
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/コメディ/犯罪/スリラー
●上映時間:121min
●製作年:1985年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ガイ・ハミルトン
◆出演:フレッド・ウォード、ジョエル・グレイ、ケイト・マルグレー、ウィルフォード・ブリムリー、チャールズ・シオッフィ、その他大勢
ほぼ梅雨明けしたようですね。暑いです。夏本番突入ですな。今年は泳ぎに行けるかな?というか泳ぎに行きたいと思うようになれるかな(爆)。できるだけアウトドアを目指したいものです。
さて、今回はまた古くて、知られてるのか知られてないのかイマイチ不明な作品です。でもね、油断するときっとやられる楽しいアクション作品なんですよ。これが。
【ストーリー】
現代のアメリカ。熱血漢のブサイク警官マキンは犯罪撲滅に忙しい毎日を送っていた。そんなある日、マキンは何者かによってパトカーごと海に落とされてしまう。それは政府公認の秘密組織による偽装事故であった。病院で目覚めたマキンは整形された上にレモと命名され、世の悪を抹消するエージェントに仕立て上げられる。組織のひとり、韓国武術マスタのチュンに弟子入りしたレモは組織に不満を漏らしながらも成長を続け、遂に軍事産業を牛耳る悪徳企業の討伐に向かうことになる・・・。
【感想と雑談】
これ初めて観た時はビックリしました。どこかヘンテコなんだけど、この気合の入れ具合は一体なに?スゲーぞ!!そして、何度も観ていくうちに「これは大傑作」という評価が確定しました。政府もほんの一部しか認識していない秘密組織が登場し、世にはびこる悪を退治する必殺仕事人な設定なんですが、至る所でのアイデアやユーモア、そして体を張りまくったこれぞアクションな展開が楽しくて仕方ありません。
元々ブサイク顔の警察官が組織によって整形を施され、主人公の顔になるという設定ですので、演じるフレッド・ウォードにはブサイクメイクを施し、それを取ることで整形後の顔を表現しています。ブサイク、ブサイク煩いんですが、実は本編では短い夜の場面だけなので、その顔をはっきりと拝むことはできません。といいますか、気が付いたらフレッド・ウォードの顔になっていたという具合です。本当に整形したのかよ?と思ったりもしますが、些細なことなのでスルーしてもいいでしょう。
このフレッド・ウォードは既に中年の領域に入っていて、観ている側は初め不安になります。が、心配は一切不要です。怒涛の展開にそんなことすぐさま吹き飛んでしまうからです。メインの敵となるのは兵器開発を一手に担う悪徳企業。レモは独自に捜査を行なう善良な軍人を裏でサポートしつつ、最終的に社長とその手下を始末することになります。こういう大筋に、とんでもない設定や見せ方が乗っかってくる訳ですが、それまでのアメリカ発でこんな要素が詰め込まれた作品ってあったのでしょうか。
さっそく組織のボスから、ある要人の暗殺を命じられるレモ。向かった先には小柄のアジア系老人がいました。実はこの老人、組織が雇う韓国武術シナンジュのマスター・チュンであり、レモの適正を試す為に待ち構えていた訳です。そうとは知らないレモは容赦なく攻撃します。ここで衝撃の銃弾避けが披露されます。
レモがどんなに拳銃を撃ちまくっても、一発もチュンに当てることができません。撃つと同時にチュンは素早い動きで銃弾を避けます。マトリックスなんぞ目じゃないです。やがて間近に迫ったチュンは拳銃を奪うとレモを片手で倒してしまいます。実にエキセントリックです。この二人によるドタバタは、驚きと同時に楽しさ満点です。因みにチュンは”カンフー、空手、忍術は影の存在。韓国シナンジュこそ太陽”とか抜かすのですが、ここはエンタテイメントと割り切って楽しむべきです。
サイレントアサシンに育てるべく、まずチュンはやたらレモを高所に連れていき、恐怖心を取り除く特訓を行ないます。なんと観覧車を使った特訓です。ここでゴンドラに乗るのはチュンのみ。レモはゴンドラの床下にぶら下がります(笑)。今なら容易にデジタル合成を使うでしょう。でも当時はそんなに技術はありません。光学合成は使えましたがリアリティに欠けます。ということで、レモ演じるフレッド・ウォードをホントにゴンドラ床下にぶら下げてしまいました。ゴンドラが頂上に達する辺りでは、なんと屋根の上に立たせてしまいます。あのー、フレッドさんの背景が普通に絶景になってますけど・・・。大丈夫?

高所の特訓はこれだけではありません。本作の銃弾避けに続く名場面、自由の女神を使った特訓です。撮影当時がちょうど改修工事の時期だったようですね。女神像をスッポリと覆うように足場が組まれてます。レモはその足場を利用して松明の先端に行き、直立不動の姿勢で高所に佇みます。ここでもフレッドさんの背景は観覧車の時以上に絶景です。
と、ここで、悪徳企業が放った刺客3人が登場。本作で一番のアクション場面でございましょう。どう見ても特撮ではなく、本当に足場をロケ地として撮影していて、足場にぶら下がったり飛び移ったりします。役者だけでなくスタッフらも非常に危険な状況にあるのではないか、と心配せずにはいられない緊張感が充満しています。ここでも殆どがフレッドさん本人が演じているのですが、凄まじい役者根性ですよね。ハリウッドの撮影は安全面には大変厳しいと聞きますが、それでもあの場所で撮影ってのは誰でも躊躇するんじゃないでしょうか。
レモが自由の女神を上から下に移動しながら刺客を仕留めていく間、チュンはのんびり海を眺めていたりします。しかし、レモをこっそり背後から狙撃しようとする刺客を見つけるや、颯爽とサイレントアサシンを発動。気が付いたらチュンの足下に刺客が転がっていました。秒殺すぎます。ここでのチュンはカッコよすぎ。

一通り特訓を終えたレモは、軍の上層部と密談中の社長軍団を仕留める為、山間部にある軍事演習場に向かいます。途中、悪徳企業を捜査中のフレミング少佐やチュンとも合流。その後、乗ったトラックが斜面を転がり落ちるは、演習用の砲撃ターゲットにされるわで、大変な目に合いますが、なんとか社長を追い詰め対峙することに成功します。この時、レモに銃を向ける社長。ここでレモが取る行動とは・・・そうシナンジュ大爆発。チュンの奥義を体得したレモは、果たして社長を仕留めることができるのか?カッコいいぜレモ!ちょっと笑っちゃうけどね(笑)。
初めは犬猿の仲だったレモとチュンの関係も、やがて親子のような絆で結ばれるようになります。この二人は作品の肝といってもいいでしょう。チュンの謎めいた生活様式に戸惑いながらも順応していくレモ。そんな二人がアパートの厨房で交わす会話は独特のリズムとユーモアがあって楽しいです。チュンを演じるのはジョエル・グレイ。思い切り白人さんなんですが、メイクが結構きまっているので、つい最近まで純粋にアジア人が演じていると思っていました。名前からわかるってのにね(笑;)。
原作は『デストロイヤー』という人気シリーズ小説とのことですが、映画化は思わせぶりのタイトル付けといて結局これでお仕舞いとなってる模様です。続編かリメイクでもやってくれないかな。今ならネタ不足だろうし、アメコミ映画に便乗して一発出すこと出来るんじゃないかな。第二の挑戦をお願いします(笑)。
25年も前の作品ですが、未だ衝撃度が衰えることのない傑作です。特に高所のアクションが好きで、ご覧になっていない方は是非どうぞ。あまりレンタルには置かれていない気配ですが、もし見かけられたら手に取ってみて下さい♪
<追記 2010/8/1>
TSUTAYAで、いつの間にか名作100選みたいな企画やってて、本作が大量に置かれてました。みな半信半疑なのか殆ど手付かずでしたが(笑;)。しかし、前から旧作として置いてあったっけ?どうなんだ?もっと早くアピールすれよな。
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【出典】『レモ/第一の挑戦』/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン