●原題:Die Hard 4.0
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/スリラー
●上映時間:129min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:レン・ワイズマン
◆出演:ブルース・ウィリス、ティモシー・オリファント、ジャスティン・ロング、マギー・Q、クリフ・カーティス、ジョナサン・サドウスキ、ケビン・スミス、メアリー・エリザベス、ウィンステッド、その他大勢
雪降りました雪。でも雨も降ったりします。どっちも寒いです。とにかく体調には注意していかないと。今回は年末のクリスマス時期ということで、そんな感じの作品?です。
【ストーリー】
アメリカ。突然、FBI本部が何者かによってハッキングされる。FBIは凄腕ハッカーのファレルを重要参考人として警察に連行を依頼し、娘と喧嘩別れしたばかりの刑事マクレーンにその指令が入る。ふて腐れながらもファレルのアパートに向かうマクレーンは、そこで謎の戦闘グループに襲撃され、命からがらファレルを連れ出すことに成功する。その戦闘グループはアメリカ全土を制圧しようと目論む国防省あがりのトーマス率いるハッカー軍団であった。金融システムを突破するアルゴリズムを開発させたファレルを口封じする為アパートを襲撃したトーマスは、マクレーンに邪魔されたことで怒り心頭になる・・・。
【感想と雑談】
クリスマスといえば・・・そう『ダイ・ハード』('88)がありました。でも、今回はだいぶ外れて『ダイ・ハード4.0』('07)のことを書こうと思います(笑)。クリスマスには関係ない作品ですが、シリーズとしては繋がりありますからね。
前作の『ダイ・ハード3』('95)から12年ぶりとなるシリーズ4作目。当時はかなり話題になっていたかと思います。たしか。好きなシリーズなので期待度はデカかったですが、一抹の不安もありました。4作目ともなるとシリーズ失速の法則は発動しまくりのはずですからね。予告を観ても、ちょっと微妙かも、と。
初見の時は、既に密室劇でもなんでもない(冒頭のアパート襲撃のところはやや密室だったか)開放的な展開に優等生肌の悪役が新鮮ということで、いきなり傑作とまではいかないが割と楽しめたことは覚えています。アクションもアクロバティックだなあ、なんてことも。
監督のレン・ワイズマンは、いわゆるスタイリッシュなお方ですよね。初監督『アンダーワールド』('03)が縁で主演のケイト・ベッキンセイルを嫁にしてるし、その後も何作品かで再びベッキン嫁を起用してるし、しかもイケメンときてるし。スタイリッシュとは関係ないところで腹立たしいですが、とにかくカメラワークやデザインがやたらカッコいい監督さんです。
こんなスタイルはダイハードじゃないだろうし、悪役の最後も迫力なさすぎ、という思いがある一方、実は感心できる点があったりするのも確かなところ。これは何度か見直すうちに思うようになりました。そら何度も観れば愛着も湧くだろうよ、と思われるかもしれませんが逆です。そもそも何らかに惹かれてこそ何度も観たくなるものでしょう。
で、感心できるのが、人間関係の描写。もともとダイハードシリーズは泥臭い人間関係の上に成り立つアクションが面白いところですが、本作もスタイリッシュながらもそういう点がちゃんと際立っていて、実はシリーズ中もっとも感心できる点を含む作品かもしれません。
マクレーン刑事とハッカー小僧ファレルの親子まがいの関係は当然ですが、それ以上に悪側にも血の通った演出を施しているのがいいです。戦闘ハッカー集団のボスであるトーマスと子分達のやりとりが本当に日常的で人間臭いところがあって、それってあるある(笑)と思えてしまうのです。
例えば、金融システムからのダウンロードがなかなか始まらず苛立つ子分に、トーマスが「我慢しろ、とにかく待て」と言うと、暫くしてダウンロードが始まるところ。また、マクレーンの娘が暴れたせいで自分の足を撃ち抜いた子分にトーマスが「しっかりしてくれよ、いいか?・・・本当だな?」と呆れた表情でしつこく諭すところ。
極めつけは、戦闘機のパイロットにニセの指示を出そうとしてハタと黙りこみ血走るトーマスに、子分が慌てて出撃コードを伝えるところ。この時のトーマス演じるティモシー・オリファントの鬼気迫り感が凄いです。こんなふうに、仲間内の落ち度やそれを指摘する台詞など、話の進行には関係ない人間のゆらぎや血の通いをいちいち挿入するところが、人間関係に深みを与えていると思うのです。
マクレーンの活躍ぶりが奇想天外で行き過ぎ感も満載なことで評価がそういう方向に行きがちかもしれませんが、視点を変えて観れば新鮮で面白いと思えるところが多々発見できるかもしれません。
単純にアクション面に目を向けてみると、クライマックスのトレーラーと戦闘機のチェイスはよく出来てるなあと思います。VFX総動員の威力ってやっぱ凄いです。高架の坂を登っていくトレーラーにミサイルやバルカン砲を撃ちこむところは実写にしか見えないのですが、CGでないとしたら本当にどうやって撮影してるのか想像もつかない臨場感です。
また、かなり自由のきくカメラで撮影しているのか、高速でカーチェイスする様を急激に旋回したり接写したりします。パトカーが高速で左折するところをすれ違いざまスレスレに描写するところ迫力あるなあ。同時期の『デスプルーフ』('07)でも同様の撮影をしていたので、ひょっとしてカーチェイスの新しい幕開けだったのでしょうか。まあ、あまりカーアクションものは観てないので何ともいえませんけどね。
そうそう、マクレーンの娘役をメアリー・エリザベス・ウィンステッドが演じてますね。しかし、彼女ホントに可愛いわ。『デスプルーフ』ではチアリーダー役が光ってましたなあ。顔付きが外人外人してなくて親しみ感じますよね。最近は歳相応な役どころみたいだけど。彼女とマギー・Qのキャットファイトが見たかったな。マクレーンの娘なんだから互角に戦えるはず。これ重要。 ←バカ
ということで、今年はあと1回は更新できるかな。頑張ってみよう。
「ジョン、お前はデジタル時代のハト時計だ」は名台詞ですね。
(C)2007 Twentieth Century Fox Film Corporation and Dune Entertainment LLC
【出典】『ダイ・ハード4.0』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2014年12月23日火曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
こんばんは!!
返信削除この映画はあまり印象に残ってなかった
のですが、umetramanさんの記事を読むと
再見したくなりました!!(^^♪
>で、感心できるのが、人間関係の描写。もともとダイハードシリーズは泥臭い人間関係の上に成り立つアクションが面白いところですが、本作もスタイリッシュながらもそういう点がちゃんと際立っていて、実はシリーズ中もっとも感心できる点を含む作品かもしれません。
なるほどですね!!1作目からシリーズが進むにつれ、人間関係の
描写が薄れてきてましたよね・・。
1作目の電話でやり取りをしていた警官を対面したシーンなどは
感動モノでした!物忘れの酷い僕ですら覚えてます(笑)
人間関係に注目して再見したいと思います!!(^^♪
>監督のレン・ワイズマンは、いわゆるスタイリッシュなお方ですよね。初監督『アンダーワールド』('03)が縁で主演のケイト・ベッキンセイルを嫁にしてるし、その後も何作品かで再びベッキン嫁を起用してるし、しかもイケメンときてるし。スタイリッシュとは関係ないところで腹立たしいですが、とにかくカメラワークやデザインがやたらカッコいい監督さんです。
リメイク版のトータルリコールもそうですか・・
確かにカッコイイ、、。
素晴らしい監督さんなのに妙に許せないのは何故でしょう?
いや、理由は分かってますが(笑)
今年もコアな映画の話を色々できて楽しかったです!
本当に有難うございました。来年も宜しくお願い致します!
それでは良いお年をお迎えください!!\(^o^)/
ダイハードに関係はないけどベッキンセールに応援です!!(笑)
>take51様
返信削除このシリーズはなんと言っても1作目が頂点なんですけど、本作もよく見てみればなかなかですね。
実は1作目からのマクティアナン監督が既にスタイリッシュで実力あるお方だったのですよ。
両手で収まらない数のキャラを出しておきながら全てキッチリ立たせていて、そんな中、巧みなカメラワークでさりげなく配置した大量の伏線をラストまできれいに回収しているのですね。
構成の上手さから、take51様が仰る警官との感動の対面に繋がっているのだと思います。
・・・あ、なんか1作目のコメントになっちゃった(笑)。
まあ、これほどの傑作のだいぶ後発となった本作ですが、相変わらずのウィリス演技にワイズマン監督の手腕でこれはこれで楽しめる出来になっていると思います。マクレーンの必ず捨て台詞を吐く人間臭さを、敵側にも用意しているとこがいい感じです。
ワイズマン監督はベッキンを嫁にしている時点で非常に悔しいですが、震えながらも賞賛を送るしかないでしょうね(笑)。ぷるぷる・・・。
こちらこそ今年も傑作や珍作?の共有ができてとても楽しかったですよ。ありがとうございました。
来年もtake51様にとって良い年となりますように。
ベッキン応援頂きましたありがとうございます♪
あけましておめでとうございます。
返信削除今年もよろしくお願いします。
おっと、らしくないメジャーな作品のレビューなんですね。逆にびっくりです(笑)
このシリーズは私も大好きな映画で、最初の作品では学生の頃に父親と映画館に観にいった思い出があり。でも、私もパート4はあんまり印象残っていませんでした。
デジタル時代に、この泥臭い肉体派アクションと人間味がいいですよね。
また、今年も色々珍しい映画のレビューを楽しみにしています!
>とら様
返信削除あけましておめでとうございます。
はは、らしくないですかね(笑;)。
たしかにこの4ってあまり相手にされてないようですけど、なかなかよく出来てると思いますよ。
密室劇でないと書いてしまいましたが、よく考えたら、数々の狭い空間を渡り歩きながら戦ってるんですよね。
金庫破りの過程とかラストの対峙とかもあって、1への原点回帰も込められていたのかなと思います。
しかしなんといっても、1が最高ですよね。とてもよくできたアクション作品だと思います。
最近ホラー系の記事やってないので、こちらも原点回帰しようかと思います(笑)。
今年もよろしくお願いしますね。
コメントありがとうございました♪