2014年8月27日水曜日

ナイトメアな動画です


 皆さん、いかがお過ごしでしょうか?なんか暑いんだか涼しいんだか、よくわからない今日この頃です。

 さて、今回は動画ネタで更新します。

 以前から気になっている、Cyriak(スィリアック)というイギリスのアニメーターがいます。CMや音楽PVなどを手がけているらしく、短編のイメージ動画なんかはしきりに公開されています。たまに彼の作品が観たくなって、youtubeで検索しては色々と楽しんだりしています。

 どんな作風かというと、マンガや写真、実写などから切り取りとったイメージをコラージュしまくったような感じで、それが不条理な展開を見せたり、規則的な動作で延々と動き回るようなアニメーションとなっています。また特徴的なのが、これも本人によるBGMで、リズム重視なのにメロディアスに聞こえる不思議な音作り。一見シュールでブラックで悪趣味なイメージなんですが、このBGMが被さると、ついつい見続けてしまう中毒性があります。はっきりいって大好きです(笑)。

 真っ先に思い浮ぶのが、イギリスといえばの名バラエティ番組『モンティパイソン』があります。これのアイキャッチで合間に挿入されるテリー・ギリアムによる不条理アニメ。上から巨大な足がムギュと踏みつけるやつとか(笑)。Cyriakも同じイギリス出身として影響を受けているのは間違いないでしょうね。モンティパイソンよりも今風にポップに仕上げています。

 で、つい最近ですが、Cyriakの今年の作品をyoutubeで見つけたのです。再生してみて驚きました。なんだか、今までの印象が引っくり返る思いでした。それは、'50〜'60年代のアメリカ(イギリスか?)の日常生活の記録映像を素材に、あるパターンを繰り返すというもので、辺りが徐々に壊れていく様は、はっきりいって地獄絵か悪夢です。単に記録映像にエフェクトをかけてるのではなく、高度に切り出したオブジェクト単位であちこち法則性をもった不思議な動きをさせている。これに恒例のBGMが被さり、中毒性もMAX値です。

 たぶん、自分が高度なコラージュ写真や、昔のアメリカ生活様式に興味があったりするので、それを破壊しまくる展開がツボったんじゃないかな、という分析です(笑)。 自分にとってはCyriakの最高傑作かもしれません。

 『malfunction』という2分ほどの作品です。興味がありましたら、是非ご覧になって下さい。

『malfunction』('14)

 顔でできたクリーチャーのモデルはCyriak本人のようです。


<オマケ:他のCyriak作品をいくつか>

『Welcome to Kitty City』('11)
ネコ好きには堪らんべ。(そうか?)


『Cycles』('10)
 結構、健全で可愛い作品だと思います。このクマの数は。


『cyriak's animation mix』('06)
 たぶん、初期の短編を寄せ集めたものでしょうか。可愛いのからグロテスクなものまで勢揃い。長めですが、BGMが神がかりだと思います。



 トラウマになったらごめんなさい。


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2014年8月18日月曜日

今年の夏休みは


 皆さん、いかがお過ごしでしょうか?今回、夏休み(盆休み)を利用して、東京方面へちょこっと行って参りました。

 東京方面といえば、必ず立ち寄るのが秋葉原なんですが(笑)、そこからちょっと移動して、浅草や押上のスカイツリー辺りにも行ったりします。秋葉原から電車で10分程度か、ちょっと頑張れば歩いてでも行ける距離にあります。

 で、浅草といえば、以前、記事にした『悪魔の毒々モンスター/東京へ行く』('89)が思い出されました。あの強烈な作品の舞台にもなった浅草といえば、記事にするしかありません(笑)。

 普段は写真を撮る方ではないので、撮影ポイントは大雑把だし、肝心なとこばかりスルーしているかもしれませんけど。

 浅草近辺、仲見世−浅草寺、の数カ所を撮影してきました。しかし暑かった・・・。

【隅田川沿いからの眺望】

 厩橋(うまやばし)と駒形橋との間の散歩道からの眺めです。いい具合に日陰になっていて、割と涼しかったかな。なのに、人が全然歩いてないの。この先の吾妻橋辺りになると、遊覧船や浅草寺目当ての人でごった返しているのに、この静けさはいったい。涼むには最適のポイントなのでは。遊覧船、冷房効いてるのかなあ。

【雷門】

 先ほどの隅田川沿いを吾妻橋から上がって、雷門通りを歩いてすぐに位置する、お馴染の雷門であります。相変わらずデカイ提灯。ここでベストの記念撮影をするには奇跡のタイミングを待つしかない程の人混みです。でも、年末年始の時よりかはマシな気がします。そこのバックパックのお兄さん、雷門コーデネートですねわかります。

【仲見世通り】

 デカイ提灯をくぐると、その先には浅草寺まで一直線に伸びる仲見世通りが構えています。この人混みですが、まだ自由に行き来できるのがいいです。年末年始の時期になると、大勢のお参り客で身動きがとれない程の過密状態に陥り、チョビチョビ前進するしかありません。両サイドの店舗が商売になってるのか心配になります。

【本堂前の常香炉】

 こちらもお馴染の、頭からかけると病に効くとされる煙全開の香炉であります。ここに我らが悪魔の毒々モンスターが加わることで、腰痛も瞬時に消し去る効能です。自分も腰痛気味なので、頭から煙を浴びてきました(笑)。

【毒々モンスターと一緒の浅草ツアーです(オマケ)】

 最後に参考として『悪魔の毒々モンスター/東京へ行く』でのワンシーンを紹介します。こんな感じで米国のスーパーヒーローが注目の的です。あれ?先の写真と比べると、なんか違いますね。仲見世通りだと思ってたけど、道幅は広いし屋根も付いてる。本堂寄りの場所になるのかなあ。もう20年以上も前の作品なので、だいぶ変わっているとは思いますけどね。


 以上です。ズッこけるほどの枚数ですが、まあこんなものです。

 毒々モンスターとのコラボで、映画ネタもちょっと入れてみただけの、新鮮味のない夏の思い出作りでございました(笑)。


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2014年8月3日日曜日

映画『なんちゃって家族』 ・・・マリファナを密輸する偽装家族がいろいろと大変な目に会います

●原題:We're the Millers
●ジャンル:コメディ
●上映時間:118min
●製作年:2013年
●製作国:アメリカ
●言語:英語/スペイン語
●カラー:カラー
◆監督:ローソン・マーシャル・サーバー
◆出演:ジェイソン・サダイキス、ジェニファー・アニストン、エマ・ロバーツ、ウィル・ポールター、エド・ヘルムス、ニック・オファーマン、キャスリン・ハーン、モリー・C・クイン、トマー・シスレイ、マシュー・ウィリグ、ルイス・ガズマン、その他大勢

 夏まっさかりですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?暑い時はホラーで笑い飛ばすのもいいですが、今回は15禁コメディで笑い飛ばしてみましょう。

【ストーリー】
 アメリカ。独身を突き通してきたケチなマリファナ売人のデビッドは、ある騒動に巻き込まれ、組織の売上金を奪われてしまう。戦々恐々のデビッドが組織に顔を出すと、元締めはメキシコからマリファナを密輸してくればチャラにすると言い渡す。仕方無く仕事を受けるデビッドだが、国境を越えての犯罪はそう簡単にはいかない。考えた挙句、平和な家族を装うことで国境警備隊も甘くなるはずだと確信したデビッドは、近隣の住人に、偽装家族と国境越えの協力を頼み込むことにする・・・。



【感想と雑談】
 前から気になっていましたが、なかなか空くことがなかった作品です。このタイトル、この出演陣、そして15禁扱い。気にしない訳にはいきません。みな同じ考えなんだな。やっと空いたぞ。うむ、これはいいかも。期待を裏切ることはありませんでした。

 マリファナ売人男、ストリッパー、ホームレス不良少女、夢見る童貞男、で構成される偽装家族が、数日かけてメキシコから大量のマリファナを持って帰るという仕事をしますが、途中で巻き起こる数々のハプニング要素がそれを簡単には許さないという珍道中。なんといっても見所なのは、問題持ちの個性的なキャラクタが、無理して平和な家族を装うところです。配役が実に素晴らしい。

 パパを偽装する売人男をジェイソン・サダイキス。床屋でラフな頭髪を家庭持ちパパ風にする時のやりとりは笑えたな。『ムービー43』('13)では、仮装パーティの巻でマシンガントークなバットマン(顔は全然見えず)をやってたけど、この人、生粋のコメディアンなんだろうな。最近、存在を知るようになって要注目の役者さんです。



 ママを偽装するストリッパーをジェニファー・アニストン。出ました。信頼と安心のコメディエンヌですね。何かある度に見せる表情が素晴らしいです。しかしなんか過去の作品よりも体が締まってないか。残念ながら下着姿までしか見せてくれないけど(笑)。肝っ玉さも兼ね備えているから、台詞もやたら過激で素晴らしい。15禁になる訳だ。いいぞ、もっとやれ。因みに『モンスター上司』('11)でも、ジェイソン・サダイキスと共演してましたね。殆ど絡みはなかったけど。

 長女を偽装するホームレス不良少女をエマ・ロバーツ。最近観た『ワイルド・ガール』('08)のワガママ少女が印象的で記憶に新しいですが、本作も別ベクトルな不良少女が実によかった。なんかマトモでない役が板に付いた感があるけど、この子ちゃんとした役もやってるのか(笑)。ジュリア・ロバーツの姪だそうです。花火を買って買って!とせがむところ可愛いすぎ。

 長男を偽装する夢見る童貞男をウィル・ポールター。初めて見たはずなのに、この既視感はいったい。村上ショージを若くして引っ叩いた感じ?。違うか。イケメンとは言い難い容姿ですが、これが実に味があって、青春ものに欠かせない一人として機能を十分に発揮するのではないか、という好青年であります。後半にとんでもない姿を見せてくれます。これが15禁の一番の原因かも(笑)。

 この長男が生意気にキャンピングカーのラジオに合わせて歌うところ。TLCという女子3人組(現在は2人組とか)バンドの「Waterfalls」という曲だそうです。初めて聴きましたが耳に残るいい曲ですね。PVはなんか渋い雰囲気ですけど。



 この4人が爆進する道のりで、様々なハプニングが発生しては楽しませてくれる辺り、ホントにコメディの王道ですね。キャンピングカーに大量のマリファナを積み込まれ、ゴリラ顔のルイス・ガスマン演じる警官に賄賂をせがまれ、国境警備隊には目を付けられ、お節介なハイカー家族に絡まれたりと、休む暇もありません。

 このお節介なハイカー家族がまた強烈。そこのパパが国家公務員であることが後半の展開に大きく影響を及ぼしていきます。また、偽装家族を雇ったアメリカの組織に騙され怒り心頭のメキシコの組織は執拗に追跡しますが、追いついては必ず偽装家族にヒドい目に会います。ラストの追っ手の台詞には大爆笑してしまいました。

 初めはギクシャクして雰囲気よくなかった4人が、力を合わせ問題を乗り越える度にそれぞれ心の変化や成長を見せてくれます。そして、王道のラストに向かっていきます。ジェニファー・アニストンやエマ・ロバーツの過激台詞で鼻からお茶を吹き出しそうになりますが、コメディのアクセント付けとしては大変素晴らしいものだと思います(笑)。15禁付けられてるけど、この過激要素は必要不可欠でしょうね。とにかく楽しめました。



 これ、エンドロールでNG集が流れます。とあるシーンのラジオから曲を流すところで脚本とは違ったある曲を流した途端、ジェニファーが神妙な顔で固まってしまうところは、なんだか微笑ましかったです。NGというよりイタズラですね。この和気あいあいとした雰囲気、好きだな。


 ジェニファー・アニストンのストリップはいいと思います。


(C) 2013 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
【出典】『なんちゃって家族』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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