2011年4月24日日曜日

映画『50歳の恋愛白書』 ・・・ワケあり50歳女がキアヌ・リーブスと出会います

●原題:The Private Lives of Pippa Lee
●ジャンル:ドラマ/ロマンス
●上映時間:98min
●製作年:2009年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:レベッカ・ミラー
◆出演:ロビン・ライト、アラン・アーキン、キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダー、ジュリアン・ムーア、モニカ・ベルッチ、ブレイク・リブリー、マデリン・マクナルティ、その他大勢

 そろそろGWですね。今年はどんな感じなんでしょうか。全国的に控えめなGWになるのかな。まあ、私の場合はどんな時でもカウチポテトな連休になってしまうのですが(笑)。
 さて、今回はドラマ作品の紹介です。しかも恋愛ものだって!大丈夫なのか。たぶん大丈夫じゃないです。

【ストーリー】
 アメリカの田舎町。若い頃よろしくない過去を持つピッパ・リーは、作家のハーブ・リーと結婚したことで良き妻そして母として人並みの人生を送ることができていた。しかし、50歳を迎えてからは夫の病よる住居移転や子供との確執が影響し何やら落ち着かない日々が続いていた。夜な夜なキッチンが荒らされる事件にも気が滅入るピッパ。そんなある日のこと、ピッパは隣人の出戻り息子クリスと出会ってしまう・・・。


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【感想と雑談】
 たまにこういう作品が観たくなります。『トレジャー・ゾンビ』とか『メガ・ピラニア』とか、そんな作品ばっか追ってると、こういうタイトルが急に気になったりするものです。心が洗われるようですね。50歳の恋愛、悪くないじゃないですか。いつまでも輝き続ける女性はいいものです。応援しますよ。
 
 ということで手に取った本作ですが、なんとも思っていたよりも随分違った内容でした。前回の記事に続いてではないですが、今回も期待を外される結果となりました。
 
 キアヌ・リーブス演じる年下男との出会いって『恋愛適齢期』('03)でもありましたよね。キアヌ演じる若手医師がダイアン・キートン演じる熟女に夢中になるのが印象的な恋愛コメディ。今回もそんなノリでイケるかと思ってたのですが、タイトルから想像できる恋心スパークでコメディな要素は殆どなかったです。しかし何でキアヌ??やる気なさ全開の出戻り男役なんですが、年下の恋愛対象というだけで持ってこいの役者なんでしょうか(笑)。


(え?なんすか??な表情の寝起きキアヌを代弁するTシャツ)

 皆から理想的な主婦だと羨ましがられるピッパも、実は色んな悩みを抱える一人の女。夫が心臓の病で倒れて以来、田舎町に越して来たまではいいものの、近所はお年寄りばかりだし、自立し始めた子供とも上手くいかない。極めつけが、夜な夜なキッチンが荒らされるので監視カメラを設置したら、そこに映っていたのがピッパ本人。夢遊病を患ったことが判明。これが50歳の節目なのか。
 
 そんな現在のピッパを延々描いていくだけでなく、ピッパが送ってきた人生がどんなだったかを回想形式で合間に挿入していく感じです。ドラッグ浸りだった母との確執から家出をし、レズの叔母の元に居候したと思ったら、そこも飛び出し自分もセックスやドラッグ浸りのヒッピー生活に。そんな最中に出会った売れっ子作家のハーブ・リーと結婚したことで生活は一変。そして現在に至る訳ですが、最近になって過去の封印が重く圧し掛かり始める50歳節目のピッパなのです。


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(ピッパの赤ちゃんプレイを撮影するレズ女のカット。両肩のソバカスがリアル)

 隣人の出戻り息子クリスには当初気にもしなかったピッパも、その後のクリスの性格を垣間見ることで興味を持ち始めます。そんなピッパが夢遊病の最中にクリスが登場するところは秀逸でした。ピッパが野原をさ迷ってるとクリスがタバコを売ってるので注文しますが、現実ではコンビニを徘徊し店員クリスに意味不明の注文をしていたという行動は、滑稽でありながらゾッとする瞬間でもありました。現実に存在するクリスやタバコ等がリンクして登場するところに、ああ夢ってこんなだよなと思えましたね。しかし、夢遊病って怖いな。
 
 パッケージのデザインからも見て取れる豪華な女優陣。ジュリアン・ムーア演じるレズ女カットと、モニカ・ベルッチ演じる夫ハーブの元妻ジジは、回想シーンでほんの数分の出番だというのに、強烈な印象を残す役どころ。特にベルッチはエロ期待値が垣間見えたというのにあの顛末。アンドあのムッチリ体型は目に染み付くこと必至。この二人はピッパにとってどうしても拭えない過去の残像となってる模様です。また、現在進行形で登場するウィノナ・ライダー演じるピッパの友人サンドラも大変病んでる役どころで、誰一人と気が晴れず笑わせてもくれないのが残念なところです。


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(ムッチリ体型な元妻のジジ。この後、大変なことになります)

 そういえばピッパがやたらと少女時代の回想をするところ。何となく『フォレスト・ガンプ』('94)のヒロイン(フォレストの彼女)ジェニーの顛末を思い出してしまったのですが、なんとピッパ演じるロビン・ライトがまさにそのジェニー役をやっていたのでした。なんという一致感。波乱万丈な人生を送ってきた共通点から、作り手は『フォレスト・ガンプ』と同じくピッパ役にもロビン・ライトを起用したのかもしれません。と都合の良すぎる推測をしてみます。
 
 ある事件の勃発によってピッパにクライマックスが訪れます。傍目には不幸のどん底でもあるのですが、ピッパにとっては何かふっきれた瞬間だったに違いありません。そんなピッパに見せる娘の笑顔が実に印象的でした。現実的で切実な問題を切り口とした恋愛要素ものとしては、これも十分有りの結末になるんじゃないでしょうか。キアヌ・リーブスとの胸キュンな恋愛ストーリーを期待すると、若干、体を壊す可能性があるのでご注意下さい。
 
 邦題タイトルにある「~白書」は、よく考えれば意味深で上手い付け方なのかもしれませんね。さーて、『恋愛適齢期』を見直すとするか(爆)。


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(ピッパへのスパンキング。50歳の恋愛白書でまさかのSMプレイ。)

【オマケ】

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(こちらは『フォレスト・ガンプ』でヒッピーなジェニー役のロビン・ライト)
 

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(こちらは『フォレスト・ガンプ』でシングルマザーなジェニー役のロビン・ライト) 
 
(C)2008PL6,LLC ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『50歳の恋愛白書』/ポニーキャニオン

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2011年4月17日日曜日

映画『ゾンビ・ナース』 ・・・呪われた病院で患者が右往左往します

●原題:Room 6
●ジャンル:ホラー/スリラー
●上映時間:94min
●製作年:2006年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:マイケル・ハースト
◆出演:クリスティーン・テイラー、シェーン・ブローリー、ジェリー・オコーネル、クロエ・モレッツ、ステイシー・フーソン、シェリル・ツアィ、ケイティ・ローマン、ジル・モントゴメリー、メリー・パット・グリーソン、その他大勢

 こちらでは桜もそろそろ終わりかな。自粛ムードで花見も見送りのところがあるみたいですが、あまり暗くならないよう注意したいものですね。ここもなるべく笑えるような記事で埋めていきたいと思います。(笑えるというより笑われるが正解か)

【ストーリー】
 アメリカ。悪夢を毎晩食らってる女教師エミー。彼氏ニックはそんな彼女を元気付けようと車中でチューを迫るが、不注意によって交通事故を起こす。重症を負ったニックと事故の相手ルーカスの妹は救急車に担ぎこまれるが、なぜか救命士はエミーに行き先を告げずに出発してしまう。不安を覚えるエミーとルーカスは片っ端から病院を探すが二人を見つけることができない。一方、どこぞの謎の病院では医師やナースらが担ぎ込まれたニックを麻酔無しで手術しようとしていた。それはまさにエミーが食らい続ける悪夢の光景そのものであった・・・。


(欲をいえば制服はピンクのストライプ柄を希望)

【感想と雑談】
 ゾンビとナースの組み合わせ。このタイトルから反応するなと言われても無理がありますね。パッケージからは気持ち危険臭が漂っていたのですが、これは化けるかもしれない、といういつもの期待(笑)も込めて借りてみることにしました。

 期待は力いっぱい外れました。

 普通に考えて「ナースがゾンビになって大暴れ」ですよね。なんとこれが無いんです。ちっとも。微塵にも。配給会社のデタラメ邦題にやられてしまいました。役者とか演出とか画質なんかはかなり良いと思うんです。でもですね、ゾンビ・ナースの存在がなければ全てアウトなんです。残念。

 冒頭、麻酔無しの手術を受ける悪夢から目覚める金髪美人のエミー。同棲中のイケメン彼氏ニックがそんなエミーに気を使い、ドライブ中にキスを迫ろうとしたら、交差点で豪快な事故を起こしてしまいます。運転中の二人の様子からして、やっぱりな出来事でありました。映画から学ぶ交通安全は結構多いと思います。

 事故で大怪我を追ったニックはその後、接触した相手方と共に救急車で運ばれてしまいます。この時、エミーは野次馬の一人が怪物に変身する幻覚を見てしまい、以降、行く先々で同様の幻覚に悩まされることになります。これら怪物系の特殊メイクがとても丁寧なだけにゾンビものに発展しないのは残念なところ。


(事故で知り合う男ルーカス役はジェリー・オコーネル。『スタンドバイミー』('86)に出てた人)

 一応、タイトルの元ネタになったナースは出てきます。ニックが搬送される病院のナース長とその部下4人のナース。ダルマみたいなナース長は置いといて、4人のナースはかなりイケてます。ニックを取り囲んでは採血し、夜になれば倉庫で全員裸になって血を浴びながらのイケないプレイ。遂にはニックの目の前で他の患者をかじりまくります。この時のたった数十秒のイメージからゾンビ・ナースの発想が生まれたのだと思います。でも全然グロくないんですよ。ナースも患者も血まみれになってるだけ。ゾンビ・ナースと呼ぶには100万年早すぎます。

 実際は、エミーの幼少時代からのトラウマが交通事故によって増幅してしまい、遂には魔物の姿となってエミーを襲い始めるというもので、ウィルス感染とか宇宙からの放射線とか、そういうゾンビ要素は針の先っちょほどもないのです。

 素直に作品の顛末を追ってみると、エミーの過去に何があったのかで引っ張ること90分。幼少の頃に父親との間で事件が起きたことが判明し、エミーはそのトラウマから決別するかのような頑張りを見せますが、なんとも残念な結末と反則技が待っているのでした。途中散りばめた謎も説明不足で終わった感じです。反則技については他でもたまに見かけるものですが、本作の場合ニックの描写をどう入れるかが問題なんだと思います。さてその反則技とは・・・もうバレてるか?!

 力いっぱい期待を外されましたが、ネタとしては使える貴重な作品であったと思います(笑)。


(強いて挙げるなら、これがゾンビ・ナースの瞬間。暗いし何がなんだかよくわかりません)

 ところでゾンビ・ナースといえば『スピーシーズXXX 寄生獣の甘い罠』('06)の方がまだマッチしてるんでないかと。こちらはエイリアンの憑依ものですが、ナースの豹変ぶりやその活動内容、そしてアホっぽさからして、まさにゾンビ・ナース。ゾンビ・ナース全開。ゾンビなナースを堪能したくなったらスピーシーズXXXを観ましょう(笑)。

<2014年6月7日 追記>
 もの凄いあとになって気がついたのですが、なんとこれ、クロエ・グレース・モレッツが出てたのですね。主人公の幼少時代の役かな・・・。出演欄には名前がちゃんと書かれているし、もっとちゃんと見ておけばよかったと今更の後悔ですが、まあ当時はチビッコで無名に近かったし仕方ないですね(笑;)。この時はミドルネームのグレース表記はなかったんだ。


(C) 2005 IDT Entertainment Inc.
【出典】『ゾンビ・ナース』/アルバトロス

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2011年4月3日日曜日

映画『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』 ・・・スカーレット・ヨハンソンが大学受験を目指して再び優勝

●原題:The Perfect Score
●ジャンル:コメディ/犯罪/ドラマ
●上映時間:93min
●製作年:2004年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ブライアン・ロビンス
◆出演:スカーレット・ヨハンソン、エリカ・クリステンセン、クリス・エヴァンス、ブライアン・グリーンバーグ、ダリウス・マイルズ、レオナルド・ナム、その他大勢
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 4月に入りましたね。新年度に新学期。まあ色々と新たな節目を迎えていますが、ここはちっとも変わることも成長することもありません。とりあえず宜しくお願いします(笑)。

【ストーリー】
 アメリカ。進学を決定付ける大学進学適正試験(SAT)が間近に迫った6人の高校生。成績順位がピンキリの彼らだが、大学進学には様々な思いがあった。とにかくSATで高得点を取らないといけない。そこで彼らが画策したのは、事前にSAT実施機関(ETS)から問題解答を盗み出すことであった・・・。


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【感想と雑談】
 スカーレット・ヨハンソンです。スカヨハ。先日の『アイアンマン2』でやられたばかり。レンタル店でチンマリ置かれてるのを見逃しませんでした。そんなことひと言も入ってない原題なのにブレイクしてる役者名を思い切り据えた邦題。こういうのに限って、主演ではなかったりします。パチもんに続くデッチ上げ商法ですね。でも全然平気なんです。未だ渦巻いてるヨハンソンブームが後押ししますよ。よくぞ置いててくれたレンタル店。撤収寸前だったかな。危ない危ない。

 さて、スカヨハは女子高生の1人フランチェスカを演じています。DVDパッケージを見た時は、配置に気付かず金髪の子だとばかり思っていました。スカヨハが手前に写っているというのに全然気付かなかったです。本編で金髪の子が出てきた時点でも「スカヨハ凄くふっくらしてたんだな・・・(´ω`)」と勘違い爆進中でしたが、後に本人が登場してきてやっと気付きました。眩し過ぎるチェリー柄のパンチラ姿で。こっちだこっちの顔。うむ、明らかにスカヨハ。どんだけニワカなんだよ自分・・・ということですね。



 いやあ、とにかく若くて可愛い!製作年からすると、そんな昔でもないのですが、女子高生という役柄が、若々しくてとても新鮮です。ちょうど20歳の時だけど、全然問題ないですな。大学進学適正試験(SAT)の実施機関(ETS)に勤める父を持つフランチェスカは不良気味で気ままな人生を送っていますが、SATについては女性差別をしてるとかでご不満の様子。そこにSATで高得点を取りたい5人が接近してきて意気投合。バツイチの父が毎晩若い女と謳歌している最中に、ETS潜入作戦の手配を進めることになります。

 てっきり、SAT試験中に楽しいカンニング祭りが見られると思ってたんですが、全然違いましたね。予めSATの問題と解答を入手して、それを丸暗記して本番に臨むという作戦だった訳です。初めは男子3人とスカヨハでETS潜入作戦は実行されるのですが、アホな男子が入手した解答集のコピーを取るつもりが、誤ってシュレッダにかけるという約束過ぎる展開を見せます。ガックシのところに、別方面からSATを目指す女子と男子が加わってきて、総勢6名で再度ETS潜入作戦を実行することになります。なかなか忙しいスカヨハです。



 ビックリしたのが、スカヨハがETS侵入時に守衛をブチのめす妄想を見るところ。その姿は正に『マトリックス』のトリニティ。みたいなではなく、そのまんま。あの壁走りに空中キックを忠実に再現しているのです。まさか本作でこんなシーンが見られるとは思ってもいませんでした。『アイアンマン2』への布石がここにあった訳です。ブラック・ウィドー役もすんなり演じられたに違いありません。と、勝手に自分も妄想します。

 果たして作戦は無事成功し、高校生6人は明るい未来を迎えることができるのでしょうか?特にフランチェスカは幸せな人生を送れるのでしょうか?本当に自分が進みたい道と、親にハメられた受験の道を天秤にかけるテーマに真新しさはあまり感じませんが、MTV製作らしく軽快な作品であること、そして何よりもスカヨハが出ている、ということで百点満点にしておきたいと思います。我ながらオイシイ結びとなりました。

 ビバ!スカヨハ!!


(誰がどう見てもトリニティなスカヨハ。クールビューティ・ヨハンソンの誕生)

 あと、以前、ここに鮮烈すぎるチェリー柄とかいって、素敵なスカヨハ写真をもう1枚掲載していたのですが、共有先から外されてしまったようで見られなくなりました。非常に残念です。

 気になるタイトルで『スパイダー・パニック!』('02)なんてのにも出演されていますが、どうなんでしょうか?かつて日曜洋画劇場で観たような気がしないでもないですが、更に可愛いスカヨハが堪能できそうですよね。

(C) MMIII MMP ZWEITE FILMPRODUKTIONS GMBH ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』/パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

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