2012年6月24日日曜日

梅雨の時期はAtomik Harmonikで一発吹き飛ばします


 梅雨ですね。ジメジメ。

 しかし、昔はザッと降ってガッと明けたものですが、ここ最近は中途半端な天候続きで気が付いたら明けてた・・・、みたいになっています。気象状況も変化してきてますね。まあ、とにかく雨の多い時期に変わりはないです。
 
 そこで、今回はジメジメ気分を吹き飛ばすのと、皆さんへの景気付けということで、マスターオブ能天気、スロベニアの音楽ユニット、Atomik Harmonikです。また出たぞ。知っている人は知っている、知らない人は知らない(当たり前)な、斬新なPolka音楽です。このネタ何度目だ。興味のある方は続きと動画も見てね。
 
 紹介する曲は、軽快なリズムに合わせ、イントロではヨーロレイヒー♪を連呼、サビではコブシを振り上げナンナンナッ♪とキメまくります。なんだか楽しそうで、素晴らしい曲だと思うのですが、いかがでしょうか。
 
『Atomik Harmonik - Kdo trka (HQ)』
 意味は直訳で「誰がノック」。「ノックするのは誰」くらいの意味かな。
 動画は2006年頃のライブですが、この時の女子ボーカル(左側)のイリス・ソバンは、脱退したオリジナルメンバの後任として参加し、Atomik Harmonikで最も好きな曲『Polkaholik』で素晴らしい容姿と振付を見せてくれたというのに、2週間で脱退してしまいました。たったの2週間。早えーよ。いったい何が。


 Atomik Harmonikは、その後もメンバの交代を繰り返し、リーダの男子ボーカル以外は全員が一新した形となっています。女子ボーカルの無駄なお色気はちゃんと継承されているようで一安心です(笑)。 

 ユニットの構成について簡単に紹介しておきましょう。
 <2004年結成時>
 ・ヤニ・パベツ(Jani Pavec):男子ボーカル
 ・デヤン・チェリク(Dejan Čelik):アコーディオン
 ・シュペラ・グロシェリ(Špela Grošelj):女子ボーカル
 ・シュペラ・クラインレルヒャー・シュペルツァ(Špela Kleinlercher - Špelca):女子ボーカル

 この間、メンバ交代を激しく繰り返し・・・

 <2011年~現在(たぶん)>
 ・ヤニ・パベツ(Jani Pavec):男子ボーカル
 ・デヤン・ヤニャク(Dejan Vunjak):アコーディオン
 ・マテヤ・ポロチニク(Mateja Poročnik):女子ボーカル
 ・サシュカ・ヘレン(Saška Hren):女子ボーカル

 去ったメンバで在籍が一番長かったシュペラ・グロシェリは、美形で歌も上手いので存在感はバツグンでした。その後にソロデビューも果たされています。豊満な方でしたが今はどうでしょうか(笑)。

 とりあえず、最近の曲も紹介しておきますね。
 
『ATOMIK HARMONIK - Tractor Polka (english version) 』
 トラクターポルカ(笑)。2011年頃の曲のようですが、最新のメンバかは不明です。

 
 うーん、牧歌的。


 そろそろ仕事が立て込みそうな予感なので、自分への元気付けも込めてみました。

 早く冬にならないかな(爆)。


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2012年6月17日日曜日

映画『ウソツキは結婚のはじまり』 ・・・結婚指輪は最良の武器にもなれば最悪の自爆装置にもなります

●原題:Just Go with It
●ジャンル:恋愛/コメディ
●上映時間:117min
●製作年:2011年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:デニス・デューガン
◆出演:アダム・サンドラー、ジェニファー・アニストン、ニック・スワードソン、ブルックリン・デッカー、ベイリー・マディソン、グリフィン・グラック、ニコール・キッドマン、デイブ・マシューズ、その他大勢

【ストーリー】
 アメリカ。整形外科医のダニーは、自分を悲惨な既婚者と偽り、同情してくる女をナンパしまくっていた。ある日のこと、美人の女教師パーマーに出会ったダニーは、自分を偽ることなく本気で彼女と付き合うことを決心する。しかし、いつもの小道具の結婚指輪を彼女に見られてしまい、仕方なく既婚者であることを演じる羽目になるダニー。妻役と子供役には、職場の助手であるシングルマザーのキャサリン一家に演じてもらうことにするが・・・。



【感想と雑談】
 ブロガーのtake51様の紹介記事を読み、大変興味を持った恋愛コメディ作品です。人気があるのか、なかなか空かずに待ちぼうけでしたが、先日やっとこさ借りることができました。

 実に楽しくて面白い作品。吹替え版も観てみたのですが、これもまた良かった。恋愛コメディは吹替え版に真価があるのかもしれませんね。

 若くてピチピチ(笑)しかも美女とくれば、男なら誰でも攻略したくなります。捻りどころは、そんな目標を持つ男が、職場で何年も共にしてきた腐れ縁のような女と偽りの夫婦を演じるところにあります。

 整形外科医のダニーを演じるのはアダム・サンドラー。コメディ俳優ですが、本作ではオーバーなバカ演技ではなく適度に笑かすような感じで好印象。ダニーの助手を長年務めてきたシングルマザーのキャサリンを演じるのはジェニファー・アニストン。恋愛コメディといえばの女優さんでしょうか。初見の『モンスター上司』('11)ではエロ上司役がインパクト大でしたが、本作では地味めな普通の女性として登場。このギャップが萌えポイントです。



 あるパーティでダニーは知人のガキが怪我をしたので手当てをします。聞いてみれば、あるブロンド美女に見とれてしまい転倒したとのこと。その美女というのが女教師のパーマーで、程なくしてダニーの目の前に登場。彼女がスローモーションで歩いてくる典型的すぎる演出が笑えます。パーマーを演じるのはブルックリン・デッカー。たしかに美女とは思いますが、ちょっとキツめな顔付きに、お前はホントに見とれたのか?とガキを問い詰めたくなります。(ファンの方すまんです)

 そんなパーマーを自分は既婚者だと偽りながらもモノにしたいダニーは、いつもの職場のノリでキャサリンに妻の役を頼み、共に行動をし始めていきます。初めのうちは何ともない二人ですが、徐々に偽りの夫婦の心に変化が現れます。パーマーが子供好きの為に仕方なく巻き込まれたキャサリンの子供達も、そんな関係に影響を及ぼしていきます。

 後半、舞台がハワイに移ると、パーマーが浮かれ気分に浸る一方で、ダニーとキャサリンに転機が訪れます。ここで登場するキャラクタに大注目。キャサリンの同級生でライバルだったデブリンなのですが、これが背が高くてケバい女だなと思ったら、演じてるのがニコール・キッドマン。うぉ、ニコールこんな役やんのかよ、とちょっと感動してしまいました。いや、ちょっとどころじゃないかな。



 傲慢な女デブリンは、ある行為がいい夫婦の秘訣だといい、それをダニーとキャサリンに目の前でやれと迫ります。渋々それを始める二人ですが、やがてお互いの思いは一気に垂直上昇。それを見ているデブリンは、フゴフゴ、ブヒヒと下品な笑いで見事なゲス女。ダニーに整形したことを見抜かれ一瞬キョドる様といい、目力もスゲーし、ホントにイカすぜ、ニコール。女優の鑑だな。

 ライバル心の火花を散らすキャサリンとデブリンは、フラダンス大会に出場しタイマン勝負に挑みます。ジェニファーもニコールもアラフォーだけど体の線はとてもキレイ。でも、二の腕大決戦に見えてしまうのは、仕方がないことだなと思います。

 それにしても、ジェニファー・アニストンの極め細やかな演技には関心しました。笑わせるだけでなく目線の動きだけでも心情を表したりと、ユーモアを知り尽くした女優の底力ってやつですかね。アダム・サンドラーも素晴らしいですが、目まぐるしい役をこなした彼女に軍配は上がりましょう。

 クライマックスではデブリンも再登場し、ダニー、キャサリン、パーマーの関係に決着が付きます。このハワイ滞在の最終日の出来事は、ちょっと端折った展開でパーマーの顛末に物足りなさも感じましたが、ダニーとキャサリンの素直な思いには誰でも納得の大団円でしょう。というかこれ以外のオチだったら、ストレスしか残らないわな(笑)。

 関係はどうあれ、何気に長く付き合ってきた相手こそ大事にせねば、ということですね。ほっこり温かい気持ちに浸れました。美の対比としての整形外科ネタも意味ありげで小気味良かったです。



ジェニファー・アニストンはいいなあ。ちょっと追ってみようかな。

<2013/1/16追記>
 なんと!本作がリメイク作品であることを今になって知ってしまいました。オリジナルは『サボテンの花』('69)という同じくコメディで、主演がウォルター・マッソー、イングリッド・バーグマン、ゴールディ・ホーン、というなかなかの布陣。これも観てみたいですね。

 って、そんなことよりも!この『ウソツキは結婚のはじまり』が、米国では酷評を受けているという現実。第32回ゴールデンラズベリー賞で、5部門(最低監督賞、最低主演男優賞、最低助演男優賞、最低助演女優賞、最低スクリーンカップル賞)でノミネートされ、うち2部門(最低監督賞、最低主演男優賞)で受賞したんだとか。なんだと!!あんなにゲラゲラ笑えてマイ殿堂入りした傑作だというのに、一体どーいうことだ。あれだ、これが実は日本語吹替え版に真価があるということを米国は気が付いていないのだな。(←意味不明)



(C) 2011 Columbia Pictures,Inc. All Rights Reserved
【出典】『ウソツキは結婚のはじまり』/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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2012年6月4日月曜日

映画『悪魔の植物人間』 ・・・マッドサイエンティストといえば、お約束の人類改造計画

●原題:The Freakmaker
●ジャンル:ホラー/SF
●上映時間:92min
●製作年:1974年
●製作国:イギリス
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジャック・カーディフ
◆出演:ドナルド・プレザンス、トム・ベイカー、ブラッド・ハリス、マイケル・ダン、ジル・ヘイワース、 ジュリー・エーゲ、オルガ・アンソニー、リサ・コリングス、スコット・アンソニー、その他大勢

 6月ですね。鬱陶しい梅雨の時期であります。今年はどんな雨模様になるのかな。そんなに無理して降らんでいいからな梅雨。しかし、今年ももう半分近くまできちゃったんだ。早いな。
という訳で今回は、ジメジメし出すこの時期にピッタリの作品です。

【ストーリー】
 イギリス。ある大学で植物と人類の突然変異について熱弁をかますノルター教授。彼には野望があった。それは人間と植物を掛け合わせた新人類を誕生させることであった。教授は見世物小屋の奇形男リンチに、まともな姿に戻すことを見返りとして学生を誘拐させ、生体実験を繰り返す毎日を送っていた。実験は失敗の連続であった。無残な姿となった瀕死の学生は、見世物小屋の客寄せにとリンチが引き取っていた。やがて、実験は成功し、待望の植物人間が誕生するが・・・。



【感想と雑談】
 古きよき英国産の怪奇ホラー作品です。

 初めて観たのが、だいぶ昔にテレビ放映された時で、なんともいえない余韻が残ったのを覚えています。暫くして、ある場面が問題視されるようになって、放映はされなくなり、ビデオ版もひっそり消えていってしまいました。

 それが先日、いきなりレンタルされているのを発見。ビックリしました。発禁扱いかと思っていたのに。これはフル全開で観直さなければいかん、という訳で借りてきました。

 オープニングタイトルでは、ナショナルジオグラフィックをガサガサにしたような画質で、植物の成長過程を早回しで映すのですが、どんよりしたBGMが拍車をかけていて、早くも先のことが思いやられます。暗いんだこれが。キノコもにょきにょき。

 イギリスのどこぞの大学では、ノルター教授が植物の性質について鼻息荒く講義をしています。演じるのはドナルド・プレザンス。この名前を聞くだけで安心ができ、作品も引き締まって見えます。何故だ(笑)。昔からSFやホラー畑の印象が強い役者さんです。

 このノルター教授、人間も植物のように光合成だけで生きていければ、争いも資源不足も起きない平和な世界が訪れると確信し、夜な夜な自宅の研究室で生体実験を繰り返します。いわゆるマッドサイエンティスト。傍らに生えてる巨大なハエトリ草にウサギを生きたまま放り込みます。まさに適役ドナルド・プレザンス。


(手前左と、その後ろの右から1人目と3人目。至高の女子学生3人衆です。)

 調達される実験用の人間は、大抵が教授の教え子たち。本作では男女5人が事件に巻き込まれますが、ここでは内3人の女子学生に注目。なんといずれも美人か可愛いときている。特に栗毛の子が。ポイントといってもいいくらいに素晴らしいです。正直、大学生には見えない老け顔ですが、そんなことはどうでもいいです。ファンになりたいくらいです。『おっぱいゾンビ』('10)は見習って欲しい。

 誘拐され全裸にされた女子学生(栗毛)は、ノルター教授から注射を打たれ、東宝特撮の自衛隊が使うような極太ビーム砲の照射を浴び続けます。やがて植物人間へと変異する女子学生。しかし重体となり、実験は失敗に終わります。失敗作は近所の見世物小屋へ連れていかれます。トカゲ女と称され見世物にされたその姿は・・・そう、ドナルド・ダックを叩いて伸ばしたような姿。お気に入りの栗毛が・・・(;ω;)。

 なんだかんだ頑張った教授は、遂に男子学生を使って実験を成功させます。しかし、残念なことに早々に植物人間に逃げられてしまいます。それでも、懲りずに女子学生を誘拐し、再度実験しようとすると、教授の元に逃げたはずの植物人間が戻ってきます。その姿は・・・ってパッケージ写真に載ってました。まあ、そんな姿です。ノルター教授と女子学生の運命やいかに・・・。

 70年代といえばのホラー作品なので、カタルシスなクライマックスを迎えることはありません。マッドサイエンティストが迎える妥当な運命でしょう。しかも、ローテクな特撮映像をラストに画面は暗転します。当然の絶望的なオチですが、これはこれで味わい深いものがあります。まあ、今時のホラーを期待すると肩透かしを食らうでしょうが、実は他に見所のある作品なのです。


(仲間の誕生パーティを開催。楽しそうです。)

 それは、本作が問題視される要因となった、見世物として登場してくるフリークス(奇形)たち。ノルター教授の共犯者として登場する長身の顔が崩れたフリークス男のリンチは、特殊メイクを施した役者トム・ベイカー(メイクが見事なので本物に見える)が演じていますが、彼以外のフリークスは全員が本物なのです。

 見世物小屋で生活する彼らを見世物としてだけでなく、ちゃんと台詞を与え、普通に生活している様を映しています。そこに悪意を持った視点は一切ありません。マイノリティな容姿を持っただけで、一般の社会から外れ自らを晒すという行為で生計を立てる彼らも、立派な人格をもった普通の人間です。

 当時は、こういう描写も映画として認められていたようですが、時代が人権やモラルに敏感になったことで、人目に晒すことを問題と捉えるようになったのでしょう。それは今でも続いていることと思いますが、彼らを封印するような行為や考えは改めるべきでは。本当は対等に向き合うことが大事なんだと思います。こういう観点は今に始まった訳ではないですが、本作を観直して、改めてそう思うようになりました。

 一応、ホラー作品なんですけどね、彼らへの愛情もテーマになってるんじゃないでしょうか。顔にコンプレックスを持つリンチも、顔を治したい一心でノルター教授と共謀し、それが負い目となって仲間にあえて攻撃的になっているように見えます。そんな彼が風俗に行くと、店の女は顔を見てもちょっと驚いただけで「平気。男はくよくよしないの」と言います。商売だけじゃない女の優しさが感じ取れたのは自分だけでしょうか。ここでのリンチの要求が、女にただ「愛している」と言って欲しいだけ、というのが泣かせます。

 原題はフリークを創る人。ノルター教授とリンチのこと。どんなに科学が発展しようが人類には慎重に接しないと大きな代償が伴うという教訓と取りましたが、どうでしょうか。なんとも奥深い作品でありました。パッケージ写真を見て鼻で笑うだけというのは、惜しいことかもしれません。


(女子学生が実験台。教授のお手伝いをしたい、とちょっと思ってしまいました。笑)

 フリークスを扱った作品では、他に『フリークス』('32)や『センチネル』('77)という作品も有名ですね。どちらも本物のフリークスが出演されていて、前者は本作の元祖とも言える見世物小屋を描いたドラマで、後者は地獄の門番として登場するホラー作品。どちらもDVD化されました。レンタルはされていない気配ですが、それでも目にすることができるのは素晴らしいことだと思います。


(C) 2005 VIDCREST, INC. ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『悪魔の植物人間』/ニューライン

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