2010年6月12日土曜日

映画『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』 ・・・第5弾 薄着の金髪美女とボディビルダーがプロレスバカに戦いを挑んで大奮闘

●原題:Day of the Warrior
●ジャンル:アクション/スリラー
●上映時間:96min
●製作年:1996年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンディ・シダリス
◆出演:ケビン・ライト、クリスチャン・レテリエ、ジュリー・ストレイン、ロドリゴ・オブレゴン、ジュリー・K・スミス、シェア・マークス、マーカス・バグウェル、ジェラルド・オカムラ(爆笑)

 久々の更新なんですが、久々云々よりも『マネキン』記事へのアクセスが急上昇というのにビックリしてます。新作『セックス&ザ・シティ2』でキム・キャトラルの経歴に『マネキン』が紹介されたんでしょうかね。キーワード検索で沢山訪問頂いています。ありがとうございます。ボンクラ派としては『ゴースト・ハンターズ』もキーワードに入れて頂ければなと思っておりますが(笑)。

 さて、今回はあのシリーズ作品の第5弾になります。勿論、こんなエロバカ作品に需要が無いことはわかっておりますが、勝手に使命感を帯びてやってることですので。『セックス&ザ・シティ』で盛り上がってるところ恐縮ですが、投下させて頂きます。わはは。

【ストーリー】
 アメリカのダラス。ある日、諜報機関リーサルのコンピュータから極秘情報が盗まれてしまう。それは犯罪組織に潜入中の捜査官リストであった。リーサルの指揮官ウィローは、犯罪組織の帝王ウォリアーの仕業だと確信し、極秘に捜査官らの救出作戦を決行する。しかし、その作戦内容は全てウォリアーに筒抜けであった・・・。



【感想と雑談】
 「本編スタート」を押すと・・・当然のごとくアンディ・シダリス御大とジュリー・ストレインが元気よく登場します。今回、御大はシェア・マークスという女優をプッシュし、ジュリーも彼女が大親友であることをアピール。また、日本版(!)ビデオのカバーを手に取り、日本向けのアピールにも忙しい御大ですが、一方でジュリーはカバーの前面に出ているのが自分でなくシェア・マークスであることに「オッパイが小さいから端?」とご不満の様子。

 「こんなの間違ってるよ。アメリカでは誰もが平等であるべきだ」と熱くフォローする御大に、さすがだぜアンディ!と思った瞬間、ジュリーが御大の頭をペロンと舐めて本編に突入します。あ、DVDのカバーは平等になってますよジュリー。


(日本版ビデオカバーを紹介する御大と、ちょっと悔しげなジュリー・ストレイン)

 前作『ダラス・コネクション』は大変出来の良い作品でした。それまではペラッペラの印象だったところ厚みが増して二次元から三次元に昇華したような印象です。という訳で、そんなのピカソ・トリガーじゃねぇ!と危惧したのかどうかは不明なんですが、御大は息子ドリューから脚本と監督の座を奪いとってしまいます。御大が返り咲いて吹っ飛ぶネジ数十本。これぞピカソトリガーな作品が帰って参りました。

 御大といえばのピカソ・トリガー節は相変わらず健在ですが、今回は息子ドリューの活躍に影響を受けたのか、脚本や演出に変化球を見ることができました(後で知りましたが、息子ドリューは製作側に回ってるので、ある程度は口出しされてるのでしょう)。ジュリー・ストレインですが、前作での殺し屋ブラック・ウィローから、なんと諜報機関リーサルの指揮官ブラック・ウィロー役に変わってるんです。

 ダラスのオフィスで捜査官タイガーが「大変です!情報が漏れました!」と叫びながらドアを開けると、指揮官ウィローがお出迎え。「予算を削るなんて許さないわ!」とスタッフにそれらしいことを言ってる最中だったのですが、その時の格好が豹柄のビキニ姿。しかもルームランナーの真っ最中。これ以上に説得力のない諜報機関もないだろう、という筋書きになっています。これほどの脱力感を食らわせる変化球も珍しいですよね。とにかく冒頭から笑わせて頂きました。


(上司が夢の露出度。こういう発想をするアメリカってやっぱり自由ですよね)

 その他にも前作から継続しているキャラがいて、捜査官のコブラはそのままで、悪役だったスコーピオンが捜査官になって再登場します。残念なのが、スコーピオン役がウェンディ・ハミルトンでないこと。あのシリーズらしからぬ雰囲気が好きだったのですが、今回は特に印象に残らない金髪の女優さんが演じてました。

 一方のコブラ役はジュリー・K・スミスが続投しています。しかしこの女優さんは相変わらず凄いですね。あれはオッパイというより、2つのボールですね。エロスを超越した何かが待ってます。新登場の捜査官タイガーを演じるシェア・マークスも同じくです。ウィローに捜査の指示を受けるといきなり着替えだすのですが、その時に出現するのがやっぱり特大ボール×2。無駄に溢れるオッパイタイムこそ、飽きさせない工夫を凝らす御大がそこにいます。

 継続キャラとして忘れてならないのがジェラルド・オカムラ演じるフーです(笑)。今回はウィローの部下という善側の役に回ってます。これも変化球ですね。一気にセリフは増えてるし、お笑い担当という位置づけが更にパワーアップしてます。普段はラスベガスでエルビス・フーとしてワンマンショーを抱えてるのですが、あまりにもダサイので観客はウィローと一般のオバサンの2人。また、ウィローの振り向きざまにオッパイビンタを食らってはブッ飛ばされたりと、なかなか笑いのツボを押えた役どころになってます。憎めないですよこの役者さんは(笑)。


(ウィローのオッパイビンタを食らいでんぐり返るフー。運動神経がよすぎるぜ)

 犯罪組織の帝王ウォリアーを演じるのはマーカス・バグウェル。設定では元CIA上がりのプロレスラーなんですが(凄いな)、ホントにプロレスラーまんまの体格してます。やたら捕らえた敵をリングに上げては、ネイティブアメリカンな格好してプロレス技で仕留めていきます。この時のやたら気合を入れる姿がいかにもで、ちょっとオツムの足りなさそうなところも・・・。この人、マジメにプロレスラーの方なんでしょうか。

 アクション要素ですが、相変わらず腰の入ってなさ度はズバ抜けてます。狭い小屋の中で格闘した際、捜査官に殴られた敵は壁を突き破って伸びてしまいますが、その壁が厚さ2ミリのベニヤ板。別に格闘しなくても普通に生活してて十分破れまくるんじゃないかと。

 クライマックスにはウィロー+フーの凸凹コンビVSウォリアーの格闘があるのですが、プロレス演出のごとくウィローのヘナチョコキックで悶絶するウォリアー。これほど違和感のある格闘場面もそうないでしょう。金髪同士のキャットファイトは御大の興味のないところなのかアッサリ風味。じっくり見せてもらいたいところなんですが。まあ、爆笑場面があったので許しますけどね(笑)。


(敵の金髪娼婦と金髪捜査官コブラの一騎打ち。いわゆるキャットファイトの直前です)

 ストーリーを追いやすかった前作に対して、本作ははっきりいってチンプンカンプンです。何度か観直してスジがわかってきました。善と悪の描き分けが中途半端、というかメリハリが全然なくて、しかもバカンス要素が常に前面に出てるような状態なので、なかなか頭の中で話を構築することができません。

 部分的には洗練されてるし見所もあるんですが、やっぱりこのシリーズにストーリーは無いようなもので(一部例外あり)、金髪美女とボディビルダーのエロス+ヘッポコアクションのみを堪能するのが正しい観方なのでしょう。間違いありません。まあ、いつものシリーズ作品に戻ったな、というどこかホッとするところもありますけどね(笑)。


(ウィローとフーのヘッポコ攻撃に、なぜか苦戦する帝王ウォリアー)

 最後にこれも変化球に入るのか、結構印象に残ったアメリカンジョークを紹介します。捜査官タイラーとタイガーがセスナでジャングルの上空を飛ぶ時の会話です。

タイラー「木が多すぎて何も見えないな。見通しのいい西テキサスとは大違いだ」
タイガー「どんなふうに?」
タイラー「犬が家から出て行っても3日間はその姿が見えるんだ」
タイガー「すごいわね」
タイラー&タイガー「ハハハハハハ」


 こういう発想は出てきそうで、なかなか出てこないものですよね。さすがアメリカと唸らせる名ジョーク。勉強になりました(笑)。

 さて、残るはあと1作品です。たぶん同じくアンディ・シダリス御大の脚本・監督作品となるでしょうが、シリーズをどう締めくくってくれるのか楽しみです。期待大でいきますよ(笑)。

 よろしければ他のシリーズ作品もどうぞ。

第1弾:『ピカソ・トリガー  殺しのコードネーム』('88)
第2弾:『ピカソ・トリガー  サベージ・ビーチ』('89)
第3弾:『ピカソ・トリガー  エネミー・ゴールド指令』('93)
第4弾:『ピカソ・トリガー  ダラス・コネクション』('94)
第6弾:『ピカソ・トリガー  リーサル・エンジェルス』('98)


(今回エルビス・フーも参加し和み感溢れるラストを迎えますが、カンパーイ♪でバッサリ暗転というのは変わりありません)

(c) MMII MALIBU BAY FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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