2010年2月28日日曜日

映画『狂っちゃいないぜ!』 ・・・戦場のような職場トラコンよりもアンジー自体が相当ヤバいそうです

●原題:Pushing Tin
●ジャンル:ドラマ/コメディ
●上映時間:124min
●製作年:1999年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マイク・ニューウェル
◆出演:ジョン・キューザック、ビリー・ボブ・ソーン
トン、ケイト・ブランシェット、アンジェリーナ・
ジョリー、その他大勢
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 今回はトラコンというちょっと聞き慣れない職場が登場する作品です。役者らも何気に凄い布陣だと思うのですがいかがでしょうか。それと、花粉が始まった予感です。花粉め!今年は少ないはずではなかったのか!!

【ストーリー】
 アメリカ。ニューヨークのトラコンは毎日が戦場のような忙しさだが、管制官ニックだけは余裕で仕事をこなしていた。ある日、謎の男ラッセルが中途採用で職場にやってくる。度胸と才能を持ち合わせたラッセルにニックはライバル心を爆発させるが、それはやがてお互いの家庭にも波及する問題に発展する・・・。



【感想と雑談】
 しょっぱなから飛び交う旅客機を制御するトラコンのお仕事が描かれます。このトラコンとは、Terminal Rader Approach Controlの略(TRACON)で、端末レーダー着陸誘導システムの意味なんだそうです。本作に登場するニューヨークのトラコンは、ケネディ空港、ニューアーク空港、ラガーディア空港の3空港を担当します。各空港を離着陸する旅客機をレーダーと無線を駆使し誘導するのですが、それぞれニューヨークの玄関口だけあって1日あたり7000便もの数をこなす超多忙な職場となっています。地図で確認してみると3空港は見事ニューヨークを囲むように配置されていて、確かに上空は過密空域であることがわかります。

 ここでトラコンの管制官ニックはレーダー表示から素早く的確に旅客機に指示を出します。空域ごとに担当が決まっていて複数人の管制官がレーダーに向かっているのですが、手一杯になると旅客機情報のタグ(?)をどんどん横に流していきます。最終的にタグはニックのところに流れ着くのですが、ニックは鼻歌まじりでこれを捌いていきます。ここで、どのように仕事を捌いているのかをCGで描きます。ニックの目に映るレーダーの映像がアップになると、レーダーの二次元映像が立体的に切り替わり、ニックが飛び交う旅客機に指示を出していく様子が視覚的にわかるようにしてます。面白いですね。

 こういう始まり方をするので、管制官ニックにその仲間、そして新入りラッセルらが毎日戦場のトラコンでどう激突し過密空域を制御していくのか、というサスペンス風味を期待したくなるのですが、どちらかというとトラコンよりもニックとラッセルの激突から家庭問題まで波及する様に比重を置いてるようでした。トラコンは密室に近く見た目も動きがないので、これだけでは映画にならないのでしょうかね。航空機の接触事故って起き難そうな気がするんですが、空港への着陸時にはライン取りで大渋滞となるので、舞台の空域あたりになると相当にヤバいんだそうです。もうちょっとこの辺を掘り下げてみるのも面白いんじゃないかなと思いました。

 そういえば、『未知との遭遇』('77)の冒頭でもトラコンがUFOに遭遇する様を描いてましたね。ちょっとの出番でしたがパイロットとの会話がサスペンス風味の印象深いシーンでした。



 本作はトラコンにそれほど拘らなければ、ドラマや登場人物で楽しめるかもしれません。といいますか、今観直してみるとビックリ要素や大笑い要素もあって、全体的には十分楽しめる作品になってると思います。

 ストレス限界な仕事に囲まれながらも毎日がお気楽な家庭持ち男ニックを演じるのはジョン・キューザック。この人とにかくエンタテイメント向きな白人さんというイメージがあります。どうでもいいことですが仲間も典型的な白人ばかりで、なんだか白人臭ぇと思える時があります。

 謎の男ラッセルを演じるのはビリー・ボブ・ソーントン。浅黒くて顔つきがいいですねこの人。白人臭ぇ独特なトラコンの中で異彩を放っています。黙ってるだけでも存在感はバツグン。退屈な人生が嫌で破天荒な行動を繰り返してきたラッセルにトラコン連中は興味を覚えます。

 ニックはやたらラッセルに挑発的になるんですが、どれもこれも裏目に出てしまうのが笑えます。やがてニックはひょんなことからラッセルの妻メアリーと一晩を過ごしてしまいます。このメアリーがやたらワイルドでフェロモン全開なエロい人妻。演じるのがアンジェリーナ・ジョリーなので納得です。この時のアンジーは23歳で若いです。そんなに古い作品という印象はないのですが、ポッチャリしててやたら幼く見えるんですよね。いやとにかくいいですな!ははは。

 このメアリー、夫ラッセルにぞっこんなのか、いたる所でベッタリしまくります。目付きがヤバくてもの凄い光景です。あるイタリアレストランでは歌も上手いうことで美声を披露するラッセル。そんな彼の足元に注目。恍惚の表情でラッセルの右足にまとわりつくメアリーの姿が?!これを見て大声で笑ってしまいました。いねーだろそんな客(笑)!!いやいや、イタリアレストランではこれが普通なのかもしれない。ラッセルの歌声もよく聴いてみれば若干外れてるようだし。ファンタジーとして受け止めておきましょう。というよりも、この夫婦の存在自体がファンタジーですな。


(大惨事に近いイタメシ屋)

 ビリーとアンジー演じるファンタジー夫婦はこの後、現実世界でも夫婦となりました。二人の熱愛ぶりは凄まじかったですね。たしか報道陣の前でも前述のイタリアレストランの光景を再現してたかと思います。アンジーはビリーの生血を詰めたビンをネックレスにして身に着けていたとか。ちょっと身震いするほどの熱愛ぶりですが、冷めるのも早かったようで。アンジーはその後ブラピともくっ付いては離れたりと。忙しい世界ですなまったく。(追記:破局したと思ってましたが、どうやらガセでしたかね。失礼しました)

 ニックの浮気を知ってブチ切れる妻コニーを演じるのはケイト・ブランシェット。いいです。とにかくいいです。『インディジョーンズ/クリスタルスカルの王国』では初めて見る悪役に痺れたものですが、今回は一般家庭の人妻なんです。何かとニックに言う「冷蔵庫にシチューがあるから」という家庭的な台詞にやられる男性諸氏もいましょう。色白で若くて可愛いですよ。今ではすっかり貫禄付いちゃってますが、この頃もまた魅力的でいいです。とにかくいいです。

 ラッセルにやられてばかりで妻コニーにも逃げられたニックは、遂にはトラコンで重大なミスを連発し人生最大のピンチを迎えます。失意の中、ニックはラッセルに会いに行き、全ての思いをブチまけます。一番の思いはコリーを取り戻したいこと。その為にはどうすればいいのか。ラッセルからの答えはある行動にありました。それは二人して空港の滑走路に立ち、そして・・・。

 役者が結構豪華な布陣なので、これだけ見るのも有りな作品ではないでしょうか。ドラマ的にはもっとトラコンを挟んで欲しいと思いましたが、特にあのエロすぎるアンジェリーナ・ジョリーが拝めるだけでもヨシとしましょう。まさに雌の野獣ですですから(笑)。航空犯罪をテーマにトラコンをもっとテクニカルに描いたら面白いのが出来そうですが、ひょっとしてそんな作品ありましたっけね。うーん、あったような気がする。なんだったか。


(スパルコ大佐の9年前と、ララ・クロフトの2年前)

 最後に。これ1999年の製作なんで、当時のニューヨークのあるビルがしっかりと拝むことができます。例の大事件の前ですからね。舞台となったトラコンでの実際の事件当時の状況は尋常ではなかったと思います。そんな思いを馳せながらも、エンタテイメントとして割り切って楽しめられればと思います。

(C) 1999 Twentieth Century Fox Film Corporation, Monarchy Enterprises B.V. and Regency Entertainment (USA), Inc. All Rights Reserved.
【出典】『狂っちゃいないぜ!』/20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント

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2010年2月18日木曜日

映画『ピカソ・トリガー エネミー・ゴールド指令』 ・・・第3弾 薄着の金髪美女とボディビルダーがバカンス中に金塊を発見します

●原題:Enemy Gold
●ジャンル:アクション/アドベンチャー
●上映時間:92min
●製作年:1993年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ドリュー・シダリス
◆出演:ブルース・ペンホール、マーク・バリエール、スージー・
シンプソン、タイ・コリンズ・ジュリー・ストレイン、ロドリゴ・
オブレゴン、その他大勢
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 この「ピカソ・トリガー」シリーズは一昨年にも記事にしてました。2作目で止めておりましたが、先日レンタル屋で目に入ってしまい、また観たい度がアップした次第です。という訳で、需要皆無の作品とは思いますが、久しぶりに出すことにしますシリーズ第3作目を。ははは・・・。

【ストーリー】
 アメリカは南部のダラス。あるモーテルではFBIのクリスとマークそして美人ベッキーらが捜査のプランを立てていた。ターゲットは黒幕サンチアゴが率いる麻薬組織だ。見事3人は麻薬を押収し手下どもを逮捕する。しかし上司ディクソンは無断で行われた一連の捜査を問題とし3人を停職としてしまう。意気消沈するもクリスは幼少からの夢であった南北戦争時に隠された金塊探しを提案。3人は埋められたとされる森林地帯へ向け出発。これを聞きつけた黒幕サンチアゴは、遠方より殺し屋を呼ぶと鼻息荒く3人を追跡する・・・。



【感想と雑談】
 このDVD、再生ボタンを押すと本編が始まることなく、いきなり・・・

 「やあ、アンディ・シダリスだ」

 と、小太りエロ親父のアンディ・シダリスが元気よく登場。このシリーズのDVDは必ず初めに製作陣の御大シダリス親父が自ら作品を宣伝します。この時、御大が横に呼び寄せるのがお抱え女優のジュリー・ストレイン。

 「どこにでもいる普通の女の子だろ?」と御大のたまう彼女は180cmの長身に紐みたいな下着姿。この容姿そして顔付きからしてまさに雌の野獣です。御大に抱きついたりオッパイ出したりして、たしかに普通の女の子ですね(違)。しかしスゲェ。このコントにも見えるやり取りが終わると、やっとこさ本編に突入します。

 前回にも書いているのですが、このシリーズは御大の中学生魂を中心に掲げた5ヶ条が元になっています。なので、エロス、アクション、バカンス要素が入り乱れて終わりという、要するにどれもこれも見た目が一緒の作品となっています。

 今回は一応、南北戦争時代に南軍の将軍が隠したとされる金塊探しがテーマになってます。が、先の通りの要素によって、そんなテーマよりも多々ある見た目の問題が気になって仕方がなくなります。因みに本作は御大の息子ドリュー・シダリスが監督やってます。

 本編に入るといきなり南北戦争の真っ最中です。が、何かの祭かイベントに乗じて撮ったのか、全体的にホノボノとしていて緊迫感が全くありません。そんな最中に南軍の将軍と軍曹が、北軍から奪ってきた金塊をある樹木の根っこに埋めます。ここでジャジャーンとタイトルバック。ENEMY GOLD・・・敵の金塊 ですかな。直訳でいくと。

 突然、シーンは現代のダラス空港に移ります。これがまたシリーズならではの直結編集と言いますか、時の流れを流暢に表現するようなことをしません。面倒臭いようです。ここで一人の金髪美女の足元をカメラが舐めるように追い、車に載るとそのまま移動。FBI捜査官ベッキーです。たぶん元プレイメイトだと思います。小柄でちょっと可愛いです。

 あるモーテルでは、二人のマッチョ捜査官がなにやら銃器の点検を行なっています。自動拳銃にリボルバー銃と様々。やや手元がおぼつかないようです。そうこうしてるうちに先のベッキーがやってきました。軽く打合せをした後、「武器はあるのかい?」と聞かれたベッキーは「まずは戦闘服に着替えるわ」と返します。出ました。ここで着替えタイムです。バスルームに固定されたカメラが延々と着替え中のベッキーを捉えます。必然性のないエロス。無駄に溢れ返ったオッパイタイム。

 このシリーズのエロスはあくまでも健康的なもので、ポルノみたいに生々しい直接描写はありません。心配不要です。ベッキーの露出度全開のデフォルト戦闘服が完了すると、クリスとマークはタンクトップ姿で拳銃を股間に差し込みます。ホルスターを使う概念は無いようです。モロに銃は男のメタファ全開なんです。


(よく見ると車ではなく荷台が爆発してます)

 3人が向かう先では麻薬組織の連中がたむろしてます。ここでも全員がマッチョ野郎。マッチョ同士で格闘技をやったりじゃれ合ったりしてます。シリーズのエロスに付属するマッチョ要素で、野郎で活躍するのは全員マッチョでしかもハンサムです。暑苦しいです。ここで3人の捜査官が乱入するとシリーズのアクション要素、銃撃戦タイムが開始。全員がタンクトップ以下の格好で”銃撃戦ってこうだよね”と言わんばかりの撃ち方で激しく応戦します。ほぼ棒立ちのままで。

 ここでは特に捜査官マークのリボルバー銃(44マグナム)の撃ち方が大袈裟でイカしてます。ベッキーはハイテクボウガンを駆使し敵を一網打尽にします。どこがハイテクかというと矢が命中して3秒後に爆発するあたり。ハイテクと呼べるか微妙ですが、本人がそう言ってるし、一番見栄えのある武器ではあります。

 裸に近い格好で3人揃ってジャグジーに浸かっていると元ボスから連絡が入りますが、この元ボスが女性でまた意味もなくシャワー全開で登場。無駄に溢れる裸体です。元ボスが頑張ったものの停職を免れなかった3人は、気晴らしに金塊探しのキャンプへと出かけます。これを聞きつけた黒幕サンチアゴは遠方から一人の殺し屋を呼びます。名前はジュエル・パンサー。お抱え女優ジュリー・ストレインの登場です。色んな意味で凄いですこの人。とにかく殺しのプロなんだそうです。この後、サンチアゴとジュエル・パンサーは、3人の捜査官を追跡し始めます。ここからやっと現代のエネミーゴールド騒動が始まります。

 川を移動したい為、ジュエル・パンサーは森林警備隊のスピードボートを狙います。目が点の警備隊員に、ビキニ姿のジュエル・パンサーが「ハイキングに来たの♪」とか抜かすので、観てる側が「ねーよ」と思ってると、今度はどこに隠してたのか大型拳銃でいきなり警備隊員を射殺。燃料庫に逃げ込んだ他の警備隊員には、照明弾をブチ込み大爆殺。銃器を振り回したり、近くで爆発を起こしたりと、そんな危険な行為の割りに非常に薄着でいられるのも、シリーズの醍醐味だったりします。


(ジュリー・ストレイン、実に眩しいですね)

 3人が泊まるコテージを発見したサンチアゴの手下らは、ボスにいい格好をしようと勝手に3人を殺そうと忍び寄ります。が、何を思ったのか手下はコテージの前でベッキーが使うバギーを盗み森の奥へと逃走。どこに行く。立場がはっきりしない脚本もピカソトリガーの醍醐味です。

 気付いたクリスとマークはバイクで追跡します。逃走中の手下は、ヘラヘラ顔で余所見していた為、樹木に激突します。このオートマチックで手下を仕留めた樹木が大問題。なんと例のエネミーゴールドが埋められた場所だったのです。過去にたまたま拾った将軍の日記から、目印として樹木にナイフを突き刺していることを知っていたクリスは、目の前の樹木に刺さったナイフを発見。ウルトラが付くくらいにご都合な脚本も言わずもがなです。

 金塊の存在も察知したサンチアゴは、更に目の色変えて3人を追跡します。やがて3人とサンチアゴ+ジュエル・パンサーが対峙。自動小銃を突き付けられ形勢不利になるも、ベッキーは隙を突いてジュエル・パンサーに殴りかかります。

 ヘッポコな格闘ですが、サンチアゴは「こいつはいいキャットファイトだぜ」と嬉しそうです。結局、逆転とはならず3人は危機一髪に陥りますが、ここで元ボスが駆け付け応戦。サンチアゴとジュエル・パンサーが乗ったヘリコプターに向けハイテクボウガンを発射します。3秒後にヘリコプター大爆発。

 本シリーズはヘリコプターの爆発も売りにしているのですが、ホバーリングしてる様子に突然画面いっぱいの炎が広がるので、実際なにが爆発したのかよくわかりません。予算の都合上、本物を爆破する訳にはいかないようです。この他にも、非常に薄い爆発シーンとか多々拝めます。

 残りのバカンス要素なんですが、前2作品までは舞台がハワイとなっていて、青い海や空がとってもバカンスしてました。本作はダラスが舞台となっているので、海が無い代わりに広大な川と森林地帯がバカンスの象徴となっていました。常に天候は快晴、登場人物はバカンス気分、というのは変わらずだったかな。というかこの変わりなさがシリーズの売りでもあるんですが(笑)。

 このシリーズはシダリス家で作られているのですが、特典を観て驚いたのがエロスの演出をシダリス奥さん(監督の母)が担当していること。てっきり監督がウハウハ撮ってると思ってたんですが、どうやら母親の才能が開花してたようです。どっちにしろ一家してエロスに囲まれているのは間違いないです。

 シリーズが進むに連れ洗練度はアップしていくようですが、観たあと何も残らない出来というのは本シリーズを貫く不変のスタンスと言えましょう。肩に力入るような映画ばっかご覧になってる方、たまにはこんな作品もいかがですか。アンディ・シダリス親父が羨ましくなったら終わりだと思いますが(笑)。因みに既に他界されてます。

 もし余力があるようでしたら、前2作品の記事もどうぞ。乱暴な記事ですけど(笑;)

第1弾:『ピカソ・トリガー 殺しのコードネーム』('88)
第2弾:『ピカソ・トリガー サベージ・ビーチ』('89)
第4弾:『ピカソ・トリガー ダラス・コネクション』('94)
第5弾:『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』('96)
第6弾:『ピカソ・トリガー リーサル・エンジェルス』('98)


(前作より人数減ってるけど、やっぱりカンパーイ♪でその後バッサり暗転)

© MMII MALIBU BAY FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ピカソ・トリガー エネミー・ゴールド指令』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2010年2月9日火曜日

映画『ラスト・ボーイスカウト』 ・・・ブルース・ウイリスといえば、タバコとこの一撃です

●原題:The Last Boy Scout
●ジャンル:アクション/コメディ/ミステリー/スリラー
●上映時間:105min
●製作年:1991年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:トニー・スコット
◆出演:ブルース・ウイリス、デイモン・ウェイアンズ、チェルシー・フィールド、チェルシー・ロス、ハル・ベリー、ビリー・ブランクス、その他大勢
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 最近、めっきり外に出なくなってます。行くのはTSUTAYAくらいで。あ、いつものことか。今回は、また微妙に古いというか懐かしい作品を挙げることにします。ああそういえばあったねこんな作品・・・と皆さん思われること請け合いです(笑)。

【ストーリー】
 アメリカ。元シークレットサービスのジョーは大統領の命を救ったことで一躍有名となったが、ある上院議員への暴行事件によって今では飲んだくれの探偵となり、落ちぶれた人生を送っていた。ある日、ダンサーのコリーの警護を請負うことになったジョーは、早速コリーの店に出向くが、そこではコリーの恋人であり元フットボール選手のジミーが待受けていた。気に入らないジミーはジョーに突っかかるが、その直後にコリーは何者かによって殺されてしまう。何らかの陰謀にコリーが絡んでいたことを察したジョーとジミーは手を組み調査を開始する。やがてフットボール界とスポーツ賭博に絡む陰謀を暴きだす二人だったが・・・。


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【感想と雑談】
 もう、どこからどう見てもブルース・ウイリス=ジョン・マクレーン刑事な出で立ちが素晴らしいです。こうでなくてはいけません。まだフサフサしてますものね。のっけから飲んだくれて車中でイビキかいてるジョーは、子供らにイタズラされそうになるや銃を向け豪快に威嚇します。まるで後の『ダイハード3』('95)のマクレーン刑事みたいです。登場シーンとしては掴みはOKでございやしょう。この後も子供に銃が向けられるシーンが何度か出てきます。この作品、結構好き放題やってますね。

 オープニングからフットボール番組のアメリカンな主題歌が流れ、細かいカット割りと軽快な演出で本編に入っていくあたりは、なんともトニー・スコット監督らしいです。この能天気なノリからは当時に王道だった犯罪アクション映画の息を感じ取ることができます。脚本はシェーン・ブラック。80年代後半から犯罪アクションの脚本家として引っ張りだこだったらしく、確かにこの方が書いた作品は心に残ってるアクション映画の大半を占めてる気がします。

 シェーン・ブラック初期脚本の『リーサル・ウェポン』('87)は衝撃的でした。また『プレデター』('87)では出演もしてたりして才能ある方なんだなと思いました。因みに『プレデター』ではシュワちゃん部隊のメガネ野郎役だったはず。あ!『ドラキュリアン』('87)も書いてたんだ!レトロモンスター大集合の楽しいSF作品でした。

 なんでまたこんな古き良きアクション時代の作品を持ってきたかというと、たまたま再見したら驚きの役者が出てたのに気付いたこと、そしてあるシーンでの心のガッツポーズ度が未だに衰えていなかったからです。・・・まあ、あまり感動は無いかもしれませんが、とりあえずいってみましょう(笑)。

 冒頭の話の肝となるフットボール試合。劣勢チームLA・スタリオンのスター選手ビリーにある電話がかかってきます。「この試合には大金がかかってる。どんな手を使ってでも勝利しろ。しくじったら命はないぞ」。もう頭いっぱいいっぱいになったビリーはそのまま試合に出るやタッチダウン寸前で銃を大乱射。そして自決するビリー。


(ビリー隊長の勇姿です)

 ・・・ビリー??この名前・・・そしてこの顔、どっかで見たことある・・・と思って調べてみると、なんとあのビリー隊長ではないか!ビリーズブートキャンプのビリー・ブランクスさん、あの方なのです(笑)。

 しかし役名までビリーだなんて。結構役者として活躍されてたみたいですね。他で観たのは『未来警察TC2000』('93)というSFなんですが、後の『ブレイド』('98)を思わせるイカした役どころが印象深いです。とにかくこの発見は嬉しかった♪

 それからもう一人。元フットボール選手ジミーの恋人コリー。黒人さんの女優で大変可愛いのですが、これまたどっかで見たなぁと思ったら・・・ハル・ベリーなのでした。当時スルーしてた役者が後にブレイクして知名度が上がると、今回みたいに時間差の発見があって楽しいですよね。他にもこんな作品が山ほどあるんでしょうね。ラブリーなハル・ベリーも当時は使い捨てだったのか、あっけなく殺され退場してしまうのでした。まあ、男臭さを追求したいアクション映画にキャンキャン吼える女子供は控えてもらってOKではあります。


(ほぼデビュー作らしいです)

 さて、心のガッツポーズ度全快のシーンです。ジミーと共に調査を進める探偵ジョーは遂に組織に捕まってしまいます。目覚めるとそこは大豪邸。目の前ではチンピラがニヤニヤしながら椅子に座ったジョーを見下しています。ジョーはチンピラにタバコを要求します。この余裕が素晴らしいのですが、まだまだです。タバコとライターの火を差し出したチンピラはいきなりジョーを殴ります。血を垂らしながらジョーは再度タバコを要求しますが、この時「今度やったら殺すぞ」と付け加えます。ニヤつきを止めないチンピラは再度タバコを差し出すと、懲りずにまたジョーを殴ります。

 この直後、直後ですよ、ジョーは立ち上がるやいなやチンピラの顔面に一撃パンチを食らわすのです。ズガッ!! この勢いが堪りません。この後、パタリと大の字になって目出たく昇天されるチンピラ。その横で椅子に座り直しタバコを吹かすジョー。これを見て「ホ、ホントに殺しやがった・・・」と腰を抜かすもう一人のチンピラ。カッコ良すぎるぜジョー!このシーンはいつ観てもスカッとします。ホント笑いと共にガッツポーズ級のカタルシスです。

 ブルース・ウイリスは、飲んべえでヘビースモーカーのクセにやたら心強いという印象がありますね。『ダイハード』のイメージを引きずってる感がありますけど、どんな作品でもこういう役どころが拝めるのは大変嬉しいものです。やっぱりブルース・ウイリスはこうでなくちゃね。


(この後、チンピラに天国が待ってます)

 落ち目になってたLA・スタリオンの腹黒オーナーは、収益を上げる為にスポーツ賭博を合法化しようと上院議員らを買収しますが、一人の議員が賄賂が少ないと突っぱねたので、議員を殺害しこれをジョーの仕業に見せかけようと企みます。しかし、ジョーはジミーと娘の助けを借りながら、逆にオーナーと組織の殺し屋を追い詰めていきます。クライマックスはフットボール試合真っ最中のスタジアム。そこでジョーと殺し屋の一騎打ち。

 もう散々テレビで放映されてるでしょうし、新鮮味も無いアクション作品だと思います。でも私にとっては例のチンピラ一撃のシーンだけで国宝級(どんなだ)の傑作になってる訳です。こういうのを”カマしてくれる作品”と勝手に命名してたりします(笑)。皆さんの印象はいかがかな?


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(C) 1991 Warner Bros. Inc
【出典】『ラスト・ボーイスカウト』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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