2008年7月30日水曜日

映画『ドラゴン・キングダム』 ・・・ジャッキーとジェットの夢のコラボなんだそうです

●原題:The Forbidden Kingdom
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/コメディ/ファンタジー/ロマンス
●上映時間:105min
●製作年:2008年
●製作国:アメリカ
●言語:英語/北京語
●カラー:カラー
◆監督:ロブ・ミンコフ
◆出演:ジャッキー・チェン、ジェット・リー、リー・ビンビン、マイケル・アンガラーノ、リュウ・イーフェイ、コリン・チョウ、その他大勢
◎評価:★★★★★★★★☆☆

最近、遠のいていたカンフー映画。しかしジャッキー・チェンとジェット・リーの初コラボ大作とあっては観ない訳にはいかないのだ。夏だし。


サイレント・モンク(ジェット・リー)、ルー・ヤン(ジャッキー・チェン)、ジェイソン(マイケル・アンガラーノ)、ゴールデン・スパロウ(リュウ・イーフェイ) 全員棒立ち。

【ストーリー】
カンフーボンクラのアメリカ青年が中国老人から預かった如意棒と共に古代中国にワープ。そこで悪の皇帝に石にされた孫悟空を助ける為、カンフー達人の酔っ払いと坊さんとお姉ちゃんを引き連れて旅をする。

【感想と雑談】
いやー、面白かった。

ジャッキー・チェンもジェット・リーも大画面で最後に観たのはいつ頃だろうか。全盛期の頃はよく観に行ったものだが、最近のハリウッド進出作品がなんだかなーの印象で遠のいてしまっていた。

最初は二人の共演と聞いてもすぐにはピンとこなかった正直。遠のいていたから。でも時間が経つにつれて二人の凄さが思い出されてきた。そしてファンの方のブログを読ませて頂いたら急に観たくなった。で、観に行った。

昼の時間に行ったら夏休みの家族連れの総攻撃を受けてしまった。例のアニメのせいだ。30分近くもチケット売場に並んでしまった。殆どがアニメの客だろ。窓口を1つくらい空けたらどうだ劇場。
ギリギリセーフで入場。

全席指定なのだが、公開2日目にしてガラガラなので(大丈夫??)、なるべく人から離れた席に適当に座った。そしたら暗くなってから老人夫婦がやってきて目の前で立ち止まった。正に自分が座っている席を指定していたのだ。そんな偶然あるかい。でも、カンフー映画が好きな老人夫婦は素敵だと思う。すみませんと謝り席を移った。

そんな上映前までのことなど全部忘れて大画面に没頭なのだ。
のっけから孫悟空の大立ち回り。ワイヤーアクションを存分に使った空を駆け巡るようなバトルが気持ちよかった。ぶっ飛ばされた人物の軌跡は物理的に明らかにおかしいけど、そんなの全然関係ないのだ。掴みはOKなのだ。
ボンクラのアメリカ青年が中国老人から如意棒を託された途端、古代中国にワープするのだが展開が早い。すぐにもジャッキー師匠の登場だ。ここで早くも軽いバトルを行い、ボンクラと逃げた居酒屋では大バトルをする。その後にジェット師匠が登場し、如意棒を巡ってのJ・J師匠大バトルが展開する。もう二人の動きに大満足で声を上げたくなるほどだった。先の老人夫婦が昇天していないか心配になった。

J・J師匠はゲップが出るくらいに大満足なご活躍をされていたが、女優陣では白髪魔女を演じたリー・ビンビンも良かったな。華奢なんだけど存在感あったし、顔付きがよかった。なんか日本人のコスプレイヤーにいそうな容姿だったけど、すべてOKなのである。33歳だって。見えないぞ!

ジェイド将軍を演じたコリン・チョウはアクションも凄かったけど、端整な顔でハリウッド式の振り向きざまニタリ顔もよかったですぞ(笑)。

肝心の主人公のボンクラ青年と古代中国で出会う少女だが、J・J師匠に絡みまくる上にちゃんとお楽しみが用意してあって(変な意味でなく)、ハッピーな気分で締めくくられる。ボンクラ青年ジェイソンを演じたマイケル・アンガラーノ、かなり特訓したんだろうな。頑張っていたと思う。 女優陣は元々武道をやってたのかな。

これはハリウッド流にうまく洗練された数少ないカンフー映画だと思う。久々に劇場で燃えた映画だった。面白かった。

最後にエンドクレジットだけど、やたらと(SEOUL, KOREA)の名が付くVFX工房が多くなかったか。

© 2008 J&J Project LLC
【出典】『ドラゴン・キングダム』/松竹

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2008年7月28日月曜日

映画『パルス』 ・・・ネットの大霊界でも人間死んだらみな二十歳になるのでしょうか

●原題:Pulse
●ジャンル:アクション/ドラマ/ホラー/SF/スリラー
●上映時間:90min
●製作年:2006年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジム・ソンゼロ
◆出演:クリステン・ベル、イアン・サマーハルダー、クリスティーナ・ミリアン、リック・ゴンザレス、ジョナサン・タッカー、その他大勢
◎評価:★★★★★☆☆☆☆☆

 ごっつ怖かった黒沢清監督の『回路』。これのリメイク版だそうだ。夏はやっぱりこういう映画を観ないといけないのだ。そうなのだ。和製ホラーのハリウッドリメイクというのがちょっと不安だけど・・・。

【ストーリー】
 女子学生のマティは彼氏のジョシュが自殺をしたことで塞ぎ込んでいた。友人らはそんなマティを励ますようにチャットで盛り上ろうとするが、突然ジョシュのアカウントからコメントが入り全員騒然とする。デクスターという若者がジョシュのパソコンを入手したことを調べ上げるマティ。デクスターを問い詰めるがパソコンは一度も起動していないという。
 一方でパソコンのモニタ越しに亡霊を目撃した人間が謎の死を迎えるという怪事件が多発するようになる。それは全国規模で広まりつつあった。どうやらジョシュとその仲間がネットを通じて異世界から人類の滅亡を招く何かを解き放ってしまったようだ。真相を掴んだマティとデクスターはなんとか食い止めようとするのだが・・・・・・。


マティ(クリステン・ベル)の背後でとんでもないことが起きようとしている・・・。

【感想と雑談】
 やっぱりハリウッドなリメイク作品だ。

 オリジナルの『回路』は、やたら怖かった記憶がある。ハデでもなく曖昧で淡々とした演出が逆に不安や恐怖をかき立てるようでホントに嫌なものを見たなという気になった。今まで観てきた限りでは黒沢監督の作品はホラーに関係なく共通する嫌なものや闇みたいなものを食らわせる凄さがあると思う。

 本作は、ネット上に存在する魔界が人間界を侵食し出すという内容で、流れはオリジナルにほぼ沿っていると思う。ただし、ハリウッドなアメリカンナイズされた演出の下では同じシーンがあっても随分と印象が違う。

 例えば、オリジナルで最もビビった女性の亡霊が暗闇から歩き出てくるシーン。不自然な歩き方で迫ってくるところ突然よろめいたりするのが非現実すぎて非常に怖かったのが、本作では同じ女性でも突然よろめくところでノイズを走らせ姿が歪む、という演出をかましてしまう。いかにもネット越しに出ましたよだ。説明的すぎるんだな。

 その他の亡霊が現れるシーンでは、オリジナルでは非常に地味で曖昧な描き方をしているが、本作ではやたら怪物のごとくハデでハッキリした存在として描いている。

 また、オリジナルではとにかく亡霊から逃げようだったところ、本作では魔界の正体はあるシステム上に存在するかのように描かれ、人間側も物理的にシステムにアクセスし対抗しようとする。テクノロジーで解決しようとするのだ。

 曖昧さを排除して、何かと暗闇から突然飛び出したり、いきなり効果音を響かせたりして、白黒はっきりした心臓に悪いノリはいつものアメリカンホラーである。山海塾みたいな悪霊は怖い形相をしたり過激に攻撃してきたりと判りやすい存在だ。非常に影のある映像は魅力だけど、肝心のところでお祭りになるのは残念。山海塾を一切出さない方がよかったと思う。

 劇場版よりも過激なシーンを復活させたアンレイテッド・バージョンであったが、劇場版を知らないので何がなんだかだ。山海塾が過激要素だとしたら、劇場版の方が出来がよかったのかもしれない。

 オリジナルを基準に観てしまうと、どうもマイナス要素しか浮かんでこない。この手は比較してあーだこーだ言っても意味が無さそうである。

 ここはひとつ、1本のハリウッド作品として観てみよう。雰囲気は出ている方なので結構楽しめると思いますよ。(←無責任?

 ところで今更だけど、本作は『ターミネーターX』にそっくりだ。しかも『ターミネーターX』は『回路』と製作年が2001年と一緒なのである。『ターミネーターX』とは一体なんだ!? どれだけ似ているのかそれぞれの映像を見比べてみよう。

上段:『パルス』
下段:『ターミネーターX』


 パソコンのモニタ。『パルス』では”幽霊に会いたいのかい?”と誘い、『ターミネーターX』では激しいデザインセンスで誘う。どちらも天国行きだぜ。



 上のサイトをクリックしたものだからこんな運命になってしまった。『パルス』では精気を吸い取られ、『ターミネーターX』では飛び出たケーブルが巻き付いて消滅。どーいうことだ。



 ついに正体を現したネット上のバケモノ。『パルス』では山海塾、『ターミネーターX』ではQuake4に出てきそうなメカ人間。どちらも上半身裸の白塗り。『回路』はスーツマンでなかったか。とにかく何か着た方がいいと思う。



 最終決戦。『パルス』では携帯電話のアンテナが表示される間は山海塾から攻撃を食らい続け、『ターミネーターX』では携帯機器を持っている間はどこにでも出現するビンボー臭いロボを相手にする。因みにロボットが動かないので自ら突っ込んでいきラリアットを食らう黒人。

そっくりですね。


© 2006 THE WEINSTEIN COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『パルス』/株式会社アートポート

© 2001 Tana 3000 Productions all rights reserved
【出典】『ターミネーターX』/トランスフォーマー

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2008年7月23日水曜日

映画『ソイレント・グリーン』 ・・・未来の加工食品がとんでもないことになっています

●原題:Soylent Green
●ジャンル:ドラマ/ミステリー/SF/スリラー
●上映時間:97min
●製作年:1973年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:リチャード・フライシャー
◆出演:チャールトン・ヘストン、エドワード・G・ロビンソン、その他大勢
◎評価:★★★★★★★☆☆☆

 ごっついトラックが前面に付いたパワーショベルで大量の人間すくい上げ、その前をチャールトン・ヘストンが逃げ惑うという強烈なイラスト。結構古いけど何かと耳にするSF映画。

【ストーリー】
 西暦2022年。地球は人口が爆発的に増加した上に温暖化が進み、極度の二極化と食料不足という最悪の状況を迎えていた。特権階級のみが贅沢な食材が得られ、一般人はソイレント社が開発した加工食品ソイレント・グリーンが配給されるのみ。
ある日、ソイレント社の重役が殺害される。事件を担当することになったソーン刑事は陰謀絡みの殺人事件であることを確信し、同居人の知恵袋のソル老人の協力を得て捜査に乗り出す・・・・・・。


ソイレント・グリーンの配給量を巡って大暴動が発生。パワーショベルで群集をかっさらっていくトラック登場。

【感想と雑談】
 かなり驚きの世界である。

 ハリイ・ハリスンというSF作家による作品『人間がいっぱい』をベースにしているそうなのだが、正に今現在ドンピシャな設定になってるのが凄い。当時は未来に対する警鐘も込められていたかと思うのだが、現在の環境汚染や格差問題が深刻になっている時代にはグサリとくる内容だ。

 いきなり西暦2022年という時代設定がリアルすぎる。科学の発展の代償として温暖化や公害化が進み、動植物も絶滅の危機に陥り、街には失業者が溢れかえっている・・・。現実が抱えている未来像と変わりはないじゃないか。ホントに2022年を迎えるとこれと同じことが起こりそうだ。

 本作は、刑事と老人が食糧難から開発された加工食品ソイレント・グリーンに関する陰謀を暴くまでが描かれる。これは食料品の偽装問題も先取りしてるのか?!

 チャールトン・ヘストン演じるソーン刑事と、エドワード・G・ロビンソン演じるソル老人は過酷な生活を強いられている。なんとかボロ家には住めているが、年中暑くて敵わんとグチを溢してばかりだ。しかし、まだ恵まれている。外に出れば玄関前の階段には大勢のホームレスが蹲っているのだ。大広場では加工食品のソイレント・グリーンが僅かずつ配給されている。とんでもない世界だ。因みにソイレント・グリーンは、緑色で四角形のプラスチック板みたいな形状をしている。ちっとも美味そうに見えない。

 捜査の為、犯行現場の屋敷に訪れたソーン刑事は、食料品や酒を漁り、袋に詰めて家に持ち帰る。警察の職権乱用だが、こんな時代マジメに捜査する方が不自然に見える。それほど深刻なのである。そしてその後、帰宅してからソル老人と至福の時を過ごすのだ。レタスやリンゴを本当に美味しそうに食べる2人。肉料理に至っては死にそうになるくらいだ。

 やがて貧困層による暴動が発生しソーン刑事は対応に追われることになる。出動するトラック部隊(パッケージイラストは完全釣りです)。その一方で、ソル老人は遂にソイレント・グリーンの驚愕の事実を知ることになるが、世の中に絶望したのか自らホームへと向かってしまう。ホームとは人口抑制の制度によって高齢者を安楽死させる施設のことだ。

 ホームでは薬物を投与され、ある式典の中で死を迎えることになる。この様子は目を見張るものがある。それはソル老人を囲むように、まだ美しかった頃の大自然の映像とクラシック音楽を流すという式典。この死と引き換えることで体験できる様はかなりの見せ場だ。

 ちなみにソル老人を演じたエドワード・G・ロビンソンは本作が遺作となったそうだ。なんとも感慨深い名シーンとなってしまった。

 駆け付けたソーン刑事は辛うじてソル老人からメッセージを受け取り、その後に遺体を積んだトラックに密かに便乗し処理場へと向う。そこでソーン刑事は驚愕の事実を目の当たりにするのだ。

 既にネタはバレバレになっているだろうし、肝心なクライマックスも昔風の淡々とした展開で盛上がりに欠けるし、画面の暗転も急激にやってくる。物足りない締めくくりに感じる。

 でもこの作品はそんなネタに及ぶまでに酷くなってしまった環境を、今現在に照らし合わせて観ることに価値があるのではないかと思う。嫌な未来像だけど、現実は近付いているから。

 そういえば、チャールトン・ヘストンも亡くなってしまった。昔のスペクタクル映画のヒーローといえばの存在だったけど、本作では等身大のややアンチヒーローな役を演じていた。


オープニングでは人類が長年犯してきた環境破壊の様子を短いカットの繰り返しで映していく。悲しいことに山手線の猛烈ラッシュの様子も挿入されているのだ。


ボロ家に住むソーン刑事とソル老人。2人とも顔や首筋に汗滲ませたりして、何も言わなくても暑苦しさが伝わってくる。ソル老人は自家発電のため自転車を漕ぎまくる。


犯行現場は特権階級の屋敷。クーラーが効いていて食料も酒も何でもあるぞ。でも一番身に染みるのはバスルームで好きなだけ水が浴びれることだ。


安楽死施設ホームでの壁一面に映し出される大自然の様子。それまで荒んで息苦しかったのとは正反対に透き通った美しい映像が流れまくる。感動。

© 1973 Supplementary Material Compliation
【出典】『ソイレン・トグリーン』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2008年7月22日火曜日

暑い夏はこの曲で乗り切りましょう♪ ・・・映画ではありません(笑

暑いですねー。
今年も猛暑のようで、既にヘロヘロです。
こういう時はなるべく涼しくなれるような音楽を聴きたいものですね。

自分にとって夏といえばCASIOPEAでしょうか。
最近ご無沙汰だったのですが、懐かしいので色々と聴きまくってます。
この中で特に夏らしい曲『HALLE』と『ときめき』なんてどうでしょうね。
涼しくなれるかは個人差ですけど(笑)。

オリジナルメンバの時と後期のメンバ交代後と、それぞれ魅力あって迷ってしまいますね。

皆さんも好きな曲を聴きまくって、暑い夏を乗り切りましょう!

<追記>
なんと後で知ったのですが、CASIOPEAは2006年に活動休止されたとのこと。
既に活動していないことを思うと寂しいような・・・。

『HALLE』・・・これはホントは野外ステージで聴きたいですね


『ときめき』・・・バブリーな頃なのでボディコンのお姉さんらが踊りまくってます(笑


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2008年7月21日月曜日

映画『恋のミニスカウエポン』 ・・・デヴォン青木が女子高生スパイなんだそうです

●原題:D.E.B.S.
●ジャンル:アクション/コメディ/ロマンス
●上映時間:91min
●製作年:2004年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンジェリカ・ロビンソン
◆出演:サラ・フォスター、ジョーダナ・ブリュースター、デヴォン青木、その他大勢
◎評価:★★★★★☆☆☆☆☆

 ふと目に止まったこの1本。女子高生版チャーリーズエンジェルとか紹介されている。4人もいるのか。ひょっとして見っけもんかもしれない。


ファミレスみたいなスパイ養成学校で、上司のミスター・Pを囲むDEBSのメンバー

【ストーリー】
 大学進学適正試験の裏の仕組みによって選定された優秀な人材はスパイ養成学校へと進学しプロの道へと進む。マックス、エイミー、ジャネット、ドミニクの4人もそんな優秀な人材としてDEBSの称号を与えられ日夜スパイ活動を行っている。
 ある日のこと、世界が震え上がる犯罪組織の黒幕ルーシー・ダイヤモンドが久々に帰国するとの情報が入る。どうやらKGBの殺し屋と密会するらしいのだ。上司から密会の目的を探るよう指令を受けた4人はチームを組み行動に移る。
 密会の場所はレストラン。天井からブランコでぶら下がり張り込みするチームはルーシーとKGBの登場に緊張する。実はルーシーは同性愛者との見合いにやってきただけだが、最終的にCIAやFBIも巻き込んでの大騒動が起きてしまう。
 逃げようとしたルーシーは偶然エイミーと対峙。お互い警戒し合うのだが、やがて敵同士の関係を越えた感情が芽生えるのであった・・・・・・。

【感想と雑談】
 ゆるゆるのスパイアクション映画。しかもちょっと珍しい部類。

 4人の女子高生もどきが、組織の集合寮で目覚めるところから始まるのだが、この辺グイグイ飛ばしまくる。マイケル・クラーク・ダンカン演じる上司がモニタ越しに”起きれ!”と怒鳴り散らかすと、ミーガン・グッド演じるリーダー格のマックスが慌てて仲間を起こしまくる(引用①)。サラ・フォスター演じるエイミー、ジル・リッチー演じるジャネット、そしてデヴォン青木演じるドミニク。・・・ん?デヴォン青木?デヴォン青木は、男子禁制の寮にやたら男を連れ込む男好きの役でもあるらしい。

 スーツを着込んだマイケル・クラーク・ダンカンがやたら出現しては消えていくという、おそらく転送装置を使ってる設定だと思うのだけど、必ず前後に風が吹くのが可笑しい。ひょっとして3Dホログラムってやつ??どーでもいいけど。

 ジョーダナ・ブリュースター演じる黒幕ルーシー・ダイヤモンドは、やや男性らしさを感じるキャラだ(引用②)。設定が同性愛者(レズ)である。帰国したのはKGBの女殺し屋と見合いをする為というのが、ちょっと他にはない要素だと思う。レズを題材にしているのだ。
ここでは残念ながら相性が合わなかったらしく見合いを断念するのだが、この時に騒動が起こる。

 見合い会場のレストランの天井からサーカス団よろしく空中ブランコに乗って張り込みするDEBS一行が自ら自爆し騒動を起こすのだ(引用③)。あ、DEBSとは、「Discipline, Energy, Beauty, and Strength」の略なのだそーだ。この時、一番右端のブランコにタバコを吸うデヴォン青木がいる。ヘビースモーカーの役でもあるらしい。

 捜査を続行し銀行強盗中のルーシーを突き止めたDEBS一行は、罠にはまり金庫に閉じ込められてしまう。こんな時でさえタバコを吸うデヴォン青木がいる。

 やたら、デヴォン青木が目に付くのだけど、話の中心は黒幕ルーシーとDEBSエイミーのラブストーリーである。エイミーも元彼とうまくいかずレズに目覚めるのだ。そして、お互い敵同士の関係を乗り越え結ばれていくのだ(引用④)。

 女流監督のアンジェラ・ロビンソン自身もレズであるらしく、同性愛者が自然なことを前向きにやろうとしている様子をアッケラカンと明るく楽しく描いている。なんだか当り前のことのようにも見えてくる。結構アチラでは評判らしいのだ。

 しかし、見合いの辺りから”んん?”となって、ついにはベッドインするくだりでは”@@?!”となってしまう。正直。しかもその後、デヴォン青木がトドメを刺す感じだし(違うか)。しかしまあ、微妙なんだけどもこういう作品もたまには良いかもしれない。

 女性同士の恋愛に興味のある方か、大勢でワイワイガヤガヤ派の方なら楽しめる作品だと思います。あとデヴォン青木ファンの方。

 ジョーダナ・ブリュースターなんだけど、黒々としていてデミ・ムーアを彷彿とさせますね。結構ファンの方みえるようだけど、自分はエイミー役のサラ・フォスターがいいかな(´ω`)。
 デヴォン青木は『デッドオアアライブ』では良い感じだったのに、本作ではイマイチな撮られ方してると思う。


①上司のお呼びがかかったぞ。リーダーのマックスが”早くすれー!”とエイミーを呼ぶ。こんな時でもデヴォン青木は右端でスモーキング。


②ジョーダナ・ブリュースター演じる黒幕ルーシー。眉毛がりりしくて男らしいですね。オーストラリアを何度か沈没させようとしたらしいです。なんで?


③レストランの天井からブランコでぶら下がってます。”DEBS 張り込み 20時”だそーです。こんな時でもデヴォン青木は右端でスモーキング。


④黒幕ルーシーとDEBSエイミーの禁断のラブシーン。女の子同士のキスはいいけど、男同士のは見たくないぞ。

© 2004 Screen Gems,Inc. All Rights Reserved
【出典】『恋のミニスカウエポン』/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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2008年7月20日日曜日

映画『ゾンビーノ』 ・・・キャリー=アン・モスがゾンビとラブラブなんだそうです

●原題:Fido
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ホラー/ロマンス
●上映時間:91min
●製作年:2006年
●製作国:カナダ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アンドリュー・カリー
◆出演:キャリー=アン・モス、クサン・レイ、ビリー・コノリー、ソーニャ・ベネット、その他大勢
◎評価:★★★★★★★☆☆☆

 ゾンビーノ。凄いタイトルだ(笑)。更に凄いのがゾンビ映画でなんとあのキャリー=アン・モスが出ていることなのだ。これは観なくてはいけないのだ。そうなのだ。


水遊びをするティミー(クサン・レイ)、ママ(キャリー=アン・モス)、ファイド(ゾンビ)

【ストーリー】
 宇宙から来襲してきた謎の放射能雲によって、地球上の死者がゾンビとして蘇ってしまう。人類は大量に攻めてくるゾンビに対抗する為ゾンビ戦争を開始。軍隊挙げてのゾンビ狩りをしまくる。やがて、大企業のゾムコン社がゾーンと呼ばれるゾンビ用隔離地区を設け、同時にゾンビを大人しくさせる首輪を開発し一部ゾンビの有効活用化を推進。ちょっとした仕事なら問題なくこなせるようになったゾンビらは一般家庭でも小間使いとして利用されるようになる。
 ある日のこと、少年ティミーの家にもゾンビがやって来るのだが、あるきっかけで近所の意地悪婆さんを食い殺してしまい、その影響で野良ゾンビが発生。町が混乱に巻き込まれてしまう・・・・・・。

【感想と雑談】
 古きよきアメリカの時代にゾンビが溢れていたらというファンタジー映画だね。

 ゾンビものといえば、現代から近未来にかけての絶望的な状況に陥った暗い世界を期待してしまうけど、本作は実に明るい(引用①)。人食いゾンビが溢れている訳だから、絶望的な状況に変わりはないのだけど、50年代風のレトロで鮮やかな背景にコメディ要素も加わって随分と悲惨な状況を和らげている。第二次世界大戦がゾンビ戦争であったならという空想科学映画でもあるけど、溢れかえったゾンビにビクつきながら生活したり、一様に管理される中で範囲を越えた者が排除されようとするのは、冷戦時代の脅威(旧ソ連)を暗喩にした古典SF映画へのオマージュになるのかな。

 町中を上下繋ぎを着たゾンビらが淡々と仕事をしているのがなんとも可笑しい。新聞配達ゾンビに牛乳配達ゾンビ、庭の手入れゾンビなどなど。ゾムコン首輪を付けていれば安心して共存できる世界なのだ(引用②)。ちなみに首輪を付けると体の腐敗が止まるそうだ。

 そんな町に住む主人公の少年ティミー一家にも、遂にパパの大反対を押し切って1体のゾンビが導入される。意外と優秀なゾンビはファイドと名付けられ、ティミーもママもゾッコンになる。しかし、パパだけはゾンビが苦手でゴルフ三昧に走る。パパもパパなりに家族のことを思っているのだが。一見幸せそうな家庭にも実は亀裂が入りまくっているリアルさ。

 その後、意地悪婆さんを食い殺したことでファイドはゾムコン社に回収され、町を危険に陥れたティミー家はゾムコン社にマークされる。

 それにしても、キャリー=アン・モス、良い感じでママ役を演じていたね。あのトリニティがママ役なのだ(´ω`)。空中キックは出さなかったけど、ここでもゾンビを撃ち倒したり車で轢いたりと、優しくて強い女性を演じているのだ。ありえないゾンビとのちょっとしたロマンスも微笑ましかったな(引用③)。

 ティミー役のクサン・レイもゾンビを親友にまで思う純真な少年役を好演していたと思う(引用④)。今後の活躍を期待したいところだけど、子役は大成しない法則が待ち構えているので頑張って欲しい。

 そういえば、ティミー家の隣人が使用するゾンビ娘のタミーがちょっと良かった。首輪を早く付けたので腐敗が進行していない綺麗なゾンビだ。隣人の元恋人というのが泣ける(引用⑤)。

 肝心の人食い描写だけど、従来のゾンビものと比べたら血肉の量は少ない。しかし、少ないながらも真剣にメイクなり演出をしているので、全体的なトーンからするとちょっとショッキングかもしれないので要注意。それくらいの緩急はあってもいいと思うのだけどね。

 最後はあるお方がゾンビとなって登場するのだが、そのあまりにもあっけらかんとした空気に笑えた。今後の平和継続を祈るばかりである(笑。

 ゾンビものでありながらどことなく上品で優しい風が吹いてるような作品。最近観るカナダ映画はこういうのが多い気がする。
(同じくカナダ映画の『スピーシーズX』と『スピーシーズXX』も悪くないですよ! とさり気なく宣伝 ^ω^)


①ゾムコン社の警備主任が町に越してきた。こんな明るくていい雰囲気の町が舞台なのです。稼動中のゾンビ5体。


②ゾムコン首輪があればどんなゾンビだってお役に立てるのだ。手前でミドリのオジサンをやってるのがゾンビ。首輪の赤ランプが消えると後ろの小学生ピーンチ。


③パパが相手してくれないものだから、ここぞとばかりにファイドとダンスを楽しむママ。パパなんか捨ててファイドと再婚しちゃえ。


④ファイドと仲良しになった少年ティミー。今日はちょっと遠くまでお散歩なのだ。しかし良い天気だ。この後、事件が起きたりする・・・。


⑤ゾンビ娘タミー。この後、元彼氏でもある主が大失言してしまい、えらく傷ついてしまう。大事にしてやれよな!ちなみに少年ティミーは彼女のことを「美人ゾンビだね♪」と言っていた。その発言は正しい。

<オマケ追加>
美人ゾンビのタミーを演じたソーニャ・ベネットさんです。ゴージャスです。


© 2006 ZomCon Motion Picture Division Inc. All rights reserved.
【出典】『ゾンビーノ』/株式会社ショウゲート

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