他大勢

 すっかり寒くなりました。秋をすっ飛ばしてますね。
 今回は久々の劇場鑑賞作品です。タイトルからしてビンビンきますね『ロボゲイシャ』(笑)。

【ストーリー】
 芸者見習いの妹ヨシエは芸者の姉キクエに苛められる毎日を過ごしていた。ある日のこと芸者遊びに来た大企業の社長はそんなヨシエの潜在能力を見抜く。怒り頂点に達すると超人的なパワーを発揮するのだ。社長はある計画の為に姉妹を本社社屋へと招待する。そこでは、拉致した女性らを芸者姿の戦闘軍団に仕立て上げていた。社長とその父親である会長は、彼女らを要人暗殺に仕向け、世界制服を企んでいたのだ。ヨシエはその能力を買われ戦闘要員に加えられるが、キクエはそれが面白くなく自らも志願する。以降、姉妹のライバル意識はスパークし、遂には二人して自らロボット化してしまう。結局キクエを負かしたことに満足し淡々と計画をこなしていくヨシエ。しかし、ある家族救出の会に接することで、そんなヨシエに変化が訪れるのであった・・・。


【感想と雑談】
 遅ればせながら観て参りました。行ったのが最終日の前日という滑り込みセーフの一歩手前。初めてのシアターN渋谷。とてもいい雰囲気でした。こういう劇場って大劇場にはない温かみがあっていいですよね。上映前にスタッフの方が直接アナウンスされたりして、改めてこういう劇場っていいなあと思いました。作品や観客に対する愛情を感じます。

 悪徳政治家がお座敷ロボット芸者に襲われるというオープニングからして、普通ではないですこの作品。『片腕マシンガール』以上の衝撃が待ってました。制作側から日本でも海外でも通用するエンタテイメント作品を要望され、井口監督は大変だったようですが、見事に井口ワールドを完成させてました。

 ロボット改造を施される芸者姉妹、ロボット芸者を利用し世界制服を企む悪徳企業、悪徳企業お抱えの裏芸者ガールズ、悪徳企業を訴える家族救出の会、それぞれが入り乱れてのごった煮スープ。リアリティゼロの展開に目が点状態です。想像力の限界を遥かに突破していて、無理に辻褄あわせに頭を働かせようものなら、間違いなくやられます(笑)。でもアクション場面ではハッとするような演出もあって侮れなかったりするのですよ。

 ビジュアル的にも、有り得ないアイテムがてんこ盛り。インパクトは相当なものです。少林寺みたいな裏芸者ガールズの特訓シーンでは何かイケないものを観てしまった気分(笑;)。CGもふんだんに使われていて、おっぱいマシンガンにケツ手裏剣、そしてケツ刀と、無駄にハイテクを駆使して力いっぱい楽しいことをやってます。もう天国です。ロボ芸者が半身戦車にトランスフォームするところなんか、マイケル・ベイも涙する名場面に違いありません(笑)。

 特殊造型を東京ショックシリーズでもお馴染みの西村映造が担当していますが、このような作品なので『片腕マシンガール』とは違って残酷な場面は殆どありません。城型ロボットが町で大暴れする時、ぶん殴って破壊したビルから大量に血飛沫が上がるところが、唯一スプラッタを感じる場面だったかな。しかしなんという発想(笑)。とにかくバカでド派手な作風に華を添えてました。



 今更ですがツッコミどころ満載すぎて、窒息しそうなくらいに楽しいお祭り作品でございました。これは外人さんもきっと大喜びですわ。

 『片腕マシンガール』が苦手だった方もひとつ如何でしょうか?豪華役者陣がエキセントリックな演技で華を添えてますよ。シアターN渋谷は終了してしまいましたが(もっと早く観てれば><)、これから全国展開しますので~。
ブログでお世話になってます役者さんのBenny様も美味しい役どころで出演されてますよ♪

 今回、スピンオフ作品の『恐怖!芸者軍団 地獄へおいでやす』が特別上映されたのですが、なんと上映前に井口監督と本作出演された役者の皆さんが舞台挨拶に来られたのです。告知してましたっけ?凄いなシアターN渋谷!これが東京ってやつですか。感動しました。

 井口監督からは、本日の2回目の特別上映は初回とは別バージョンなので大変貴重という解説を頂いたのですが、初回を観ていないので違いはわかりませんでした。すみません(笑;)。その後、じゃあ皆で観て行きましょう、ということで井口監督ら全員が席に座り一緒に鑑賞することになったのでした。私の近くの席にも座られたりと、緊張モードでの特別上映となってしまいました。因みにこの『恐怖!芸者軍団 地獄へおいでやす』は、女捜査官が裏芸者ガールズ組織へ潜入捜査するというもので、制作費30万円、非常にユルくて笑える作品でした(笑)。



(C)RoboGeisha Film Partners 2009
【出典】『ロボゲイシャ』
製作:株式会社ティー・オーエンタテインメント、 株式会社ポニーキャニオン角川映画株式会社、株式会社ムービーゲート
配給:角川映画株式会社

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2009年10月12日月曜日

映画『ア・ダーティ・シェイム』 ・・・センスある悪趣味全開でえらいことになってます

●原題:A Dirty Shame
●ジャンル:ドラマ/コメディ
●上映時間:84min
●製作年:2004年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョン・ウォーターズ
◆出演:トレイシー・ウルマン、クリス・アイザック、セルマ・ブレア、ジョニー・ノックスビル、その他大勢(中毒者大勢)

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 どうもです♪
 今回はモロ下品な作品であります。やっちゃったか(笑;)。でもあれなんです、あるところで衝撃と感動を覚えてしまったのです。なので、決死の覚悟で挙げさせて頂きます。←大袈裟?

【ストーリー】
 アメリカはメリーランド州ボルチモア。全く化粧気のない主婦シルビアは、朝っぱらから求めてくる夫にウンザリしていた。離れ小屋に朝食を持っていけば、わいせつ物陳列罪で外出禁止にされてる娘カプリスが自慢のオッパイをぶん回し。セックスが大嫌いなシルビアは、ここ最近町に蔓延している卑猥な空気に嫌気が差していた。ある日のことシルビアは通勤中に頭を強打し、その時に駆けつけた自動車修理工のレイレイにまじないをかけられてしまう。その時シルビアの頭に卑猥な映像が大回転し性格が豹変。セックス中毒者に変身してしまう。町をおかしくしたのはレイレイだったのだ。頭を強打した町民はレイレイを神のように崇め、やがて町はセックスで溢れかえってしまう。そんな中、シルビアの厳格な母ビッグエセルが、町を浄化しようと立ち上がるのであったが・・・。


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【感想と雑談】
 もう大変です。ここまで、セックスやフェチズムで埋め尽くされた作品も珍しいかもしれません。本作はポルノ映画まがいの直接描写とかは一切なくて、そういう行為に様々な反応を示すキャラクタを面白おかしく描いています。実際、行為に入るところでは間接的な描写に切り替えて観る人の想像を掻き立てるようにしていますが、これが普通の行為だけでなく様々な性癖フェチズムまで出しまくりです。どちらかというと後者をアピールしています。

 冒頭、性器を模したオブジェを映したり、ラジオからスラング連呼のポップスを流したりと、早くも風紀には程遠い内容であることが判ります。ここで主人公シルビアの家が卑猥な形の樹木や植木で囲まれているのが意外なんですが、実は堅物ほど裏側の欲望は凄まじいということを象徴しているようで面白いです。

 また、登場人物に変化が訪れる際に、裸が沢山出てくるレトロな映像や、卑猥な単語をデカデカとテロップに流したりします。こういうダイレクトなメッセージを挿入することで、特別な説明を用意することなく作品のテーマを刷り込む仕掛けになっています。監督曰く、サブリミナル効果だそうです(笑)。

 主婦のシルビアは頭を強打したことで脳震盪を起こし、それまでの性格が180度向きを変えて、セックス中毒者に豹変します。仕事中の旦那と一緒に老人ホームに突入すれば、ダンスの真っ最中にペットボトルでイケないことをし、辺りをパニックに陥れたりします。家に戻れば元々セックス中毒者の娘カプリスと意気投合し盛り上がります。面白いのは、中毒者になってもまた脳震盪を起こせば元通りになるところで、シルビアはこの後とても忙しいことになります。


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 シルビアを脳震盪からセックス中毒者にパワーアップさせた張本人の自動車修理工レイレイも同じく中毒者です。過去にボンネットに頭を挟んだショックから豹変。それ以来、たまたま脳震盪を起こしては性癖に目覚め葛藤している町民らに一気に開放の手助けを行ない、それが元となって中毒者らの神様となった訳です。

 中盤、シルビアは中毒者となった町民らと出会うことになりますが、これがまた多種多様なヤツばっかで、その行為のどれもがヤバ過ぎるという。フェチの見本市。タブーの世界一周です。そんな中に葛藤し続ける男性がいれば、すかさずレイレイは男性の股間に目からビームを照射し一気に開放。レイレイは人間じゃないのかよ?と思ってはいけません。ノリで観なくてはいけないんです。ここは笑いどころです。

 町中が不謹慎な行為で溢れていくことが我慢ならないシルビアの母親ビッグエセルは、仲間の夫人らと抗議運動を展開していきますが、中毒者らの勢いは止まりません。やがて仲間の夫人も脳震盪から豹変し、腰をフリフリ喘いで撃沈。ビッグエセルの「アンタもかい!」という仰天顔にはつい笑ってしまいました。

 秩序や理性を失った中毒者らは遂にはゾンビのごとく町中を暴走するようになり、未だ抗議を続ける町民らに襲い掛かります。こうなると、町を元に戻す為にビッグエセルを応援するのが筋になりそうなものですが、逆です。早くビッグエセルを仲間にすれ!と中毒者らを応援をしたくなるのでした。

 セックスやフェチズムは確かに表に出せるものではありませんが、完全に否定できるものでもありません。タイトルの意味は「この恥さらし」だそうですが、そういう秩序や理性によって普段は抑え付けられているこれらの要素を、思い切って表に出せたらさぞかし気持ち良いんじゃないの?だったらやっちゃえ!という潔い思いが伝わってくるようで、結構スッキリして楽しめる作品なのでした。


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 監督のジョン・ウォーターズはセンスある悪趣味の帝王とか呼ばれているそうですが、たしかに下品さだけでは収まりきらない才能の持主だと思います。いつも地元ボルチモアを舞台に強烈な作品を送り出しています。観てきた限りどれもこれもマトモではなく、とにかく理性で抑えてる部分を惜しげもなくさらけ出すような作風なんです。初期作品の『ピンクフラミンゴ』では本物の奇人変人を使って、映画では絶対描かないような行為をフェイクなしでやったりしてました。食欲が暫く無くなるほど強烈ですので、未見の方は興味本位で手を伸ばさない方がいいです。これはマジです。それでもいいなら止めませんけど(笑;)。

 善良なはずの一主婦が仕事人のごとく腹立つ連中に制裁を加える『シリアルママ』や、上っ面だけの感動作を排出するスタジオ(ハリウッドですね)をブチ壊す『セシルBシネマウォーズ』は、気分爽快に浸れる大好きな作品です。比較的安心して観られるとは思ってますが、家族向けではありませんので要注意です(笑)。最近、豪華なミュージカル作品としてリメイクされた『ヘアスプレー』なんてのもあるのですが、オリジナルは未見なので、どれだけ違いがあるのか気になるところです。かなりマトモであるらしいのですが。因みにリメイク版では、監督本人が露出狂役として特別出演されてました(笑)。

 監督のコメンタリでは地元ボルチモアのことが色々語られます。劇中出てくる不味い食材や髪型や建物など地元ならではとか、こんな内容なのにロケ地の住民がやたら協力的だったとか、ホント地元を愛されてるお方なんだなと思います。また、紳士的な話し方をする一方で、フェチを語るのに劇中以上に放送禁止用語を連発したりと、まさに帝王ということも判ります(笑)。


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 さて、本作でストーリーと関係ないところで衝撃と感動を覚えてしまった点について紹介したいと思います。役者についてです。興味のある方だけ、どうぞ~。

 まず、主人公シルビアを演じるトレイシー・ウルマンですが、どこかで聞いた名前だなと思ってたら、大昔にMTV時代に一時好きになった歌い手さんなのでした。『夢見るトレイシー』という曲がお気に入りで、よく考えたらレコードも持ってました(笑)。で、この時は声も容姿も可愛らしい人だなと思っていたものですが、本作ではなんとも変わり果てた姿となって登場して、衝撃を覚えた訳です。まあ、20年以上も経ってますから仕方ないですね。元々から役者だったらしくて、当時のPVを見直してみると、たしかに目まぐるしく演技をしたりと芸達者な感じです。ジョン・ウォーターズ監督もどんな役にも成りきれる女優だと褒めていました。この『夢見るトレイシー』のPVは後半がえらいことになっていて、ひょっとして本作はこのPVの後日談になってるんじゃ・・・と思えるのでした(笑)。

『夢見るトレイシー』【Tracy Ullman - They Don't Know (complete video) 】


 次に、シルビアの旦那役クリス・アイザックですが、ミュージシャン兼役者というお方で、デビッド・リンチ監督作品にも関わってるそうです。ここで思い出したのが『ツインピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』でのFBI捜査官役なんです。若きキーファー・サザーランド演じる助手を従えた捜査官役は、出番は短いものの非常にクールで印象深いものでした。これが本作では古女房に嫌がられ一人寂しくトイレで・・・な役ですからね(笑;)。今回の役どころは初めてだそうです。やっちまったですか、うーんショック~。トレイシー・ウルマン同様に年が経てば変るのも当然ですけど、思い出に浸りやすい私にとってはとにかく、@@な出来事なんです。

 で、真打がですね、淫乱娘カプリス役のセルマ・ブレアなんです。これが一番の衝撃でした。特殊メイクのオッパイもそうなんですが、あのケバい化粧の下に見える目付きがなんとも鋭く挑発的。しかし娘ってこの女優さん何歳なんだよ・・・とか思っていると、中毒が解除され普通の人になる中盤のシーンでハタと気付きました。『ヘルボーイ』シリーズのリズ役の女優さんじゃないかい!あのクールで深い影を含んだ目元がとっても印象的で役にビタッとはまった女優さんだと思ってましたが、本作でまさかこんな役をやられるとは・・・。ギャップが激しすぎます。衝撃です。これが女優というヤツでしょうか。これがきっかけで大好きになりましたセルマ・ブレア(笑)。応援します。

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 オマケ。デビッド・ハッセルホフが本人役として特別出演してました(笑)。なぜ本作に?と思ってたら、彼もボルチモア出身だそうで、二つ返事でOKしてくれたそうです。で、どんな役かというと、舞台の町の上を通過する旅客機の乗客役として。トイレできばった後にとんでもないことが・・・。アホ過ぎます(笑)。

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↑↑↑いつの写真だ、ハッセルホフ。


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2009年10月3日土曜日

映画『ツイスター』 ・・・元気ハツラツな竜巻ディザスターなんだそうです

●原題:Twister
●ジャンル:アクション/ドラマ/スリラー
●上映時間:113min
●製作年:1996年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ヤン・デ・ボン
◆出演:ビル・パクストン、ヘレン・ハント、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジャミー・ガーツ、ロイス・スミス、ジェイク・ビジー、その他大勢
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 どうもです♪
 やっとこさ更新ができました(汗)。今回はこれまた古い作品なのですが、いつも通りのアホ記事となっております。またある意味ズレまくりでしょう(笑;)。こんなのでよろしければ覗いてやって下さい。途中退場も大歓迎です。

【ストーリー】
 アメリカ。幼い頃、竜巻に父親を奪われたジョーは研究チームの女リーダーとして竜巻を追跡する日々を送っていた。ある日、片田舎でメンバーらと準備に励んでいると、そこに元チームリーダーで別居中の夫ビルがやってくる。離婚届けにジョーのサインをもらう為だ。しかしジョーには未練があった。早く済ませたいビルであったが、かつて発案した観測装置が完成したことをジョーから聞いて大興奮。そんなところに突然の竜巻発生の知らせが入り、ジョーもろともチームは早々にその場から発ってしまう。離婚届にサインをもらえないことに焦るビルは、連れてきたフィアンセと仕方なくチームに1日だけ付き合うことにするが・・・。


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【感想と雑談】
 何がきっかけだったかよく覚えていないのですが、子供の頃から竜巻には凄く興味がありました。木曜スペシャルで特集が組まれた時なんか、もうテレビにかぶり付き状態。いつかこの目で見てやると鼻垂らしながらワクワクしたものです。ってまた古い話だ。あの大地から遥か上空までそそり立った巨大な柱という姿に、なんとも異様といいますか神秘的といいますか、とにかく胸が高まってウットリ見とれてしまうほどの魅力を感じてしまうのです。思えば、大自然の中で壮大なもの、例えばこれも気象関係ですが、巨大な積乱雲や夕焼け雲を眺めたり、宇宙の彼方を想像したりするのが好きだったりするので、そんな好みの一部が出てるのかもしれません。

 そんな自分に本作『ツイスター』がトドメを差してくれました。うぉ、竜巻映画かよ。

 原作はマイケル・クライトン、制作はスピルバーグ、そして監督はヤン・デ・ボン。出演はヘレン・ハント、ビル・パクストンをはじめ手堅い布陣。肝心の映像面は、当時「ジュラシックパーク」によってCGが成熟した時期でもあり、不安は一切ありませんでした。これは最強の映画がやってきたなと、鼻息が竜巻のごとくジェット渦巻いてしまいました。

 初見の劇場鑑賞では期待を裏切らない竜巻の姿と、さりげないエンディング映像の仕掛けに猛烈感動。子供の頃から思い続け望んでいたものがエンタテイメント映画として登場し、これまた自分にウルトラマッチな出来というのがヤバかったようです。その後も観直していくうちに竜巻以外にも見所がどんどん増えていき、今では初見時よりも何倍もの旨味を感じるスルメ作品になってしまいました。もうカルト化ってヤツですね。散々テレビ放映されてるでしょうし、皆さんもご覧になってると思います。これのどこがカルトなんだ!?という声が聞こえてきそうですけどね(笑)。

 なんといっても一番は当時最新のCG技術で映像化された竜巻そのものですね。これ観たさに劇場まですっ飛んだ訳ですから。もう10年以上も前の作品なので今となっては見劣りはするのですが、それでも不安定な天候から発生し大回転しながら高速移動する竜巻の姿は、今観ても十分に圧巻です。走行中のトラックの背後から迫りくる竜巻が納屋を吹き飛ばし、その時に舞い上がった屋根の一部がトラックの脇に落下するという大迫力のシーンには、竜巻もアクション要素として十分成り立つものなんだとえらく感動しました。


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 本作には6回の竜巻シーンがありますが、どれも趣向を凝らした見事なものになっています。2回目からの本格的な登場シーンは結構勿体ぶったところもあって、出だしの高速展開からすぐ拝めるのかと思っていると、突然静的な展開に戻ったりしてズッコけてしまいます。が、その分ドラマの面でグッとくるところがあって、これはこれで素晴らしくこの辺りがカルト化の要因になったりしてます。

 3回目の竜巻ですが、これが湖に複数発生して、しかも1本から2本に分裂するという異様な光景を見せてくれます。更にこれに追い討ちをかけるように、目の前で何度も牛がモォォォと鳴きながらゆっくりと舞っていく姿が映され、ここでジョーとビルの間抜けな会話が華を添えます。ここはいつ見ても笑ってしまいます。

 クライマックスは最近では珍しい特大級の竜巻が発生して、いかに観測装置を吸い上げさせるか、そしていかに逃げ延びるかが見せ場となります。近くの農家に逃げ込むビルとジョーに、竜巻パワーは容赦なく襲いかかります。フェンスは軽々と舞い上がり、農機具やトラクターが宙を舞いながら迫ってきます。相手は単なる自然なのに、まるで怪物が意志を持って襲い掛かるような描き方に限界ギリギリまで映画的な見せ場が凝縮されていて、とても興奮してしまいます。

 竜巻については十分なリサーチが行なわれ、自然の法則から逸脱しないよう細心の注意が払われたものと思いますが、そんな中ヤン・デ・ボン監督の演出が隅々まで冴え渡っていて、竜巻を巡る過程にも様々な見せ場が用意されています。本作にはジョーのチームから抜け出しビル考案の観測装置を勝手にコピーして先に手柄を立てようとするクズ男ジョーナス率いるライバルチームが登場します。竜巻との対峙以外にもこの両チームが競い合うところで更にアクション性を高めているのです。休憩中のファミレスから一斉に両チームが発つ様子をズームした状態でカメラを水平に移動させたり、走行中の車両をスピーディに接写したりする独特でスピード感あるショットは監督ならではです。

 特に遥か彼方に竜巻を捉えながら低空から双方のチーム車両を交差するように映し出すショットは鳥肌もので、なんでディザスター映画でこんなにもカッコいいんだ!?と思える素晴らしさです。また、車両の側面に固定したカメラで捉えた短いショットでは、勿論画面はブレまくりなのですが、前方に渦巻く竜巻もちゃんとブレに同期した合成になっていて、よくあるショットに架空の被写体をさりげなくはめ込むという、味付けバツグンの出来になっています。大味のようで実は芸が細かいんですよ。

 更に付け加えますと、竜巻を直接的に表現するだけでなく、そこら辺のオブジェをやたらスレスレにぶっ飛ばしてくることで間接的にも凄まじさを表現していて、ボートやタンクローリーなんかが飛んできてはギリギリ頭上をかすめていくハラハラ感に畳み掛けるアクション性もこれまた監督ならではです。


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 本作は竜巻のアクション性のみが売りに感じてしまいがちですが、実はドラマ部分にも随分と見所があると思います。ここがカルト化に起因しているところで、偏り度パワーアップが始まります。

 まず、多数の登場人物がきっちりと明るく元気に描かれていて、観ていて気持ちが良いです。ジョー率いるチームメンバが活動しているところに、ビルとフィアンセが加わることでドラマが始まる訳ですが、早くも監督の切れ味バツグンな演出がグイグイと引っ張ります。それぞれ登場人物の役割や性格がテキパキと描かれ、途中メンバの一人が無線で竜巻の発生を知るやスイッチを入れたように次の展開に移るスピーディさは異常なくらいです。主人公のジョーとビルは、かつての絆を思い出しては感慨深くなったり、性格の食い違いから喧嘩を始めたりとやたら忙しくなりますが、一方ではジョーの引きずる辛い過去やビルの常軌を逸した伝説もさり気なく描くようにし、その後のドラマを盛り上げていきます。突然ですがジョー役のヘレン・ハントって可愛いですよね。

 メンバの性格は様々でも目的が一緒のチームだけでは変化球が一つ欲しくなるところで、ここで登場するのがビルのフィアンセです。彼女だけがセラピストという竜巻には無縁の存在で、都会人には想像できない異常な世界に放り込まれることになり、また我々観る側の目線にもなってそんな世界を初体験していくという、重要な役割を担っているのです。竜巻に当たり前のように向かっていくチームに恐怖を覚え、そんな最中にも携帯電話で患者からの相談に乗る様は笑いのツボですが、一方でビルに未練のあるジョーと火花を散らす辺りグッと幅を利かせています。

 そんな彼女らがファミレスで対峙する時に予期せぬ乱入者が現れます。ビルのかつての伝説を得意げに説明するジョーに、フィアンセは冷ややかな目付きで「まだビルのこと好きみたいだけど、奪い返すのは難しいわよ」と返します。この時です。この時1秒間ほどウェイトレスが二人を一瞥するカットが挿入されるのです。男を奪い合うジョーとフィアンセの関係に聞き耳を立てていたウェイトレス。これがまた生活に疲れきった表情をしていて、どんな人生を送ってきたのだろうと考えずにはいられない雰囲気を醸し出していて申し分ないです。それぞれディープな女性らが張り巡らす男子禁制の絶対領域。女の三つ巴。静かながらもバツグンの破壊力。スルーしがちと思いますが、一つのドラマが凝縮された鳥肌立つ名場面・・・と私は勝手に評価しているのですが、どうでしょうか。

 この他にも見せ場は盛り沢山です。まあ、あくまでも個人的な見解ですけどね。そうそう、だいぶ後になって気付いたのですが、チームメンバの一人をフィリップ・シーモア・ホフマンが演じているんです。車両の中ではロック音楽ばかりかけていて、いつもチャランポランなヤツなのですが、いつも世話になってるジョーの叔母さんが竜巻に襲われたことを知るや、その時に見せる一瞬の表情がとても印象的です。ホントにいい役者さんだと思います。


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 クライマックスの竜巻では、最後の1台となった観測装置をなんとかして吸い上げさせ念願の目的達成となるのですが、ジョーにとっては幼い頃に父親を奪った特大級の竜巻と再び対峙することになり、この後の究極の体験が最大の見せ場となります。復讐心と父親への未練を一気に解き放つかのような、まさに劇中でも語られる「神の領域」を垣間見るような感動的な場面であります。この時の竜巻の映像ですが、通常では見ることができない光景をCGで作っているのですが、実際ああなっているのか非常に気になるところです。

 本作は、あくまでも現実的に科学的に竜巻を追い続けるという様にバランスよくドラマを織り交ぜ、殆どが白昼のもと見易く描きった大変素晴らしいディザスター映画だと思います。『スピード』に続くヤン・デ・ボン監督の2作目に当たりますが、後期に出した作品は残念ながらどれもがイマイチに終わっています。本作の常に竜巻に向かって突っ走るというテーマが、監督の疾走感溢れる作風に奇跡的に合致したのかもしれません。監督にはまた一花咲かせて頂きたいものですね。

 因みに本作が最初の竜巻ディザスター映画かと思っていたら、以前にも同様の作品があったようです。でも、これ以降散発された関連作品を含め竜巻ディザスター映画では、本作『ツイスター』がNo1だと思っております。絶対こっちの方が面白いって♪


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 最後に、本作のテーマ曲を紹介します。冒頭の方でビルとフィアンセが広大な田園地帯に車で登場する時に流れるとてもワクワクする曲です。テレビ番組でもよく使われている名フレーズですね。この時の低空から併走する車に接近していくショットの気持ちよさは只者ではありません。カルトですカルト(笑)。



<追記>
 後で知ったのですが、この作品、当時のラズベリー賞にノミネート(受賞?)されたんだそうです。これのどこがラズベリーなんじゃ?!と言いたいところですが、ディザスターで破壊の美学を見せずに人間ドラマに時間を割くとはどういうことじゃ、という意見はわからんでもないです(笑;)。

<再追記>
 なんかこの作品、もの凄く評判悪いのね。上記のラズベリー賞も納得しました。脚本のダメさ加減に呆れるのが正しい見方のようですが、異端な私は竜巻を中心に全てのドラマが愛おしくて堪りません(笑)。

<再々追記>
 ディザスター作品『イントゥ・ザ・ストーム』('14)も記事にしてみました。よろしければ、こちらもどうぞ。 ⇒『イントゥ・ザ・ストーム』


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